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改訂版投下用スレッド

199るみまんが七瀬 改訂版:2003/12/17(水) 21:14
里村茜は気がつけば、学校の教室にいた。
いつもの学校のいつもの教室。どうやら今は休み時間のようだ。
確か自分は鬼ごっこの最中で、落とし穴に落ちているはずだからこれは夢だ、と自覚する。
学校の夢を見るなんて随分珍しい、と思いつつ視線を横にやる。
すると、先ほどまで自分を追っていて、浩平の言を認め、鬼と認定した七瀬留美の机の上に大きな箱が乗っていた。
妙に興味をそそられて、七瀬の机まで行く。
七瀬が自分を認めて、こちらを向く。
「どうしたの、里村さん?」
「七瀬さん、これは何なのですか?」
「ああ、これ?」
七瀬は机に向き直ると、箱の蓋を開ける。
中から出て来たのは、青く、先のほうになるにつれ細くなっていく奇妙な物体。太い方にリボンが括りつけられている。それが2本。
「……何ですか、これ……」
怪訝な顔をして茜が訊くと、七瀬はカラリ、と笑ってツインテールに手をかけ。
がきり、と外し。

「新しいのよ」
と言うと。

がちん、と元あった場所にはめた。


倉田佐祐理は、何もない真っ白な地面と、一面に広がる青い空、そんな空間に佇んでいた。
「ここは……?」
呟いてあたりを見回す。すると、地面に影が差した。
上を見上げる。なんと、先ほど自分を引っ張り上げて穴に落ちた七瀬留美が飛んでいた。
ツインテールをくるくるとプロペラのように回転させて。
一瞬呆然としたあと、佐祐理は七瀬に呼びかけた。
「七瀬さんはなんで飛ぶんですかー?」
七瀬は何度か自分の周りを8の字に旋回した後、
「乙女だけどー」
と、要領を得ない返答が帰って来た。
すぐに七瀬はツインテールの回転を落とし、佐祐理の前に立つと、
「佐祐理さんも飛ぶ?」
と訊いてきた。
「え、飛べるんですか?」
思わず佐祐理は訊き返す。
「はい、これ」
かちゃん、とリボンごとツインテールを外すと佐祐理に差し出した。
「これをつけると飛べるわよ」
「は、はぁ……」
いまいち状況がつかめないままそれに手を伸ばす。
「どこまでもな」
その瞬間、妙に甲高い不気味な声がそのツインテールから聞こえる。
佐祐理はびっくりして、思わず手を引っ込めた。
「え、いらないの? 折角飛べるのに」
七瀬はツインテールを元あった場所に、かちゃんという音を立てて戻す。
「なんやっちゅーねん」
先ほどの声がはめ戻したツインテールから聞こえる。
(……ま、まさか……七瀬さんはアレに操られて!?)
嫌な予感がした佐祐理は、思わず叫んだ。
「七瀬さん! 助けます!」
振り向いた七瀬の頭から強引にツインテールを取り外す。
がきん、というさっきよりも幾分か鈍い音が聞こえてそれが外れた。
その瞬間。

七瀬の瞳から生気が消え。
ぱたり、と倒れた。


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