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改訂版投下用スレッド

194課題が見出される瞬間/4:2003/12/16(火) 15:04
(――――来る!)
 耕一は『感じ』た。
『何を』かはわからないが、『何か』を感じた。
 ――――実際のところ言えば、それは勝負への賭けに出たドリグラの『覚悟』をエルクゥの本能が感じ取ったわけだが――――
 それをロジックとして受け止められるほど、耕一の勘は鋭くなかった。
 しかし、それでもわかった。『決着の時』が来たことを。
(――勝負を決するのは……今! ここだ! ここしかないッ!!)
 確証のない確信。しかしそれは引き金を引くには十分すぎた。
「……ォォォォ………ぉおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!」
 一際高く、高すぎるほどの獣の咆吼。
 空気が泣き、川面が暴れ、崖が震え、森が叫ぶ。
 全ての生あるあるものが本能的な畏怖を感じるほどの底知れない咆吼。
 吠えたくる最後の声とともに……
「鬼の力全開! 100パーセント中の100パーセントぉ!!!」
 耕一の筋肉がさらに質量を増した。短時間の、だがしかし肉体限界を超える120パーセントの力。
 冗談抜きに音速の壁を破るほどの勢いで、一足にムツミへと迫る。

「まだ速く……!?」
 ここに来て初めてはっきりとムツミの表情が歪んだ。
 後ろの鬼はさらに一回り大きくなり、そして矛盾することに速度を上げた。
 まずい……このままでは、終わる!
「なら……! 力は抜かないよ!」
 くるりと空中で半回転。両手を迫る耕一の巨体に向かい、かざす。
「火神招来! 我が剣となれ! 土神招来! 我が盾となれ! はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
 両手それぞれ違う四神の力を収束、法力を全力解放。
「火の……術法!」
 空気を切り裂くように右腕を振り抜く。刹那、巨大な炎が耕一の身体に襲いかかる。
「土の……術法!!」
 貫くほどの勢いで左腕を川底に叩きつける。刹那、先ほど以上に巨大な岩盤が一枚岩となり、耕一を押しつぶさんとする。


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