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改訂版投下用スレッド

188水は何度でも還る(3)決定稿:2003/12/14(日) 00:46


「・・・と、言ったものの考え物だな。」
「えっ?」

走り出そうとしたまいかが立ち止まる。

「このまま走り出しても追いつくまい・・・さて。」
「だめなの?」
「ああ、あれから少なくとも10分以上経過している。
鬼はおろか御堂たちにも追いつけまい。何か策はないものか・・・」

そういってしばし考え込む。そして、

「そうか!下り、やつは確かに山を下っていった。それなら可能性はある!」
「え、え、どういうこと?」
「川だ、川さえあれば一気に山を下れる、そうすればあるいは。」
「あのひとたちにおいついて、れみぃおねぇちゃんにあえる?」
「ああ、逃げ手がその川に近づくかどうかも、そもそも川の方向にいるかもあやしいが、距離だけは確 実に稼げる、いけるさ、きっと再会も出来る。」
「うん、じゃあかわをさがそうっ!」

それに軽くうなづくと岩切は耳を澄ます。

(近くにあるなら流れの音がするはず・・・あってくれ、どこだ・・・)
「どこかなぁ〜」
(・・・ザ―――・・・むっ!これか!?・・・いや、ダメだ、反響のせいで正確な方向が・・・)
「ううん・・・」
(くっ、せっかく近くにあったというのに・・・)

「あっ、あっちだ!」

「・・・って、何ぃ??」
「うん、たぶんあっちだよ。」

そういうと呆然とする岩切に方向を示す。

「馬鹿者、勘でものを言うな。」
「うぅ・・・だってあっちにあるんだよぉ、うまくいえないけどわかるんだもん・・・」
(まさか・・・妖術の一種か?ならば・・・)
「よし、お前を信じよう。お前はただの幼女ではなかったな。」

岩切の考えは間違いではない。
まいかは水神(クスカミ)の力に目覚め、さらに先ほど力量を上げている。
水神のホームグラウンドたる川を察知するのは、そう難しいことではないのだ。

「またようじょっていわれた・・・」
「ああ、そうだ、川へ行く前にもしあの女がここを通った時のためのメモでも残しておこうか。」
「うん」

そういうと目に付くであろうトリモチのついた木に短刀で文字を刻み、
これから行くべき方向を示すメモを残す。

(他の鬼がこれを見たとしても追いつくのは決着後だろうし、これでいいだろう。)
「さぁ、走るぞ!]

岩切は片手でDの服の襟をつかみ、もう一方の手でまいかを抱えて走り出した。
ずがががが・・・Dを引きずって一路、川へ。


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