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改訂版投下用スレッド

185水は何度でも還る(1)改改訂版:2003/12/14(日) 00:30

場所は山腹の広場、幼い泣き声がこだまする。
「うぅ、ひっく、ひっく、でぃ〜こわいよぉ〜・・・」
「ええい、泣くな、すぐ出してやるから。」
トリモチで強く木に打ち付けられ、固定され気絶したDと、それに抱えられるまいか。
岩切は懸命にそのトリモチを除こうとしていた。
「くそっ、おのれ御堂・・・この借りは必ず返すぞ・・・」
恨み言を言いながらも作業は続くが、なかなか進まない。
「うぅ、れみぃおねぇちゃん・・・ひっく、どこいったのぉ・・・ぐすっ」
Dに抱えられている間は気付かなかったが、一度立ち止まった折、レミィの不在を知覚した。
その不安が木に縛り付けられた厳しい状況下で溢れ出してしまったのである。
「だから泣くな、やつも目標は同じなのだから追撃を再開すればきっと会える、な?」
さすがの岩切も泣き止まないまいかに対し、母性本能を発揮したのかやさしく接する。
「うぅ・・・、ほんとぉ?」
「ああ、だからさっさとこれを片付けないとな。
お前はDをどうにか起こしてくれ、そうすれば作業も早まるから。」
「ひっく、うん、がんばる。」
そういうとまいかは涙をこらえ、懸命にDを起こそうとする。が、Dは一向に目覚めそうに無かった。
 その間も作業を進める岩切だが、短刀をも絡めとるトリモチに対し、てこずってしまう。
「まずい、このままでは・・・。」
「ねぇ、でぃーおきてよぉー、ねぇー・・・うぅ、あっ、そうだ!」
 と、まいかの声が急に明るくなる。
「どうした?」
「うん、でぃーもおみずかければおきるよね?」
「むぅ、叩いても起きないのだから・・・いや、やってみろ、何もしないよりはましだ。
だが思いっきりやれ、そうでもなければ起きまい。」
「うんっ」


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