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改訂版投下用スレッド

177夢魔:2003/12/13(土) 18:31
 四日目も午後に入り、気温もだいぶ上がってきた。それは森の中とて例外ではない。
 セリオに率いられ、森の中をひた走る先回りA班の面々の額にもわずかに汗が浮かんでいる。
 隊列は当然先頭がナビゲーターのセリオ、続いて舞、レミィ、祐一、香里、香奈子、編集長、と基本的に体力に従った順でほぼ一直線に並んでいた。
 もっとも、セリオがナビゲーターとは言え、道で最後に聞いたエンジン音、そしてバイクの速度を計算してのやや心ともない予測に基づくものでしかないのだが。
「………………お待ちください」
 ひた走ること約十分ちょっと。鬱蒼と茂る森の中ほどで、不意にセリオは足を止めた。

「ふぅ、ふぅ……セリオ、どうしたの?」
 息を整えながらも、後ろから香里が声をかける。
「……着いた?」
 こちらはあまり疲れていないようだ。舞も訝しげな反応を示す。
「……いえ、まだ目的地には少々距離があります」
「ならどうしたんだ?」
「……音を。他の参加者の足音のような音を……感知しました」
「足音?」
「はい。なにぶんここは森の中。先ほどまでとは違い、音の反響が複雑。何より雑音が多いため正確な判別はつきませんが……
 ……人の歩行に近い間隔の音が、聞こえてきました」
「距離は?」
「申し訳ありません、そこまではわかりませんでした。ともかく、私が様子を見てきますので、皆さんはしばしここでお待ちを……」
 と言いながら、数歩、セリオが森の奥へと歩を進める。
 そこで、誰かの叫び声が聞こえてきた。

「チッ、自動人形風情がいい耳を! 一網打尽にしたかったんですが仕方ありません! 住井さん! やってください!」
「お、おうっ!」


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