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改訂版投下用スレッド

145奥義・フリオニール式戦闘術:2003/12/04(木) 12:59
 崖の間に漆黒の旋風が吹き乱れる。

 オンカミヤリューが始祖、ムツミ。
 地上最強の鬼、柏木耕一。

 常人では視認することすらできぬ動き。
 秒間数回の交錯。
 極限の戦いは互いに熾烈を極める一進一退の攻防へと至っていた。

(クッ!? さっきまでとは段違いの動きだ!)
 崖面を蹴りつつ、耕一は内心吐き捨てる。
(今は場所の有利さでこっちがアドバンテージを取ってるが……一度空に逃したらもう捕まえられない! ここで仕留める!)
 巧みにコースを選択、ムツミの頭上を潰すようにはね回る。
(短期決戦だ! 場所を変えられたら俺が不利!)

 一方のムツミも余裕綽々と言える状況ではなかった。
(……速い)
 予想以上の敵の実力に、普段は憮然とした態度を崩さない彼女も、多少なりとも憔悴していた。表情は変わってないけど。
(場所が悪いね。空に出れば逃げられるけど、下手に背中を見せたらその瞬間がかわせない)
 側面から耕一が飛んでくる。無理矢理身をひねり、翼すれすれの位置でいなす。
 が、さらに一瞬後反対側から飛んでくる。この繰り返しだった。
(空間転移……だめ。術が成功すれば確かに大丈夫だけど、法力を集中させてる間が無防備になる。だからだめ)
 崖の中腹でホバリングしつつ、360°全方位から襲い来る耕一をかわし続ける。この閉鎖的な空間では、天翔ける翼も十分な仕事を果たすことができなかった。
(なら……)


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