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改訂版投下用スレッド

139BATMAN/3:2003/11/19(水) 19:12
「ちょっと失礼」
 と思考がクライマックスに近づいたところで、突如ハウエンクアの眼前に人の顔が現れた。
「お兄さん、瞑想中悪いんだけど、手伝ってもらいたいことが……」
「わひゃぁあ〜!! おっ、おばけぇぇぇぇぇ〜〜〜!!」
 基本的に彼はビビリである。突然現れた人影に滑稽なほどの叫びを上げ、正しく脱兎のごとく逃げ出した。もうこれで逃げるのは何度目だろう。
「待っちなさい」
 が、人影はがっしとハウの奥襟を掴むと難なく引き寄せる。
「おわっ、たっ、たっ、たっ、お助けぇぇぇぇぇ! ぼぼぼぼぼ僕食べても美味しくありません! シャクコポル族で半分ウサギですし!」
「……兎鍋って結構好きなんだけどね」
「あひゃわはほぅ!? いいいいいいやいや違います違います違います! 半分ウサギと言ってもウサギそのものとはだいぶ違いまして!
 だいぶ大味になって余計な栄養素とかもたくさんありまして! 美味しくない上に身体に悪いというほとんどメリケンのチョコレートみたいな代物でして!
 ぼぼぼぼぼ僕を食べるくらいでしたらもっとええとこうエヴェンクルガとかオンカミヤリューなら程よく肉が締まって美味かと! 手羽先に似た味だって噂ですし!
 そ、そ、そ、そりゃもうどこぞのオールバックの美食家親父も唸る出来かと! ぼ、僕なんか出してもその放蕩息子にメタクソに言われちゃうってモンで……」

「シャラップ!」

「ひいっ!!?」
 人影の一喝。瞬間ハウは黙りこくる。
「落ちつきなさいこの獣耳属性! あたしは零号屋台の管理人。ショップ屋ねーちゃんとでも呼びなさい! おばちゃんとか言ったら殺スわよ!
 今あたしはちょっと困ってる! あなたはそこで暇そうにしていた! んであたしはあなたに手伝ってもらおうと声をかけた! オーケー!?
 だからあたしの頼みを聞きなさい! わかった!? ドゥー・ユー・アンダスタン!?」
「い、いや僕今色々忙しくて……」
「忙しい? 何してたっての。言ってみなさい。事情によっては解放してあげる」
「そ、その……ゴロゴロしたり、ウトウトしたり……」
「クイズ百人に聞きました! 問題!『ゴロゴロしたり、ウトウトしたりは忙しいと言えるのか?』 No:99人 はい却下! 着いて来なさい!」
 問答無用という言葉が相応しく、ねーちゃんはそのままハウを引きずって森の中へと戻っていった。
「お助けぇぇぇぇ〜……」


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