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改訂版投下用スレッド

123Shioly Brownie(5):2003/11/06(木) 19:40
「Power,ON!」
 とりあえず部屋の中の電源という電源全てをコンセントに繋ぎ、一際大きいサーバマシンに電気を通した後手近な一台のPowerボタンを押す。
 ブゥゥゥン……と鈍い起動音とともに、徐々に液晶モニタに光が満ちていく。
「なかなかいいモニタですね……余裕があったら帰り際、一枚貰っていきましょうか……」

「な、なるほど……そういうことか……」
 ようやくガラス片の戒めから抜け出た住井。ぐったりとした北川を肩に担ぎ、PCルームへと入ってきた。
「ええ、そうです……今の時代、ある程度大規模な施設を運営しようとしたらネットワークを組まなきゃやってられません。
 食品を仕入れる段階まで来ているのなら、確実にLANの設定もすんでいるはずです。さらにLANを組んだのならWANに繋がぬはずはない。
 インターネット。情報の混沌インターネット。今の時代は誰かに聞くまでもなく、WWW上に無数に翻訳サービスなど存在するのですよ」
 回転椅子に座ったまま勝ち誇る栞。そうこうしている間に、モニタにログインウィンドウが現れた。
「ユーザID……それに、パスワード……?」
 それを見た住井の顔が落胆に沈む。
「くっ……けどやはりセキュリティも万全か。思いつきはよかったけど、運営の方が一枚上手……」
「……フッ、まだまだですね住井さん。いいですか? 大抵この手のシステムは……」
 カタカタ、とキーボードを打ち込んでいく。
「ユーザID……guest……Password……無し……チッ、弾かれた。なら……」
 ピポ!
 最後に栞がリターンキーを押すとウィンドウは消え、十数秒後デスクトップ画面が現れた。
「やはりですか。まだまだセキュリティが甘いですねぇ秋子さん。ま、営業前のシステムにあまり大きな期待を寄せるのも酷といえるかもしれませんが」
「パスワード……知ってたのかい栞ちゃん? それとも君あれ? ハッカーってやつ?」
「…………フッ」
 住井に背中を向けたまま、栞は当然の疑問に答える。
「こういうシステムはですねぇ、本格起動する前ならIDは無くてもOKか、あってもせいぜい『guest』というところ。
 Passも無い場合も多いですし、それでなくとも大抵今回のように会社名、『tsurugiya』とかで済んでしまうものなんですよ。
 学校とかのセキュリティが根本的に甘いところなら起動した後もこんな状態が続いてることも多いですからね。中学時代、よくPCルームに忍び込んで勝手にネットサーフィンしたものです」
「はぁ、なるほど……」
 電脳機器に疎い住井としてはただ素直に頷くことしかできない。北川もコンピュータに関しては超一流の腕前を持っていたりする場合もあるが、それは別のところの北川である。第一今は死んでるし。
「さてと、それじゃ情報の海へ……DIVE!」
 デスクトップに存在するInternet Explorerのアイコンをダブルクリック。いざWWWへと飛び込む。

http://www.tsurugiya.co.jp


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