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【セ】彼方への郷愁【銀剣のステラナイツ】

4宍戸 香音:2018/10/18(木) 23:11:55

第六層、寂れた喫茶店の一角。
宍戸香音は一人、何をするでもなく、ただぼんやりと時を空費していた。
対面していた空のコーヒーカップは、今や綺麗に片付けられ。
テーブルの上には、飲みかけのオレンジジュースがあるばかり。

今も友達と呼んでくれたことは、とても嬉しかったけれど。
だからこそ、それを投げ捨てた自分が、心を締め付ける。
友達とか、信頼とか、そういったものを遠ざけるために、私は第六層に移ったのだから。
今の所、それは概ね上手く行っていると思う。問題があるとすれば―――

―――秒針が巡り、分針が巡る。鳩時計が啼き、氷が揺れる。
心臓の鼓動と、針の音が支配する中で、11時を告げる啼き声はあまりに大きく。
瞬き程止まりかけた心臓が、空白の時を取り返すべく、早鐘を打つ。

どうでもいいことに思索を巡らせていたせいで、現在時刻さえ忘れていたようだ。
これを飲み終わったら、もう帰ろう―――


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