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【セ】彼方への郷愁【銀剣のステラナイツ】

37有明 刃:2019/01/31(木) 23:06:44


――――――――学校に、カノンの姿が無かった。


彼女のクラスに顔を出せば(カノンのクラスメイトは「いつものこと」で済ませてくれる)、病欠だという。
……心配だった。
昨日の今日だ。
本当に病気でも――――そうでなくても。
だから早退して探した。
家にはいなかった。
だから色んな場所を探した。
探して、探して、探して――――――――

「(……ここ、か)」

あちこち走り回って、息が荒い。
肩で息をして、流れる汗を拭って。
視界の先で死者を悼む、カノンを見つける。
誰の墓かは……きっと、言うまでも無いのだろう。

――――彼女の視界の外で、しばらく待つ。
“家族との話”が済むまでは、そうしているつもりだった。
……踏み込むべきではない、と思った。
それを言ったら、最初から全てがそうなのかもしれないけど。
それでも――――人の花壇に土足で踏み入るのは、許されないことだ。

……くぅ、とお腹が鳴った。

「……お昼ご飯、まだだったな」

――――――――彼女は、どうなのかな。
ちゃんとご飯、食べたのかな。
……ちゃんとご飯、食べているのかな。


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