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【セ】彼方への郷愁【銀剣のステラナイツ】

32フゥ・フィウ・ユメライ:2018/12/11(火) 23:47:49

「照れくさい事を言うね、マクアくんは!
 このお返しに照れさせてあげたいんだけど、
 わたしもマクアくんがパートナーでよかったと思うんだ」

「わたしはマクアくんの海を知らない」

「マクアくんはわたしの草原を知らない」

マクアくんはわたしに弱さを見せてくれている。
それは、なにかたまらなく嬉しいことな気がした。

「それは――――すごく怖いよ」

「わたしはいつまでだって戦うけどさ」

「にせものの風に包まれ続けて、
 思い出がにせもので滲んできて。
 わたしもにせものになったら。
 わたしの世界は、どこにもなくなっちゃうんだ」

「すごく怖いよ」

何もかもにせものの世界でも、
わたしとマクアくんは本物だ。

・・・もしかすると、わたしとマクアくんだけが。

「でも、マクアくんは本物だから。
 マクアくんの傍にいたら、
 きっと……この風から守ってくれるから」

笑いながら、彼の前に跳び立った。

「それに、わたしも……マクアくんを最後まで、
 にせものの海に溺れさせたり、しないからさ!」

本物を知らない、けれど、にせものの海を背に。わたしは立っている。
だって、彼が悲しむ海なんて、そんなものは――――どこまでもにせものだ。


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