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【セ】彼方への郷愁【銀剣のステラナイツ】

24アレックス・グロース:2018/10/27(土) 02:26:35

「……本当に真逆だな、俺達は。」

華やかな絶望。密やかな希望。
これほど対象的な二人も、そうそうないだろう。
けれど、だからこそ決して互いを否定しあわず、尊重しなければならない。
俺達はパートナーで、互いに互いの願いを背負い合う関係なのだから。

そりゃあ、いつかは世界も滅びるだろう。けど、それがいつかはわからない。
人だって、いつかは必ず死ぬだろう。けど、それがいつかはわからない。
だからこそ、人は懸命に生きる。それは、俺の故郷も変わらない。
だが、しかし。それがクソッタレな怪物のせいだとするならば、これほど腹立たしい事もない。
当たり前に生きて、当たり前に死ぬ。そんな、当たり前の人生を思うことすらできないなんて―――俺には、許せない。
けれど、それはあくまで俺の都合で、俺の考え方だ。彼女のそれではないし、それを押し付けるのも良くない。
彼女には、彼女の考え方があり、彼女の都合があるのだ。
だから俺は『こういう考え方もないか?』くらいしか言わないし、言うべきじゃあない。

「永遠に語り継がれるってことは、つまり……語り継ぐ誰かが、存続し続けてるって事でもある。」
「俺と君の願いは、全く違うようで……得られる結果は、案外似てるのかもしれないな。」

永遠に残る、輝かしいものを残したい。それが、二人の願いの本質である。
ただ、残したいもの―――輝かしいと思えるものが、少しばかり違うだけ。
俺にとっては、それが平和な世界で。彼女にとっては、自分の残した芸術を語り継ぐ誰かである。それだけだ。
形は違えど、何かを残す事―――それを受け取る、他の誰かが存続する事を、二人とも望んでいる形になる。
なら、折り合いはいくらでも付けられる。

「ありがとう、お嬢さん。」
「肝心の戦いの場では、何もできなくなっちまうが……まあ、よろしく頼む。」

「まずは間近に迫るステラバトルからだな。ここで躓いていたら、それこそ願いを叶えるどころじゃあない。」
「……お互い、悔いを残さないように頑張ろう。」

ステラバトルの舞台において、シースは物言わぬ武具となる。
口を出す事も、体を張って盾になることも、俺はできない。
正直に言えば、歯痒い面もある。叶うことなら、彼女に代わって直接戦いたいというのが本音だ。
しかし、今更役割を交換できるわけでもない。なら、現状を直視した上で、出来る限りのことをしよう。
幸い彼女は華やかで、才能がある。本懐を果たすまでは、貪欲に生きようともするだろう。
願わくば、全てが終わったその先に―――何か希望を持つことができたなら、最高なのだが。


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