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【セ】彼方への郷愁【銀剣のステラナイツ】

21トワレカ・ヴァニア:2018/10/24(水) 23:50:55

「…………アレックスさんは、『それ以上』を望むの?」

つい、純粋な悲観論者が口を突いて出てしまった。
それ以上なんてあるの? それ以上を望んでいいの?

「アレックスさんは、……『その先』を…………」

芸術を生み出して、人の『記憶』に永遠に刻み込んで、
それで、それで――――その先、そんなものはあるのだろうか?
作品をたくさん作り出す事? それとも『広報活動』でもして、
あちこちにたくさん自分の銅像でも建てる事? 写真を残す事?

自分とは違う人間で、かけ離れた存在で、英雄だった。
自分と同じ夢を持っているとはもちろん思っていなかった。
だが、自分の『夢の先』を――――彼は、見ているというのだろうか?

それから――――集めた視線が彼には良くない物だと気づいた。

「……ああ、ごめんなさい。つい、熱くなってしまって。
 いや、心配ないよ。『芸術』について語らってるだけなんだ」

学内カフェの客はもちろんというわけでもないが『知人』達で、
怪訝そうな眼と好奇を向けられてしまうけど、私はそれでいい。

「どんな話かは今度……、今度教えてあげるよ。
 またここに来るから、その時はキミのお勧めの、
 コーヒーゼリーをお供に大いに語らおうじゃあないか」

格好悪いとかじゃなくて、『何をしているのか』という視線は、
自分という芸術を引き立たせる――――少し、『粗い』けれど。

「…………私達『ステラナイツ』の『夢』は、近い物らしいね」

ともかく言葉でかわして、知人たちを去らせ、
それからアレックス・グロースに向き直る。

「貴方の夢は、私に近い物なんだと、そういうことなんだよね。
 私は……『一つでも残したい』と思っているけれど、
 貴方は…………貴方の夢は『どういうもの』なんだろう。
 貴方はこの世界で、どんな『英雄譚』を生きようと言うんだろう」

「次は………………ねえ、貴方の事を聴かせてくれる番、だよね?」

彼まで目立たせて申し訳ない気持ちはあるけれど――――『答え』が欲しい。
正解が欲しいんじゃない。己の振るう武器になる彼は、『何を願い』『何を求める』?


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