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【セ】魔女の呪いのナンバーコール【アマデウス】
68
:
GM
:2016/04/13(水) 02:31:02
――――――――――――――――――――――――――――――
――――――ドゥアト。
_______
_-': : : : : : : : : : : ヽ、
,イ: : V:゛: : ¨ヽ: : : : : : : \
/: :γ__ミ: : : : : :\: : : : : : i
,イ: : / ̄ ̄\: : : : : : ヾ: : : : |
i{: : :j\ ,ゝ、: : : : : \: : |
V: j/ ` ´ \: : : : : :ヾ:i
∨i,ィ忿 怎アゝ、:_:_: : !
il∧ , |: :|_λ: :}! 「……おかしい」
|: :ヘ !: :i‐‐┐::、 「育て方間違えたかしら」
|i: : i:ヽ、 f_〉 /|: :|イ i: : ヘ
:! |: i: : :>┬ ,ィ´ |: :| ゝ、: :\
ムi : |-F ̄ij ハ |: :| _/  ̄ ̄¨ヽ
i !: :i〈 / L_j,,. \ji: |/ .:´ i
,' i!: :| ∨ i / |: :| ,ィ |
/ .!: :! l / i : | /.'゚ ',
/ ,!: :| Oj ,i O {: :|_〃 '
/ / i: :| ̄  ̄ ̄i: :i/ / :
| 〈 i: :ゝO ::... O jヘ{ / ,'
| ゝ从Y,x-‐…―‐- {,ィ /i
,ィ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ >、/^ヽ、ヘ ´⌒ i /: |
i >、 ヽ \〉ヾ i/: : :|
{ \_〉┘ ´ |: : : :|
__ {\( / x≦___!_
r'^ヾ\ ゝ、: : ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∧:く て { `ヽ
. } ≧\ン'´/ : : : : : : : : :│ ! : :`:ヽ、!
| フ,/ : /: : :│ : : : 卜、 し' : : : : : : \
} Ⅳ: .: : : .: :ト、{: : : : :├-\: : : : : : \ : ヽ.─‐‐ - __
ヽ,′: : : : ; :| ヽ: : : : :| ヽ: : : : : : : rヘ! : : : : : : : : : : `ヽ
ノ! : : : : / Vー'^、\: : :| ,ィ≠ミx、: : : :{ ̄``ヽ : : : : : : : : : \
. /从: :l: : :! x≠ミヽ \ |イんハ丿V人:八  ̄\: : : : : : ヽ
/ l/l: : |: : Y´んハ` Vrう リハ: : :\__ \: : : : : .'.
/: : 人: :{: : {ヽ Vrう ´¨ rゥⅥ :ヽ: ヽ`ヽ ヽ : : : : l 「え、気づいてなかったのかニャ?」
,': : : : :/ヽ人:≧ ´¨ ’ '""´ rソノ`Y: } : | ヽ : : :|
/: : : : / ∨ハ '""´ ノ~´ 川リ: :! | : : :| 「舐めたクチきいてんじゃないわよ痴女猫」>セルケト
. /: : : : / V:小、 '⌒ / l|: ノV }: : : !
/: : : : / ∨: : >、 _ イ_.. -‐イ⌒ く ,': : : ′ 「うわぁ理不尽だにゃー」
/ : : : / ヽ、 : : `V^ミ ー ´ 八 │ ヽ / : : /
′: : : { /⌒ヽ: :}、 \/ノ└--、| 丶 / : : /
l : : : : | │ }ハj\ イ乂<二つノ| ヽ /: :/
| : : : : | | ヽト 〃ハ、 `ヽ\│ / / : /
| : : : : | | ヽト {{ { }| `ヽヽ /\/ : /
|: : : : リ | `ソ| ゝ.し小 | l \/ ヽ/
. 从 : : { | | | | Lj !
――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――シーンエンド
69
:
GM
:2016/04/13(水) 23:19:04
サイクル1
冒険フェイズ2
シーンプレイヤー:間ヶ部 蓮
運命の輪:黒0/0Lv 赤0/0Lv 青1/1Lv 緑1/1Lv 白1/1Lv
――――――――――――――――――――――――――――――
――――――さて。
ところは河川敷。時間帯は陽が傾き始めたころ。
偉大なりし炎の神格、クトゥガの子である蓮の前では――――
カキィーン
バシッ ヒュッ
リリースオセェゾー
アァーイ
…………草野球の練習が繰り広げられていた。
平和だ。
ものすごく普通の、ものすごく牧羊的な光景である。
70
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/13(水) 23:24:50
主藤がSANチェックを強いていたころ、私は街の調査などに出向いていたわけだが、収穫はこれと言ってなかった。
こうなるとあっちが暇になるまでこっちもやる事がなくなるわけだ。
という事で、絶賛河川敷の芝生に腰かけて、自販機で売ってるペットボトルのコーラ片手に草野球の練習を眺めていたのである。
―――平和だ。何も言わなければ、神話災害の魔の手が忍び寄っているなどとは思えないほど平和だ。
71
:
大船 数多
:2016/04/13(水) 23:50:06
、 ___
ム、 |ニヽ/ニニニ/
_ _{ニニ≧ニニニニニニ==、 _,
、_ ∠ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ<__
|ニ≧-'ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヾ
ヾニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ≧
xニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニゝ
/ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ/´
{シ´ムニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\
jニニニニr=ヽニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ
!ニニニニl f jムニニニニニニニニニニニニニニニニニゝ`
ヾマニニム ーtシニニニニ/!/\ !シニニニニニニニニ>
>ヾ! l !シ ヾ!/_ヽヽ {ニニニニニ! ̄
r 、_ / u l lシ ノヾニニ!}シ
/////≧x ∵` { lシ ``
ノ/////////≧、 γ ヽ .ノ
///////////////) .〉、 ヽ ' ` ´
/-一ー 、///////メf/// >'′
/x≦//≧、 ヽ、///∧//´
////////////>、 Y////
,/r--、//////////ヽ l///|!
i ' r- 、 ` ヽ、///////l l///l!
| / `ヽ |///////j |///|!
j! 〉 l///////! ゞ//|!
! / ////////l  ̄/
大きなため息が耳に届く。
河川敷の道路を歩いているのは、朝に見かけた例の少年。
直射日光を至近距離で浴び続けたような表情をしている。
72
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/14(木) 00:04:09
「―――ん?」
黄昏時に溜息とは、また縁起の良くない話だ。
まあ私はあんまり縁起担がない人だけど。
ともあれ、振り向いてみる。
「あれ、今朝の少年じゃん。」
「今朝はありがとうねー。」
ひらひらと手を振ってみる。
「それで、どしたの? 今朝は今にも泣きだしそうな顔だったし―――
「―――今は今で、十歩くらい歩いたら倒れそうな顔してるけど。」
決断的に交流判定だ。
diceBot : (1D6+1) → 6[6]+1 → 7
どういう……事だ……? ともあれなんかスペシャルで成功しちゃったのでちょっと両思いになろうか。
とりあえず感情は流れ見てから決めたいんですがダメですかね。
73
:
大船 数多
:2016/04/14(木) 00:18:01
「あ、どうも……」
(ああ、まともな人だ……)
雪原に暖房機を見つけたかのように近寄ってくる。
「いや、ちょっと……学校しんどくて」
「あの、『カカオ』? には、行けましたか」
尋ねた割りに、さして気にもしていない様子だが……。
74
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/14(木) 00:35:18
「そっか。学校しんどいか。そう言う事も一度や二度はあるよね。」
「で、そういう時に限って周りからがんばれがんばれって言われて、それでホントは嫌だけど無理しちゃって―――」
「―――で、つもりつもってばたんきゅー。良くある話だけど、当人にしてみりゃたまったもんじゃないわよねー。」
とりあえずそれっぽい事をつらつら喋ってみる。
まあ、実際どこにでもある話だ。
本当はしんどいのに、周りの都合で無理してなんとかルーチンワークを回そうとする。
ルーチンワークと割り切っているから、周囲と馴染む事もない。
何しろ周囲は背景の書割に過ぎないのだから。
「うん、行けた行けた。向こうも気にしてなかったし、ホント助かったよ。」
75
:
大船 数多
:2016/04/14(木) 00:47:44
「そう、ですか。それは、」
それはよかった、と。本当ならば続いたのだろう。
言葉を止めた数多少年は、じっと間ヶ部の日本人離れした風体を見ている。
警戒と、そして興味の入り混じった目だ。
「あの……何してる人、なんですか」
社会人……少なくとも、日本でいうところの会社員のような相手には見えなかった。
目立つ風貌、ラフな服。あの通学の時間、それで出歩くというのは。
或いはノマドワーカーという働き方もあるが、まあ、中学生にその答えは辿り着けまい。
ルーチンの『外側』。それを微かに期待している。
「有名人……とか?」
76
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/14(木) 00:59:46
「ちょい古い言葉になるけど、日本語だと高等遊民ってのが一番近いかな。」
「日がな一日ぶらぶらしてて、なんとなく気が向いたら別の場所に行く……って感じ。」
「昨日まではエジプトに居たのよねー。おかげで日本が涼しい涼しい。ほら、これスフィンクスの写真。」
ポラロイドカメラで撮影した、ギザのスフィンクスの写真を見せる。
デジカメなどがあるこのご時世にポラロイドカメラと言うのはどうなんだろうか。
いや、これはこれで風情があるのだが。
77
:
大船 数多
:2016/04/14(木) 01:03:48
「高等ゆーみん……!」
言葉の響きで、なんとなく優雅そうなのを理解したらしい。
「じゃ、じゃあ……この町には、何をしに?」
スフィンクスの写真―――今度は興味深げに眺めている。
78
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/14(木) 01:27:45
「ん? 久々に日本のご飯が食べたくなったからよ。」
「エジプト行ったのも、なんとなくピラミッドとか見に行きたくなったからだしね。」
なんとも優雅に人生を満喫しているようだ。
割とテキトーに生きても人生なんとかなる程度には有能なのである。
まあ、その辺は大船は知らないわけだが。
「欲しいならあげるわ、それ。今朝のお礼もしときたいしね。」
にこにこ。
79
:
大船 数多
:2016/04/14(木) 01:44:40
「うぇっ!? い、いや、いいです……そこまでは」
ただ道を教えただけだ。
礼がほしかったわけではないし、気も引ける。
「……じゃ、じゃあ。旅行、楽しんでくださいね」
少年は、去ろうとしている…。
ルーチンの外側なんて、そう簡単には手に入るものではない……そう、自身を納得させたようだ。
80
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/14(木) 01:53:26
「そう? ならいいけど。」
別にそんな無理して渡そうって気もなかったので、素直に引き下がろう。
まあ、良い子は知らない人から物をもらわないものだ。
たとえ写真とかでもね。
「ええ。しばらくはこの街にいるつもりだから、見かけたら遠慮なく声掛けて頂戴。」
「それと、たまには息抜きした方が良いわよ。四六時中気を張ってたら、ホントに潰れちゃうから。」
特に引き止める事もなく、普通に見送ろう。
そもそもここで会った事自体イレギュラーだったしね。
って言うか主藤の方は何をやってたんだろうか。
任せてって強弁するからその通りにしたはずなんだけど―――
81
:
大船 数多
:2016/04/14(木) 02:02:15
「あ、はい。ありがとうございます」
頭を軽く下げ、その場を後にする―――
82
:
大船 数多
:2016/04/14(木) 02:08:18
diceBot : (1D6) → 6 大切(+)/面倒(-)
単純にいいヒトだなぁ、と思ったのだ。
83
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/14(木) 02:14:12
「―――さて、と。」
「あ、もしもし? 私私―――」
立ち去ったのを確認してから、スマートフォンで通話を始める。
沈む太陽を、眺めながら。
感情:興味(+)/無関心(-)
ふとしたはずみで失われてしまうような、そんな危うい感情である。
84
:
GM
:2016/04/14(木) 02:15:08
――――――――――シーンエンド
85
:
GM
:2016/04/14(木) 02:37:41
サイクル1
冒険フェイズ3
シーンプレイヤー:大船 数多
運命の輪:黒0/0Lv 赤0/0Lv 青1/1Lv 緑1/1Lv 白1/1Lv
――――――――――――――――――――――――――――――
――――――さて。
恐るべき侵略者の登場や、謎のお姉さんとの邂逅。
妙なことも色々とあったが……数多は、どうにか家に帰ってくることができた。
随分長い下校だった気がする。具体的には2シーン分ぐらい。
ともあれ君が家の戸を開ければ……
へ __ ノL.へ / ̄\
.r/:::::::::`''<:::::::: ̄ミx、:::::ヽ | あ |
ノ7::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ、:::ヽ::::::'. _| . ら |
/::::{:::::::::::::::::::::丶:::::::::::::::::、::::ヽ:::::, \_/
/:::: ハ:::i::::::::::}、::::::::`:、::::::::、:::::、::::,:::::,
/  ̄\ |::: /-Ⅵ::::、:::i ̄T=-::::::::: ,::::::≧=-:,
./ お | .∧/::l .}ヘ:{Ⅵ ヾ`\::'.:::::::}:::::乂 ::::::,
か | 7::::::l-x、 斗z=-x `'.:::/----≧: i
| .え | /-へ:}_抖 之rン .}/' V::::::∧|
| り | {" ′ " ノ::::::/
|. な | 、 t -, /ア i::::::::;′
| さ | ̄ \ }' .|∧::{
い / ー‐┬ __L, Ⅵ
、_/ />'":.:.:.:.:.:.:.:.`{
ィア/:.:.:.:.斗‐- ._:.`(ユ二L__
/ /イ:.:,,'"‐-、  ̄廴 /
仏. イ ∧  ̄
.// ノ { ∧
/ / / ' | ∧
/ 厶''" i .| ̄`
――――今日も変わらず、母が迎えてくれる。
86
:
大船 数多
:2016/04/14(木) 02:54:44
「ただいま……」
ひどく長い帰り道だったような気がする……
いつもなら何も考えずに辿り着くはずの家が。
「……お刺身?」
自室へ向かいつつ、台所を覗き込む。
夜飯が始まるまでは、宿題と予習に当てることにしている。
87
:
GM
:2016/04/14(木) 03:11:00
「ええ、お刺身と、お味噌汁と、それと里芋の煮っ転がしね」
柔らかい笑みを浮かべながら、キミに言葉を返す母。
料理の腕は絶品……というわけではないが、それでも、暖かな家庭の味がある。
「そうそう、少ししたらお使いをお願いしたいんだけど、いいかしら?」
「吉田さんが新しいテレビを買ったみたいで……」
「数多、自分の部屋にテレビが欲しいって言ってたでしょう? 譲ってくれるそうだから、取りに行かないと」
吉田さんというのは、近所に住む主婦のことだ。
彼女も町の外から引っ越してきた口であり、母の数少ない友人である。
……母子家庭で、島育ち。母も母なりに、この地にうまく馴染めずにいるようで。
それでもひとつの弱音も吐かず、毎日ひたむきに母たらんとしている。
そういうところが、大船灯の美徳であった。
「母さんも一緒に行くから、テレビを持ってほしいの」
「お願いできるかしら?」
88
:
佐香月 岱然
:2016/04/14(木) 03:31:53
「さといも……」
あまり好きじゃないのを、母は知っているはずだ。
ねっとりと口の中に残る淡白な味の旨みを分かる子どもは多くはない。
朝の一件といい、優しいけれど甘い人じゃあない。
「えぇー、一人じゃ持てないよ……」
『持ちたくない』、が正直なところだ。
一応とはいえ運動部に所属しているし、身体はもう中学生だ。
島育ちの人間は、体が強い。母が丈夫な子に産んでくれた、というのももちろんあるだろう。
「持ってきてもらおうよ、それくらい……」
不満を垂れる顔は、外で見せていたような物静かな少年ではない。
89
:
GM
:2016/04/14(木) 03:44:34
「ダメよ、好き嫌いしちゃ」
クスクス笑いながら、釘を刺すように。
もう中学生になったんだから、いつまでも好き嫌いしてちゃダメよ……なんて、いつも言われていることだ。
「あら、母さんも持てないし、吉田さんにも持てないわよ」
「『それくらい』なんだから、数多が持ってちょうだいな」
「自転車の荷台に乗せていってもいいから、ね?」
……やはり、口では勝てそうにない。
こういうところは、強かな人だ。
90
:
大船 数多
:2016/04/14(木) 04:00:14
「…………」
『わかった』、を言わないのは、せめてもの維持だ。
自分で言った『それくらい』を覆すことはできない。
諦めて、自室のドアノブに手をかけ―――
「……、そう言えば、お母さん」
思い出して、ぴたり、と止める。
「今日、クラスの子に、僕の『お父さんを知ってる』って子がいたんだけど……」
それは、ずっと心の中に封じていた問いだった。
あの子に出会わなければ、留められていたままだっただろう。
尋ねてはいけない、だなんて思っていたわけではない。
母の顔色をうかがう敏さはあるが、彼女がこの質問をして嫌がったことは一度もない。
ただ、いつ尋ねてもはぐらかされるか、子どもの頃のように『海の神様』だなんて作り話をされて終わりというだけだ。
父親がいない。
そのことを、例えば揶揄する同年代の子どもは、多少はいたのかもしれない。
けれども、良くも悪くも閉じられた島の社会が、それを許さなかった。
だから、自分も次第にそのことを気にしなくなっていったのだろう。
そうやっているうちに、どうしても知りたいものではなくなっていって。
母がいるだけで十分だと、自分自身を納得させていたのだ。
「―――結局、僕のお父さんって、」
けれど、もしかしたら。
もしかしたら、今日は、違う答えが。
そう思う子どもながらの好奇心が、もう一度ふたを開けさせた、ということだろう。
91
:
GM
:2016/04/14(木) 04:08:53
「ひと段落したら呼ぶから、よろしくね」
黙って去っていく息子の背に、揚々と勝利宣言を返し。
だが。
しかし。
ぴたりと止まった、息子の言葉――――
>「今日、クラスの子に、僕の『お父さんを知ってる』って子がいたんだけど……」
「え――――――――――」
ガシャンッ
「きゃっ!」
母が手に持っていたコップを落とし、床に落ちたコップが割れてガラスの破片になる。
「や、やだ、もう、ちょっと待ってね。すぐ片付けるから……」
慌てて母が破片を片付ける。
――――明らかに、動揺した風情。
「……………………………」
…………その手を、しばし止めた。
「…………………………お父さんのこと……聞きたい、わよね」
「数多ももう、14歳だもの」
「本当に、大きくなって……少し前まで、私の腕の中でお乳を飲んでいたのに」
「………………」
俯く。
「……数多。あなたの、お父さんは」
――――その肩は、震えていて。
92
:
大船 数多
:2016/04/14(木) 04:54:29
「…………お母さん?」
チリ、と胃の底の方で何かが灼ける感覚がする。
知っている。
海が荒れる前の感覚だ。
交流判定(愛情:B+) diceBot : (2D6) → 4[1,3] → 4
1をムードダイスへ。黒インガを1つ取得。
3(+1=4)を判定に使用。
「……、…………ぁ」
耳の奥が痛い。
鼓でも貼ったかのように、母の声が遠くに聞こえる。
胸は熱い。けれども、四肢の先は冷たく、
ああ、知っている。
僕 は、 今、 海の中 に、
バ シュゥ ウ ウウウ ウウ ――――ッ ! ! ! ! !
蛇口から勢いよく水道水が噴出し、床やら戸棚やらに降りかかる。
壊れた……ように、見えるだろう。
話どころではない。どうにかして水を止め、辺りを拭いて、修理業者に連絡を取らなくては。
93
:
GM
:2016/04/14(木) 05:01:42
「あなたの、お父さんは―――――――」
> バ シュゥ ウ ウウウ ウウ ――――ッ ! ! ! ! !
「きゃっ!?」
話を遮る、『蛇口の故障』。
急なできごとだ。母も思わずへたり込む。
「た、大変、業者さん呼ばないと……!」
「数多、電話で業者さん呼んできてちょうだい!」
「母さんはどうにかこっちを抑えとくから……!」
てんやわんや。
もはや話どころではない。
当然、テレビどころでもないだろう。期せずして労働から逃れられたことになる。
だが……きっと、数多の心に喜びは無いのだろう。
なにか、心の中に、暗く淀んだ、深海のような、なにかが…………
――――結局お刺身はダメになってしまって、その日は外食した。
――――――――――シーンエンド
94
:
GM
:2016/04/15(金) 00:15:13
――――――――――『1サイクル経過』により、マスターシーン『魔女の呪い』が発生します。
95
:
GM
:2016/04/15(金) 00:19:34
サイクル1
冒険フェイズ4
シーンプレイヤー:大船 数多
運命の輪:黒1/1Lv 赤0/0Lv 青1/1Lv 緑1/1Lv 白1/1Lv
――――――――――――――――――――――――――――――
―――――それから、一日が経過した。
数多は今日も朝起きて、母に弱音を吐きつつ登校し、謎の侵略者の存在に日常を脅かされつつ、下校にまでこぎ着けた。
カキィーン
バシッ ヒュッ
リリースオセェゾー
アァーイ
草野球は今日も絶好調。
河川敷の光景は、昨日と何も変わらずに広がっている……
96
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/15(金) 00:26:56
結局のところ、街をふらついているだけではどうにもならない。
つまりは、関係者を詳しく調べるべきなのだろうが―――
―――正直な所、学校に赴くのは悪手だ。第一、二度手間である。
と言うか今更学校に通えるような年でもないし、勉強教えるとか面倒だし。
つまり、そう。こうしてダラダラしているのにも一定の意味はあるのである。
ターゲットはいつもこの辺を通りかかるのだ。
学校についてはどうも重荷に感じてるようだし、こっちは適度に息抜きさせつつ、自分から喋ってもらうのが良いだろう。
という訳で、今日も呑気に草野球の練習を観戦中である。お、中々良い球投げるね。
97
:
大船 数多
:2016/04/15(金) 00:32:37
家に帰る足取りは重い。
「…………帰りにくい、なぁ」
昨日は、今までのようにはぐらかされなかった。
それは期待していた反応でもあったけれど、
いざ知る段階になると、とたんに不安が沸いて出てきた。
思いつめたような母の顔。
……知ってしまえば、もう今までの日常には戻ってこられない類の秘密ではないだろうか。
漠然と、そんな予感が過ぎったからだ。
そういうわけで、日が暮れるまではこの辺りで時間を潰そうと思い至った次第である。
「………、あ」
間ヶ部の姿を見て、とぼとぼと近寄ってきた。
当初の警戒心は、もうどこかに消えてなくなってしまったらしい。
98
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/15(金) 00:56:03
まあ、普通に近づいてくるなら普通に気付くだろう。
何気なく振り向いて、普通に声をかける。
「や、少年。今日はどしたの? なんか、いつにもまして難しい顔してるけど。」
顔と言うものは、言葉以上に雄弁に内面を語る。
どうにも彼の精神状態は、今一つ健康的じゃないらしい。
前に会った時も、色々しんどいとか言ってたし……
何と言うか、あまり好ましい状態じゃないようだ。
こういう時普通は身近にいる奴がなんとかするのが筋だと思うんだけど……
今の主藤にこう言うの任せるのはよくないわね(確信)。
カウンセリングとか専門外だけど、話聞くだけ聞いてみるかな。
99
:
大船 数多
:2016/04/15(金) 01:10:18
「いや、えっと……家もしんどくて」
居場所がなくて悩んでいるようだ。
思春期。モラトリアム。そういう感じのなんかだ。
そのまま間ヶ部の隣に腰を下ろす。
通りすがりに挨拶、という程度の気持ちではないようだ。
「……お姉さん、色んなとこ旅してるって言ってたけど」
「……寂しくなったり、しないんですか?」
唐突に、そんなことを尋ねる。
「あ、えっと……家とか、親とずっと離れてて、なんていうか、えっと…………スミマセン」
上手く言えずに言葉を捜しているようだったが、
どうも見つからなかったようで、なぜか早口で謝られたぞ。
気が強いほうではないようだ。
100
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/15(金) 01:33:35
「そっか。学校だけじゃなくて、家までしんどいか。」
つまり、四六時中気が抜けないわけだ。
そりゃストレスもたまるし、眉間にしわもよる。
「んー、特に感じた事はないかな。」
「マムとはよく電話してるし、なんとなく顔を合わせたくなったら会いに行ってるし。」
と言うか、結構心配性なのよね、マム。
実際問題、家庭内の問題に関してはあまり助言できることが無かったりする。
マムはマムで問題は燃やせば解決するとか言い出すし。
「それでも寂しくなったら、友達とか作れば良いだけだしね。」
「プールバーで知らない人とビリヤードで遊ぶのとか、結構楽しいわよ?」
やろうと思ってできるかどうかは大いに個人差があるが。
101
:
大船 数多
:2016/04/15(金) 23:28:54
「友達……知らない人と、ですか」
いまいちぴんと来ないようだ。
まあ、パッとしない少年だ。友達が多いようには見えないだろう。
「……僕、父親がいないんです」
「別に、いなくて困ったこと、ないんですけど」
膝を抱える手を寄せる。
「でも……」
「何してた人なのか、今どこにいるのか、もういないのか」
「どうしていなくなったのか」
「ずっと気になってて、昨日お母さんに聞いたんです。
けど……いざ知るってなると、怖くなっちゃって、……」
「すいません、会ったばかりの人に、こんな」
気を許したのか、自分の事情を語り始めた。
どうも面倒くさい少年らしい。意気地無しな心根も、そしてその置かれている環境もだ。
102
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/17(日) 22:56:14
「どんなに仲のいい人だって、最初は初対面よ。」
「君だって、ついこの間まで初対面だった私と、今こうして普通に会話してるじゃない? それと一緒。」
要は、周囲と壁を作ってる内は友達なんてできないぞ、と。
そういう事を言いたいらしい。
「―――そっか。」
実の所、こう言う事例は珍しい事ではない。
何しろ、君のお父さん(お母さん)は神様なんですよとか実際言われたところで、イタい人にしか見えないわけで。
子供の頃こそ素直に受け入れられても、大人になれば受け入れるのが難しくなってしまう。
だからこそ、本当に幼少時から親神と接していない限り、大半はなんとなく勘違いしたまま育つのだ。
行方知れずだとか、死んだとか。あとは絶縁とか。そんな常識的な別離であろう、と。
「で、結局どうすればいいのか判んなくなって、気まずくて顔も合わせ辛いと。」
「お母さんと仲がいいと、逆に言い出せないよね、そういうの。嫌われるかも……とか、傷付けちゃうかも……とか思ってさ。」
「あー、気にしない気にしない。若い子がそんな恐縮しちゃダメダメ。」
103
:
大船 数多
:2016/04/17(日) 23:59:49
「……はい」
間ヶ部の言葉に、何度もうなずく。
理解も共感も出来る。そうあればいいな、と心の底から思う。
ただ、自分がそれを出来るか、となると、難しいものだ。
特に思春期真っ盛りの少年にとっては。
「昔は、『あなたのお父さんは海の神様だったのよ』だなんて、はぐらかされたんですけどね」
力なく笑う。
104
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/18(月) 00:17:27
「―――ねえ。」
. ・ .・ .・ .・
「もし、それが本当の事だって言ったら―――どうする?」
おもむろに立ち上がる。
ちょうど目の端で、太陽が完全に沈みきったところだ。
夜の闇には魔物が住まう。
それはこの世で最も浸透した概念―――即ち、“物語”である。
105
:
GM
:2016/04/18(月) 00:41:04
.,イ,イ .,イ
ト、 ,イレ レ /ム―7
ヽ」 // //''''''7/
// /' // ,イ,イ ,イ
// // レレ //
/' ,/' /'
――――――悪寒。
__ 、ヽ
. ,. </////> 、
. ,.イ/////////////,>、
. ///////////////////ゝ、
. ノ//////////////////////ト、
///////////////////////∧
. イ'////////////Vヾ``∨///,リト、
. l/////ハ'lV{∨ハヾl,.イ ア'}////ソ
. /l////l jハ ̄ヾl` ノ//,小 「――――それは、忌々しくて腹が立つことさ」
'lV//ハ イ ア :, ノ///,{
ヾ∨ハ. ヽ ' ハ/!;ヘ 「とても――――そう、とてもね」
`)/\ ‐ / ト、
ノV/ハ>┬‐- ',!ヽ
_,.--‐={l ! '=‐- 、
. ,. ヾ二二', > 、 / _'二ニl` 、
r 、 'ニニニ,/ ';;;;,ヽ!.,;;; .!ニニl ヽ
. } ヽ 'ニニニ,. ':;;;,,,,;;;;' .!二ニニ, ノ
, , lニニ二,. ';;;;;;;' !ニニニ, '
〉 !ニニ二,. ';;;;, l二二ニ, {
. { ', lニニニニ,. ;;;;;;, .lニニニニ, .'
} , ,ニニニ二二,.;;;;;;;,.lニニニニl }
. i. ,ニニニニニ;;;;;;;;'二二ニニl !
. ; ./ニニニニ二ヽ;:'二ニニニl '
. | rニニニニニ二,二二二二,' l
l 'ニニニ二二二,二二二二, l
いつのまにやら――――気付けば数多を挟んで蓮の逆側、一人の少年が佇んでいる。
色黒の肌、狡猾そうな顔つき、スラリと伸びた四肢。
どこか蜘蛛を思わせる少年は、二人に顔を向けるでもなく、しかし急に二人の話に割って入る。
【謎の少年】
「なにせ、ほら。俺の邪魔になるからね」
「いつの間にやら、ひの、ふの、みと来たもんだから」
「俺としても、ちょいと焦っちまう」
「片手の指じゃあふたつほど足りない数だけどね」
「おや、片手の指ってのはそもそも何本だっけ?」
要領を得ない言葉の羅列。
歌うように、紡ぐように敷き詰められた、声の迷宮。
蓮は確信し、数多は直感する。
少年の醸し出す魔の気配――――まるで、『悪魔か怪物のようなそれ』を。
106
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/18(月) 01:01:30
「あっちゃー―――蜘蛛って言うから嫌な予感はしてたけど、よりによってこいつかー。」
「こりゃちょっと不味いかな……」
態度も言葉遣いも平常のままではあるが―――内心はそうでもない。
凡そ想定されうる限りでは最悪の手合いだ。
どうにかしなければならないが、生憎と他人を守るとかそういうのは不得手だ。
そして何より、今はまともに戦える状態ではない。単純な斬った張ったで対抗するには危険な手合いでもある。
「アレがどういうものかはなんとなくわかると思うけど、アレの言葉に応えちゃダメ。」
「それと、お母さんから“絶対に肌身離さず持っておくように”って言われてるもの、あるでしょ。」
「それ、今すぐ出しなさい。使い方は―――多分、出してみれば判るわ。」
そう言いつつ、自分はポケットの中から、ジッポーライターを取り出す。
黒くひび割れたような塗装の、古めかしいライターだ。
「ホントはこう言うのあんまり得意じゃないんだけどなー、仕方ないかー……」
107
:
大船 数多
:2016/04/18(月) 01:14:28
ぞわ、と、背筋を這い回る悪寒に息が止まる。
見てくれは美少年。
しかし、『そうではない』と直感が……そして、間ヶ部が告げている。
「なん、……ッ、」
尋ねようとした言葉を飲み込み、間ヶ部の言葉に耳を傾け。
「…………どうして」
制服の内ポケットの底から取り出す―――切っ先の欠けたフォーク。
「どうして、あなたが、それ知ってるんですか……?」
『海の男のお守り』、と言われたものだ。
古くは銛や錨などの漁具に通じ、海からの恵みを受けるためのもの。
……島の他の男衆を見る限り、そんなものを身につけている人間は一人としていなかったが。
それを、まるで自分を守ってくれる霊符かなにかに縋るように……強く握り締める。
108
:
GM
:2016/04/18(月) 01:24:39
【少年】
「おっと、ちょいと待ってくれ」
「俺は喧嘩ってのがそんなに強いわけじゃないんだ」
「どっちかってぇと頭を使う方が好きでね」
「知恵ってのは独占したってつまらんもんだが、使う分には楽しいもんさ」
ライターを取り出す蓮。
フォークを握りしめる数多。
傍から見れば滑稽な姿の二人をあざ笑うように、少年は一歩、二歩と後ろへ下がり。
【少年】
「それより、ほら、教えてくれよ」
「俺ってば世間に疎いもんだから、世情ってのに詳しくないんだ」
「ええと、連続行方不明事件だっけ? この町で起こってる嫌な事件さ」
「犠牲者が今でひの、ふの、みの、よの、……何人いるんだったっけ?」
露骨な煽り。
――――その顔は、二人の方を見ていない。
視線の先は、土手の上。
向こう側から歩いてくる、一人の人影。
それは女性で。
それは数多の見知った顔で。
それはいかにも買い物帰りという様子で――――
【少年】
「なぁ、俺に教えてくれよ―――――そこの奥さん!」
109
:
GM
:2016/04/18(月) 01:29:33
―――――そこにいたのは、間違いなく大船灯。数多の母。
同時に、蓮の脳裏を過ぎる事実。
“怪物の放つ絶望の闇にとらわれた一般人は、神話の登場人物として役割を遂行する”。
【大船灯】
「ええ?」
「今の被害者は、いち、に、さん、し――――――」
故に、彼女は抗えない。
怪物の物語の運命に、雁字搦めに縛られていて。
【大船灯】
「――――“5人”、ですよ」
{:::::::::::::`<::::::::::::::::::::、::::::::::::::::::::::::::::::::\`¨¨¨¨¨¨¨⌒ヾ / }:::::::::::::ノ{
∨::::::::::::::::`'<::::::::::::丶、::::::::::::::::::::::__\ 「 /:::::;,'" ‘,
丶::::::::::::::::::Ⅴ`''<:::::::::`''< ̄ ̄ ̄` `ヾ r--イ}/}イ!_ ‘,
` .,_::::::V ¨ ―- ≧=- ' {―二=―-
ヽン ‘ ア./
'.≧=- 、 , 、 .//:.:. 「―――――あら?」
}/ ヾx、 _ / //:.:.:.:.:.
`≧=、 ャ ア ,, //:.:.:.:.:.:.:.:
廴_ _, , く //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
‘. イ / ≧x、 //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ー―''" ノ { {{:l:l:l:l:l:`} //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. トサッ…
―――――――灯は、ぱたりと倒れた。
110
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/18(月) 01:45:44
「答えは簡単……君と同じような人を、何人も見て来たから。」
「みんな必ず、育ての親からそういうのを預かるものなの。私は……ちょっと違ったけど。」
あえて少年―――否、怪物の言葉には応えぬまま、ライターの蓋を跳ね上げ、火を灯す。
すると、炎は大きく燃え上がり、刃を形作り―――気が付けば、そこには一本の剣があった。
燃え上がる炎のように蛇行した剣―――フランベルジュと言うヤツだろうか。
「どんなことでも、基本は一緒。必要なのは、ちょっとの勇気よ。」
「しくじったら、フォローしてあげるわ。だから、とりあえずやりたいようにやってみなさい。」
なんにせよ、介入するのであれば、暇はあるまい。
すぐにでも割って入らなければ、恐らくは彼女も行方不明事件の犠牲者となるだろう。
111
:
大船 数多
:2016/04/18(月) 02:06:45
「―――――お母さんッ!!!!!」
未知の恐怖。
行方不明事件。
間ヶ部の言葉。
全てを省みず、飛び出す。
アイツが、あの蜘蛛の如き少年が、『何か』をしたというのは、分かる。
何か自分には想像もつかないような恐ろしい存在だというのは、分かる。
けれども飛び出す。母の元へ。
フォークは、握り締めたまま。
112
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/18(月) 02:14:13
「―――って、聞いちゃいないか。」
どうやら、彼の母親だったらしい。
いや、私家族の顔とか知らないのよね。当然だけど。
まあ、ともあれ、私は私でヒョイッと川を飛び越えて、対岸に渡ろう。
113
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/18(月) 02:16:56
×まあ、ともあれ、私は私でヒョイッと川を飛び越えて、対岸に渡ろう。
○まあ、ともあれ、私は私でのんびり歩いて近づこうか。折角少年が勇気を出した事だし。
114
:
GM
:2016/04/18(月) 22:15:54
【少年】 アマデウス
「ハッ! 慌てるな、慌てるなよ神子!」
「それともなにか? 最期に交わした言葉に不満があったか?」
「自分に至らなさに腹が立ったか?」
「それも仕方のない事さ――――お前さんは自分の母親を守れなかったんだからな!」
少年が哄笑する。
駆ける数多。
後ろを歩く蓮。
数多の手の中には歯の欠けたフォーク。
どうしたって武器には成り得ないもの。
だが――――その手に、熱いなにかが溢れだす。
手の中のフォークは、ねじれるように姿を変えて――――大きな、三叉の槍になる。
【少年】
「おっと、やっぱ覚醒する?」
「んじゃま、それっ」
少年の手から蜘蛛糸が放たれた。
その先には――――倒れた灯。
捕え、引き戻して人質にする腹積もりか……!?
115
:
大船 数多
:2016/04/18(月) 22:28:23
「『海のお守り』……ッ!?」
見知らぬ三叉の槍だ。こんなものだなんて、知らなかった。
……そのはずなのに、やけに手に馴染む。
これは、武器だ。僕の武器だ。―――けれど、
(これじゃ、届かない―――!)
迫る蜘蛛糸。あれが母親を狙って放たれたものということは分かる。
この三叉の槍なら立ち向かえただろう……但し、射程の中だったならば、だ。
「やめ、ろぉおおおおおおおおおおおっ!!!!」
116
:
主藤 可
:2016/04/18(月) 22:51:21
カサ、カサカサカサ、カササササササ・・・
『大丈夫だよ、あまちゃん』
――――数多が血を吐くように叫んだその時、一陣の風が吹いた気がした。
『カサ』 『カササ』
『カササササ』 『カサ』
『カサ』 『カサ』 『カサ』
その風が薙いだ空気が乾く、乾く、乾く。
川の傍だと言うのに湿気が根こそぎ奪い去られていく。
――――それはまるで広大な砂漠に吹きすさぶ、命を吸い尽くす灼熱の風。
風は奪う。大船灯に近づく蜘蛛の糸から命を奪い去る。渇き、乾き、砂となって崩れて―――『崩していく』
『【私】が助ける。【私】が助ける。【私】が助けて【私が助ける】』
灯の服の袖口から赤い蠍が転がり出てくる。どこか神々しさを感じるその蠍たちは彼女を護るように周囲を固めていく。
『あまちゃんを傷つける者を許しはしない。心も、体も、なにもかも。傷一筋すら許しはしない』
『ぷっ』 『ぷっ』
『ぷっ』
『ぷつっ』
そして蜘蛛の糸の崩壊は『少年』の指先にまで至り――――その肌の表面に不快な乾燥を与えだしてきた。
そんな少年の影に、カサカサと蠢くもう一つの影が一つ。
『私は影(さそり)。偉大なる太陽(らー)の影に潜む【毒を持つ者】』
『影あるところに私はいる。影あるところならば私はどこにでも毒を打ち込める』
『――――何もさせない、あなたに『私(あまちゃん)』は傷付けさせないよ』
気が付けば、少年の背後で主藤が短剣を構えていた。
「誓いをここに。灼熱から逃れ影に彷徨う蠍の子は、豊かな恵みと水持ちし海の子に寄り添う」
「その道に幾億幾万の害があろうとも。蠍にはそれを払う毒を持つと知れ、怪物よ」
117
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/18(月) 22:59:28
「遠い、遠い、昔。ジャマイカの魔女が世界を呪った。」
「“私の名前を呼ぶものは、みんな死んでしまえ”」
「かくて、世界は呪われた。」
「―――ある男が、それを見ていた。」
滔々と、語る。
親が子に聞かせるように。
怪物の物語を、語る。
「男の名は、アナンシ。」
「別の話では―――“森で一番弱い蜘蛛”でもある男。」
【暗示】
あなたは自らの親神から予言を授かった。
「汝はひとりの神子と共に大蜘蛛の巣に赴き、三柱の神の力でこれを払うだろう」
同時にニュースか、新聞か、人づてかで耳にした某市の連続行方不明事件。
間違いない。あなたが戦うべき怪物はここにいる。
――――あなたの【任務】は『怪物を倒すこと』である。
【真実】
あなたは怪物の正体を知っている。
直感か、予言か、経験か……ともあれ怪物の名は、『アナンシ』。
アフリカ大陸で『あらゆる物語の王』とされた、トリックスターの蜘蛛神だ。
彼の悪魔の用いる呪いを暴くためには、神の叡智を頼る他ない。
――――まぁ問題は、誰に頼るかなのだが……
この真実が公開されたシーンの終了後、マスターシーン『暗黒大陸』を開始する。
[トリガー:マスターシーン『魔女の呪い』が行われる]
118
:
GM
:2016/04/18(月) 23:16:32
_ ―- 、
,. -=////////77=‐ 、
,.イ/////////////////ヽ、
,.ィ//////////////////////ヘ
. -‐ィ////////////////////////∧
. ,イ//////////////////////////ハ
///////////////////ハl.!///r 、V/ !
{.!////////∨l'////>''"从/ハ{ヽ; }'/,!
ヽ!///ハ'ヾ{‐-、V//',.ィ ツ.ノ//∧ノ.//ソ
. {∨//,ハ ゞ'` V{ ノハ//Yイ// 「蠍――――ちぇっ」
` {ヾ//ハ .;`` }//,ljハ/,! 「忌々しいエジプト神群……あそこの性悪蠍の娘かよ」
乂\ソ∧ ヽ _,:__ハ//l _,.ヽ、
` {V/\ ー  ̄ ̄~,.ハ!´-‐= 、
Vト/> 、 // -―‐==== 、
ヾ、 >'" ̄`` ‐=ニニニニニニ-ヽ
/ ―- `'-ニニニニニ,i
/ / ヽ 、ヽニニニニl
. , , ' _ - 丶'ニニニニ!
{ /  ̄ \ lニニニニ|
; ,.-‐ 、 ヾ. ヽニニニ!
. _ _,.イ _. ',--、 、/ニニニ'
/ _`ヽ´ {/ ヽ! ̄\ヽ '二ニニ.'
' / ヽ!; 'l l, -- 、!、 、 'ニニニ,'!
. ヽ、 ', ! .l. l ヽ. 、 lニニ" !
! 、 ┐.l l ! ヽl l 、.li , .!ニ,.' !
、l '" ノ ヽ .} .! }l. ! ノ/ /,!
`ーイニ=‐-_、=!´ ;ヽj l l.// / l
/ニ二二二ヽ.! __.l/、 ! .l_/ l
/ニニニ二二二、 l .!、 .〉、 0.! ;
/ニ二二二二/' ヽ _ノィニ=ヽ ! l
. rニニニニニニi { 、 /二二/ 、` _ ,
. ,ィニニニニ二二、 `,.-イニニ/ ヽ ー-- /
. ,イニニニニニニニニニニニニノ /
'ニニニニニ二二二二二二二、 /
ボロボロと崩れ落ちる蜘蛛糸を切り離し、前から迫る海神の子と、後ろに迫っていた蠍の子と、遠くからこちらを伺う邪炎の子を見やる。
その少年の名は――――アナンシ。
かつて西アフリカで活躍したトリックスター。
あらゆる物語の王の座を父より授かった文化英雄。
悪でもなく善でもなく、害であり利であったもの。
そして――――滅びた神群の、悪魔の一柱。
【アナンシ】
「俺のことをご存じかい、お姉さん」
「弱ったね。三対一で、囲まれてるってのはいかにも具合が悪い」
「神子の絶望は格別ってんで、ちょっかい出してみたが……悪手だったかね。間が悪かったか」
「しょうがねぇ」
アナンシが、懐から“ヒョウタン”を取り出した。
【アナンシ】
「ここは潔く退くとするぜ」
「お前さんたちの相手は、こいつらがしてくれるってよ!」
ポ ン ッ
中から飛び出して来たのは―――――
119
:
GM
:2016/04/18(月) 23:27:06
""'''''---:.,,,,_ _,,.....
;;,,,__ ,_,,...-" _,,/"~-'..;l,,
, ,l:::,""" ,,-''"''--''".....-'''"~--"'
''''l';;''''','---..,--, ,/' l,/'' 、-''"\
:::::::::::l,-"'\.\l,,,,__ .'--''''""\,,,-''"'-:.,
l::;;;::::::'l,ヽ ,,ヽl...,,,_ l"l""''''''/''''''-:.,-,_"-,,''-,,,
l,,'''--::../'"_ l"''~~"''" ,,_/' "'-,, _,,,-'''ヽ
-"''-,, l,-,l, ,l二ニ ,l""'''--:::.,,____,l,,,,...-''/
,,,.-`-l, ヾ-,l,. ,l ,,,- ,/,i', l' \//
--''''!,,..--\l ,=-,l, ニニ ,,,"" ,........,..--''''!" 「おいらは“短剣の歯のジャガー”」
,..-'"._-,/"-;_'-!, ニ' ,,/:: |/',l .:l' `'"l::::|
/,,_ ,;:-'''"-'''''--,, -;::::::::::::::l .::l' , l':::l'
:: "'-''/'''"~,,--'"/"l,, 'i,!,/:::::::l ::l,''./ .l:/'
l,::. ,l /,,..--'""'''" '!, \-,"l :/,/, ."
/:-,,,/',,....-!"-'''"l, ".,, "-,/-"/
/,,.--'":::::"'-,--"l,, "'''-'''"~
,、 _ , .、
/ヽ l ヽ /─、 /
l.l .l/ ̄.;.;ヽ,.l l ヽ / 、-´` /= ̄ ̄ ̄ヽ_
_l,/.:ヽ、.;.;.;.;_l l l __/ヽ─i .lヽ_ノ ,-─´ _ヾ_
l.ll.:.:.:.:.:.:l.;.;// l__,l´.;.;.;ヽ.;.;.;.;l l.;.;`´.;.;.;.;.;.;l l◎,-,
ヽl、.:.:.:/-// /、 ヽ.;.;.;ヽ.;.;.;`─´_,-─-/、lゝ-//, 「私は“火の針の雀蜂”」
ヽi`ii、 _/-´/ヽ ヽ、.;.;ヽ_へ´ /ミ/ヽ/ミ/
``ヽ//´ヽ ヽ- 、`´ ヽ_ヽ l-/´`/ /
/ li`/ ヽ_->.;.;ヽ、 -- //=l / 、/
/`l /`´ // ̄l.;.;.;.;`-´.;.;ヽ/ /、∨、 /
ヽ_--l ヽヽ/ `-`.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/ //`ヽ/
ヽ--丶 ,´ ヽ/ l.;.;.;.;.;.;_,-‐/ / / / /
ヽ ヽ.;ヽ ヽ─‐´ _ニ´ ヽ_ヽ/ / //- 、
ヽ ヽ.;.;`ヽ ヽ_,´ ヽヽ/.;.;` ``、_ ヽ、
ヽヽ.;.;.;.;.;.;く__//.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ヽ-、 ヽ、
ヽヽ.;.;.;.;.;ヽ-´.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ヽ ヽ
厂 ̄ ̄|
./ .Z二7 :! _ , -┐
./ }:.:.:.`゙<L__/´:.:.:.{ / l
「 ̄` <アヽ}:.:.:.:> '´ ̄`丶:.:| / ./
ヽ // /}:/ , `ヽ' ./
\' /.//.Y ,-fヘ .A '. ,/
/./ / / } i ├=zx ,たr; . /
.} ,} / / ,八∧ヘド''゚′└’ イ} / 「そして僕は、“人がまだ見ぬ妖精”」
/⌒へ'^ < ./ /ヾ/>-三イ/{ /
,V o 〉 f=</ ヾV∀アヘ. K
V< 八///>x,へ} Lイく. \ \
/ アハ トァ v' ` <} 「\ \
丁Tア __V__ヲ/ ` < ヽ ヽ
{/レ /}>x ゙´ /> x / ` < ',
/! / |ヽ ヽ__/ >x <> ` <
./ {/ l ', j:.V{_.. < r┐_> x ` <
{ ,|. '. Kヽ:.:L_rぅ__「^´/_ ==__>、 x=ヘ
. '. , '^ヽ_ア三-ー--イ>  ̄,厂^! >x / /7/
`¨¨´  ̄「 丁 ヽノ `¨¨¨´
じ厂ヘ
`ヽ_ノ
【三体】
「「「さぁ、王様の命令だ。戦おうじゃないか!」」」
ヒョウタンの中から三者三様、配下の魔物が現れてキミたちの前に立つ……!
120
:
大船 数多
:2016/04/19(火) 00:08:04
「――――――――――――、」
文字通りの急転直下だ。
視覚聴覚そして本能に叩きつけられる怒涛の展開情報量に、
思考は麻痺したまま、手にした槍の振るい方も分からず、
「―――――――、」
退かんとする蜘蛛少年。
間ヶ部と主藤――――おそらくは、味方と捉えるのが正しいのだろう。
未知の力を持っている、自分の理解など到底及ばない知識と経験、そして技を。
彼女たちに任せておけば、きっとあんなやつ吹っ飛ばして、倒れ伏した母も助けてくれて――――
自分が何かをする必要なんてないのかもしれない。
きっと何もできない。
気弱で、内気で、母親に甘えてばかりの、一人立ちも出来ていないそんな少年に、
_, x≦ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ
ゞニニニニニニニニニニニニニニニ>=-=、ニニニニニニ、ニニニニニニニニ_ニニニ
` ー、ニニニニニニニニ/ \ /ニニニ≧'" /ニニニニニ/::/ニニニ
_ノニニニニニニニ/ ,-=\>"´ jニニニニ/::::::/ニニニニ
_x≦ニニニニ>メノV 〃 \ |ニニ/::::::::::::|ニ/_|ニ
ー一' ´ ̄ ヘヽ .l .{! ,..-..、\ i;ニ〃::::::::::, -!/:::::::{ニ
ヘヽ,l l! {:::0::} ヽノ/!シ { xイ ,..-..、 ::::|ニ
//∧ | l! ゞ-' |!:: ` ′ .{:::0::}::::::jニ
//////lヽ \ ゞ-'′:/シ
、、_,,, // //////| | ` ー-- 一 、_ ::::::::::::
xヽ::::::::::'x/シi,,_, ,xi+-+ ノj/| | j//////ム.ヘ ,‘ , i:::::::::..........::::::::: ̄:::::´:
ヾ:::::::::::メ:::::::::::::::〃 ::::::__シx+":::::::::|/| | |///////| 、 !::::::::::::::::::::::::::,::‘::,::
\::::::::_::::ミ:::::::::::::::II::`::-:、シ::::::::::::: |/| | |///////.| ヽ ft`ー- __:::::_::::;;:x=、:::::::::::::::::
yヾx'´:::ソ::ミ::::::::::::::::シ、::::::::У::::::::::::: !/| | |///////.| |/ヽ マ ‐-、 _,:::::}}:::::::::::::/
X:::::::::ヾ:::::メ::::::::::::::::::::::::´メ`::::::::::::::::::ハ/! ! !///////| |///\ ` -= _ _  ̄_:::_ノ::::::::イ:::/
ミ::::::ミx::´":::::::::::::::::::::::::::Уミ::::::::::::::::::::ヘ/!.l l///////| マ////\ :::::::::::::::::::::::<_ x≦///
ミ::::::r::、::::X::::::::::::::::::::::::::"::::::::::::::::::::::::::_; -マ!l l///////| !/////∧ヽ、 ::::_::::x.< z≦///////
\::j!::/:::ミx:::::::::::::::::::::j!::::::::::::x++"` ヾ!l///////! |////////ヽ  ̄ /////////////
Ξヾ彡メ+-ミ:::::::::::::::::Xヾ` \/////| |/////////ゝ ノ////////////
=::::::::::::{::::{:::メ'"::X::乂 ヽ///| |!//////////≧≦.////////////
ヾ=Ξ":::::::ゞ;メ`` ヘ/! マ/////////////////////////
` ̄'´ ヾ! `--x≦//////////////////
一歩を踏み出させたのは、『海の男』としての矜持だった。
121
:
大船 数多
:2016/04/19(火) 00:08:45
魚は、生まれた時から泳ぎ方を知っている。
誰かがそれを教えたわけではない。
本能や遺伝子の底に、『海の生き物』として生きる術が刻まれているのだ。
同様に。
『島の男』としての生きる術が、自身の底にも根付いている。
家族を守るのが男として生まれたものの役目だ、と。
身内に手を出されて、黙っているんじゃあない、と。
では、『海神の息子』としてはどうだろうか。
河川の水を『起こす』。
流れるその勢いを損なわぬまま『手繰り寄せ』、『束ねる』。
誰に教えられたわけでもないが、知っている―――――『波涛の作り方』だ。つまり、
『海で殴る』。
,/,j|i ′ liメ // / / //
从// i| |i / j!| /j!´ / メソ/
!jlメソ /´ ||! |! /, lj!l| /// ,// , X// ,, ,/
|! 从メ メ li!| | // |j|l!/ / X/// /"´´
〃/ ,, j!| |!|l !| // ! l !// ///彡
、|ソ从ソ/,´ | |j;!'′´ | || j|! !///
、从|!lj! /シメ〃ヾ!| ! |!| |l!//
Xメ从l! /lj!/メ '´ マ|| |!|/ x=="´゙`三メ
/ !.! メ /jl!/ / ´´ X| 、j!/ , 彡 彡'`"´
从/ !j| // ヽ |!|l!|j| ムx≦l/ニ! / lメ´,,, /ヽ'メ
彡 マ|l!|jl!| x_ムニニニニニニメl `"´'' X/ !彡/
X从l! !ニニニニニニニニニマ´ / / 彡 l彡′
i , , ヽl!|!、!ニニニニニニニニニl /' /, ハj!l!'
l 从 Xl!!\ニメマ从'メム'ヽ } /'/-'´ 彡 !'′
X /X |!, ゞl!. ヽ. ハ ,-,lミ``´ヽ、彡 .t / ヽjl!
//丿 ! j!/ ///j ヾヾ、. ゝ- ´j -ミミ x<´ //ノ ハ .丿ヽ ヘl!i
彡 / j|! /メ / ヽ`ミ从ミミ !ミ/ //ヽ ヘ/ /.ミミl
〃// |l! //j ミミ` ミミ /ミミ \ /ミミX、
/从 li!l| メ ! /ムメ ヾヽ、 ヾ, .//` ゝ .ノミ ヽヾ
'" ! |!| i j// ミ`゙ヾ ミ彡
メ |! ヾ、 ,= 、 .Y、 ``ミXミ
/ " // メゝヾヽ ヾヽ ヽミ、ヾ`ヽ
/ノ X/j!|ヾ\ ゝ ヘ /``
/ ' l メヘ マ./ミ
| |! ヾ
| l! | l | ヾ\
从ヽヾ` `Xヾミ
122
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/19(火) 00:21:33
「ワオ。こりゃ凄い。」
成す術なく吹き飛ぶ、“短剣の牙のジャガー”と“炎の針の雀蜂”。
では“人がまだ見ぬ妖精”はどこに行ったのか?
なんたる狡猾か! 妖精は今や、唯一の死角である大船の背後に忍び寄っていたのだ!
「ま、フォローするって言っちゃたしね。お仕事と行きますか。」
「おいで、アフーム=ザー。」
―――パチン。
指を鳴らす音と共に、妖精が灰色の炎に包まれる。
そして灰色の炎に触れたもの全てが―――もちろん、大気中の水蒸気なども含めて―――凍て付き、動きを止める。
これなるは絶対零度の炎アフーム=ザー。焼き尽くすものの配下。
少しすると、妖精は完全に氷の棺に閉ざされ、大地に堕ちた。もはやどうにもなるまい。
123
:
GM
:2016/04/19(火) 00:52:37
束ねられた『海』が二体の魔物を吹き散らし。
ガシャン、と音を立てて落下した氷の棺が砕け、妖精をぶちまけて。
ジャガーも、雀蜂も、妖精も、一言の悲鳴も発することなく打ち砕かれて。
残るは親玉ばかり――――だが、肝心の親玉の姿がどこにもない。
今の一瞬の交戦の間に逃亡したか。
蜘蛛だけあって、すばしっこい奴だ。
……日の落ちた河川敷に、静寂が戻る。
【大船灯】
「う、ぅぅ……」
――――――そして静寂を破る、うめき声。
【大船灯】
「あま……た……」
倒れ伏した灯が、憔悴しきった顔で、虚空を見ている……
124
:
大船 数多
:2016/04/19(火) 23:17:27
「ふーっ……ふーっ……」
生まれて初めて、激情に任せて振るった拳。
その余韻、けっして心地よいものではない熱が、少しずつ冷めていく。
主藤と間ヶ部を見遣り、そして自分の三叉槍を見遣り。
静寂を取り戻し、けれども変わり果てた情景を、
自分がそれを為したという実感を持てないまま眺めている。
事実と理解との齟齬がもたらす不快感に、動悸がしたまま、
耳に、母の声を捉えた。
「お母さんッ……」
ふらついた足取りながらも、弾かれたように母の元へ駆け出す。
125
:
GM
:2016/04/20(水) 00:18:46
母のもとまで駆けよる数多。
息は……ある。
死んではいない。だが、生気は無い。
【大船灯】
「あま、た……」
「ふふ……ごめん、なさいね……私、数多に、なにも、できなく、て……」
蒼白な顔を数多に向け、母は力なく微笑んだ。
可や蓮にはわかるだろう。
彼女は今すぐ死ぬわけでは無い。
なんらかの神の加護(おそらくは数多の父、つまり夫の残滓だろう)でも受けているのか、どうにか呪いに耐えている。
だが――――――長くは持たない。
それは死を先延ばしにしているだけで、やがて来る死からは逃れられない。
【大船灯】
「数多……あなたの、お父さんね……」
「海の神様って、ずっと言ってたでしょう……あれ、本当、なのよ……」
「なんて、信じて、くれるか……わからないけど……あなたには、立派な神様の血が、流れているんだから……」
「だから……泣いちゃ……ダメ……よ……」
「強く……い……き……」
声から力が失われていく。
もう、意識を保っていることも困難なのだろう。
その瞳が、ゆっくり、閉じられて――――――――
126
:
大船 数多
:2016/04/20(水) 00:41:08
「……お母、さん、」
失われつつある生気を掻き止めるように、細い身体に腕を回す。
「待って……、待って、僕は……っ、
行っちゃ、嫌だよ……!
この町で僕を独りにしないで……!」
「お父さんのことは、もう聞かないから……
学校にだって、文句言わずに行くから……
サトイモの煮付け、また作ってよ、……僕は、」
突然湧いたような不思議な力なんていらない。
どこにいるか分からない父親も、今は遠い島の暮らしも。
他のすべてを望まないから、ただ母を。
失いたくない一心で、その場に崩れ落ちる。
127
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/20(水) 01:01:27
フラッと寄ってきて脈を取っておく。
うん、まだ生きてる。少なくとも肉体は。
「―――うん、大丈夫。まだ息はあるわ。」
神の加護により、悪しき呪いは遠ざけられている。
だが、それも時間の問題だ。
彼女は既に、物語に取り込まれてしまった。
このままいけば、遠からず結末を迎えるだろう。
「古の魔女の呪い。その名を呼んだものは、死ぬ。」
「普通なら即死するところだけど―――君のお父さんのおかげね。今すぐ死ぬって事は、とりあえずないわ。」
「けれどそれは、あくまで結果を先延ばしにしているだけ。このまま放っておけば、遠からず死に至るでしょうね。」
さて、こう言うのに詳しそうで、且つ接触できる神の心当たりは一つだけあるのだが。
―――嫌だなぁ、ぶっちゃけ関わりたくないし関わらせたくないなぁ。(クトゥガの子並感)
ヒト
「主藤ちゃーん? なんかこの手の話にいい感じに詳しそうな神の心当たりとかない?」
「私も心当たりがある事はあるんだけど、ぶっちゃけ関わりたくないのよねー。」
という訳で主藤君、出番だ。
128
:
主藤 可
:2016/04/20(水) 07:02:58
すそそそそ・・・
一連の事象が終わった後、何故か物陰に隠れ始める。
『心当たり・・・呪いの類だから基本的にウチの管轄、だね。』
『呪い除けのまじないならタウエレトおばさんだし、呪いをかける本人を追跡とかになるとアヌビスおじさんだけど・・・』
『単純な解析、分析だとトトおじさんが一番詳しいかな?』
129
:
GM
:2016/04/20(水) 23:56:46
【大船灯】
「―――――――――――――――――」
ニコッ
もはや言葉を紡ぐ気力も無く。
最後にニコリと無理に穏やかな笑顔を作って……大船灯は、意識を失った。
浅いが、呼吸はある。
死んではいない。今はまだ。
解呪にせよ、あるいは打倒にせよ。
情報を集めなければなるまい……なにせ、相手は『全ての物語の王』。
変幻自在のトリックスターであるアナンシは、補足するだけでも至難を極めるだろう。
呪いのからくりを看破するにも、並の手段ではかなうまい。
故に、神の知恵を借りる必要がある。
適任と言えば、呪術に縁深い神。
加えて、アフリカにゆかりを持つ神がいいだろう。
蓮の脳裏に浮かんだのは、“顔のないスフィンクス”ナイアーラトテップ――――まぁ没だ。
間違いなく呪術に詳しく、アフリカに縁のある神だが、どう考えても危機に頼っていい手合いではない。
クトゥガの子であるキミがいる時点で倍率ドンだ。
となると、ここはやはり可の言う通り――――エジプト神群の知恵の神、トトが妥当なところか。
彼の知恵を借りるためには、当然エジプト神群の聖地ドゥアトに行く必要がある。
可にとっては実家に帰るレベルだが、危険な旅になるだろう……
130
:
大船 数多
:2016/04/21(木) 00:34:46
「…………教えてください」
母の亡骸(予定)を抱えながら、二人に問いかける。
「お母さんを助けるために、何をすればいいのか……
僕のお父さんは、本当は何だったのか。僕は……いったい、何が出来るのか」
「僕は、知らない……知らなかった。何も。何一つ。
知らなきゃいけなかったことから、無意識のうちに逃げてきたせいで」
「……それでも今まで大丈夫だったのは、お母さんが僕を守ってくれていたからだ」
目知りを拭い、母を抱き上げる。
……ブラウン管のテレビよりも軽い、運動部の中学生よりも細い、人の女性の体だ。
こんなにもか弱い母に、今まで僕は依存して生きてきたのか。
守ってくれることに甘えて、縋りついて……弱音一つ吐かなかった母に。
「―――僕に、僕に出来ることは、ありませんか」
唇の端を噛みながら、情けなさと怒りを押し殺して、問いかける。
131
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/21(木) 00:53:35
ツァトゥグア辺りもかなりの知恵を抱えていたりするが、こっちはそもそも穏当に接触できるかが判らないところだ。
何しろまともに接触できるのは満腹の時だけなのに、常日頃腹を空かせている困った神である。
一刻を争うこの状況下ではちょっと頼れそうにない。頭からペロンと食べられちゃかなわないし。
「おっけーおっけー。それじゃ、まずはトトさん辺りから頼ってみましょう。」
「仮にダメでも、それはそれで知ってそうな神を紹介してもらえるでしょうし。」
エジプトにはしばらく入り浸っていたが、ドゥアトに行くのは久しぶりだ。
最後にドゥアトに行ったのは……あー、そうそう。確か60年くらい前だっけ。
あのクソ忌々しい(母親談)ニャル公の影霊がなんか悪さしてた時に頼りに行ったのが最後だったわ、確か。
「そうね。現時点では、どうすればいいのかちょっとわからないわ。」
「だからまず、専門家に診てもらいに行きましょうか。」
「君も色々わけわかんない事が起きて、正直混乱してると思うけど。」
「その辺の説明は、道中にでもしましょうか。君もお母さんの事、このまま放っておきたくないでしょうし。」
132
:
主藤 可
:2016/04/22(金) 22:37:15
『・・・・・・・・・・』
大船が思考の沼に沈みそうになっているのなら、ひょこっと出てきて頭を撫でてあげよう。
「だいじょうぶ、だよあまちゃん。あなたのお父さんはあなたを気にかけているよ。」
「事情はあったけど・・・あまちゃんが目醒めるまであの『島』で庇護を受けれたのはお父さんのおかげ。」
「お父さんは、あなたとお母さんをずっと護って来ていたんだよ?」
「そしてこれからは――――あまちゃん『も』お義母さんを護れるようになるんだから、ね?」
133
:
大船 数多
:2016/04/22(金) 23:53:11
「よろしく、お願いします……!」
二人の言葉に頷き、母を抱えたまま頭を下げる。
「……けど、その『専門医』?って人はどこに……」
「ていうか、主藤さん……僕、もう中学生だからさ……」
さりげなく頭を撫でられている手から逃れるぜ。
134
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/23(土) 00:07:45
「遠い、遠い、昔。大いなる盟約のもと、神々は地上への干渉を行えなくなりました。」
「そうして地上に居場所のなくなった神々は地上を離れ、それぞれの聖域に居を移しました。」
「というわけで、これからエジプトの神々が住んでる聖域にお邪魔しようと思います。わーぱちぱちー。」
サラッと凄い事を言い出しつつ、何やら電話をかけ始める。
ドゥアトとは、エジプト神話における神々の住む世界。
死後、魂が裁きを受ける世界でもあるが、冥界とはまた違った場所である。
「あ、もしもしマム? ちょっと今からドゥアト行きたいんだけどさー、なんかテキトーな乗り物貸してくんない?」
135
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/23(土) 00:15:55
「遠い、遠い、昔。大いなる盟約のもと、神々は地上を離れ、異なる次元に移りました。」
「彼らは肉の体を失い、情報の中に生きる生命体にシフトしたのです。」
「というわけで、これからエジプトの神々が住んでる次元―――聖域ドゥアトにお邪魔しようと思います。わーぱちぱちー。」
サラッと凄い事を言い出しつつ、何やら電話をかけ始める。
ドゥアトとは、エジプト神話における神々の住む世界。
死後、魂が裁きを受ける世界でもあるが、冥界とはまた違った場所である。
「あ、もしもしマム? ちょっと今からドゥアト行きたいんだけどさー、なんかテキトーな乗り物貸してくんない?」
136
:
GM
:2016/04/23(土) 01:27:07
【クトゥガ】
「……なんと、またエジプトか」
「十分に気を付けるのだぞ。きゃつらエジプトの神々は決して油断ならぬ」
「あの蛮神ども、なにを画策していることやらわかったものではないからのう」
「しかもナイアーラトテップめと繋がっておる。……ああ、いかん、いかんぞ。心配だ。やめておこう。な?」
……電話の先から聞こえるクトゥガの声をか細いBGMにしつつ。
三人の子は冒険を決意した。
目指す先は――――――――『暗黒大陸』。
――――――――――シーンエンド
137
:
GM
:2016/04/23(土) 01:35:39
―――――――間ヶ部 蓮の真実が公開されたため、マスターシーン『暗黒大陸』を開始します。
まずは聖地ドゥアトに無事にたどり着けたかどうか、『危険な旅』を行います。
神貨5枚を消費するか、【技術】で移動判定に成功することで無事にドゥアトに到着します。
失敗した場合は、試練表を振ります。
なお、エジプト神群の子である主藤 可は移動判定に+1に修正がかかります。
判定の順番などをPC間で相談し、『危険な旅』の処理を行ってください。
138
:
主藤 可
:2016/04/24(日) 23:31:47
はい!それではまずは私から【技術B+】で判定行きたいと思います!
ぎじゅつ!:ダイス合計:4 (2D6 = [1 3])
――――はい!黒のインガを一点貯めつつ3+1+1-1で達成値4!
不吉なことを起こしつつも移動自体には成功しました!
139
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/24(日) 23:36:03
神貨を5枚払って乗騎を借りて安全に移動します。
なんか炎のタイヤが装輪されたハーレー的な奴。
140
:
大船 数多
:2016/04/24(日) 23:48:22
殺伐とした運命の輪に海神の使いが!
,-'"ヽ
/ i、 / ̄ ̄ ヽ, _/\/\/\/|_
{ ノ "' ゝ / ', \ /
/ "' ゝノ {0} /¨`ヽ{0} < ヒヒーン!! >
/ ヽ._.ノ ', / \
i `ー'′ '.  ̄|/\/\/\/ ̄
/ }.
i' /、 ,i..
い _/ `-、.,, 、_ i
/' / _/ \`i " /゙ ./
(,,/ , ' _,,-'" i ヾi__,,,...--t'" ,|
,/ / \ ヽ、 i |
(、,,/ 〉、 、,} | .i
`` ` ! 、、\
!、_n_,〉>
乗せてくれるらしいので乗っていきます。
お母さんが将来のためにこっそり溜めていた神貨5を消費。
141
:
GM
:2016/04/24(日) 23:50:43
では各自が移動判定を終了したので、改めてシーンを開始します――――――
142
:
GM
:2016/04/25(月) 00:16:40
サイクル1
冒険フェイズ5
シーンプレイヤー:間ヶ部 蓮
運命の輪:黒2/1Lv 赤0/0Lv 青1/1Lv 緑1/1Lv 白1/1Lv
――――――――――――――――――――――――――――――
――――そこは、神々の世界だった。
炎の湖、ターコイズの樹。
熱砂の砂漠の地下に広がる、川と洞窟の連絡路。
それで繋がれた場所全てがエジプト神群の聖地であり――――それを、神々はドゥアトと呼んだ。
そして、ここは――――――
/ ./ , / .//ll! ヾ丶
/ ./ / / /≠/ハ lト、 `丶
/ .// ./ ノ // 〃 li! | \ヾ\
/./ , ' / 〃 // 〃 ll! j i .ヽ ヽ
/./ / / / ./ .// / .〃 l! ハ|l! ハ ∧
/ / ,〃// ,イ / ./ 〃 l / ll! | ハ ハ
ノ / 〃 /イ./ / 〃 ,j / l! j ハ l l
/./ / /// / j! /} / / :从 l |
/l/ / /// /{ /| ./ / .∧ ./ ハ 从j
/, イ // ノ/. /ハ |! / .| ' / ./ ヽ / :/ l! ,/(
/ / / / / ハ ./ | /__! /_ ヽ / /ィrzx}/|\
// / / 〃 // 从 .l_∠|ノ--レ‐ ''`.. l/,イ彡'_从 |ーヽ. 「――――――うむ」
ノノ//∠// イ |ヾ _三二ミ、:::::: /l从r云ゞ!、ヾl! 「トキのように首を長くして待っておったぞ、神子たちよ」
/イ/ ./ヽ/ ト、 |、 ´ヽ弋 rッノヾ ‐、_ゝャ´ .| lヾウ 「お前さんたちが来ることは、わかっておったよ」
/ | / i\| \ト、、ヽ\ _「| 「iテ´ V、./j_/ , - 、
.| ∧ 从 ヾ ` ヾ、ゝ  ̄ヾ、__,〃` ヾ7´厂 , ´ > ´` ー
.| ∧ 从 从 从  ̄ ̄´ ー - '/ / ./ ヽ__,../ /
.レ ヽ\,从 从 l _,, z┴'- ,,___/_> ノ /´ 、, イ′、
\lヾ\ ヘヽ ハ ´ ー '''"´_ノレ` ー -ゞ ゝzz<ー‐'- /__/ /
´ ̄`ヽ/ノ人、:i:i`ヽ ヾヽ|::`::::..., `::/廴_ (  ̄ l` ーrーァ- ̄ _{
ーzz-,、ゞ廴___z\i:i:i丶 ::::::`:::ー,........- '、ーミ辷z、_ ` ー‐く ー ' /__ ::/
//////>< ヽ\i:i:i:\ __l\ \`> `< `ヽヾー< ̄ ̄rゝ-、イ__,/ ノ
///////////>、}入\i:i:i`: ̄i:i:i:i:i:i:i:| ヽ .ヽ r 、 `丶`丶ヽヽ ` ー'(__/ } ー '´ヽ _
///////////////丶 ` ー―― '{ V .Ⅵノ / /...| | ゝく~ーi、
/////////////////\_ :. ∨ V / / .| | 人_/ .\
`丶、///////////////\_ ̄丶 :ー- | l/ / | | 厂ヽ \
\///////////////\\ \ | { / /| .| | ハ _ノ
\///////////////\\ \ l j、 \\| .| | ノ\
\ .\///////////////\\ \./ / .\ \. .| | / ー ヽ
――――“神々の書記”トトの神殿、大図書館である。
トトは三人それぞれに視線を送り、穏やかな笑みで接する。
【トト】
「未だ父を知らぬ子よ。神の居城ともなれば生きた心地がせんじゃろうが、肩の力を抜けよ」
「生ける炎の子よ。お前さんについて思うところがないでもないが、とやかく言うつもりはない。本を燃やさないでくれればのう」
「それと可よ。セルケトが呆れておったぞ。もっと精進せい」
143
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/04/25(月) 00:54:10
「もー、そういうのしないってば。私もこれで結構落ち着いたんだからさー。」
神を目の前にしても、態度は平常のままだ。
余程豪胆なのか、何も考えていないのか、何かしら麻痺しているのか。
いずれにせよ、この女を知る者にとってはよくある光景だ。
「ま、なんで来たかも既に判ってると思うけど……」
「この子のお母さんの事を、ちょっと見て欲しいの。」
「……結構、タチの悪いヤツに呪われちゃってさ。私じゃちょっと手におえないのよね。」
なお、私に任せた場合、荼毘に伏すくらいしかできる事はない。
日本語で言う餅は餅屋と言うヤツだ。
144
:
大船 数多
:2016/04/27(水) 01:54:10
「あ、あの……」
母親を抱えたまま、しどろもどろで入る。
知恵の神の心遣いに、ぎこちなく、けれども恭しく頭を下げた。
「は、初めまして……あっ、大船数多って、言います」
トトの言葉の通り、酷く居心地悪そうに立ち尽くしていたが、
穏やかな笑みに、少しだけ緊張を解く。
「……あの。ここにくれば、お母さんを治せる方法があるって、聞いてきました」
「ウチ、あんまり裕福じゃなくて、だから、えっと……
お金とか、あまり多くは払えない、んですが……
僕に出来ることなら、なんでもします。だから、診て貰えませんか」
145
:
主藤 可
:2016/04/27(水) 23:43:11
解せぬ。ちゃんとあまちゃんと関係結んだしちゃんと守ったのに・・・!
「――――相変わらずですねトトおじさま。」
「その言い方、なんかセルケト様みたいです。」
なのでちょっとこういう口調に。トトおじさまはセルケト様と同じ扱いを受ける事を極端に嫌がっている(と言う設定を今生やした)ことを利用した刃・・・!
しかしてそれはトトおじさまと同列にされたセルケト様に後で怒られることになる諸刃の刃でもある・・・!
「状況は把握してもらってるでしょうが、少し私には手におえない呪いが発生しまして――――」
「タウエレトおばさまの守護よりも、まずはトトおじさまの解析に頼りたいと思った次第です。助けていただけませんか?」
146
:
GM
:2016/04/28(木) 00:03:33
【トト】
「あー、やめよやめよ」
「ワシは奴ほど性根が曲がったりはしとらんわい」
可の思惑通りというか、露骨に顔を顰めつつ。
【トト】
「ま、それはともかく」
「要件はわかっておる。うむ、西の蜘蛛神の呪いじゃな」
「なぁに金などいらんわい。ひとまず診せてみよ。この手の呪いはワシの管轄だしのう」
トトは机の上の本を脇にどけてから、数多の母――――灯の体を机の上に置いた。
そのまま手をかざし、それがぼうと光を放つ……
【トト】
「……ふぅむ……」
「……少し時間がかかりそうじゃな……奴め、また面妖な術を」
「神子たちよ。そこで待っているのも気を揉むだろう」
「ついでと言ってはなんじゃが、ちとこの目録に書いてある本を探してきてはくれんか」
「この本があれば、アナンシの術の対処も楽になるはずだ」
視線を灯に向けたままそう言うと、ふわりとパピルスが三人の手元に飛んできた。
なぜか日本語表記だ。親切である。
【!イベント!】
各自、好きな順番で【頭脳】による判定を行ってください。
誰か一人でも成功すると、怪物の脅威がひとつ公開され、さらにボーナスが入ります。
147
:
エキストラさん
:2016/04/28(木) 08:27:41
本当に出会える出会い系ランキング
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148
:
主藤 可
:2016/05/01(日) 23:59:16
じゃあまあさっそく私から行こうかな!
【頭脳】B+で判定!
ずのー!:ダイス合計:6 (2D6 = [4 2])
2のダイスを赤のインガに送り、4+1で達成値5DA!
「ああ、これ以前タウエレト様に読ませてもらった奴ですね・・・これが何か役に立つんですか?」
149
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/05/02(月) 00:09:56
どれどれ。
diceBot : (2D6+1-1) → 8[6,2]+1-1 → 8
2をムードダイスに選択。
赤の領域にインガを一つ置き、スペシャルで成功。
150
:
大船 数多
:2016/05/02(月) 00:12:25
「すみません……ありがとうございます」
ぱらぱらと本をめくる。
頭脳:Cで判定。
diceBot : (1D6) → 6 (スペシャル)成功
151
:
GM
:2016/05/02(月) 00:57:09
全員判定に成功です。
【トト】
「ウホっ、早かったな」
「うむ、助かるぞ。こちらもあらかた診断が終わったところだ」
トトはキミたちの持ってきた本を受け取ると椅子に深く腰掛け、パラパラと目を通す。
【トト】
「では順番に説明するが――――」
「そもそも、この呪いはアナンシのものではない。かつて『数字の5』を名とした魔女による呪いじゃ」
「そやつは自らの名を気に入っておらんかったようでなぁ」
「『5』という言葉を口にした者は皆死んでしまえ、という呪いを世界にばら撒いたのよ」
「アナンシはこれを利用し、道行く婦人方に『5』と言わせてペロリと食ってしまった――――これが、童話『アナンシと5』」
一冊の本が空中で開き、キミたちによく見えるように広がる。
それは西アフリカに伝わる御伽噺、『アナンシと5』。
ずるがしこいアナンシが悪さをして、しかし最後には自滅してしまう、なんてことはない童話である。
【トト】
「今回、奴が核としているのはこの話のようじゃな」
「現在は絶望の闇がまだ浅い故、呪いは奴の周辺でのみ効果を発揮しているようだが……街一つ飲み込むのは時間の問題じゃろう」
「とはいえこの話の中にあるように、この呪いを逆用してしまうことも可能なのは良い知らせだな」
――――脅威『5の呪い』が公開されます。
――――さらに、決戦フェイズ時にこの脅威に対して妨害判定を行う際、+2の修正がつきます。
『5の呪い』
種別:術式 レベル:2
判定:頭脳 タグ:呪詛
威力:-- 攻撃値:+1 耐久度:13 防御値:+1
【数を数えてくださいな】
パラグラフ5にいるPCの生命力を0にする。
【数ってのはこう数えるもんだ】
この脅威が妨害判定によって無効化された時、この脅威は13点の【耐久度】を失う。
【トト】
「そして肝心の解呪だが……結論から言おう。早急にアナンシを倒す。これだ」
「本来ならば、この呪いはひとたび『5』と言えば誰であれ死の運命からは逃れられぬほど強力な物」
「こうして先延ばしにされているだけで奇跡と呼ぶべきじゃろう」
「故に、呪いを展開している『アナンシと5』という物語自体を打ち消さねばならん」
「間に合うかどうか、ギリギリな部分もあるがのう……加えて奴は油断ならぬ策略家、一筋縄では行くまいて」
【トト】
「ほれ、これはせめてもの餞別だ」
「念じて願いを込めよ。多少は助けになるだろう」
そう言うと、トトはさらに一冊ずつ……三冊の本をそれぞれキミたちに渡す。
ほのかに暖かい魔力を感じる……なんらかの魔導書か。
――――トトの援助により、各自ひとつずつ好きな領域にインガを配置することができます。
152
:
大船 数多
:2016/05/02(月) 23:23:26
「……分かりました」
強い決意の宿った目で、トトを正面から見据えて頷く。
普段の気弱な少年からは想像も付かないだろう、打倒の意志を覗かせる瞳だ。
「アイツを倒せば、お母さんは死なずに済むんですね」
先ずはあのフォーク……三叉の槍と、そして水を操る力。
掴みあぐねているこの二つを、自分のものとしなければいけない。
「……あ、あの、トトさん……様?」
そしてそのためには、
「えっと……物知りの神様、なんですよね?」
「もう一つ、聞きたいことがあるんです」
『自分が何者なのか』。そのルーツを辿る必要がある。
銀のフォークを握り―――『三叉の矛』を現す。それを両手で、差し出すように持ち……
「……この槍に、見覚えってないですか」
「『海のお守り』、って……お母さんには、言われてたんですけど」
いと高き決意とともに、白のインガを配置。(白1/1Lv⇒白2/1lv)
153
:
GM
:2016/05/02(月) 23:36:58
【トト】
「ふむ……」
「……まぁ知っておるよ。ワシが知らぬことなどそう多くは無い」
「というより、ワシでなくともあらかた予測は付く問題じゃろ」
「海で三又槍とくれば答えは自ずと導き出される」
「だが――――」
背もたれに体重を預けたトトは、なにやら勿体つけて……可の方に視線を送る。
【トト】
「それは、ワシの口から語られるべきことではないな」
「ほれ、可よ。そろそろお前さんの口を開くべきなのではないか」
「隠しとるわけでも無さそうじゃが、勿体つけるにしてもいい塩梅だろうよ」
154
:
主藤 可
:2016/05/02(月) 23:51:20
「―――――う、うん。えーっとね?」
トト様に促されて、主藤は一葉の写真を取り出す。
少々古ぼけた――――潮の香りのする写真を。
そこにはまだ赤子の数多と、数多の母親。そして――――数多の見る事のない、知らない男の顔。
この写真こそがエリートであるはずの主藤が、この年まで実戦に関わっていなかったその理由。
「あまちゃんのお父様からずっと頼まれていたんだ。」
「あなたが覚醒するまでの間、お義父様が見てやれない分、影から見守ってやってくれって。」
主藤はセルケト様の分体と共にずっと、ポセイドン様の代わりに大船数多の故郷にて数多を見守り続けていた。そして――――
「あなたのお父さん―――-ポセイドン様の神力で覆った島で護り続けられなくなる。」
「それほどまでにあなたの力が強力になった時。」
「あなたの力に引き寄せられてくる『災い』からあなたを護る、その手助けになってやってくれって。」
数多が父の庇護から抜け、神話の荒波に晒される時。
その覚醒めの際の助けになるために、私はずっと見守って来たのだ。
PC2の【真実】
あなたは実は、『新たな神子』がPC1のことであることを既に知っていた。
以前『いつかPC1に危険が迫った時、PC1を守る』という予言を受けていたのだ。
PC1の親神からもくれぐれもよろしくと言われている。今こそ予言を果たす時だ。
――――あなたの真の任務は『PC1を守ること』である。
この真実が公開された時、白の領域にインガを2つ配置する。
[トリガー:PC1への想いを1点以上にする]
155
:
大船 数多
:2016/05/03(火) 00:07:37
「これが……」
写真の男―――自分の父親である人物と、主藤の顔を交互に見比べる。
「僕の、お父さん……」
ぎゅ、と写真に添えた指に力が入る。
いないもの、と思っていた。
いなくてもいい、と思っていた。
自分には、母がいるから。見たこともない父に縋ることなどない、と。
けれど、父は見えなかっただけで、そこには親の愛があった。
ずっと、守ってくれていた。
その、なんと心強いことか。
「……主藤さん」
最後に顔を上げたとき、その目尻は少し潤んでいた。
主藤に向けて、微笑む。
「今まで守ってくれて、ありがとう」
それは、見えない父への感謝の言葉でもあった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
PC1の【真実】
あなたの親が苦しんでいる光景が見える。
うなされ、血を吐き、あなたの親はその命を散らそうとしている――――
――――そして、最期にあなたと誰かへの愛を囁いた後、あなたの親は息絶えた。
――――これは予言である。
2サイクル目が終了するまでにこの真実が公開されなかった場合、あなたの親は死亡し、黒の領域にインガが4つ配置される。
2サイクル目が終了するまでにこの真実が公開された場合、好きな領域にインガを2つ配置する。
さらに、決戦フェイズに勝利することで親の死の運命を回避できるようになる。
[トリガー:白の領域の覚醒段階が二段階目に到達する]
156
:
主藤 可
:2016/05/03(火) 00:36:54
「え、あ――――」
,. --―――-..、
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/::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ ヽ二_ト、ヽヽ
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,':::::::::::::::::::::::ト、レメ≧ト、ヽ:::// メrヽヽイ::::::ハ:|
|::::::::/ヽ:::::::::! ,.ゝ ハゝ1 ` !:i!j:! レi!:::/ i!
|::::::〈 へト、::(f !:.ヾイ! u ヾ__ィ !レ'
!:::::::::\ ぅ\ヾ ゝ-' ヽヽヽ ハ
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|::::::::::::::::::::::|\ U r―=ィ ,イ:::ヽ
!::::::::::::::::::,.ィ| ヽ  ̄ ,...イ::::::::ト、::\
/::::/!:::::::::ノ r' ヽ ヾ:::`::-.<:__iヽ:::::ヽ` ーヽ
笑いかけられると、赤くなってそのままこそこそと間ヶ部の後ろに隠れよう。
「ど、どういたしまし、て・・・?」
157
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/05/03(火) 00:41:41
「ん? どったの急に。」
一方私はなんか脇で平然とパピルスを読んでいた。
あ、ちゃんと許可は取ってるし終わったら片付けるから。画面外で。
なんかアナンシがタールの赤ん坊にボゴボゴにぶん殴られる話があったのよねー。
158
:
大船 数多
:2016/05/03(火) 01:22:43
「す、主藤さん?」
これまでずっと付きまt……向こうから追ってきただけあって、避けられるのは新鮮だ。
困惑しつつ、読書中の間ヶ部を迂回して主藤の顔色を伺う。
「な、何か間違ったかな、僕……」
真実公開によるインガ配置⇒青に二つ(青1/1Lv⇒青4/2Lv)
159
:
大船 数多
:2016/05/03(火) 01:31:39
訂正
真実公開によるインガ配置⇒青に二つ(青1/1Lv⇒青3/1Lv)
160
:
主藤 可
:2016/05/03(火) 01:34:25
――――思えば初使命だし、
今まで神様相手に家政婦、世話役、秘書の真似事をしていただけで『やって当然』みたいな空気がどこかにあった。
なので、その。
「う、ううう、う〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・!!?」
そう真っ直ぐと感謝の意を示されると、その。顔が赤くなる・・・!!
好きなインガ一つ追加とのことなので青のインガ一つ配置。あまちゃんの配置と含めてこれで青4/2Lvだね!
161
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/05/03(火) 01:40:54
「…私メリーゴーランドの中央ポールじゃないんだけど。」
何やってんのこの子ら。
青春? 青春でいいのかなこれ。
では赤の領域にインガを置こう。
これで赤3/1Lvのはずだ。
162
:
エキストラさん
:2016/05/06(金) 09:47:29
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163
:
GM
:2016/05/07(土) 02:48:26
――――父はいた。
――――愛はあった。
――――――あとは、母を救うだけだ。子から親への、愛として。
――――――――――シーンエンド
164
:
エキストラさん
:2016/05/09(月) 12:20:30
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165
:
GM
:2016/05/10(火) 00:04:49
サイクル2
冒険フェイズ6
シーンプレイヤー:間ヶ部 蓮
運命の輪:黒2/1Lv 赤3/1Lv 青4/2Lv 緑1/1Lv 白4/2Lv
――――――――――――――――――――――――――――――
パンテオン
――――万神殿と呼ばれる場所がある。
そこはあらゆる神子を管理する場所。
神話災害に対抗するための指令基地。
神と神子が相談し、悪魔と怪物とに対抗するための空間。
間ヶ部蓮と大船数多は、ドゥアトを去るとすぐにここにやってきた(可はドゥアトで母とじゃれている)。
ギリシャ風の神殿であるここでは、神子の長である伝説の英雄ヘラクレスがキミたちを待っているはずであり――――
___
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. i:.:.:. /:.:.:.:.:ト、:.:.:.:}:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:..
ー/:.:.: i:.:匕1:./ }i:.:.:.:.:.ヽ :.:.:.:.:.:.:.
.{:.:l:.: l:.: i_リア/:.:.ノ:.:从:.:.:.:.:.:.:.:. 「おお、レン、レン」
.乂:.:.Уゝ . ̄i:.:.イ:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. .}. 「よく来たな我が娘よ。久しぶりに会えてとても嬉しいぞ」
.:.ヘ __ .|:.: i:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨:. ト、「ナイアーラトテップめの妨害には遭わなかっただろうな」
ヽヘ /:. /_::: -,:.:.:.:.:.:.:.:∨_/:.:.i 「エジプトの蛮神どもに妙なことはされなかったか」
|:.:ゝ--/:.:./ /:.:.:.:', :.:.:.:.:.:.:.:.:.:: l 「レンに何かあったら彼奴らめ、灰も残さず焼き尽くしてやろうぞ」
゙゙_ト<i:.:.:.i /.ュ≦}:.:.:',:.:.:.:.:.:.:.:.: /
γ . ムⅦ:.:. レ三三三i:.:.:. ヽ:.:.:.:.:/
Lュ≦三|:.:.:.∨三ニニム:.:.:.:.:.: ̄
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.::|:::∨:::::::::|::::::::::::|:::::::::::::マ三三三=|三ニ|
.:: i :: |:::::::::::|::::::::::::|:::::::::::::::マ三三ニ.|三ニ|
.::::|:.:.:i :::::::: |:::::::::::::::::::::::::::i:::マ三ニ==|三ニ|
――――なんか炭のように黒い肌の美女が無表情のまま色々捲し立てて蓮の方に駆けよってきた。
あとなんか……暑い。むしろ熱い。
万神殿全体が蒸し焼きにでもなってるかのような熱量だ。
よく見ると遠視用の水瓶がグラグラと沸騰している。
166
:
間ヶ部 蓮/レン・マ=クーバ
:2016/05/10(火) 00:21:02
パンテオン
「ここが、神話災害対策本部、万神殿。入り方はさっき見た通り―――」
「―――って、あれ、マム? こっちに来てるなんて珍しいじゃない。」
「うん、私はいつも通り。ニャル公の手出しなんかも特になかったし、トトさんも穏便なもんだったわ。」
熱そのものは意に介した様子はない。
というより、意に介するような事ではない。
ぶっちゃけ慣れてるしね。
「っと、なんか置き去りにしちゃってごめんねー、少年。」
ヒト .・ .・ ・ ・
「この神、私のお母さん。クトゥガって言うんだけど……知ってる?」
……うちのお母さん、割とマイナーだからねぇ。
まあ、知らなくても見ただけでどういうモノかくらいは判るだろうけど。
167
:
大船 数多
:2016/05/10(火) 00:38:43
「実在しない、飲み物を頼むんですね……っと」
忘れないように、メモに書き留めている。
いくつもの汗の滴がそのメモに滴り、黒の制服をますます黒に染めている。
「あっ! はじ、はじめまして!」
「大船数多って、言います……」
最近自己紹介することが多いなぁ、などと思いつつも、恭しく頭を下げ。
「え、えーと……あんまり詳しくは……」
「火の神様、です……よね? 『生ける炎』とか……」
間ヶ部を断熱材の如く間に挟みつつ応じる。
これでも、一般人にしては知っている方だろう。
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