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サーナイト携帯小説スレ その2
1
:
管理人★
:2010/03/21(日) 00:02:19 ID:???
携帯からSSを投下するためのスレです。
携帯での閲覧を前提にしているのでsage進行を徹底していません。
皆様の投下をお待ちしております。
128
:
Mr.L
:2010/11/05(金) 17:36:13 ID:fT1qa5mo
それからしばらくしてシェルフは2人を解放した、最早ユーゴは呆れてものも言えない表情になっていた。
レンは2人に『すみませんね』とジェスチャーしてシェルフに冷たい視線を投げ掛けた。
モカはレン同様冷たい視線を向け、『どさくさ紛れに変な所さわってだだろ』とシェルフを非難した。
それに対してシェルフは笑顔で『いやぁ〜ミクちゃんが柔らかくてつい…♪ミーちゃんもすべすべでさわり心地が良かったし♪』と言い訳するでも無くサラッと言った。
「…はぁ…;だからって公衆の面前で堂々と抱き付くなよな…;」
「良いじゃん♪可愛い娘って抱き締めたくなっちゃうしさっ♪」
「…プチッ#『こぉんのエロ隊長がぁぁぁっ!』」
とうとうユーゴは鞘に納めた剣でシェルフを殴った!
シェルフは涙目になり頭を押えて『うわーん痛いよー酷いよーユーゴが殴ったー』と棒読みで言った。
「―ったく隊長と合流したのは失敗だったか?;」
「いえ;おかげで私も新しい技を覚えたので…;」
(((お前が“ただのサーナイト”じゃない事も分かったがな。)))
ユーゴとレンは心の中で同時ツッコミを入れた!(レンがサイコパワーでミーシャに心を読まれないようにしながら)
この時モカも無言でコーヒーを啜って、ミーシャを一瞥したのだが、彼女も『閉心術』を使っていたのでミーシャはこの3人の行動に気付く事は出来なかった。
つまり、この場で『ミーシャ』が“普通のサーナイトで無い”事を知っているのはモカ、ユーゴ、レンの3人なのである。(因みにミーシャ自身も知らない)
「あっ、そう言えば表彰式は何時からなんですか??」
「ん?確か6時頃じゃなかったか?」
※現在5:30
「…朝礼でしますか…;どこの学校なんですかここは…;」
「仕方無い、士官学校の朝礼と同時に行うからな。」
「騎士団本部は士官学校も兼ねた施設だからねぇ〜♪」
「確か夜桜騎士団は『日ノ国:道快地方』所属の騎士団だったな?」
「そうだな、昔は日ノ国を任されてたが…カントーだのジョウトだの新しい土地が出現したからな…いつの間にか夜桜騎士団は主にそんな新しい土地を任される様になった。」
129
:
Mr.L
:2010/11/05(金) 17:37:08 ID:fT1qa5mo
「私達が出会ったのはホウエン支部でしたよね?地理的におかしくありませんか??」
ユーゴはミーシャの質問にため息をついた後、『分からないなぁ』といった表情で愚痴った。
「…確かにな…団長も何の思惑があって『カントー』『ジョウト』『ホウエン』『シンオウ』に進出したんだか…近々新しく出現した土地にも進出するとか言ってるしな…全く…本職の道快担当はどうなるんだよ?;」
「良いじゃないか♪ホウエン支部って結構面白いし♪」
「隊長、面白ければ何でも良いんですか?#」
ユーゴに睨み付けられても気にせずにシェルフはとんでもない事を言い出した。
「う〜ん…個人的には雛見沢担当のままが良かったけどね〜?」
「隊長、L5発症して死んでください。」
「ひっどいなぁ〜♪」
「―話がずれたが、とにかく夜桜騎士団の本部はここ、日ノ国は道快の相千だ…まぁもう来る事も無いだろう…表彰式が終わったら俺達は解散だしな、元々3人は民間人(ポケモン)な訳だし。」
ユーゴのそんな言い草に、ミクは頬を膨ませて抗議した。
「ユーゴさん、ちょっと言い方が酷くない?」
「…すまん、だが…ミクは巻き込む訳には行かないからな…真羽花に託されたのに騎士団に引き込むのはどうかと思っていたし…何よりミーシャとモカは強い、ミクを騎士団員にして保護しなくても大丈夫な気がしてな。」
ユーゴのその言葉に、モカは皮肉たっぷりに『それは買い被り過ぎだと思うぞ?』と言った。
ミーシャは『では期待に答えないといけませんね♪』とヤル気満々だった。
130
:
Mr.L
:2010/11/05(金) 17:43:54 ID:fT1qa5mo
…うーん…やっぱりカオスって好きだなぁ…。
ミーシャ「しつこいです!;」
とりあえず今回はここまでです!
ミーシャ「書き忘れですね分かります。」
じゃあ一つ。
作中で『レリーフ召喚』をやろうと思うんですが…オリキャラ出しても良いと言う方募集します!
現時点では旧キャラを召喚する予定です、まぁ一応…募集します…因みに出来ればレリーフに刻まれた姿や支援技を教えてくれると有り難いです、技は2〜4個でお願いします。
注文が多くてすみません!;
ではっ!
131
:
Mr.L
:2010/11/12(金) 09:40:02 ID:fT1qa5mo
メモ帳が一杯になったので一気に投稿します!(は!?;)
第27話:表彰式の罠
6時…
時間になったら予定通り朝礼が始まった、一応隊長であるシェルフは壇上に、ユーゴ達は他の騎士団員と共に下に整列している、しばらくすると、団長が席から立ち上がりマイクを手に取った。
『騎士団員諸君、おはよう。』
『おはようございます!!』
「ひゃっ!?;」
全員大声で返事をしたため、ミクはビックリして変な声を上げてしまった、すかさずミーシャが『大丈夫ですよ…』と抱き締めてくれたので直ぐに落ち着いたが。
―しばらく色々な話があった後、表彰式の時間がきた。
『―では今回の指令で活躍した隊に労いの意を込めて表彰を行う、シェルフ隊代表者前へ!!』
『ハイッ!』
団長の呼び掛けでシェルフは団長の前へ行き、ユーゴ達5人は壇上に上がりシェルフの後ろにユーゴを中心として横に並んだ。
―この時、団長はミクとミーシャを一瞥したが気付く者は居なかった…
否…シェルフとモカは何か感づいた様だが…?
「シェルフ隊隊長、シェルフ・ミストラル。」
「ハイッ!」
「貴殿達の今回の活躍を評してここに賞状と名誉を与える、心して受け取るがよい。」
「…ありがとうございます!」
団長は机の上に置いてある箱から賞状を取り出し、シェルフに手渡した。
その瞬間会場に割れんばかりの拍手が鳴り響いた…!!
団長がそれを静めた後、次はミーシャとミクが呼ばれる。
「ミーシャ、及びミク。」
『はい!』
「貴女達の活躍により、騎士団は大いに助けられた、よってここに名誉勲章を与えよう、受け取りたまえ。」
「はい、ありがとうございます。」
「ありがとう♪団長さん♪」
「―はははっ!こんな子供なのに凄いね、君は。」
「えへへ…//」
(…是非君のその力が欲しいものだ…。)
「え?―
すると団長がいきなり剣を抜きミクに斬りかかった!
が、予め備えていたモカとシェルフがその剣を受け止める!
会場が騒然となった!
「…セイン団長、いきなり剣を抜くとは何事ですか?」
「ホゥ…?私の剣を見切るとは流石だなシェルフ、それにそこの女もな。」
「…はぐらかさないで下さい団長!」
132
:
Mr.L
:2010/11/12(金) 09:40:37 ID:fT1qa5mo
しかしセインは悪びれもせずにシェルフとモカ、2人の武器を簡単に弾いた!
「…が、所詮この程度だ。」
「―っ!」
セインは更に追撃の一撃を繰り出す!
シェルフは咄嗟に剣を盾にした!
しかしモカは違った!逆にセインに突っ込んだのだ!
「女…貴女は命が惜しくないと見た。」
「フン…どうだかな。」
モカは斬撃をギリギリで避けるとその流れを利用して斬撃を仕掛けた!
セインは腕の鎧で刀を受け流し、モカを叩き斬った!
「―!」
「悪いが私は相手が鎧纏わぬ女でも容赦はしない。」
モカは左肩から袈裟斬りに斬られた、しかし出血は無い様に見えるが…?
「…ホゥ?ローブの下に鎧があったか。」
「…ああ、“自前”のがな。」
次の瞬間、モカはセインを“爪で”斬り裂いた…!?
爪はセインの鎧を容易く斬り壊した!
「…女、何者だ?」
「…。」
モカは…モカの構えた左手の爪は鋭利に尖っていた…!!
そして斬られたローブからは銀色の鱗が見え隠れしている…!
「…銀色の鱗…どうやら貴女は―
「…竜人[ドラゴニカ]…?」
セインの言葉をシェルフが引き継いだ。
するとモカは静かに瞳を閉じ『最早隠せないか…』と呟いた後、ローブを脱ぎ捨てた…タンクトップにズボンの姿になったそのモカの背中から先は銀色の鱗に覆われ、背中から尾てい骨にかけて同じく銀色の翼や尻尾が生えていた…そして…開いた瞳は蒼に変わっていた…。
「…そうだ、私は『アイスドラゴン』の竜人だ…。」
「ホホゥ…?シェルフ君、君の隊には面白い人達が入るねぇ?『ドラゴニカ』と言い…『歌姫』と言い…ね…?」
「…!!!」
「隠してたつもりか?シェルフ隊長、そこに居るのは私が最も欲しかった歌姫、“終末”の『ミク・ディ・エンクローズ』だろう?」
「…あははっ!団長は何を言っているんですか?」
しかしシェルフはセインが得意気に言い当てたのを嘲笑った。
「ミクはただの子供ですよ?」
…セインは“その言葉を待っていた”とばかりにとんでもない事を言い出した!!
「フン…見事に“誘導尋問”に引っ掛かったな?反逆者め。」
「なっ!?」
133
:
Mr.L
:2010/11/12(金) 09:41:02 ID:fT1qa5mo
「シェルフ隊長、貴方は私を斬ろうとしていたな?」
「斬ろうとした!?それは貴方の方でしょう!?」
セインの言葉にシェルフが憤慨し、モカは冷静に指摘をした。
「それにハッキリと『私の剣を見切るとは』と言った、明らかに攻撃した側の台詞だ、言い訳としてはかなり苦しいぞ。」
「そちらこそ言い訳ではないかな?」
「なに?」
そんなモカの指摘に対してもセインは悪びれもせずにしゃあしゃあと言ってのける。
「“貴方達が斬ろうとしたから先手を取った”、それだけの事…それにそこの娘が真に歌姫なら庇う必要等なかろう?」
「…ッ!無茶苦茶だッ!!大体そんな言葉を誰が信じる!?」
―しかし、騎士団員は誰も彼もユーゴの台詞よりセインを支持している様子だった…皆はシェルフ達6人を敵対視し始める。
「フッ…皆は私を信用するみたいだな?」
「なっ…!?いくら団長だからとこんな横暴を目の前にして尚支持するのか!?」
ユーゴの呼び掛けに対しても皆はユーゴに非難がましい視線を向けるだけだった…
134
:
Mr.L
:2010/11/12(金) 09:41:25 ID:fT1qa5mo
第28話:逮捕/桜の音
その後…6人は理不尽にも逮捕され、ユーゴ・シェルフ・レン、ミーシャ・ミク・モカと3人ずつ牢屋に入れられた…
「…すまないユーゴ、君にまで迷惑をかけてしまって…。」
「いえ、俺は隊長が正しいと思っていますから迷惑とは思いません。」
「はははっ…我ながら良い部下に恵まれたよッ!!」
シェルフは手刀で牢屋を叩く、ユーゴもそれに続き同じく手刀を繰り返す、レンもまた手刀を繰り出して牢屋を叩いた、しかし今のレンは首輪によりポケモンの力を封じられているのでユーゴ以下の力だ。
「ハアッ!セイッ!どぉりゃあっ!!」
「…びくともしない…手も痛くなってきたな…。」
既にシェルフもユーゴもレンも手は血だらけでどこか痛々しい。
隣りの牢屋ではミクの歌声が響き、モカが脚で蹴り付ける音が聞こえる。
「サイコキネシスッ!…はぁ…やはりポケモン技は使えませんか…。」
「こっちもドラゴンの力が封じられて力が出ないな。」
「ワタシもダメ…歌に意味を込められない…。」
…一方、ここは何処かの桜の木である、今この木は“夏にもかかわらず”満開に咲き誇っている、その根元には―
「…ふにゅう…よくねたぁ〜…うにゅ…ここは…?」
その根元で寝ていたのは桜色の髪/薄緑色の瞳/薄緑色に桜の絵が入った着物/胸にはロケット…そう、真羽花だ。
「あれ…?みかちゃん…?」
真羽花は辺りを見回す、やがて足元に何か落ちているのを見つけた。
「…これは…レリーフ…?」
そこには美夏の姿が彫られたレリーフが落ちていた、レリーフの左下には『Mika』と刻まれている。
「…まさか…美夏ちゃん…。」
真羽花がレリーフを抱き締めると、レリーフから声が聞こえた…
(真羽花さん!聞こえますか!?)
「えっ…?美夏ちゃん!?」
(あっ!聞こえました?良かった…。)
「美夏ちゃん、これってどう言う事なの?」
(貴女には自分の体があったんですよ、この桜の根元に、だから貴女は元に戻れたんです。)
「…じゃあ、美夏ちゃんは…?」
レリーフからは悲しげな声が聞こえてくる…
135
:
Mr.L
:2010/11/12(金) 09:41:49 ID:fT1qa5mo
(…私の体はもうこの世には存在しません…何処か別の次元に飛ばされたかと。)
「そう…なんだ…。」
真羽花は暗い雰囲気になったので美夏は『気にしないで下さい』と声をかけ、レリーフについての説明をした。
どうやらこのレリーフ、彫られた人物の心が宿る物らしい。
心で呼び掛ける事でその人物に支援してもらえると言う訳だ。
早速真羽花が呼び掛けると、美夏がレリーフから飛び出して技を一つ放つと再びレリーフへ消えてしまった、つまりこういう事が出来る物らしい。
(大丈夫です、私は今も真羽花さんと一緒にいますよ。)
「うん…分かったよ…そう言えばここは…?」
真羽花が見回すと、そこは真羽花の良く知る場所…日ノ国は相千の自宅付近…桜の丘である事が分かった。
「家の近所…かな?と言う事は優悟君達が居る世界に戻ってきたんだね…だったら優悟君達を探しに行かなくちゃ…!」
(待って下さい、先ずは自宅に戻って支度するのを忘れないで下さいね?)
「うんっ♪」
真羽花は意気揚々と帰路につくのだった。
―再び騎士団本部の牢屋に戻る、既にシェルフ・ユーゴ・レンの3人は息絶え絶えだ…空きを見て牢屋を叩き続けたが、かなり頑丈に出来ているらしくびくともしない…
ミーシャ・ミク・モカの3人は…今まさに危機的状況に立たされていた!
「ミクさんは渡しませんっ!!」
「諦めの悪いサーナイトだな…技を封じられたポケモン等怖くは無いんだぞ?」
「フン、なら何故手を出さない。」
…実質騎士団員達から見てミーシャは特に警戒に値しない、だがモカは違う、竜人の力を封じられて尚強いからだ、実際1人蹴り飛ばされて気絶させられた。
「戯言は私を倒してから言うんだな。」
モカは手刀を上に構えて挑発する、騎士団員達は剣を抜くと『舐めるなよ?』と静かに良いモカに斬りかかった。
「…遅い、瞬迅脚。」
モカは近付いてきた騎士団員を蹴った、しかし吹っ飛ばないどころか鎧に傷一つつかない。
「フッ…お前は弱いな!魔神剣ッ!!」
「何…?」
逆にモカが魔神剣程度で壁に叩き付けられた!
しかし…何故?
136
:
Mr.L
:2010/11/12(金) 09:42:22 ID:fT1qa5mo
「フフッ…ここは騎士団の牢屋…囚人の力を操作する等造作も無い、どうやら調整班は『重力』を下げた様だな、では歌姫を渡してもらおうか?」
「グッ…断る…!」
「…やはり最初からミクさんが歌姫だと知っていたんですね!?」
「フン、だからどうしたと言うのだ?まぁどちらにせよそもそもお前達に選択権は無いがな。」
「グッ!」
「きゃうっ!?」
「いやッ!離してっ!」
「黙ってついて来い!」
「あうっ!」
騎士団員は指一本でモカとミーシャを弾き飛ばすとミクの手を掴み、暴れるミクを手刀で気絶させると連れさって行った…
「…ク…ソ…
「ミク…さん…
2人もそのまま気絶してしまった…
137
:
Mr.L
:2010/11/12(金) 09:43:12 ID:fT1qa5mo
第29話:真羽花改めユーカ、出発だよっ☆
※全員が戦闘不能になったので以下真羽花改めユーカ視点で進みます。
自宅でたっぷりと休憩&準備を済ませた真羽花は、優悟(ユーゴ)の部屋にて“改名書類”を発見/自分もやってみた/ユーゴの真似でユーカに改名/そんな訳でユーカは意気揚々と出発した。
現在の服装=頭には大きな紅いリボン/桜色の着物/胸にロケット/漆塗に赤紐の下駄/薄緑色のナップサック
おおよそ『これからユーゴ君を探しに行くよ☆』と言出した人間の格好では無い、むしろ『これからピクニックに行くよっ☆』と言った感じだ。
(…およそ戦闘向きでは無い服装ですね?;)
「…いいの、これがわたしの『勝負服』だから。」
(あのですねぇ…;愛しい人に会いに行くのは分かりますがもう少しまともな…
「だから、これがわたしの『戦闘服』なの。」
服装に反してユーカは至極真面目な顔で美夏に反論した。
…と、町中に出たのは良いが―
「おっ!真羽花ちゃん久し振りだねぇ!!」
「あっ♪惣菜屋さんこんにちは♪」
「揚げたてのコロッケ食うかい!?」
「是非っ♪」
「あらぁ〜まゆちゃんお久し振りねぇ〜お団子食べるかい?」
「うんっ♪」
「真羽花ちゃん今日も和服姿が似合うねぇ♪これ持って行きな♪」
「わぁ〜♪ありがとぉ〜♪」
(大人気ですねユーカさん;)
「うんっ♪」
…流行の病で銀髪になった時は避けられていたのだが…。
どうやら町の人々は病が治ったものと見たらしい…至極普通の反応だが、やはり現金なものである、しかしユーカは昔と変わらぬフワフワした笑顔で対応し、ありがたく頂いた。
「はぁ〜♪おいしいかった☆」
(はぁ…;ユーカさんって元々はそんな性格だったんですね…;一応真面目な顔も出来る様ですが…;)
「えへへ//わたしって昔から甘い物とかに弱くて//」
(まぁタダで食料(主に和菓子(え?;))も手に入りましたし、そんなユーカさんも可愛いから良いですけど、ではそろそろ町を出発しましょうか?)
「りょ〜かいっ☆」
こうして2人はわきあいあいで町を出たのだった。
そして、近くの草原。
138
:
Mr.L
:2010/11/12(金) 09:44:00 ID:fT1qa5mo
「ん〜っ♪良い天気だねぇ〜♪」
(そうですねぇ…。)
のんびりとユーゴが居るであろう騎士団本部に向う2人、まぁ…この2人はまさかユーゴ一行が捕まったなんて知らない訳だし、『折角この世界に戻って来たんだから会いに行こうかな♪』程度の心構えなのだ。
…しばらく雑談しながら歩いていたが、不意に魔物が襲いかかってきた!
「あぅ…うるふさんそこ退いてよ〜;」
「グルルルル…ガァァァッ!!」
「きゃうっ!;」
草原にてウルフに遭遇したユーカは武器を取らずに説得を試みている;
「むぅ…、出来るなら戦いたくないんだけどねぇ…。」
(…随分と余裕ですね?)
「違うよ〜うるふさんにも家族がいるはずでしょ?」
(・・・・・甘っ!;チョコレートケーキにマシュマロ沢山乗せるくらい甘いです!;)
「わたしなら更にメイプルシロップかけるよ?」
(Σド甘党ですねっ!?;って今はそれどころじゃ―
が、ユーカは何処から取り出したのかチョコレートケーキ(トッピングにマシュマロ+メイプルシロップ)をウルフに与えている;
しかもウルフはそれを美味そうに食べている!;
「わぁ〜♪余程お腹が空いてたんだねぇ〜♪」
(はぁ…;ユーカさんの幼稚っぷりには呆れますよ全く…;)
…激甘チョコレートケーキを食べ終わったウルフは尻尾をパタパタ振ってユーカにすり寄ってきた!;
「キャウッ♪」
「あははっ♪懐かれちゃった♪」
(・・・・・!;これはギャグですか!?;しかもあからさまに肉食系の魔物がケーキで懐柔ってなんの冗談なんですかーーーー!?;)
※スイーツウルフ(ユーカ命名)が仲間になりました
「人数が多いと楽しいねーっ♪」
「わふっ♪」
(Σ早くも意気投合してるー!?;)
そして、後の草原にて遭遇した魔物は全てたまたま持っていたペットフードにて懐柔し、全てやり過ごした(?)
そして一行は丘に突入した。
(有り得ません…魔物と戦わずして勝利する等有り得ませんッ!!;)
「でも勝ったよ〜?」
「ワンッ!」
(はぁ…;)
ハッキリ言ってユーカのこの戦績は『幸運の無駄遣い』だ、正に思念体化していた間の運を無駄に使っている状態なのだ。
139
:
Mr.L
:2010/11/12(金) 09:45:01 ID:fT1qa5mo
…つまり『幸運』の限界値がもう直ぐに迫っていた。
(あぁもうっ!#大型魔獣(火竜)にそれが通用するはず無いでしょう!?#)
「そんな事言われてもぉ〜;」
『ガァァァッ!』
「ワンワンッ!」
「え?戦うの?あぅ…そうだよね…うん分かった!」
(スイーツウルフの作戦は聞くんですか!?;私のいる意味って一体…;)
ユーカはスイーツウルフ(以下Sウルフ)を抱き抱えると火竜に向き直った!
「行くよっ!」
「ワフッ!」
(何する気ですか?)
「えーいっ!」
「バウッ!」
ユーカはSウルフを上に投げ、自分は左に回避した!
Sウルフは火竜の背に降り立つと噛み付いた!
痛みで一瞬動きが鈍る、そこにユーカは一閃加えた!
火竜はバランスを崩して倒れたところに、Sウルフは体当たりを仕掛け、ユーカは更に斬る!
「ワォーン!」
「やぁぁっ!」
『我流牙ッ!』
(Σ何か新しい技を習得したー!?;)
ユーカとSウルフはそれぞれ刀や前足で火竜を叩き、綺麗に着地するとポーズを決めた。
…しかもしっかりと一撃で火竜を“気絶”させて倒したのだ。
今回はここまでです!失礼しました!
140
:
霧生蘭★
:2010/11/14(日) 17:08:27 ID:???
>L氏
コメントありがとうございます。
L氏のキャラを出せなかったのは、まあL氏の言う通りもありますし、パワーバランス的なあれやとか舞台的なそれやもありますから…
レリーフ召喚は、残念ながら私にはお貸しできるキャラがおりません。あしからず…
141
:
Mr.L
:2010/11/26(金) 19:06:01 ID:fT1qa5mo
どうもっ!Mr.Lですよ〜!
小説を投下していきたいと思います!
今回は2話ですね〜。
霧生蘭さん→パワーバランス…と言う事はアレですか?やっぱり自分のキャラはチート染みてたりとか?
逆に弱いとか?
あっ、レリーフは気にしなくて良いですよ〜?
では行きます!
第30話:森丘にてピクニック♪
気絶した火竜を介抱して立ち去ったユーカ一行は丘をゆっくり散策しながら騎士団本部へ向かっていた。
そしてユーカは―
「わ〜い♪ちょうちょだぁ〜♪」
「わんわんっ♪」
アゲハントの群と戯れていた!;
アゲハント達も全く警戒せずにユーカとSウルフに戯れついている。
美夏はそれをため息をつきながら見ていた。
(はぁ〜っ;ユーカさんは本当に子供ですね…;今までどんな育ち方したんですか?;)
「・・・思い出したくもない・・・。」
(え…?)
突如ユーカが纏っていたふわふわした雰囲気が消えた、アゲハント達が一斉に飛び去って行く…
(…!)
何か触れてはイケない過去の様で、色々と心配になった美夏は質問を変えてみた。
(そう言えばユーカさんのご両親はどうしましたか?自宅に居なかった様ですが…。)
「・・・わたしには親が居ないんだ…まだ言ってなかったっけ…?」
(え?―
142
:
Mr.L
:2010/11/26(金) 19:06:24 ID:fT1qa5mo
どうやらこの質問も“地雷”だった様だ、何処か諦めた様に伏し目でユーカは語る。
「わたしね、学校でも家でも苛められてて、小学校1年生の時に親に捨てられたんだ、そして、4年生の時に初めてわたしの家に来てそれを知ったユーゴ君『に』引き取られたんだ。」
(そうだったんですか…。)
「でもね、わたしはユーゴ君が居たから全然寂しく無かったよ?…どんな時でもわたしが苛められたら守ってくれて、ずっと一緒に居てくれたから…。」
ユーカはフワリと年相応の上品な笑みを浮かべた。
それからのユーカは思い出に浸り気持ちが切り替わったのか落ち着いた雰囲気になっていた。
「…この世界は久し振りだったからちょっと浮かれ過ぎたかな、ごめんね美夏ちゃん。」
(えっ?あぁ…はい…?)
「うん、早くユーゴ君に会いに行こうかな♪」
(そうですね…?)
急に真面目になったので逆に拍子抜けした美夏はしどろもどろに答えた。
それからのユーカは敵を斬り倒しながら進んでいた…
「雷散風ッ!」
「プキュゥッ!」
「炎撃波ッ!」
「ミギャッ!」
「氷刃華ッ!」
「クェーッ!」
(…雰囲気変わり過ぎですね…;)
「がぅ…。」
(相変わらず気絶させてますけど。)
「わふぅ…。」
もっとも、『夢幻暗殺術』という“相手を気絶させるのが目的の非殺傷剣技”で戦ったのだが。
丘を越え、しばらくすると大きな町が見えてきた。
「もうすぐ騎士団本部がある町だよ♪」
(へぇ…噂に聞くより大きいですね?)
「そうかな?騎士団関係の建物がある町は大体こんな感じだけど?」
(詳しいですね?)
「…まぁ、わたしも騎士団の一員『だった』しね…。」
ユーカは一瞬何処か寂しそうな笑みを浮かべ、直ぐに元の楽しそうな表情に戻った。
「さぁて♪もう一頑張りだねっ☆」
(あっ…はい!)
ユーカとSウルフは町の手前の雑木林を駆ける、当然音に反応して魔獣が現れるがそれぞれ撃破(気絶)させ、遂に町の目の前に来た!
「ふうっ♪良い汗かいた☆」
「わふっ♪」
(ハイテンション極まりないですね;)
143
:
Mr.L
:2010/11/26(金) 19:06:44 ID:fT1qa5mo
…雑木林を難無く突破したユーカ一行は騎士団本部のある町、音護市[ナゴシ]に入った。
(へぇ…結構賑やかだな町ですね〜。)
「うん♪この町は名前の通り『音の加護を受けた町』で有名なんだよ♪」
(音の加護…と言いますと?)
美夏が聞くと、ユーカは何故か眼鏡を取り出して(どこから?;)装着し、説明口調になる。
どうやらこの町は『7人の歌姫伝説』発祥の地の内の1つであり、初代『発端(生命)の歌姫』が生まれた町でもあるらしい。
『発端』が生まれた町なので『最も音に愛され、守られし町』…と言うわけで『音護』と名付けられた様だ。
(なるほど…。)
「とりあえず今日はもう夕方で遅いし、騎士団本部に行くのはは明日にしよっか♪」
(そうですね、連続戦闘でユーカさんもお疲れでしょう?)
「う〜ん…もうヘトヘトだよ〜。」
そう言いつつユーカは笑顔全開だ、とりあえず一行は手近の宿屋へ向かった。
(Σはっ!;Sウルフを連れて行ったらマズいのでは!?;)
「へぇ…最近はそんな魔物も居るんだねぇ…大丈夫だったかい?」
「えへへ//」
…案外宿屋の主人が気さくな人物だったので、Sウルフはペットとしてすんなり受け入れられた、美夏の心配は取越し苦労だった様だ。
「はふぅ…♪きもちぃねぇ〜♪」
「わんっ♪」
(レリーフでもお風呂に入れるのは意外でしたねぇ…。)
「良かったね美夏ちゃん♪」
(はい♪)
ユーカ達は仲良くお風呂に入った、因みにペットの入浴も可、なお風呂だった。
そして、晩ご飯を食べてしばらく談笑した後、明日に備えて21時頃には眠った―
(Σ21時就寝って子供ですかっ!?;)
「ワクワクして眠れないよぉ…;」
(Σ遠足前日の小学生ですかー!?;)
144
:
Mr.L
:2010/11/26(金) 19:07:33 ID:fT1qa5mo
第31話:とある少女のお話し/騎士団到着
―7年前―
ここは、何かの施設の様だ、今ここには男と少女がいる。
男…25歳前後/長身/銀髪のショートヘア/金色の瞳/眼鏡/全身を覆う黒コート
少女…10歳前後/年齢の割に大人びた印象/黒髪のセミロング/琥珀色の瞳/カジュアルな格好(黒系色)/ボロボロの黒いマント
―ミーナ、キーブレイドに認められし者、今こそ力を解き放ち―の―を『破壊』しろ、―の―を『奪い取れ』、そして『歌姫』の力を完成させるのだ、我が忠実なる従者、『ナンバーⅩⅢ[鍵帝従姫]ミーナ・サー・キレード』よ。
…はい、主の仰せのままに…。
少女は鍵を模した漆黒の剣、三日月を象ったキーチェーンの付いたキーブレイド=ルナティックを持ち、ある町を駆ける、出合う人々を老若男女問わず片っ端から斬り殺して行く―“慈愛に満ちた”笑みを浮かべて。
ヒィイッ!おっお助け―
アンタの―頂くよ?(ニコッ)
ヒァァアッ!
うぇぇぇん…ひどいよぉ…なんで…おねぇちゃん…
大丈夫だよ、そう思う―も直ぐに無くなるから。(ニコッ)
キャァァァッ!!
鬼ッ!悪魔ッ!人でなしッ!!うぅ…鬼チk―
アタシには関係ない、ただアンタの―を食らうだけさ。(ニコッ)
グァァッ!!
…。
―死人か、まぁまだ―があるなら頂くよ。(ニコッ)
こっ…こんな年寄りに何をする気じゃッ!
―を頂戴?おじいちゃん。(ニコッ)
・・・!
アタシは…数多の人間の―を奪ってきた、『結社』の為に、『―の歌姫』を復活させる為に…
そんな事をしても優しい姫様の事だ、きっと自分の為に犠牲になった人達の事を想い、苦しむだろう…そして“あの時”の二の舞に…
アタシは正しいのだろうか?
いや、アタシは間違ってる。
時が来れば『歌姫』は受け継がれ、新たな『―の歌姫』が生まれる。
だからお願いだ、誰か『アタシ』を止めてくれ―
―現代―
…ここは騎士団の牢屋だ、今ミーシャは目覚めた様だ、しかしその瞳は虚ろだった…
不意にミーシャは右手を上げ、何かを握る様な形にした、すると右手には鍵を模した漆黒の剣…そう、ルナティックが現れた。
145
:
Mr.L
:2010/11/26(金) 19:07:55 ID:fT1qa5mo
ミーシャはルナティックを牢屋の鍵穴に向ける、すると“カチャリ”という乾いた音と共に牢屋は開いた…
そしてミーシャは―
ミーシャは、引きつった狂気の笑みを浮かべ、牢屋から抜け出した。
身体は本来の色を無くし、薄緑色の部分は黒くなっていた。
―30分前―
宿屋でゆっくりと休んで『元気いっぱい☆』になったユーカ一行は騎士団本部へ来た。
「お嬢さん、騎士団に何用かな?」
「ユーゴ君に会いに来たの♪今居るかなっ?」
「ユーゴ…暫く待ちたまえ。」
「うんっ♪」
騎士の1人は一旦門に備え付けてある部屋に戻り、しばらくしてプリントを持って来た。
「フム、『シェルフ隊の月島優悟』で間違いないな?」
「うんっ♪そのユーゴ君で間違いないよ♪」
すると騎士は渋い顔になり『彼は今騎士団の牢屋なのだが…』と言った、その瞬間ユーカから一瞬表情が消え、怒りの表情になり―
「嘘だッ!」
(Σ危ないですよ!?;しかもネタが古いです!;)
美夏のツッコミをスルーしてユーカは騎士に掴み掛かり揺さぶる。
「お兄ちゃんが捕まった何て嘘っぱち…そうに違いない…違いない違いない違いない違いない違いない違いない違いない―
(Σまたですか!?;だからそれ古いです!;)
美夏のツッコミに今度は反応したユーカはケロリと笑顔になった。
「あはは♪そうだね♪助かったね騎士さん?ねっ☆」
「あ…あぁ…?;とりあえず牢屋まで案内をつけるから1度会いに行くと良い、身内の者なら喜ぶだろう。」
「うん♪でも案内は要らないよ♪」
「ムッ?何故?」
「『騎士団施設入場許可証』♪ほらこれ♪」
ユーカはナップサックから『騎士団員証(シェルフと団長の公認の印付き)』を出して騎士に見せた。
騎士は1度預かり、確認を取って本物である事を確かめた後、ユーカに返却し『失礼しました!団長殿に認められた者、「桜音真羽花」殿ッ!』と言い、道を開けた。
(…ユーカさんって隊長や団長さんと知り合いだったんですか!?;)
「えへへ//昔の話しだよぉ〜//」
(昔…と言うと具体的な年齢は?)
146
:
Mr.L
:2010/11/26(金) 19:18:03 ID:fT1qa5mo
「えーと…確かわたしが12歳の時の話しだよ?」
(Σ若ッ!;まだ子供じゃないですか!?;)
「あははっ♪そうだよねぇ〜♪」
ユーカは何処か人事の様に言った、美夏はその発言に微妙に違和感を覚えた。
ユーカは笑顔を振り撒きながら地下牢へと来た、その時ユーカは不穏な気配を感じた。
「にゃ…
警戒したユーカはナップサックから色々と出して装着した―
色々…ネコミミ/ネコグローブ/ネコスリッパ/ネコしっぽ
(Σ何故ネコ装備ですか!?;)
「わふぅ〜…。」
牢屋が並ぶ部屋の中、突然“カチャリ”という乾いた音と共に1つの牢屋が開いた!
そしてその牢屋からは―
「…んにゃ…黒い…サーナイトかにゃ…?」
(Σネコ語になってるぅぅっ!?;)(杉田さん風に)
「…。」(ニヤリ)
「しかも…キーブレイド使いかにゃっ?」
そのサーナイトは引きつった笑みを浮かべ、突如ユーカに斬り掛かって来たっ!!
っと今回はここまでっ!
〜次回予告〜
???「アンタのココロ、頂くよ?」(ニヤリ)
ユーカ「お断りします♪」(ニッコリ)
美夏(Σ何故楽しそうにっ!?;)
ユーゴ「お前…ミーシャだろ?」
ミーシャ(?)「ミーシャ?誰の事やら…とりあえず邪魔をするならココロ抉っちゃうぞ?」
ユーゴ「やれるもんならやってみなぁッ!!」
???「ミク…アンタまさかっ…!!」
ミク(?)「…目標確認、BRSシステム始動。」
???「チッ…戦うしかないのか…ミク…。」
ユーゴ「そうみたいだな…
ユーカ「来るよっ!!」
???「ミクッ…!!」
美夏(Σミクさんの服装にツッコミは無しですかぁぁぁっ!?;)
待て事項ッ!
※内容は一部変わる事があります。
147
:
Mr.L
:2010/11/30(火) 18:05:09 ID:fT1qa5mo
とりあえず前回が中途半端だったのでキリのいい所まで置きますね〜
第32話:黒いサーナイト
突然牢屋から現れたキーブレイドを操る黒いサーナイト、相手は何者なのか…分からないが身の危険を感じたユーカ(ネコ装備)はこのサーナイトとの戦闘を開始した。
「五月雨ッ!!」
「にゃあっ!;火炎爪!」
サーナイトの連続斬りをヒラリと避けたユーカは右手(右前足?)に炎を宿らせて引っ掻いた!Sウルフもそれに続き噛み付いた!
「…アンタの…コ…ロ…頂く…よ…?」(ニヤリ)
「きゃいんっ!」
「ふにゃっ!!うるふさんっ!」
「…魔物の…コロ…初めてかな…。」
サーナイトに斬られたSウルフの体が透けていく…
最期に弱々しく『わふぅ…』と鳴き、姿を消した。
「そんにゃ…うるふ…さん…!!」
(ユーカさん…。)
ユーカは顔を伏せた、その顔からは滴が零れる、ふとユーカは呻き声を聞き、チラリと牢屋を見た、するとそこには―
「ユーゴ…お兄ちゃんに…シェルフさん…にゃ…!」
*
148
:
Mr.L
:2010/11/30(火) 18:05:35 ID:fT1qa5mo
…ボロボロになったユーゴとシェルフ、それと見知らぬエルレイドを見つけた。
ただでさえSウルフを殺されたばかりなユーカには最悪の追討ちだった…!
途端にユーカの髪は脱色して銀髪になり、瞳が紅に染まる…!!
そしてその手にはデフォルメされた流星の装飾が施され、流れる様なフォルムの装飾銃『ガンブレード=スターレイン』が出現し、握られていた…!
「許さないのにゃ…スイーツウルフを殺したにゃ…お兄ちゃんが傷付いてるにゃ…お兄ちゃん…お兄ちゃん…ッ!!」
(…ユーカさん??)
「…鍵帝従姫がアンタのココロも頂くよ?」
「…嫌だにゃっ!」
「まぁ…答えは聞いて無いけどね。」
再びサーナイトがルナティックで斬りかかる!
しかしユーカはスターレインで受け流しサーナイトを銃撃する!
そして斬り返しの斬撃を加えようとしたが―
「全力全壊ッ!サイコマジックッ!!」
「にゃっ!?」
カウンターで火球・水流・突風・地震食らってしまう!更にブラックホールがユーカに迫る!
「ふにゃあっ!?間に合わ―
「黒孔〜ブラックホール〜!!」
突然ユーカの目の前に現れた別のブラックホールと相殺した!!
(大丈夫ですか!?)
「うにゃ…;ありがとにゃ;」
(…姿が軍人の時に戻ってますね?)
「チッ…驟雨五月雨斬ッ!」
「わにゃにゃっ!;…猫乱舞っ!でも…今は気にしてられないにゃ!」(はい…!)
サーナイトの連続斬りを、ユーカは舞う様に避けつつ引っ掻く!
サーナイトはバックステップで間合いを取った!
「しぶといなアンタ…。」
「ボクはお兄ちゃんの前で死ぬ気は無いにゃっ!!魔神剣・銃牙っ!」
ユーカは斬撃に銃撃を重ねた連続攻撃を放つ!
サーナイトはそれを全てルナティックで弾き返した!
「絶閃〜絶望の嘆き〜!!」
美夏が空きを埋める様に斬撃を繰り出す!
美夏の刀が嘆く様に唸りサーナイトに迫る!
「リフレガ。」
(なっ!?)
*
149
:
Mr.L
:2010/11/30(火) 18:06:03 ID:fT1qa5mo
しかしサーナイトは防御魔法で攻撃を受け流し、ユーカにルナティックを向ける!
「マスターマジック。」
更にサーナイトの動きが上がった!
「マグネガ、ファイガ、サンダガ、ブリザガ―
「ふにゃあああああっ!;」
(ユーカさんッ!)
「…うにゅぅ…。」
「…アンタのココロ、頂くよ。」(ニヤリ)
(イヤ…ダ…助けて…お兄…ちゃ―
―お兄ちゃんの前で死ぬ気は無いにゃっ!!魔神剣・銃牙っ!」
(…?)
ユーゴは戦いの騒音でうっすらと意識を取り戻した。
しばらく頭の中がグチャグチャになっていたが、段々と思考がクリアになり、ふと牢屋の外を見た―
「…なっ…なんだ…?」
ユーゴの目の前では目視出来ない程の高速戦闘が繰り広げられていた…!
一方は黒いサーナイト…
一方は着物を着た銀髪の少女(ネコ装備)…
ユーゴは冷静に分析/少女が誰かに似ている事に気付く/騎士団製の封印首輪からサーナイトは暴走するミーシャと断定/少女側に加勢する事を決断/丁度牢屋が壊れている/そこから脱出/装備装着開始
ユーゴは素早く鎧を身に纏い、ミスリルソードを抜いた。
「…よし、今止めるぞミーシャ!」
ユーゴはミスリルソードを手に黒いサーナイトに向かう!
どうやら少女はやられてしまった様だ、ユーゴは少女を庇う様に黒いサーナイト…ミーシャに立ちはだかった!
「…よう、お前ミーシャだろ?どうしたんだ?」
「ムッ…?誰だお前。」
「ハッ!俺の事も忘れたか…?」
首を傾げるミーシャにユーゴは切っ先を向ける。
ミーシャは見た目可愛らしくちょこんと首を傾げていたが、直ぐに嫌な笑みを浮かべるとユーゴに斬りかかって来た!!
「まぁいいさ…アンタのココロも頂くよ。」
「…殺れるものなら…
ユーゴは右足を軸に回転斬りを繰り出す!
「殺ってみろぉッ!!」
「フンッ…魔王炎撃波ッ!」
ユーゴの回転斬りとミーシャの火炎の剣がぶつかり合う!
金属同士のぶつかる音が響き火花が飛ぶ、ミーシャは素早く剣を引くと直ぐに再び打ち付ける!
*
150
:
Mr.L
:2010/11/30(火) 18:06:25 ID:fT1qa5mo
ユーゴは盾でミーシャの剣を受け、自分の剣でミーシャを斬った!
今度は避けきれなかった様だ!
ミーシャは斬られた脇腹を押えてバックステップでユーゴから遠ざかる。
「チッ…厄介だな…ケアルガ。」
「なっ…!」
しかしミーシャは斬られた傷を直ぐに治療してしまった!
更にミーシャの素早さが上がる!
「全力全壊ッ!サイコマジック!!」
「…!」
ユーゴはマジックガードの態勢をとった!
「当たるかよ!ハッ!オット!それっ!」
ユーゴは火球を始めとする4連続魔法攻撃を全て受け流した!
が、更にブラックホールが来る…!
「…!グァァッ!」
ユーゴはブラックホールに引き寄せられて大ダメージを受けてしまった…!
ブラックホールから解放されたユーゴはその場に倒れこむ。
「それじゃ、アンタのココロ、頂くよ?」(ニヤリ)
ミーシャがルナティックでユーゴを斬ろうとした、が、その時!―
カァン!
「なに…?」
倒れたはずのユーゴは起き上がり、盾でルナティックを防いでいた…!
「アンタ、倒れたんじゃ無いのか…?」
「…あぁ…もう俺は…俺の体は…限界だ…
ユーゴはニヤリと不敵な笑みを浮かべ、ユラリと立ち上がり、ミーシャを盾で弾きながら叫ぶ!
「でもな…!頭で分かってても俺の“心”が『この娘を守れ』と命ずるんだッ!!」
更にユーゴはオーバーリミッツ状態になり、態勢が崩れたミーシャに盾を投げ付ける!
「桜花烈空撃ッ!!」
「チッ!」
秘奥義フィールドが展開され、ミーシャは束縛される!
「終わりにしてやるッ!」
ユーゴはミーシャの背後に現れた!
「全てを斬り裂く無数の斬撃!」
そしてミーシャに滅多斬りを食らわせる!
「仇なす者を微塵に砕く!!」
更に怒濤の突きを放つ!
「『無慈悲なる斬撃』ッ!!」
更にミーシャを蹴り上げた!!
「オマケだッ!!」
そして止どめに蹴り飛ばし地面に叩き付けた!
*
151
:
Mr.L
:2010/11/30(火) 18:07:26 ID:fT1qa5mo
着地したユーゴは再び少女を庇う様に立ち、ミーシャに剣を向ける。
「…。」
ミーシャはユラリと立ち上がった、そして―
「…ありがとう、すまなかった。」
「…何?」
「今の衝撃でアタシは正気に戻れた様だ…。」
そう言うとミーシャはキーブレイドを消滅させて戦意が無い事をアピールした。
「…だが口調がそのままだぞ?」
「…アタシは“元々”こんな口調だ。」
ミーシャは腕を組んで壁にもたれ掛かった、ユーゴは少し考えた後、ミーシャの話しを信じてみる事にした。
「…分かった、じゃあ俺はこの娘の治療をすっから。」
「うん、良かったらこれ使いな。」
ミーシャはふところからハイポーションを取り出してユーゴに軽く投げた。
「おっ、助かる♪
…傷付き倒れし仲間に活力を与えたまえ…レイズデット!っと、ハイポーションを飲ませて…。」
ユーゴはハイポーションを少しずつゆっくりと少女に飲ませて、布を敷いた地面に寝かせた。
「…その娘には悪い事をした…。」
「ん?」
「アタシはその娘の大切な“仲間”を殺してしまった…。」
「ん…そうか…。」
ミーシャは少女の側に跪き、頭を撫でる、少女は『うにゅぅ…♪』と幸せそうに“鳴いた”。
「…ははっ!本当にネコみたいだなこの娘は!」
「…そうだな。」
ユーゴとミーシャは2人で笑い合い、少女を見守っていた――――
ふぅっ…とりあえずこれで一段落です!
ではっ!
152
:
名無しのトレーナー
:2010/12/01(水) 12:48:52 ID:lj6LL5II
流石にケアルガは…
153
:
Mr.L
:2010/12/02(木) 06:59:21 ID:fT1qa5mo
名無しさん→ですよね〜;
すみません;暴走し過ぎました;
一応対策で仲間になってからはオリジナル魔法を使いますから;
例…ケアルガ→メディカル
ファイガ→フレアバースト等
失礼しました〜;
154
:
Mr.L
:2010/12/04(土) 05:27:09 ID:fT1qa5mo
続き行きま―
第33話:ユーカの目覚め
しばらく2人で少女の寝顔を見守って居たが、起きる気配を見せたので、頭をぶつけない様に少し離れた。
「うにゅ…ふにゃぁあ〜…むにゅ…
少女はまるで猫が顔を洗う手付きでこすり、目をしぱしぱさせて周りを見回した、やがてユーゴの姿を確認すると、少女はお気に入りの玩具を見付けた猫の様にユーゴに飛び付いた!
「うにゃ〜♪お兄ちゃんだにゃ〜♪」
「…は?;」
当のユーゴは突然見知らぬネコミミ少女に抱き付かれたので困惑した。
「きっ…君ッ!私は君のお兄さんでは無いッ!;」
「うにゃあ〜?」
少女はちょこんと可愛らしく首を傾げ、『なんで?』と言いたげな表情になった。
「・・・ユーゴ、アンタって“こーゆーの”が趣味なの?」
「Σ違うからな!?;」
「…どうだか…真面目な奴程意外に変態だからな。」
ミーシャはジト目でユーゴを見て、それから少女に目を合わせる。
「オイ。」
「うにゃ?」
「さっきは…仲間を殺して悪かった…許してもらえる訳が無いが…謝らせてくれ…すまなかった…。」
ミーシャが頭を下げると、少女は“にゃぱぁ〜”っと笑顔で『良いのにゃ♪』と言ったのでミーシャは面食らってしまった。
「そっ…そんなに簡単に許してくれるのか…?」
「にゃあ〜♪うるふさん、最期には『また会えるよ』って言ってたもん♪だからだいじょぶにゃ♪」
「・・・!はぁ…負けたよ…何て言うか…アンタの純粋さに…。」
ミーシャは“やれやれ”とジェスチャーしながらそう言った。
少女は知ってか知らずかふにゃっと微笑みながらユーゴに抱き付いている。
「うにゃ〜♪それより今はお兄ちゃんにゃっ♪」
「いや;だから私は―
「月島優悟君♪だよにゃ♪」
「―!!」
ユーゴは“昔の”自分の本名を言い当てた少女を警戒し、身構えた…と言っても、ネコミミ少女に抱き付かれた状態なのでとても滑稽な図に見えるが…。
「お前…何者だ…?」
「ふにぃ?ボクはボクだにゃ!桜音真羽花にゃっ!!」
…真羽花…と名乗る少女は『失敬なっ!』と言う表情で抗議した、ユーゴは『真羽花』の単語に異常な反応を示した、途端にユーゴは肩を震わせ、雰囲気が変わる。
155
:
Mr.L
:2010/12/04(土) 05:27:36 ID:fT1qa5mo
「…お前…気安く『真羽花』を名乗るんじゃねぇッ!!!」
「うにゃっ!?」
ユーゴは少女を突き飛ばして引き剥がすと、剣は抜かないまでも盾を構え、威嚇する。
「真羽花は…真羽花は“あの日”、ブラックホールに飲まれて消えたんだッ!そしてミクを救う為に死んだッ!!」
「うにゃっ!?違うのにゃ!“あれ”は失敗で!ボクの体だけがこの世界に飛ばされてて―
「そんな事、信じられるかッ!」
「うにゃ…
少女はしょんぼりとして、『ひどいのにゃ…折角ユーゴお兄ちゃんと再会出来たのに…やっぱりこの世界はボクが嫌いなのかにゃ…?ボクに…幸せになる権利は無いのかにゃ…?あんまりにゃ…最後の…ホントに最後の細やかな幸せだったのに…ボクの…ボクの大切なユーゴ君を…ユーゴ君との幸せな日々を返せにゃぁぁ…っ!!』と言うと少女は泣き崩れてしまった…
ユーゴはそんな嘆く少女に『幼い頃の真羽花』を重ね見た…
すると―
「…!?」
「…なんだまたか?」
「また?」
「…ああ、さっきアタシとの戦闘中に、髪と目の色が変わったんだ。」
―そう、少女は桜色の髪になったのだ、瞳は泣いている為に目を閉じているので分からないが、多分変わっているのだろう。
ユーゴは、桜色の髪になって尚嘆く少女に真羽花の面影をはっきりと見た…しかし『真羽花は死んだ』の言葉が胸に深く突き刺さり、少女=真羽花と認める事が出来ない。
―が…“かま”をかけてみる事にした。
「…君が本当に『真羽花』だと言うなら…“絶対に『真羽花』にしか分からない情報”を教えてくれないか?」
「…ぐすっ…ふにゃぁぁ…?」
少女はグシグシと涙を拭い、充血して赤くなった目でユーゴを見つめる、それから考える素振りをしてから、少女は口を開いた。
「ユーゴ君は小学5年生の時に怪我をして入院したよにゃ…?」
「…ああ、したな。」
「…その原因は『ボク』…『神無真羽花』のせいだよにゃ?」
「…!!」
156
:
Mr.L
:2010/12/04(土) 05:28:16 ID:fT1qa5mo
ユーゴは少女の核心を突いた発言に驚き、また、『真羽花』である可能性が出てきた事に期待した。
「更に言えば、ボクがクラスの皆から暴力を振るわれて大怪我をしたのにゃ、そうなる前に皆を止められなかったのを悔やんで無茶なトレーニングをしたのが原因にゃ。」
「・・・・・!!!」
ユーゴはゆっくりと少女に近付くと、力強く抱き締めた。
「…すまない…!君は…お前は間違い無く真羽花だっ…!!生きてたんだな…!幽霊じゃないんだよな…!?」
泣きながら真羽花に抱き付くユーゴに、彼女はふにゃっと泣きながら微笑み、『だいじょぶにゃ…ボクはここに居るのにゃ♪』と言ってユーゴをフンワリと抱き返した。
「・・・たまには感動の場面も良いものだな。」
ミーシャは壁にもたれ掛かったまま静かに言った。
ユーゴはしばらく真羽花を抱き締めていたが、やがてゆっくりと真羽花を解放した。
「悪かった…俺は…お前を守ると誓ったのに傷付けてしまった…。」
ユーゴがそう言うと、真羽花は『なんで謝るの?』という顔になり、『信じられなかったのは仕方無いのにゃ♪ユーゴ君とまた一緒に居られるのならそれで良いのにゃ♪』と最高の笑顔で言った。
「うーん…正に典型的な『デレデレ』だな。」
『ミーシャ、お前普段何を読んでるんだ?;』
と、あえてツッコミを入れないユーゴだった。
あれから、とりあえず牢屋から脱出したユーゴ達は、久し振りに会えた真羽花(ネコ装備解除)と色々と話をした、そんな中で美夏も目が覚めて会話に参加し始めた。
「…真羽花も改名したのか!;」
「うんっ♪今は『ユーカ』っていうんだ♪」
「はぁ…;まぁ真羽花らしいと言えば真羽花らしいか…;」
(…ユーカさんがこんな調子なのでどんな人物かと心配していましたけど、普通どころか凄く好青年な方じゃないですか!)
「あぁ〜昔からよくそう言われるよ。」
ユーゴはどうでも良さそうに言ったのに、ユーカに感じたものと同じ違和感を感じた美夏は、思い切って聞いてみる事にした。
157
:
Mr.L
:2010/12/04(土) 05:33:25 ID:fT1qa5mo
(あの…ユーカさんもそうでしたけど、過去に何かありましたか…?)
美夏がそれを聞くと、ユーゴは空を仰ぎ見て、ユーカは俯いた。
(えっ…?何かイケナイ事聞きましたか…?;)
「人には知られたくない過去ってのがあるもんだぞ、美夏。」
ミーシャにそう言われた美夏は、素直に引き下がろうとしたが―
「―いや、話そう。」
ユーゴがそう申し出た、ユーカは泣きそうな顔をしたが、ユーゴが『大丈夫だよ。』と言って頭を撫でると、ふわふわした笑顔になる。
「それじゃあ話そうか…俺とユーカの過去を―
(!)ここから先はしばらく『サーナイト』関係ありません!!
ご注意下さい!!
(!)『イジメ』描写あり
(!)『家庭内暴力』描写あり
(!)ひらがなオンリーゾーンあり
(!)その他見るに耐えない凄惨なシーンがある危険性…!?
ご注意下さい…;
158
:
Mr.L(D)
:2010/12/04(土) 05:35:07 ID:fT1qa5mo
第34話:月島優悟と神無真羽花(5才編)
―約17年前―
その日、公園で友達と遊んでいた、“優悟”は女の子の泣き声が聞こえた気がした。
「…ねぇ、泣き声が聞こえなかった?」
「え?聞こえないよ?」
「優悟君の間違いでしょ?」
「う〜ん…気になるから見てくるよ、皆は遊んでて。」
「え〜っ?優悟君が抜けるなら帰る〜。」
「ぼくも〜。」
「…ごめん。」
「気にしなくて良いよ〜♪」
友達と別れた優悟は、声が聞こえた方へ来た、そこは植え込みで、人目からは死角になっている場所だった。
その植え込みを掻き分け進むと、一本の木の根元で優悟と同年代と思しき女の子が1人、声を殺して泣いていた。
「ねぇ…どうしたの?」
「Σひぐっ!?」
その女の子は桜色の髪だった、しかし、髪は泥で汚れ、服もボロボロのドロドロになっていた…
心配になった優悟は、女の子に手を伸ばした、しかし―
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…もう泣かないからぶたないで…
「…ぶたないよ。」(ニッコリ)
女の子は酷く怯えて縮こまってしまう。
優悟はそんな女の子に微笑み、優しく頭を撫でた、すると女の子は顔を上げて優悟に抱き付いた。
「お兄ちゃんっ!」
「うわっ!?;」
「お兄ちゃん…お兄ちゃんっ…!“また”…わたしを助けに来てくれたんだね…!」
「えっ?;ちっ!違うよ!僕は君のお兄ちゃんじゃないよ!;」
「ふぇっ…?」
顔を上げて優悟の顔をみた女の子は、途端に恐怖と絶望に染まった表情になり、素早く優悟から離れると再び頭を抱えて謝りだす。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい間違えてごめんなさい、ぶたないで下さ―
「ぶたないよ♪」(ニッコリ)
再び優悟は微笑みながら頭を撫でる、女の子はまだ怯えた表情だが、涙を拭い『ほんとう…?』と聞いてきたので、優悟は『本当だよ♪』と言って頭を撫で続ける。
「やぁ、落ち着いたかな?」
「うん…。」
「僕は月島優悟、君は?」
「神無…真羽花…。」
「真羽花ちゃんかぁ…よろしくっ☆」
159
:
Mr.L(D)
:2010/12/04(土) 05:35:48 ID:fT1qa5mo
優悟は爽やかな笑顔で真羽花の手を握って上下に振る、真羽花は驚いた表情になっていた。
「あっ…君、足も怪我してるね?…そうだ!お家まで送ってあげるよ♪」
「いっ…いいよ…自分で帰れるよ…。」
そう言って立ち上がった真羽花は、しかし直ぐに転んでしまう、何度も立ち上がって這う様に、優悟から逃げる様に進んで行く。
「…。」
優悟はそんな真羽花を無言で背負った、這う様に進んでいたから簡単に掴まえれた。
背負われた真羽花は暴れ出す。
「嫌ッ!!降ろしてッ!!」
「うわわっ!;」
優悟はバランスを崩して派手に、しかし真羽花を庇う様に倒れた!
…咄嗟に他人を庇えるとは…さっきからの言動といい、本当に5才児なのだろうか?;
「痛た…;大丈夫?真羽花ちゃん;」
「…ごめんなさい…。」
「ん…まぁいきなりおんぶした僕が悪いんだし…謝るのは僕の方だよ…ごめんね?」
「はぅ…//」
結局真羽花は優悟に背負ってもらい、家まで送ってもらう事になった。
優悟は歩きながら真羽花に積極的に話し掛ける。
「―許せないな…女の子を寄ってたかって殴るだなんて…!#」
「あっ…着いたよ。」
「ん?ここかい?」
「うん。」
優悟がチャイムを鳴らすと、直ぐに母親らしき女性の声が返ってきた。
『はい…
「あっ、僕は月島優悟と言います!真羽花ちゃんが怪我をしていたので家まで送りに来ました!」
…この対応の仕方…本当に5才児っぽくない。
『まぁ…わざわざありがとうね〜今開けるから〜。』
扉が開くと、優し“そうな”母親が出て来て優悟を手招きした、優悟は玄関に真羽花を降ろすと、『じゃ、僕はこれで…』と立ち去ろうとしたが、真羽花の母親が『折角来てくれたんだからおやつを食べて行きなさいな!』と言ってきたので、優悟はお言葉に甘えてご馳走になることにした。
「すみません…ただ送りに来ただけでこんなに…。」
「良いの良いの♪さっ♪これもどうぞ♪」
優悟は帰り際に更にお菓子を貰って帰っていった―
160
:
Mr.L(D)
:2010/12/04(土) 05:37:31 ID:fT1qa5mo
―扉が締まり、優悟の足音が遠ざかると、急に母親は鬼の形相で真羽花を睨み付ける…!
「アンタッ!また服を汚したの!?全くしょうがない子ねッ!!何着服を駄目にすれば気が済むのよッ!?」
そう言って真羽花を殴打しだす母親。
真羽花は頭を庇う様にうずくまり『ごめんなさい』を連呼する。
母親は最早別の事を言い出した…!
「アンタのせいで聖は死んだんだッ!!この疫病神がッ!アンタが死ねば良かったのに!アンタが車にはねられれば良かったのにッ…!!」
「ごめんなさい!ごめんなさい…!!」
「生意気なのよッ!…フン、まぁカッコいい子を連れて来たのだけは感謝するわ、だから今日はこれで許してあげる。」
…散々殴った後、母親はリビングへと戻り…真羽花は痛む身体を文字通り引きずりながら自室へと這い戻った…
ベッドへとつっぷした真羽花は、声を押し殺して静かに泣く…
優しかった兄…聖の事を想いながら…
(…お兄ちゃん…なんで“わたしなんか”を庇ったの…?“わたしなんか”を生かして何がさせたかったの…?)
真羽花は兄・聖の写真を抱き締めてそう思っていた…
ふと気付くと、写真立ての隙間から紙が見えた、真羽花はその紙を引っ張り出して広げる、その紙は真羽花宛ての手紙だったようだ…まだ漢字が分からない真羽花に読みやすい様にひらがなのみで構成された手紙だった。
『まゆかへ
さいしょにかいておくと、ぼくはまゆかがだいすきだよ♪
このてがみをみてるころにはぼくはしんでるんじゃないかな?
『そう言えばお兄ちゃんには不思議な力があったなぁ…』と真羽花は思いながら読み進める。
ぼくはまゆかをかばってくるまにはねられてしんでいるはず…
でも、ぼくはきみをまもることにした。
「…なんで…?」
…きみをしなせるくらいならぼくがしぬ、それに…ぼくがしんでも…だいじょぶなきがするから…。
161
:
Mr.L(D)
:2010/12/04(土) 05:40:10 ID:fT1qa5mo
でもきみは『おうじさま』をまたなきゃいけない。
それまではいままでいじょうにつらいとおもうけどきっとたえてほしい…
「…かって過ぎるよ…お兄ちゃん…。」
…ぼくじゃきみと『けっこん』できないから…にげただけかもしれないけど…きっと…だいじょぶ…きみをたすけに『かならず』『おうじさま』はあら―れ―、その『お―じさ―』―な――は―『つ――ま―う―』…
手紙の下の部分は涙で濡れたのか字がにじんで読めなかった、真羽花は『おうじさま』と『つ、ま、う』のヒントから誰が来るのか考えた、そして…にじんだ字をよ〜くみてみる、真羽花は…今日あった出来事から…『おうじさま』=『優悟君?』と考えた…同じ組の男の子の名前とは一致しなかった上に、『お兄ちゃんの様に助けてくれた男の子』は…『“つ”きじ“ま”ゆ“う”ご』しか居なかったからだ…。
今回はここまでだ、5才編のはずがロリショタ描写がほぼ皆無で萌えないだろう?
しかも基本が暗い雰囲気の話し…まぁある程度は自重したがな?;
あまり内容が重いと反吐が出るだろう?
ではサラバッ!!
162
:
Mr.L
:2010/12/19(日) 17:28:56 ID:fT1qa5mo
どうも〜Mr.Lですよっ!
ミーシャ「最近私が全然活躍していない気がします…私って本当に主人公なんですよね…?」
L「S(正直)S(すまんかった)!」
ミーシャ「そこで謝るなぁ!」(泣)
第35話:月島優悟と神無真羽花(小学1年生編)
…あれから、小学校に上がった真羽花は、あれ以来優悟とは全く会えていなかった。
あれから何度も幼稚園や公園で苛められたのに…
あれから何度も両親から暴力を受け…遂には捨てられたのに…
真羽花の心は最早壊れかけていた…いや…『王子様』の単語のおかげで“まだ”壊れずに済んでいた…
初登校…入学式の日、真羽花が教室に入ると、皆が一瞬こっちを見てきたので『おはよう』と言った、しかし皆は子供らしからぬ嫌な笑みを浮かべ、無視を決め込んだ、既に幼稚園時代で“慣れていた”真羽花はそのまま自分の席に行った。
机の上には菊の花が置いてあったので真羽花は教室後ろのロッカー群の隅に“飾った”。
机の中にはゴミが詰めてあったのでゴミ箱へ捨てた。
椅子の上の画鋲も箱に戻した。
そして椅子に座り、窓の外を眺め始めた…
真羽花は優悟とは別の意味で子供らしく無かった…
しばらくすると、『皆おはようっ☆』と男の子の声で爽やかな挨拶が聞こえたので真羽花はチラッと見た。
皆口々に『おはよう♪』と、歳相応の笑顔と声色で挨拶する。
その男の子は―
「…優悟君…?」
『月島優悟』だった―
優悟が教室に入ると、皆が一瞬こっちを見てきたので『皆おはようっ☆』と爽やかに言った、すると皆は満面の笑顔になり、『おはよう』と口々に返してきた、既に幼稚園時代で“日常になっていた”優悟はそのまま自分の席を探して移動する。
その途中で―
(…あっ…!この子は…!!)
挨拶もまだだった事もあり、とりあえず優悟は話し掛けてみる事にした。
「やぁおはよう☆」(ニッコリ)
『我ながらいつも通りの鬱陶しい自分だ…』
と心の中で自分をけなした優悟は、女の子をじーっと見る。
女の子は一瞬固まっていたが、直ぐに『おっ…おはよぉ…//』と小声で返してきた。
163
:
Mr.L(D)
:2010/12/19(日) 17:29:48 ID:fT1qa5mo
優悟は『この声…やっぱりこの子は…!!』
優悟の考えがあいまいから確信に変わる。
「久し振りだね♪『真羽花』ちゃん♪」
「…覚えてて…くれたんだ…。」
…そうだ、やっぱりこの子は『神無真羽花』ちゃん…あの日公園で1人泣いていた女の子―
「もちろん♪あの後どうだったかな?」
「…大丈夫…だったよ…?」
(嘘だね。)
「そう…また何か困ったら遠慮無く声をかけてよ♪力になるからさっ☆」
優悟は真羽花の返答を一瞬で嘘と見破り、『この子を助けなければ』と決意した。
…何故なら…優悟の初恋は真羽花だったからだ…!
その日から優悟の日課は朝と昼食時と帰りには必ず真羽花に声を掛ける事になった。
(流石に毎放課は迷惑だと考えて止めた。)
「やっ♪おはよう☆」
「おはよう…。」
「真羽花ちゃん♪一緒に給食食べよっ♪」
「あっ…うん…ありがとぉ//」
「真羽花ちゃんまた明日ねっ♪」
「うん…ばいばい…。」
…しかし、優悟の“日課”は上手く行かない事も―
「おは―
「ゆ〜ごくんっ♪」
「あ、よっちゃんおはようっ☆」
「あっちで喋ろうよ♪そんな暗い子ほっといてさぁ♪」
「えっ?あっ;ちょっ…
「真羽花ちゃ―
「ユーゴ〜!今日は僕たちと食べない?」
「えっ?;僕は真羽花ちゃんと―
「良いだろたまにはっ!」
「ちょっ!;―
「真―
「ゆうごくぅん♪一緒に帰ろっ?」
「あっ…いやまだやる事―
「やだやだ〜!一緒に帰るの〜!!」
「…;分かった分かった…;」
(ゴメン…真羽花ちゃん…。)
そして真羽花は真羽花でイジメは酷くなる…
真羽花はトイレで数人の女子に囲まれていた。
「生意気なのよッ!ちょっと優悟君に優しくされたからって…!!」
「そうよ!アンタ何かと優悟は釣り合わないわッ!!」
「…。」(睨み付ける)
「何よその反抗的な目はッ!#」
女子の1人がバケツの水(しかもご丁寧に牛乳を拭いた雑巾入り)を真羽花にかける。
しかも時間的には帰りがけで、その日は優悟にもう会う事が無いであろう時間帯を選んでいた…
164
:
Mr.L(D)
:2010/12/19(日) 17:31:16 ID:fT1qa5mo
「…。」(哀みに満ちた顔)
「なっ…何よキモチワルイッ!アンタ、優悟君に馴々しくしないでよね!#」
「そうよ!優悟は誰にでも優しいんだから!アンタの事は特別でも何でも無いんだからね!?#」
「…。」(可哀相な人を見る目)
「…ッ!フンッ!とにかく優悟君には手を出さないでよ!?#」
(お断りします。)
女子達はトイレから去って行った、真羽花はとりあえず別のバケツに水を用意すると、頭から水を被って体を洗い、こうなる事を予測して、体育が無いのに持って来た体育着に着替えて帰った。
またある日の事、真羽花は体育館裏で数人の男子に囲まれていた…
「ヘッ!暗い奴だな〜!」
「そんな暗い奴がユーゴと話すんじゃねぇよwww」
「そうそう!ユーゴと遊べる時間が“無駄に”減るだろ?」(笑)
…さっきからこいつらのイジメの質が『小学1年生』のレベルでは無い気が…
「…あっそう?言いたい事はそれだけ?」
「ハァ?なんだお前、生意気だなオイッ!#」
男子の1人が真羽花を蹴った!
それを皮切りに男子は寄ってたかって真羽花に殴る蹴るの暴行を加える。
「グッ!がっ!うぐっ!」
「オラオラ何か言えよクソがwww」
「いつ…優悟…が…助け…来る…。」(ニッコリ)
「…ウザッ。」
「アレだろwww?助けて王子様〜」(笑)
「ハッ!優悟が来る訳ねーんだよ!#死ねよバーカ!!」
…しばらく真羽花はサンドバックにして、男子達は去って行った…
この時の優悟はと言えば―
「そっち行ったよ〜!」
「よし!任せて!とりゃぁっ!!」
「わ〜!またシュート決めたッ♪」
『イエーイ♪』(ハイタッチ)
…友達とサッカーをしていた。
しかし優悟は真羽花が酷いイジメを受けている事を知っていた…だが真羽花が隠すので証拠を掴めないでいた…
(…下手に慰めても傷を抉るだけだし…せめて真羽花ちゃんが相談してくれれば…!!もっと頼れる男にならないと…!!)
この頃から優悟は剣道場へ通い、剣術を学び始め、木刀や竹刀を持ち歩く様になる。
今回はここまでです!
ミーシャ「早く本編に戻って下さい、お願いします。」
165
:
名無しのトレーナー
:2010/12/25(土) 01:20:42 ID:VZXG9CNE
歩くキンタマで知られる巨人小笠原(37)がついに人間以外にてをだした。
サーナイトを他のプレイヤーから自分のキンタマ2つを使って捕まえると、ただちに草むらで強姦。
「サーナイトは 草むらで びちょびちょだ!」
と叫びながらサーナイトの顔面に絶頂射精しようてしたが、
既にキンタマを2つ取り除いていたため、失敗した。
その間、サーナイトはサイコキネシスで反撃。
無事巨人小笠原は死亡し、草むらは暖かい雰囲気につつまれた。
この事件に関して大正義巨人軍原辰徳監督は
「(サーナイトを性的にみちゃ)いかんのか」
といいながら、カイリキーとアナルセックスを楽しんでいた。
なお、来シーズンまでには間に合う模様。
166
:
Mr.L(D)
:2010/12/27(月) 06:17:50 ID:fT1qa5mo
1話出来たので置いていきますね!
第36話:月島優悟と神無真羽花(小学2・3年生編その1)
―2年生になった優悟は、尚一層剣術に励み、それなりに剣術が使える様になっていた。
「―はぁぁっ!しゅんじんけんっ!」
「…まだまだだな、月島君。」
「…はい、師匠。」
「―ハハハッ!相変わらずだな月島君は!シェルフで良いのだよ月島君?」
「いえ、師匠と呼ばせて下さい、まだまだ修業中の身ですし。」
「ふむ…では今日はここまでだ、しっかり体を休めなさい。」
「はいっ!」
…この時点で優悟とシェルフには接点があった様だ。
最も、この頃のシェルフは団長の忠実なる駒だったのだが、それはまた別の話だ。
翌日、学校に来た優悟は今年も同じクラスになれた真羽花に『おはよう♪』と声を掛ける。
真羽花は…何だか再会した時よりやつれた様にも見える…
「おはよう…」
「…。」
相変わらず優悟は真羽花に相談されず、やきもきとしていた。
その日も給食を一緒に食べ、帰りに声を掛けてから帰った…
167
:
Mr.L(D)
:2010/12/27(月) 06:18:35 ID:fT1qa5mo
―ふりをした優悟は適当な場所に隠れて真羽花が来るのを待ち伏せした。
…と、何やら男子生徒の声が聞こえてきたので優悟は聞き耳を立てた。
『まだ話してんのかよコイツwww』
『気色悪いなッ!』(笑)
(…?イジメか?誰か知らないけど助けなきゃ!)
優悟は声がした方へと忍び寄り、様子を伺った、すると―
「オラオラッ!!このカスがッ!」
「優悟に近寄んなwww」
男子生徒が真羽花に暴行を加えていた!!
しかし真羽花は全く気にしていない様子だったが…?
「…。」(無表情)
「…ケッ、反応無しかよ、壊れてんのかコイツ。」
「あっははwww壊れた壊れたwww」
(なっ…!!アイツら…真羽花に…何しやがるんだ…!!#)
優悟は我慢出来ずに木刀を構えて飛び出した!!
「…ねぇ?」
「あ?…!優悟君かい?どうしたのさ?」
「君達…何してたのかなぁ…?」
「あはは♪真羽花ちゃんと遊んでたんだよ♪優悟君もどう?」
「…そうか…なら遊んであげるよッ!!」
優悟は木刀を下段に構える/男子Aに突撃/男子A派手に転ぶ/続いて中段に構える/男子Bに突撃/男子B壁に激突/気絶する/木刀をクルリと回して背中の袋に収納/戦闘終了。
「…大丈夫かい?真羽―
しかし優悟が真羽花が居た所を見ると、真羽花は居なくなっていた。
「…まゆ…ちゃん…。」
優悟はがっくりと肩を落とし、帰路に着いた。
翌日、学校に行くと包帯を巻いているが全く変らない様子で真羽花はそこに居た。
「真羽花ちゃん…。」
「あっ…おはよぅ…//」
「君…いじ―
「ゆ〜うごきゅんっ♪あっそぼ〜♪」
「あわわっ;」
…結局優悟はその後も昨日の事を真羽花に聞けなかった…。
道場に来てからも優悟は真羽花の事が気になっていた…
「はぁ…。」
「んぉ?どしたのだ月島君。」
「…あ、すみません師匠。」
「…何か悩みがあるのだろう?良かったら相談に乗るが?」
「…師匠…
優悟はシェルフに今日あった事を話した。
168
:
Mr.L
:2010/12/27(月) 06:19:05 ID:fT1qa5mo
「…そうか…それで、“君”はどうしたいのだ?」
「…“僕”…がですか?」
「そうだ、その『真羽花ちゃん』とやらを守りたいのだろう?」
「…はい。」
「…そして、『真羽花ちゃん』とやらが好きなのだろう?」
「はい…//」
シェルフは考える素振りをして、暫く唸っていたが、やがてゆっくりと目線を優悟に合わせた。
「…月島君。」
「はい…?」
「君も男だろう?ならば、好きな女の子位守ってやれよ。」
「…ですが、迷惑では?」
「ふぅ…
シェルフは竹刀を取り出すといきなり優悟に振り落とした!
「うわっ!?」
優悟は咄嗟に木刀で受け止める。
シェルフは『良いニヤリ顔』になるとこう続けた。
「ほら、君は強い、君は真羽花ちゃんのナイトになれば良いのだよ、明らかにイジメられているのなら、守られて嫌な思いはしないはずだ。」
「…師匠…。」
「…最も、守るのなら中途半端はいけないぞ、完璧に…は難しいだろうが…好きな女の子位“自殺の誘惑”から守ってやるのだぞ?」
「…はいっ!師匠!!」
―翌日、逸早く学校に来た優悟は真羽花の下駄箱をチェックし、まだ何もされていない事を確認すると、物陰に隠れた。
しばらくすると、2人の人影…男子生徒と女子生徒が現れた。
「…フヒヒwww」
「これでよし…と♪」
…男子生徒は真羽花の下駄箱に、女子生徒は優悟の下駄箱に何かした様だ、2人が立ち去った後(しっかり顔を覚えた)、優悟は真羽花の下駄箱を調べた。
(…ネズミの死骸!?しかも…“僕からのプレゼント”…だって…?)
手紙には『君の事は僕の株を上げる為に助けてただけだよ?キモチワルイから勘違いしないでよね。』と書いてあった。
優悟は何かが冷めて行く感覚に襲われる…
そして自分の下駄箱を調べると…
『優悟君へ、ハッキリ言って私を助けるのは迷惑だからやめてよね…もう話しかけないでよ、近寄らないでよ…私なんかほっといて。真羽花より』
と言う内容の手紙が入っていた。
優悟の中で何かが切れた…
169
:
Mr.L
:2010/12/27(月) 06:20:26 ID:fT1qa5mo
とりあえずネズミの死骸を埋め、手紙も破棄した優悟は、教室に来た。
どうやらまだ優悟のクラスには誰も居な―
…いや、奇妙な服の女の子が1人、そこに居た。
奇妙な服の女の子…少し緑色に近い蒼髪/ヘッドセット/灰色の服/青緑のネクタイ/腕には服から分離している黒い袖(左腕側には何かキーボード状のもの付いている)/黒地に青緑のラインが入ったスカート/黒のニーソックス
「ど〜ん〜な〜に〜♪苦し〜い〜時だって〜♪」
「…?」
「仲間が〜居れ〜ば大丈夫―あぅっ!//」
「何してるの未來(みく)ちゃん…;」
「はぅ〜//優悟君こそいつからそこにいたの…?//」
「『どんなに苦しい時だって』の所から。」
「〜っ//皆にはナイショだよぉ〜?//」
「ん…分かったよ。」
いそいそと着替えた奇妙な服の女の子…もとい未來は、真羽花の机を見ると『わたしが来た時には、酷い事になってたんだよ?』と言った。
「―え?」
「毎日わたしが綺麗にしてるんだ〜、こうして歌いながらねぇ〜。」
「…何で僕にそんな事を…?」
「優悟君が真羽花ちゃんを守ってるから♪」
「えっ!?」
「後はわたしも真羽花ちゃんが好きだから…かなっ♪」
「えっ?;」
「わたしね、優悟君みたいに真羽花ちゃんを守りたいんだ…。」
「だったら―
「でもわたしって…
「あっ…
優悟は毎日未來が皆に囲まれて身動きがとれないのを知っていた…未來はこの学校のアイドルだから…。
しかし、そんな彼女が何故真羽花を…?
まさか点数稼ぎでは?
と、疑問に思った優悟は、誰も居ない事だし直球勝負に出てみる。
「まさか点数稼ぎに真羽花を利用しようって思ってない?」
「えっ!?違うよぉ〜!!ただ…わたしの友達にも同姓同名の人が居るから…。」
「…ふぅん?なら是非会ってみたいね。」
170
:
Mr.L
:2010/12/27(月) 06:21:02 ID:fT1qa5mo
優悟は『全く信用していなぞ』とばかりの口調で答えた。
しかし未來は嬉しそうに『なら今日会いに行こうよ♪真羽花ちゃんも誘ってね♪』と言い出したので、優悟は未來を信用してみる事にした。
しばらくすると、段々とクラスメイトが集まって来たので、優悟と未來は会話を止めた…何せお互い人気者である、直ぐにそれぞれ呼ばれてしまった。
しばらくして、真羽花が来たので優悟は早速声をかけた。
「おはよう真羽花ちゃん♪」
「…おはよ…//」
「ねぇ真羽花ちゃん。」
「ふぇ…なに…?」
「真羽花ちゃんは『香椎未來』って子、知ってるよね?」
真羽花は一瞬考える素振りを見せたが、直ぐに答えた。
「…うん、確か『みくにゃん』って名前で売り出し中の人気歌手声優…だよね…。」
「…え?;」
「あ…これナイショだった…。」
真羽花はバツの悪そうな顔で目を泳がせていたが、優悟が『大丈夫だよ♪』と声を掛けると直ぐに落ち着いた。
「…それにしても、2人は既に知り合いだったの?」
「あ…うん…何回か話しただけだけど…。」
「その何回かだけでそこまで話すなんて…余程気に入られてるんだね…。」
「そっ…そうかな…?」
真羽花は首を傾げて唸っていたが、最終的に真羽花には『友達』がいなかった為、分からなかった。
「まぁとりあえず…今日のお昼休み、その未来ちゃんと2人で中等部へ行く事になってるんだけど…真羽花ちゃんも来る?」
その誘いに対して真羽花はきょとんとしていたが、やがて笑顔になり―
「うんっ…行く…!絶対行く…!!」
(…へぇ、真羽花ちゃんはこんな笑顔にもなれるんじゃないか…香椎さん…中々やるじゃん…。)
優悟は心の中で未來をほんの少し尊敬した。
そして、その日の昼、給食を食べた3人は早速中等部へと来た。
「深夏さ〜ん!真羽花さ〜ん!遊びに来たよ〜っ♪」
171
:
Mr.L
:2010/12/27(月) 06:21:52 ID:fT1qa5mo
未來が元気に呼び掛けると、黒髪にショートヘアの少女と、銀髪にロングヘアの少女が近付いてきた、そして黒髪の少女が未來に抱き付いた!
「みくさんっ♪」
「また来たのか?ミク。」
「うんっ♪」
銀髪の少女は言葉こそ硬いが、優しく微笑みながら未來の頭を撫でる。
「…なるほど…つまりこのお姉さんが『神無真羽花』さん?」
「うんっ♪見た目は全然違うけどねぇ〜♪」
「…ム?何の話だ?」
真羽花(銀)が未來の頭を撫でる手を止め、優悟に視線を向ける、深夏もまた、優悟…とその横に居る真羽花(桜)を見る。
そして未來が楽しそうに言った。
「あのね♪そこの女の子も『神無真羽花』って名前なの〜♪」
「そうか、奇遇だな。」
「へぇ…確かに真羽花さんとは全然違うタイプですね…?」
真羽花(銀)は口調も表情も変わらなかったが、深夏は驚いた様子だった。
「…って真羽花さんはもう少し反応して下さいよ!;当事者なんですから!;」
「…スマン、私はあまり感情表現が出来なくてな。」
優悟は『変わった人達だなぁ…;』と苦笑いするしかなかった。
「ん…まぁなんだ、同姓同名同士、仲良くしよう…。」
「あ…え…うん…?」
真羽花(桜)は真羽花(銀)と握手をして、とりあえず帰りは一緒に帰る約束をした。
今回はここまでです〜
172
:
Mr.L
:2011/01/01(土) 06:29:34 ID:fT1qa5mo
明けましておめでとう!!
今年も頑張って小説書きましょうねー♪
177
:
名無しのトレーナー
:2015/02/24(火) 16:10:52 ID:aKra.TVM
てす
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