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投稿スレ
90
:
名無しさん
:2011/06/04(土) 03:14:56
FINAL FANTASY IV #0635 8章 2節 絆(14)
「見たかよ――! ルビカンテ。これが怒りが呼ぶ力だ!」
「ぐぅう……!」
今までで一番大きな傷を負ったルビカンテ。そこから黒い血ともとれる波動が噴き出す。
「私の負けだ……」
はっきりとそう告げた。四天王で最も強く、誰よりも力を誇示し、それを求めた者からその言葉が出たのだ。
「その手があったのか、一人ひとりの力は小さくても――弱い者でも、お互いの力を併せるという手が」
「へっ今更負け惜しみかよ!」
「エッジよ――怒りにまかせたお前の力は見事であった……この私の判断を狂わしたのは間違いなくお前の力だ。
時に危険を招くその力を上手く使うのだな」
「おっ……お前の指示なんかうけねえよ!」
エッジは単純に驚いているようだ。戦いに負けた者の身からそうような言葉が出ることに。
「そしてセシル達か……ゴルベーザ様やバルバリシア、カイナツォにスカルミリョーネ……みなが手をやかれたわけは
ある。皆、それぞれ性質は違うが立派な戦士達だ」
「ゴルベーザが!? 手を……」
その言葉に驚いたのはセシルであった。自分達は常に負ける。後手に回っていたと思ったからだ。
「我々とて一枚岩でない。四天王の誰もが己の目的で動いているし、あのルゲイエも独自の目的を持っていたように思える。
それにゴルベーザはお前に何か特別な感情を持っているようにもな」
「僕に!? どういう事だ!」
「最後のはあくまで私の個人的分析だ。だが、お前たちの存在が戦いを動かしているのは確かだ……」
「…………」
「では私は……既にこの身体は長くは持たない。しかし、いつの日か必ず蘇る。それがいつになるかは分からぬがな……
最後に面白い戦いが出きた。さらばだ……」
黒い波動を噴出すると共に、ルビカンテの身体は崩れ落ち、やがてはその姿は辺り一体から完全に消えてしまった。
しばらくの間、誰も何も言わなかった。
それは強敵との戦いに勝利した安息感と達成感からなのか、新たな戦いへの緊張感と徒労感なのかは誰にも分からなかった。
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