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投稿スレ

87名無しさん:2011/03/13(日) 03:37:14
FINAL FANTASY IV #0621 #0632 8章 2節 絆(11)

怒りの力とはセシルの予想以上のものであった。
ルビカンテを前にしてエッジは己の中に眠る忍術の素養を覚醒させたのであった。
(怒りが人を強くさせる事もあるのか……)
それはパラディンとして過去の自分を認め受け入れた自分には決して出来ることのない
力の強さであった。
今までの長い旅路の中、セシルは様々な人と出会ってきた。
その前にもバロンで育った中、カインやローザ、亡き王にシドといった様々な人と知りあってきた。
しかし、今目の前にいるエブラーナ忍者の様な人間には初めてあったであろうか。
(こういう強さもありって事なのかな?)
セシルは試練の山の光の声を思い出していた。思えばパラディンになったとはいえ、それからも
自分の中での葛藤は続いていた。
特別な事を成し遂げた自分はどのようにふるまえばいいのか。常に強くあらねばならない。誰かを守り傷つけぬためにも
半ば義務感と化したそれがセシルを苦しみ続けていた。
(なんとなく楽になった気がするよ。エッジ)
心の中で彼に礼を送る。
「エッジいけそうか!?」
「おう! 力がみなぎってくるぜ!! これなら、この力なら奴を!!」
自身たっぷりに答えるエッジ。だが、一人では到底勝つことはできないだろう。
エッジ自身がどう思っているのかまでは理解していないが、セシルの判断ではだ。
しかし、だからといって勝算が全くないわけではない。戦術と戦法次第ではこちらにも分があるだろう。
カインに目くばせする。どうやら思っていることは一緒のようだ。
(カイン……頼んだよ)
目で合図を送る。このような場面では付き合いの長い友人同士だ。言葉を交わすまでもない。
セシルの思惑を理解したのかカインは跳躍し、遥か上空の方に姿を隠す。
(こっちは首尾よくやる。頼んだよ!)
無言で鼓舞しつつ敵の様子をうかがう。幸いにもルビカンテは今のセシルとカインのやりとりは大して気にも留めていないようだ。
むしろ新たな力を引きだしたエッジの方に興味を向けている。
「ほう……怒りというものは人間を強くするのか。面白い……だがそれで私に勝てると思っているのかね」
「やってみなきゃわかんねえだろ!!」
飛びかかり攻撃に移ろうとするエッジにセシルは声をかける。
「エッジ無茶はするなよ!」
「分かっているって! お前らも当てにしてるぜ!」
その一言にセシルはほっと胸をなでおろす。どうやらセシル達の事もちゃんと考えていてくれたようだ。
そうでなくては困る。セシルの算段ではこの事は非常に重要であることだからだ。


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