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82名無しさん:2011/03/08(火) 07:49:20
FINAL FANTASY IV #0619 8章 1節 「エブラーナ」(6)

勝負の結果は明白だった。
「まったく見ちゃおれんな……」
カインが激戦のプレリュードを打った戦場へと足を進める。
結論からいえば勝負に勝った者――ルビカンテは相手に情けをかけた。
エブラーナ忍者からしてみれば祖国に壊滅的被害を負わせた復讐を遂げる相手だ。
相手を打つために全身全霊の想いであったはずだ。死も覚悟するつもりであっただろう。
それを見逃されたのだ。
取り残されたエブラーナ忍者は未だに対戦場所で地に伏している。
生きてはいるだろうがその場所を動かない。
一命を奪われなかったとはいえ手負いの傷を負っているのか。情けをかけられた悔しみに
伏せているのか。
「確かに自信を持てるほどの強さだ……しかし この私には、まだ及ばぬ。
腕を磨いて来い! いつでも相手になるぞ!」
先ほどのルビカンテの言葉をカインが反照する。
その言葉にはセシルも同意であった。
偶然とはいえ戦いの一部始終を見守ったセシルから見てもエブラーナ忍者の動きには
隙が多すぎた。
それに、憎しみにとらわれているのか。まるで何かに生き急いでいるかのような動きだ。
それはかつての暗黒騎士の……そして今も悩める自分をみているかのようであった。
すぐに加勢してもよかったのだが、様々な感情が渦巻き助けに入ることはできなかった。
勿論、ルビカンテがエブラーナ忍者に止めを刺すようならば、それらの感情を放り捨ててでも
助けに入っただろうが。
そして一つだけ言えることは、あの者とはここで助けて終わりになる関係ではないだろう。
何かがセシルの中で確信めいていた。


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