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68書き手 ◆W4g5HNoLOg:2010/01/16(土) 08:19:05
FINAL FANTASY IV #0606 7章 3節 「去りゆくもの 残されるもの」(13)

「なんとかして制御系を直せないかな?」
刻一刻と迫る時間の中、セシルは何か打開策はないかと考える。
「これを作ったものならば可能ではないでしょうか? あのルゲイエという奴ならば不可能ではないかもしれませんが……」
それが不可能だということセシルにもわかったし、説明するまでもないことだ。
「最も残された時間の少ないこの状況では、開発者でもどうにもならないかもしれませんが」
「だったら巨大砲の発射は阻止できなくても、なんとかして軌道をずらしさえすれば……被害は軽くなる」
「それも考えました。それらしきものを探してみましたが何処にあるのかすら……」
即席で思いつくことはヤンも同じであったらしい。既にヤンは色々と思考錯誤したのだろう。その結果、打つ手なしと判断したのだ。
「ならどうにかドワーフの人達に連絡をとってみんなを避難させる事は――」
自分で言っておいて無理難題だとセシルは思った。
「可能だとしても作戦失敗の事実と本拠地を失う事はこれからの士気に大きく影響がでるでしょう。巨大砲を破壊する根本的な目的
は達せられない。またいつ修理して巨大砲を撃ってくるかわかりますまい」
それでもヤンは懇切丁寧に批判と否定をしてくれた。そこには馬鹿げた考えだと笑う気持ち以上に自虐的な気持ちが感じられた。
「くそっ! どうすればいいんだ!」
もはや何も頭に浮かばなかった。セシルは半ば怒り気味に床を叩いた。
「こうなったら、せめて二度と巨大砲が打てないように徹底的に破壊する!! それだけじゃない、このバブイル自体を徹底的に
破壊しつくしてやる!」
セシルとしては失意と怒りから出た自暴自棄気味の発言だと思っていた。
だがそれを聞いたヤンは――
「それだ!」
「え?」
予想外の反応に驚くセシル。
「徹底的に破壊する。それはいい考えかもしれませんぞ!」
「ヤン……」
最初は自分の後先考えない言葉に、ヤンが感化されたものかと思った。
しかし、続く言葉は真面目なものであった。
「やつらは巨大砲の発射の止めさせない為に制御機械を破壊した。しかし、本当に破壊したのならそもそも巨大砲を発射する
事すら困難になるという事です。つまり奴らは、巨大砲を一発発射できる程度には制御機能を残しているという事です」
聞きながら自分で言葉を整理する。つまりは――
「制御機械を更に壊せば、そもそも発射すら困難になる!」
盲点だった。既に壊れた制御機械を見て、止める事は不可能だと錯覚してしまっていた。
適度に壊しておく事はカモフラージュも兼ねていたのかもしれない。


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