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47書き手 ◆W4g5HNoLOg:2009/11/20(金) 01:51:50
FINAL FANTASY IV #0585 7章 2節 「罪の在処」(11)

(しかし、おかしい)
ゴルベーザとの会話の中からセシルには新たな疑問が生じた。正確には以前からもやもやとしていた気持ちが、疑問と言う名の
形に変わっただけなのだが。
(何故、僕に牙を打ち込まない?)
(どうして僕だけには……何もしない)
仲間の苦しむ所をじっくりと見届けさせたいのか? 確かにゴルベーザはそう言っていた。
考えれば自分にとってローザが大切な人だと気づいた瞬間にローザをさらった。
しかし、それならば新たな疑問が生じる。
(それならば今度は何故僕にだけそのような仕打ちをする?)
自分が不幸だとか、一方的に相手に嫌われるような人間だとか自虐するつもりは一切ない。
だが今までのゴルベーザのやり方を見ると手段を選ばず、目標のためになら何でも犠牲にする冷酷無比なものであった
ダムシアンではクリスタルを奪還した後、国自体を一斉砲撃した。ファブールも抵抗するものに対して容赦なしであり
つまるところ敵に対して特別な感情を抱かないやり方なのだ。
だとしたらセシルに対する行いに対してだけは違和感を感じざるを得ない。まるでセシルにだけは何か特別な恨みが
あるかのような素振りではないか?
ゴルベーザの目的は先の通り、クリスタルを手に入れて月すらも手中に入れるというものだ。そこにセシルに何が関係
するのか? すぐには思いつかなかった。
違和感といえばもう一つの考えがセシルの中でまとまりつつあった。
これは一番目の疑問と似ている。ゾットでゴルベーザは自分に止めをさせる時があったのにしなかった。
更によくよく考えれば、今までの自分に止めをさせる時はあったのではないかと思う。第一、これほどまでに後手に回った
セシルが今まで危機に陥らなかったのも偶然ではないかのような気がした。
(ゴルベーザが僕を避けている)
馬鹿げている。自分でもそう思った。だが実際に今自分だけが黒い牙を喰らっていないのだ。
(まさかそんな事は――)
あるわけがない。頭ですぐに否定する。
それよりも今はこの状況を打破する事を考えなければ! しかし、一つの考えが纏まらぬうちに別の事を考えても
良い考えが浮かぶ訳がない。
そんな最中であっただろうか。辺りを覆い尽くす黒き波動が薄れたのは――


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