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奇怪的な空の旅

1奇怪的な空の旅:2013/04/26(金) 23:48:19 ID:N2hrbdzg
【イベント名】奇怪的な空の旅
【日時】今から
【参加人数】3人まで
【参加条件】
ヴェリアプルから離れて行動できる冒険者。
戦闘能力のある冒険者が二人以上いないと厳しいのでできるだけ。
【概要】
”おそらくは”短めな長期イベです

猫の目に届いたある一件の依頼は、大都市アリシュト付近で大量出現した魔物を、都市に被害が及ぶ前に鎮圧するための戦力の要請。
これを引きうけ、ヴェリアプル付近にあるとある交易都市から、大都市アリシュトまでの航路を往復する飛空艇に搭乗することになった一行は。
不幸にも、目的地に到着する前に、予期せぬ事態に巻き込まれることになる。

6サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/07(火) 18:20:28 ID:O4YBYOxM
>>5
リオンハルトは『偏りがあるのは認めよう』と答えた。
『それに実戦の経験不足ゆえに不安定な所は多いだろう。
 少なくとも社会見学に必要な戦力と生活力は持たせてある。
 経験こそが欲しいのだ。役に立たなかったら報酬はいらない。
 あきらかに彼女が損害を出したなら補償もしよう。』
堂々としておりこちらが船に載った方がよほど頼りになりそうだ。

サロメはオドオドしながら翼を動かす。
彼女は立っているだけで他人を納得させるような人物ではない。
「あの…これからやる事を見て納得してもらえませんか?」
そう言うと翼を羽ばたかせて滞空したまま大鋏に手をかける。
「でも何をしよう…」考えて無かったようだ。大丈夫だろうか?


翼で飛ぶ生き物は風に乗るまでは翼を動かす強さとスタミナが重要だ。
その大変な行動を、人が間抜けに棒立ちでいるようにこなしている。
立つ事が地上線の基本なら、彼女は空中戦の基本が出来ている。
「えっと、とにかく刀術と魔術がそこそこできます。」

7ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/05/07(火) 23:42:51 ID:DdjIXcI6
>>5
「了解ミスター・ラディー ご協力に感謝する」
優雅であり ソレでいて隙を一切見せぬだけの実力を余すところなく見せ付けられた

「マジモンのお嬢さんだな アレだけの戦力を自前でそろえられるってのは相当だぞ」
肩をすくめ 飛空挺に乗り込んだ

乗り込んでからは飛空挺の中をくまなく見て回るだろう 無論自分が回れる範囲ではあるが
この飛空挺の武装 敵が乗り込みやすそうな場所 戦える場所と広さ 操縦席や動力源 依頼人の部屋までのルートなどを頭に叩き込むだろう

ラディーの言うとおり この飛空挺はいい飛空挺なのだろう だがこの世に絶対という言葉は存在しない
もしも敵が来たら? この船に乗り込まれたら? 船内に親友を許したら? 全ての可能性を考慮しての行動である

8サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/08(水) 00:36:28 ID:sGSYHRTo
>>7
「ねえねえ、お兄さん。やっぱりここにいる人達って凄いの?
 わたし、社会見学のつもりで行ってこいて言われて来たけれど、
 足手纏いになるのだけは嫌なのよ。」
 ルーキーはどこでも似たような事を言うものだ。

9奇怪的な空の旅:2013/05/08(水) 19:38:56 ID:4zGj59ws
>>6
「翼を活かせる戦闘力は最低限……か」

飛空艇の辺りをなんなく飛び回ってみせるサロメに、ロイと会話していた初老の執事服の男性が、「おぉ」、と感心するような声を漏らした。
生まれ持った翼人としての能力を目に焼き付けてもなお、彼女――赤髪エルフの表情が緩むことはない。
リオンハルトの言う”戦闘経験の少なさ”をあまりに感じ取れる幼すぎる振る舞いに気を取られ、
戦前に立つ事が出来る存在であること、に対する疑心が晴れるにはいたらなかったのだろう。

「報酬の有無は依頼人にでも言ってくれ………お互い無事を祈っている」

しかし、同じ宿で依頼を受けた冒険者である、以上の関係は持たない所以。
保護者である彼の決定にこれ以上口を挟む気はないようで。
赤髪のエルフは、背おった剣と重鎧を音立てて、案内人の女性に礼をされながら飛空艇の中へと入っていく。

>>7
「いやぁ、礼には及びませんよ……」
「しかし私も名乗ったのですから、お名前くらいは教えていただいても?」

小さな藁半紙を懐にしまい直すと、ロイの半歩後ろに位置取り、彼も飛空艇へと足を進める。
顎鬚を弄りながら、飛空艇の表面に沿って飛翔するサロメを見上げつつ。

「えぇ、貴方の言うマジモンのお嬢様。という表現が当てはまる程度には………」
「そうですね、彼女とその家系は権力を持っていらっしゃいます。ので」

彼は不自然に言葉を切ると、ふとロイに視線を流す。

「いやぁ、しかし貴方も相当だ。 私も随分と、経験してきたはずなのですがねぇ。 過信でしたかな」

皺の混じるにこやかな笑み、それにかき消されるほど一瞬、わずかな疑心の目を向けた。



                   ―――――――――――


飛空艇の内部は、この人数が乗り込み、そして予め各箇所に配置されている職員を合わせても十分すぎるほどの広さがある。
内部構造は煩雑ではなく、内装を始めて見たロイも、容易に各部屋へのルートを把握することができ。
冒険者が一晩を過ごす客室が並ぶ廊下を中心に。
廊下を右へ進んでいくと、育ちのよさそうな少女やその執事、護衛に当てられた、一際装飾の目立つ部屋。
左へ進むと甲板へ。
甲板には、客室への扉。広間への扉。操縦室への扉がそれぞれある。
客室前の廊下から甲板への間には一つ下へとくだる階段があり、降りていくと、一つは武器などが収納できる倉庫がある。
広さは最低限就寝に必要な大きさである客室の4倍ほど。
もう一つは動力管理室。
動力が魔術によるものであるため、物の焼ける音もすることがなく比較的静かだ。


                   ―――――――――――


「……さて、私は客室に向かう。 到着は明日の午後、だそうだ」

現在広間での夕食を終えた猫の目一行の冒険者。
今後は各自与えられた客室(サロメとリオンハルトは同室も可)で、就寝するのみ、となっている。
行動は比較的自由に動くことを許可されており、赤髪のエルフは仏頂面でそういうと、甲板への扉から外へと出て行く。
広間にいるのは、少女と執事。その護衛。中性的な眼鏡。案内役の女性。そしてドワーフと思われる職員が二人。
鳥かごの男は赤髪エルフが出て行く数分前に、あくびをしながら既に扉を出て行った。

ゆったりと進む飛空艇は今のところ静かではあるが。
さて、次に取る行動は?

10サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/09(木) 20:10:29 ID:ziEU6ink
 親子はそれとなく船内を見ていた。
 クルーの顔をあらため、そして船の形も無意識に見ていた。

 サロメは地図を気にする段階に入っていた。
 リオンハルトもそんな能力が癖としてまだまだ残っている。
 リオンハルトはお嬢の取り巻きを思い出すとクスクスと笑う。
「思い出し笑い?」
『お嬢様の取り巻きの事でね。』
 父は腕っ節は弱い。
 素人相手に遅れはとらないだろうが、プロから見れば組み伏せ易い。
「だめよ失礼な事を考えては。」
『いやぁ、逆なんだな。頼もしい人達だと思ったんだよ。
 だからこそついつい笑ってしまったんだ。』
「パパ?」
『普通の人が殆どいない。帰って来ちゃったなぁ、戦場に…。』

11サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/09(木) 21:12:33 ID:ziEU6ink
【武器庫前】
リオンハルトはどの程度の装備を揃えているのか気になって前で足を止めた。
武器というものは聖なる剣がありました〜星光ビーム〜うわぁ〜というものではない。
例えば弩や銃は徴兵した農夫さえ短期間で兵士にしてしまう。
「見せて貰えるものなら見てみたいものだね。」

サロメは甲板へ。風を浴びると心が落ち着くそうだ。
眠る前に少しだけ星を見て眠りたいと養父と別れた。

12ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/05/11(土) 02:25:54 ID:ySJBJ3sM
>>8
「ん? あぁ 野に出れば傭兵団やらのスカウトで引く手数多だろうな
 自称じゃなく他称で『凄腕』を名乗れるほどには凄いよ」

隣にいた羽の生えた子に説明する

「誰に逝って来いといわれたかはシラネェがYO 戦場で活躍できる人間は2つのタイプに分けられる
 『腕のいいヤツ』と『自分にしか出来ないことが出来るヤツ』所謂ナンバーワンとオンリーワンだな」
そういって背中から生えている翼に目をやり

「実力は腕力と比例しない 頭と特技を使って上手く立ち回りな
 足手まといが嫌なら己を過信して踏み込みすぎないことだ 助けるのに多大な手間がかかるし
 見捨てるにしても胸糞悪い」

そういって>>9に移る

>>9
「・・・ゴールドマン ロイ・ゴールドマンだ 以後は・・・ヨロシクしないだろうな」
冒険者と貴婦人の護衛 接点が少なすぎる

「謙遜も過ぎると嫌味だぜ 俺の方が強いぐらい言ってみろよ」
そういって飛空挺の中に入ろうとして

「・・・・なにか?」
一瞬のみの だが確かに感じた異質な視線を感じ取り 疑問を投げかけた

―――場面転換

「金ってのは余ってるところには余ってるんだなぁ」
一通り施設を回ってみて 素直な感想を一つ

全体的に広々とした空間は長柄を振り回すのに無理を強いることはなく
機能性を重視した間取りは道に迷うことも無さそうだ

魔法については得手でないために動力についてはノーコメントであるが
静粛性は素晴らしく 一体どれだけの金をかけたのか想像するにも難しい

素晴らしい夕食を済ませたあと この男は甲板に出ていた

「・・・・・・・・・・・・・」
海を行く船と違い殆ど揺れないために船酔いの心配は殆どない
吹き付ける風は冷たくも心地よい

「この場合の脅威とは一体なんぞ? 飛空挺なんておいそれともてる移動手段じゃないから 海賊のようなものは考えにくいし・・・
 空を飛ぶモンスター・・・ワイバーンやハーピーとか? さてどうなることやら・・・」

何故自分らは雇われたのだろう 海よりも脅威少なき空の旅 依頼主はナニを心配して自分らを雇ったのか
暫し考え事に耽るのであった

13サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/11(土) 09:26:12 ID:St659916
>>12
「か、かっこいい!」少女は少しロイに憧れの感情を抱いた。

 自分はナンバーワンなんだろうかオンリーワンなのだろうか。
 それは師が養父である事で、両親があの二人だから決まっていた。
 まだ、何かを決めるには早い年齢だが、とりかかりはオンリーワンだ。

 ツインロッド、三節棍、そして鋏。魔術は魔術布を使った物が使える。
 今はオンリーワンからはじめよう。


 時は少しだけ過ぎ、サロメは甲板に来てロイに声をかける。
「こんばんは。この場合の脅威はひょっとすればワイバーン、
 ロック等の強力な魔物かもしれません。
 でも、翼人の手慣れた大人達かも知れません。
 今は敵を想像しないという無策こそが得策だと思うのです。
 えへへ、パパの受け売りなのですけれどね。」

 敵が何者かを想像してしまうと作戦が決まってしまう。
 そういう時には行動が固まってしまい拘泥する。

「何者がやってくるか分からない時は、何者にも対策しないのが良いようです。
 いいえ、言い方を変えるのならば、何者に対しても同じよう対策する感じ。」
 翼を少しだけ開く。空の空気と風を感じとりながら少女は少し伸びをした。

------------------------------
 リオンハルトは飛空艇の魔術的完成度に少し頭を悩ませていた。
 これでは落書きができない。
 飛行船に自分の術式を加筆すれば、干渉が起こり船の守りが無駄になる。
「まあ、そのためのキルトなんだけれどねぇ。」
 大量に持ち込んだ荷物は即席祭壇を用意するための大布の束だった。
「それにしても、この船の兵装がどのくらいのものかは気になるな。」
 ためしに武器庫の扉にノックしてみる。

14奇怪的な空の旅:2013/05/11(土) 13:40:48 ID:DDLNwBaE
>>12
「はっはっは、何事も下手に出ておくと楽なのですよ。  貴方には、その必要が無かったようですがね」

ラディ――執事服の男は、ロイの指摘を受けると声を殺して、くつくつと笑う。
飛空艇の入り口付近にまでくると、黒ずくめの護衛が一人。
固まった無表情のまま、後ろに回した手を組み、入り口から反れた壁に合わせて直立している。
育ちのいい少女と残りの二人の姿は無い。

「……おや? なにか、と問われても。何でもありませんよ、ゴールドマン」

嫌にわざとらしく。
芝居がかった動作で身体をわずかに仰け反らせると、護衛の男に目線で合図を送っていたラディは、細い目を丸くする。
全員の搭乗を確認した案内役の女性が、一礼して入り口を閉めると。

「何でもなければよいのですよ。 それが一番」

そうとだけ残して、護衛の男と共に中へ入っていった。


                    ――――――――――――――――

>>10 >>11
サロメ、ロイのいる甲板。
これもまたかなりの広さがあり、床や、囲い自体に派手な装飾こそは無いものの。
凹凸の少ない平らな世界から視線を滑らせれば―――ただ藍色の世界に点と円のみが映る。
似たようなものなのに、不思議と規則性の無い、ゆったりと、移り変わる景色。
無数の星が白く淡い軌跡を残し、3割ほど欠けた月が薄い雲に呑まれかけて、されども怪しく光る。
静か。
二人と同じく甲板にいる鳥かごの男の欠伸と、ロイの呟き、サロメの声は、何に邪魔されること無く響く。

「ふわぁーぁ、あんまりさ、悩むもんじゃないと思うぜー?」

距離こそ若干離れてはいたが、会話が耳に届くのは十分だったのだろう。
背に槍を背負った男は振り向かないまま、小さな蜥蜴の入った鳥かごを揺らすと、気の抜けた声を漏らす。
聞き取りやすさのあるトーンだが、誰を対象にしているかも分からないほど、口調には覇気が無い。

「別に、護衛を雇うのは毎回のことらしいからさー。 今回は特別多いらしいけどよぉ」
「ま、理由はわかんだろ? たぶん間違っても落ちちゃならねぇわけが、これにはあるんだろーさ」

執事のに比べると、相手の気を逆なでることを考慮した様子もない。
挑発しているとも取れる、乾いた苦笑い。
男は外に顔を向けているため、ロイやサロメには回り込まない限り、横から見ることになるのだろうが。

>>13
リオンハルトのいる武器庫。
そこへ向かうまでの階段や廊下には、魔道蝋燭での、魔力灯独特の明かりが満遍なく設置されており。
部屋付近に比べるとわずかな薄暗さを感じるが、おそらく、行動に支障が出るほどではないだろう。
ノックに対しての返事は無く、鍵はかかっていない様で、外側からでも開くのは容易そうだ。

【もし入るのであれば、以下の情報を得ます】

外装は、壁や扉に至っても、埃一つ無く、物が転がっていることも無く、整頓されている。
造りの良さそうな槍が数本、専用の台に立て掛けられていて、何かしら文字のかかれた中程度の刃渡りをもつ剣もいくつか。
槌、斧なども若干。砲弾なども収納されているらしい。
遠めで見ても大げさに鍵の欠けられた大きな箱も数個。
しかしスペースは十分で、足の踏み場も無い、といった状況からはほど遠いほどの余裕があり。
数人人が入り込んでも、到底混雑することはないだろう。

15サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/11(土) 15:09:25 ID:St659916
>>14
【看板の上】
「あ、あのわたしサロメっていいます。
 お兄さんはどうして、そんなに落ち着いていられるんですか?」
 逆に聞きたいものである。
 こんなに緊張している傭兵がここにいる理由を。
「その鳥かごは一体?いや、あれこれ聞くのは失礼ですよね。
 ごめんなさい!ごめんなさい!でも気になったんです。」
 浮出しあっている。
 まあ、駄洒落で言うならサロメは地に足つけて戦うタイプではないが。
 サロメから見れば鳥かごの男は先輩に見えた。

----------------------------------------
 リオンハルトはまず燭台に気付いた。
『おや?この蝋燭は…魔導のものか。
 夜襲も考慮に入れておけという事なのだろうかね。
 お邪魔しますよ。誰かいませんか?』
 ドアを開けて中を見てみる。
『槍に…剣?槍だけでなく剣…。
 これらはエンチャントも施されている、か。
 砲弾は数はあれど…まるで陸戦の装備だな。』
 隙間も充分ある。この飛行船はまるで…
『思った通り、攻める事しか考えてないな…。』

16ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/05/12(日) 04:02:16 ID:vcOq1Mh2
>>13
「ロック鳥やワイバーンか・・・あまり考えたくない相手だ」
大型の飛行モンスター どうしても被害は出るし 船を落とされたら泣くに泣けない

「無策こそ得策・・・お前さんのパパは中々難しいことを考えるパパさんだなぁ
 然し万物に対抗しうる策を持てば万物に対応できる 確かに 一つの真理だ」

なるほどと小さく数回頷いてみせる

「だがこの世の真理は夜空の星よりも多い 他の真理もまた存在する
 人と同じサイズの翼人と大型モンスターのワイバーン 同じような対策で対応できる手というのは 中々思いつかないものだ」

「ならばどうするか? 全てのリスクにおいて対応できるだけの数の策を有し ソレを必要に応じて使い分ける
 1つの大きな策ではなく 複数の小さな策を並べて使い分ける 俺の装備みたいにな」

突・斬・打に幅広く対応するハルバート 打に特化したハンマー 斬に特化したサーベルとスクラマサクス そして遠距離武器 スリング
全てのレンジに対応できるだけの装備を持ったウェポンマスター 金属王国のプラチナムフォースで育まれた『思想』である

「俺が正しい 考えを改めろというつもりはない だがそういう考えも存在する程度には心にとどめておいてくれ」

>>14
「そうかい そりゃ失礼したな ミスター・テディー」
なんでもないと応えるテディーに言葉だけの軽い謝罪を贈った

―――――場面転換

「心配をかけさせて悪かったな どうにも心配性のケがあってなぁ」

暢気な声で挑発とも取れる物言いをする鳥かご持参の男
その言葉には特に感情を動かさず そう受け答え 挑発ならばスルーした形になるだろうか?

「まぁお互い生き残れるように 来るかもしれない不透明なリスクに怯えることにするだけさ」
そしt絵このまま甲板に留まる様子

17奇怪的な空の旅:2013/05/12(日) 17:45:38 ID:9gL1evR2
>>15>>16
「ん? いや、だってよぉ。 あんたら、この飛空艇の武装見てなかったのか?」

どうして、そんなに落ち着いていられるのか。
というサロメ質問に若干の思うところがあったのか、鳥かごの男はばりばり、と、無造作に頭をかくと。
振り返り、いかにも面倒くさそうな表情で床を指差す。

「同型程度の大きさ、固さの相手なら、容易に吹き飛ばしちまいそうな砲台に、中にもごっつい護衛が何人か載ってる」
「どうやったって落ちようがないだろ……あぁ、これは相棒のレッタ」

挑発交じりの嘲笑を浮かべて、肩を竦めた男が鳥かごを軽く揺らすと。
中の羽根突きトカゲは、ぼぅ、と小さな火を吐いた。

「ま、でも万が一何かあるんなら。 それこそ死なないようにするだけだな」


                    ―――――――――


夕食を終えて、それからさらに時間がたち。
広間にいたほとんどの搭乗者は持ち場や部屋に戻って、睡眠を取り始める時間帯。
甲板で時間を潰していたらしい男も目をこすりながらその場を後にし、客室へと向かった。
リオンハルトが武器庫を後にするらば、階段を上がってすぐ、客室前の廊下に一人。
育ちのよさそうな少女の護衛として付いていた一人が、周囲を警戒した様子で立っているのが分かるだろう。

その他飛空艇内の変化といえば、既に就寝中らしい搭乗者の部屋や、飛空艇の操縦にかかわる関係室には鍵がかけられたこと。
魔術行使による蝋燭、もしくは他の光源が無ければ、周囲は一瞬で闇に落ち視界が頼りにならなくなること。
飛空艇自体はいまだ静かなままだが、音を発する程度には風が吹き始めたこと。

到着は明日の午後。
今後の依頼に備えて眠る。もしくはいまだ、どこか飛空艇内を探索しているのか。



                  ”さて、この時間帯、貴方はどの場所に居る?”

18サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/12(日) 20:04:47 ID:BRCNpbso
>>16,>>>17
ここにリオンハルトがいればロイの言葉も否定しなかっただろう。
かれは今はもう自室に戻っている頃だ。

ハルバードには開という使い方もある。
文字通り大盾に引っ掛けて防御をめくり突く。
全ての装備の全ての使い方を解説していたら日が昇ってしまうだろう。

閃きが経験となり、経験の積み重ねが新しい閃きを産む。
「大切な事を教えてくれてありがとうわたしも部屋に戻るわ。」


鳥かごの男にも飛空艇の堅牢さを改めて解説されては返す言葉も無い。
「そうね、万が一が起こらないように祈っているわ。」
誰にか。今は亡き実の両親にだ。


二人に一度会釈して甲板から去り与えられた部屋へ向かった。

19ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/05/12(日) 22:19:39 ID:vcOq1Mh2
>>18
「あぁ おやすみ いい夢を」
自室に戻るサロメにそう言って見送った

>>17
「・・・そうだな この武装なら墜ちないだろう」
武装と 護衛の数 少女の家が貴族か商家かは覚えてないが 最大限の準備といえよう

ならばおいそれと襲撃する輩はそうはいない

―――――
時は過ぎ 夜は更ける サロメも鳥かごの男も去っていった
そんな中でこの男は未だ甲板の上に居た

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
背中のハルバートは手の中にあり風吹きすさぶ甲板の上に立っていた

「最大の脅威は敵にあらず 最大の敵は『油断』だ」

確かに護衛は多く 武装も強大 だが襲撃されるときは襲撃される
そのときに油断しているときと警戒している時では 対応力はまるで変わってくる

「一人ぐらい心配性がいたっていいじゃないか 徒労で終わればそれが一番いいんだ」
甲板の上で誰にともなく呟いた

【現在甲板上で警戒中】

20奇怪的な空の旅:2013/05/13(月) 19:14:28 ID:Bhx5/vwA
時折吹く風の音。何にも遮られることなく輝く夜の星。
飛空艇はたったそれだけの空間に覆われて、魔術回路から下される命令通りに、ただただ目的地へと進む。
内部には足音一つ無い。見張りの護衛が一人直立しているだけ。
長らく続いた単調で簡素な静寂を破ったのは、客室の廊下に響く、耳を劈くほどの破壊音だった。

>>18
自室に戻っていたサロメやリオンハルトの元へも、その轟音は届く。
破壊音は一度ではなく、連鎖的。
音に注意を向ければ、それは客室廊下の奥から、
まるで飛空艇そのものを爆破しているほどの振動と共に、徐々に部屋へと近づいてきていることが分かるだろう。
加えて、破壊音に紛れて目立ちはしないものの、廊下を走っていく足音が複数。

「何だ!? 何が起きたっ!?」

すぐ隣の部屋から、赤髪のエルフが狼狽したような声も聞こえてくる。
間違いなく飛空艇の内部で何か異変が起こっている。
それを察するには十分な状況のはずだ。

>>19
甲板にいるロイにも同じく、音量の減少は否めないものの破壊音は聞こえてくる。
それは客室の扉からではなく、広間のある扉からもだ。
静かで微震程度にしか感じ取らせなかった飛空艇が、大きく揺れる。
広間方面の扉から息を荒げて飛び出してきた、細めの案内役の女性は、ロイを見て駆け寄ろうとする。
が、不意に空を見上げると、消え入りそうな悲鳴を上げて尻餅をついた。

飛空艇に訪れた異変は、破壊音一つだけではなく。
星空を覆い隠す、羽を持つ黒い何かが、飛空艇を囲むように2匹。

キィイイ・・・キィイイ!!

ロイへ向け、飛び掛ってくる様子は無いものの、威嚇するように甲高く泣き叫びながら。
飛空艇の砲弾の斜線に入らない位置をまるで知っているような、それでいて不規則な軌道を描いて飛び回り始めた。
黄色い斑点に、輝く目。羽を広げれば、中型の翼竜にも匹敵する大きさ。
もし周囲への警戒心を向けていたなら、その2匹は、破壊音がするその直前まで、ここへ向かってきた姿は見せず。
まるでそこに出現したかのような印象を受けるだろう。

21サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/13(月) 23:01:02 ID:/uKdTdqo
 大音量に気付きベッドから飛び起きるサロメと欠伸をするリオンハルト。
「パパ!」
『落ち着きなさい。とにかく部屋を出よう。』
 サロメは頷くとブーツを履き、大鋏を吊るすベルトを付ける。
 リオンハルトもショートソードと大鞄を持って廊下にでた。
『わたしは焦げ臭い匂いがあれば向かうよ。
 空の中で火災なんかに巻き込まれては洒落にならない。』

 赤髪のエルフの部屋をノックする。
「わかりませんけれど、ただの事故ではなさそうです。
 わたし達は一旦他の人達と合流してみます。」
 それだけ言ってからサロメはまず甲板に向かう。

 そこで見たのは件の二匹。どうやって近づいてきたのだろう。
 彼女は部屋にいたが、この謎の飛行体が近づいてきたのに船員達は
 威嚇するでもなくも撃墜を試すでもなく接近を許した事を不思議に思った。
 船に死角があるのだろうか。それとも突然現れたのか。わからない。

22リオンハルト・フィッシャー@仕立て屋:2013/05/14(火) 03:32:25 ID:3SWeFZV6
リオンハルトの頭の中で何かが引っかかる。
外を飛んでいる怪物の存在は知らないが、
サロメと似たような事を考えていた。

頭の中に飛空艇の中の地図が拡げられる。
それは立体模型のような地図だ。周辺の状態までもが頭の中に描かれる。
これが事故で無いなら飛空艇が何者かに襲撃されたのは確かな事だ。

これだけの設備と人員がいる飛空艇のクルーが外敵を見逃す?
死角があるなら竜骨の下、飛空艇の下だ。そしてそれに気付けるタイミングは発進した時。
これはありえない。離陸時の飛空艇の状態を見れる目撃者が多すぎるからだ。
途中から飛空艇を追いかけて、飛空艇の底に潜むのは難しい。そんな死角はあるのか?

『転移魔法?』
これだけ金をかけた飛空艇で討伐にいくレベルの敵がいるなら突然現れる事も考えられる。
『もしくは…最初から船員に紛れ込んでいたかのどちらかでしょうねぇ。』
自分がこんなでたらめな兵器で攻め入られるならば間者の一人でも送りつけるものだ。
『この考えが間違いでない事を祈りますよ。』リオンハルトはまず金髪で色白な少女の部屋へ向かう。

23ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/05/15(水) 00:47:21 ID:/bJg6.as
>>20
不意に起こった爆発と 大きく揺れる飛空挺

「なんだ!? 敵襲か!!?」
だとすれば妙だ 外部から砲撃されたならまだ自然 問題は船の中を爆破されたこと

「やはり楽な仕事とはならなかったか・・・だがウチから爆破された理由はナンだ?」
瞬時に思いついた可能性は2つ

船の持ち主と 護衛のほかに第三の密航者が居た
そしてもう一つは 普段より多いという護衛の中になんらかの敵が紛れ込んでいた

あたりに視線を巡らせていると 船内から女が飛び出した
「何事だ!! 火元は何処だ!!」

やってくる女にそう叫ぶと 女は上空に目をやり悲鳴を上げた
釣られて上空を見れば

「・・・・・・・・おいおい こんなの見落としてたか?」

二匹の大型モンスター 頼りない月夜の光では 詳細な識別は不可能であったが
それでも先ほどまでは聞こえなかった威嚇の叫び

「どうなってやがる・・・一体なんだって言うんだ」
ハルバートを握り締め モンスターを睨む

モンスターは砲の射線を熟知してるかのように飛び回りながら こちらを警戒している
その動きはとても奇妙なものに見えた

(振って湧いたかのように突然現れ 射線に入り込まない挙動・・・なんだかきな臭くなってきやがった)

「女!! 早くこっちに来い!! そこにいたんじゃ援護も出来ん!!」
恩安易鋭く叫びながら なおも飛び回るモンスターに警戒を強める

空を飛ぼうと思えば飛んで迎撃をすることも出来た だが日に一回という制限が肩に重苦しく圧し掛かっていた

24奇怪的な空の旅:2013/05/16(木) 00:29:42 ID:n3u8.jHk
>>21>>22
廊下に出たサロメとリオンハルトの視界に飛び込んできたのは、
黒の絵の具を全身に浸し、無造作に黄色の斑点を付け足したような色合い。廊下の天井に張り付くほど大きな身体を持つ”何か”。
”何か”は不器用にふらふらと二足歩行をしながら、乱暴にその両腕を振り回し。
廊下の側壁、飛空艇の内部を破壊しながら、少女という保護対象がいるため手の出しようが無く。
ひたすら距離を保つだけの護衛や執事達が後退していくのを追い詰めるように、その牽制をものともせず、突き進む。

「わ、分かった。私も後で追う……! し、しかしこの化け物どこから湧いた!?」 

あまりに唐突で合ったため盾と剣を引っ張り出すので精一杯だったらしい赤髪のエルフの声が、甲板へと走るサロメの背後から伝わる。
甲板へと走ったのはもう一人、鳥かごの男。表情は読み取れないが、サロメの前方を走っている。

リオンハルトのいう焦げ臭いにおい、に値するものが漂っていることは無い。
どうやらあの”何か”の暴走が、そのままあの破壊音、に繋がっていたらしく現に、今も暴れているためか音は全く止んでいない。
そして、このまま放っておけば間違いなく廊下にいる全員と衝突することになる!

>>21 >>23
「か、火事ではありません! ば、化け物が、突然現れて・・・」

目を白黒させて、ロイの指示に何とか反応し甲板へと上がった女性は、しかし精神状態に余裕が無く。
必死に走ってきたのか、荒い呼吸をなんとか落ち着けようと胸に手を当てている。
そして、何かを思い出したかのように目を見開くと。

「あ、あぁなんてこと・・・あ、あの化け物が来てない! そ、操縦室に向かってるのかも!」

彼女が出てきた扉をむけ、錯乱したように叫ぶ。
なんとか足を動かそうとするが緊張と恐怖で一度しゃがみこんでしまった腰が上がることは無く、うっすらと涙すら浮かんでいる。
付近にいるロイなら、肩や頬の擦り傷からわずかに血が流れているのが分かるだろう。

キィィィイイ。キィイイ。

特殊な軌道を描いて空を飛ぶ羽のある”何か”は、響き渡る破壊音に興奮しているのか、さらに甲高く叫び鳴き続ける。
徐々に動きも荒々しくなってきているが、それでもやはり、甲板にいるロイ、女性、サロメに攻撃してくる様子は無い。

25サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/16(木) 03:14:20 ID:bK/1kmGA
>>24
 サロメは赤毛のエルフには何も答える事ができなかった。
「どこからともなくです!」とだけ言い残して甲板に向かった。
 先に甲板に向かう鳥かごの男の後から甲板にたどり着く。

 さてそこにいた二匹の"何か"は突然に現れたのか、元々船内にいたのか。

 襲ってくる気配もないが飛空艇に対して攻撃されては同じ事。
 その"何か"を追って風圧で甲板の板を少し潰してしまったが飛翔。
 その"何か"の一体の前に「こんにちは♪」幼い翼人は挨拶する。
「あなたは話せる?」
 左腰から大鋏を抜刀して構える。
 話しかけたのは念のためだ。この作戦、若干胡散臭い。

 そもそもあの金髪色白の少女は何者なのか。
 何故にあんな"荷物"がこの飛空艇に乗っているのか。
----------------------------------------
【廊下】
 リオンハルトは護衛達が船の操舵室も動力炉も守りに行かない様子を見て不自然に感じる。
 もしかしてこの飛空艇が最終兵器なのではないのか。
 つまりこの船は別の最終兵器を守るために存在しているようだ。

『えっとこの通路の角度がこんなで…。』
 チョークと木炭で壁に落書きを始める。
『あ、コンパスを忘れてしまった。』
 糸で輪をつくり真円を壁に描き足し、床にも描く。
『定規定規…あった、あった。』
 線と円、正多角形、数々の紋様。
 もう一筆加筆しようとして『これは干渉しそうですね。』
 深呼吸をしてリオンハルトは壁と床、天井に描き殴った魔法陣を掌で叩く。

『…眠りの霧の中の者達…その夢の中で事を成し遂げよ。
 眠りの霧よ…眠りの霧よ…夢の中で彼等に事を成し遂げさせよ。』
 廊下を覆い尽くす麻痺の術式。祭壇はこの廊下そのもの。
 これは眠りの魔法で初級の魔術に当たるが、リオンハルトのスリープは巨人を眠らせられる。
『効いて下さいよ。生き物ならね。』

26ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/05/19(日) 22:33:52 ID:X3qyfhdg
>>24
「化け物だァ!? いよいよもって獅子陣中の虫ってか?」

化け物が空間転移して飛空挺に侵入し 矢鱈滅多ら暴れまわる そんな与太話なんぞが現実に起こってたまるか
そうなれば 誰かが化け者共を呼び寄せたと言うことになるだろう

「操縦室に・・・?」

女が発した言葉に違和感を覚え 記憶を探る >>9の情報で 今居る甲板から操縦室への扉が見えるが 室内から直接操縦室に向かうルートはあっただろうか?
そしてこちらを警戒する“何か”がまったく攻勢に出ないのを見て

「なんかきな臭いなぁ・・・」

ともあれ攻撃を仕掛けてみよう
腰のサーベルを鞘ごと抜き取り 刃を抜くと甲板に突き立てる そして鞘を握り締めると

「そぉぉおお・・・・っれ!!」
翼を持った何かの1匹に向けて投擲する さて 何かリアクションがあるのやら?

27奇怪的な空の旅:2013/05/22(水) 01:13:18 ID:ow7BQZhc
>>25>>26
速さ衰えること無く、不規則に楕円を描き空を駆け続ける羽のある何か、は。
サロメの問いかけに答えることは無く、そして彼女へ向かっても、威嚇じみたけたたましい鳴き声を上げる。
存在に気づいたことで反応はしたが、そもそも相手にはサロメの言葉が理解できているかも定かではない。
そして大鋏を向けられてもやはり、まるで甲板に降りてくる気配はなく・・・。

「きゃぁぁあ!?」

ここで再び轟音が響く。
船体が大きくゆれ、ロイの付近にまで来てようやく立ち上がった女性が再びしりもちをついた。
轟音の発生源は、甲板にある扉の向こう―――操縦室辺りからだ。

「ぼ、冒険者様。 どうかお願いです。 操縦室の様子を、化け物の退治を・・・どうか!」

なれない恐怖からか目に涙を浮かべた女性はロイにそう懇願する。
この場にいるのは、廊下から出てきたサロメと、鳥かごの男。戦力として信用するかはともかく、女性を一人にする状況にはならない。
投げられた鞘は容易に交わされ、からん、と、再度甲板に落下する。
しかし羽ありの反応はやはり鳴き声を上げるだけだ。

「なんだぁありゃ、戦う気ねぇってのか?」

動揺からは立ち直ったらしいが、状況は飲み込めていないらしい鳥かごの男の言葉の後。
女性はロイを後押しするよう説明を始める。
興奮から早口になってはいたが、どうやらこの飛空艇の使用上、操縦士が部屋を離れることはできないらしく。
そして、操縦士に被害が発生した場合。考えられる最悪の事態は。

「飛空艇が、落ちてしまう前に・・・!」

>>25
廊下での戦闘。二足歩行する巨大な何か、の破壊活動をゆるめ。
一方的に飛空艇の内部損傷を増やすだけであった現状を打開したのは、リオンハルトの術式。
廊下や床に書きなぐられた落書きは、何か、に明らかな干渉を見せている。
が、それは眠らせた、というよりは流し込んだ術式に抵抗をさせて、動きを止めている、といった感じだ。

「動きが、止まった・・・?」

盾を構えなんとか激しい殴打の嵐を耐えていた赤髪のエルフは、急な攻撃の停滞に疑問符を浮かべ。
そして剣での攻撃を加えようとしているその時既に、跳び上がった初老の執事の膝が何かの顔面に直撃し。
その身体を背後へと突き倒す。
色白い金髪の少女は、リオンハルトに一瞬視線を送ると、即座に廊下を駆け抜けて、護衛たちと共に甲板へと出て行く。
この場に残ったのは、赤髪のエルフ、執事、リオンハルトの三人だ。

「リオンハルト、と言ったか? さすがだ。 助かったよ」
「いやぁ・・・礼を言うには、どうやらまだ早い気もしますがねぇ」

わざとらしく、肩をすくめた執事の視線の先には、既に立ち上がり、腕を振り上げている、仰向けに倒れこんだはずの何か。
ダメージを受けたとは思えないほど速度の変わらない殴打はエルフの足元、すなわち床に直撃し。
一瞬反応が送れ、盾を構え損ねた彼女を吹き飛ばすと、リオンハルトの落書きごと床や壁を衝撃でへし曲げる。
とっさに飛びのいた執事は澄ました表情で、さらに奥へと着地したが。
頭部をかばったらしい腕には、飛び散った木片が数個刺さっていた。これはおそらくリオンハルトにも幾つかは向かっただろう。

「さぁ、て。 いつまで持ちますか。 せいぜい時間稼ぎをさせて貰いますけども」

執事自身にはこの何か、を倒す手段がまったく浮かんでいないらしく。
これをひたすら廊下に止め、彼の主人への被害を抑えようとしているのが現状だ。
さて、リオンハルトはどう動く?

28サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/23(木) 09:55:31 ID:p04vuA1w
>>27
 自分にできる事を考える。
 操縦席にも化物はいるのだろうか。
 ならあの空中で回りを威嚇しているやつの狙いは?
 狙いが操縦席ならなぜアレも襲ってこないのだろう。
 考えても仕方がない。
「様子を見てきます。」
 ロイと鳥籠の男を信用してサロメは操縦席へ向かう。
 年季が違うのだ。
 相応しい判断をして来るか残るか自分で決めてくれるだろう。

----------------------------------------
 リオンハルトはしゃがみこむと厚手のローブの裾を踏みつけ、
 袖に腕をかけ引っ張り、服と身体の間に隙間を作り破片の到達を防ぐ。
『あまり痛いのは得意じゃないんですがね。』
 深く刺さった破片は浅い刺傷をつけ、
 浅く刺さった破片はリオンハルトに傷一つ付ける事なく。
 流石に腕は殆ど庇えず血まみれだが致命傷を避ける。

『困りました。パワーが桁違いです。』
 指先から滴り落ちる血液を見ながらフムフム…と頷く。

 そう言えば女エルフの得物はハルバードだった。
 執事も身体能力は高そうだ。
 自分はといえばショートソードが二振り。
『わたしはともかく、これで決定打に欠けるという状況は厳しい。
 ゴーレムでも試してみますか。力だけならありますよ。アレは。』
 材料不足に見えるこの状況で、血を地面に撒きながら提案をしてみる。

『全身つくれたらいいんですけれどね。
 材料に使えるのが廃材少々ではこんなところでしょうか。』
 無事な床に目と口だけの顔を描き、正しい場所に複雑な紋様を加える。
 するとそこに砕かれた床板、壁だったものが集まりだす。
 ゴミで出来た顔から伸びる細く短い腕。
 丸いギョロ目。半開きの口とタラコ唇。中に覗く石材の歯と牙。
 得物を捉えて咬み殺すだけのデザイン。
『仮の生命よ。お前に命令を与える。見敵必殺。それ一つです。』

- ガチガチガチガチ… -

『…造った自分で言うのもなんですが、変な物体ですねぇ。
 敵味方の区別はつきますね?じゃあお願いします。』

- も゛も゛も゛〜!(ガチガチガチガチ…) -

 地面を這いながら"何か"に向かっていく。

 目的?怪物への嫌がらせだ。
 あわよくばこのまま"何か"は倒すが援助に徹する。

29〜陽動戦〜:2013/05/26(日) 03:13:17 ID:7K7QDhPQ
>>27-28
「クソッタレ参ったな・・・」

思わず歯噛みする 相手は只飛んでいるだけだ そう 飛んでいるだけなのだ
相手がこの後こちらを襲撃しない保障なんて何処にもない

そしてこちらには空を飛ぶ相手に対する対策が何も出来ていないのだ
対空砲火の位置を知り尽くしているかのように射線を避けて飛ぶ化け物 この場に投石できる石があれば何か違うかもしれなかったが


「おい!! ちょっと!!」
しかもこの場で唯一といっていい 空を自由に飛べるサロメが下の様子を見に行ってしまった
これで完全なるこう着状態 出せる手札は 0

「・・・チッ」
舌打ち一つ ここは化け物が襲ってこないように 襲ってきても迎撃できるように 睨み続けるしかない 化け物を

30ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/05/26(日) 03:13:53 ID:7K7QDhPQ
//名前

31サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/26(日) 03:43:47 ID:oCtwE9l6
>>30
 ロイの声に反応してサロメが立ち止まる。
「え?へ?はい?でも操縦室に行かないと!」
//甲板にある扉の向こうが操縦室らしいので声をかけると間に合うですよ。

32ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/05/27(月) 23:30:11 ID:xnG8yeLw
>>31
「スマンが俺ではあの空を飛ぶ連中の対処が難しい!! ここは空が飛べるお前に対処して欲しいんだ 
 必要に応じて打って出れるお前の方が適任だ!! 操縦室へは俺が行く!!」

そう提案した 提案が受け入れられればバトンタッチということで

33サロメ・ロクセッタ@仕立て屋:2013/05/28(火) 00:46:43 ID:t.9fb7gI
>>32
サロメはロイの提案にコクリと頷く。
「わかりました。お気をつけて。」

34奇怪的な空の旅:2013/05/29(水) 15:44:44 ID:OqFzAklo
>>28
逃走、ではなく援護、を選択したリオンハルトが産み出されたゴーレム。
地を這うそれがいくら接近しようと、怪物はそれを気に留める様子も無く。
赤髪エルフを吹き飛ばしたと見るや再度廊下から甲板へ向けての進行を始めた。
”生物”と捕らえるには余りに不自然なほど、その動きは衰えない。疲労を感じさせない。

盲目的に振り回された両腕は弧を描き。
壁、床、扉、頑丈に作られたそれらにヒビを加えながら。
その片腕が、ゴーレムにむけ、重力と強力を上乗せさせたまま脳天に突き落とされる。

「ふぅむ、これは何かありますね…」

執事の膝を食らい、凹んだはずの頭部は既に再生を終えている。
再生、というよりは、風船が弾性力で再びその形に戻ったような。

「おそらく、普通に攻撃を加えるだけでは破壊できないのかもしれません…。
かといって何か思いついたわけでもありませんが」

執事は肩を竦めるとゴーレムに振り下ろされた腕を掻い潜り、化け物の腹部に殴打を加える。
しかしこれも、大きく仰け反ることから衝撃こそは伝わっているものの。
彼が手を引けば、また、腹部は元の形へと徐々に変形を始める。

>>29
甲板から操縦室へと向かうルートは単純――つまり扉を一つ潜り、一直線の廊下を進むだけ。
背後から聞こえる羽のある何か、と、くわえて客室の方から聞こえる止まない破壊音。
それに比べ、操縦室への廊下は明らかに静か。
操縦室へと向かう途中にある広間への通路も、それは同様。
船体の揺れに梃子摺ったとはしても数分と走ることも無く、操縦室の前の扉にはたどり着けるだろう。

そして。

操縦室扉の前も、ここだけが別の空間に切り離されかのように。
静まり返っている。

>>33
ロイが操縦室へ向かったのと入れ替わりに、数人の護衛と金髪の少女が客室廊下の扉から出てくる。
そのどちらからがスイッチになったのか。
甲高く鳴きながら空を泳いでいるだけであった何か、が、ついに動き出した。

キィィィイイイイイイ。

その内の一匹は、一旦飛空艇から距離を取ったかと思えば。
そのまま大きく旋回し、その勢いのまま、咆え、甲板に目掛けて直進。

「……おいおい冗談じゃねぇぞ」

ターゲットになったのは、鳥かごの男。
だだっ広いはずの甲板の三分の一を埋め尽くすほどの、羽を広げた何か、は。
とっさに槍を構え、”まるで飲み込もうとしているかのように広げられた口”をさえぎった彼を、そのまま空へと連れ去った。

「・・・っ!?」

女性が声の無い悲鳴を上げて、風圧で倒れこんでしまった直後。
もう一匹の何か、が、今度は金髪の女性を目掛けて甲板へ垂直に落下してくる。
空にいる男から上擦った怒声が上がった。

「こいつは俺がなんとかすおわぁ!? …嬢ちゃん、護衛ども、あと一匹はなんとかしろぉ!」

その声を受ける前に、既に三人の護衛は少女を取り囲むよう陣取っていたが。
武器をもたない彼らに飛行する、しかも巨体の”何か”を防ぐすべはあるのだろうか。

35リオンハルト & サロメ@仕立て屋:2013/05/30(木) 09:59:22 ID:00C2hd7A
>>34
【船内廊下】
 上向きの顔面から腕だけ生えた不完全なゴーレムの
 眉間にその"何か"の突き下ろした拳が深く突き刺さる。
 今"何か"が破壊している壁、床、扉、頑丈がその材料なのだ。
 ゴーレムのパワーや装甲は材料にも依存する。
 侵入者の相手をするには非力で鈍重過ぎたらしい。
 怪物をその口の中へ巻き込もうと腕をばたつかせている。
 臼歯に石材、前歯や牙に金属が使われているが噛み付けない。

『そう言えばあの怪物は目は見えてるのだろうか。』
 小さな火球一つ生み出せないこの頼りない魔術師でも
 野生動物を怯ませられる閃光くらいなら発せられる。

 この"何か"のゴムのような身体の怪物。
 引き裂くか、固めて割るのが良いように思えた。
 ただし最初にどうやって足を止めるのかという問題があり、
 それすら未解決だが最初はそこから始める事を提案する。
 歯並びの悪いトラッシュゴーレムは足を捕まえられるか。
 そして足でも腕でも良い。破損させて見せてくれるか。

『執事さん、赤髪のお姉さん。
 隙を作る事ができれば、そこのゴーレムの口に
 怪物の片足だけでも突っ込んだりできませんかね。
 3秒数えて閃光を放ちます。少しだけ目を覆って下さい。
 その後で怪物が怯んだようでしたら試してみて下さい。』

 そう言うと指先を振り呪文を唱えて準備に入る。

『1、2の3!- 光よッ!! -』

========================================
【甲板上】
 一匹引き受けると頭上で叫んだ大先輩の言葉はなんだか
 頼りなく聞こえたが「なんとかなる、よね…」と呟いた。
 と言うよりなんとかしてもらうしかない。

 気になるのは「どうして出てきたの?」金髪の少女だ。
 甲板が危険だと知らずに来たのか、知っていて来たか。
 悲鳴を上げている女性もいるしやりにくい。

 さてサロメは歳相応に小さい。13歳の子供だ。
 きちんと食事を取っているが体質か少し痩せてもいる。
 その成長期の翼人の翼は日に日に大きく広く強く
 成長していて今はたたんでも羽先が膝裏につく程だ。

 その小さな身体を守るのは白く塗られた軽い革鎧。

 護衛は飛べないし、飛べても上下から対処する。
 巨大な怪物に向かうためにサロメは大きく翼を拡げた。
 その翼を羽ばたかせて、走って加速、加速、離陸、上昇。
 鋏を抜刀して一対の刃を開いた状態で怪物に向かう。

 この体格差と体重差は何をしても埋まらない。
 あるいはそういう魔法があるかもしれないが、
 今の彼女はまだそんな物の存在は知らない。

 開いた鋏で上顎と下顎の境に鋏を入れようと突撃した。
 もしくは両目を挟んでやろうか。とにかく狙いは顔面。

36ロイ@元兵士@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/06/01(土) 17:56:59 ID:eHDmUDR6
>>34
「こいつぁヒデェな・・・上へ下への大騒ぎってな」

廊下を走りぬけながら呟く 夜ということで客室の方には戦力が集中しているはずだし
甲板にも戦力が残っている ならば自分は操舵室の安全を確認せねばならないだろう

そしてたどり着いた操縦席 確か夜の間は施錠されているはずだガ・・・?

「オイ!! 誰かいるか!?」
その扉を乱暴に叩きながら 中の安全を確認しようとする

37奇怪的な空の旅:2013/06/02(日) 16:23:51 ID:xzw.kQFM
>>35
「了解です。やってみましょう」
「わ、分かった!」

執事と赤髪エルフの返事はほぼ同時。
エルフの方に至ってはようやく体勢を立て直したところだったので、でたらめに腕を振り回す
”何か”との距離が若干離れてはいるが。
閃光が放たれるタイミングで走り出した彼女は既に自身の攻撃可能範囲に相手を捕らえており。

「こん………の」

目が眩んだ、というよりまるで凍りついたかのように。
睡眠の術式を食らったときと同様の反応で動きを止めた何かの足元に、エルフ腕から射出した鎖を絡め付け。
引っ張る。
質量もあってか、倒れこむまでは至らないが、力のバランスを崩すことには成功した。

すかさず執事が背中から殴打と蹴りを連続し。
その巨体が体勢を戻そうと数回足踏みをしたそのとき、ゴーレムの口へと片足が入った。

執事がリオンハルトに目で合図を送る。

>>35
サロメの対応は早かった。
自身より数倍はあるだろう”羽つき”を前にしても、ひるむことなく即座に攻撃に向かう。
その行動は確かに戦況を不利に傾くことを止めた。


吠えながら降下する羽つきの風圧が甲板を覆い、それが到達するまでに護衛の一人が少女を抱えてその場を飛び去る。
サロメの鋏は、降下する軌道がわずかにずれたからか、顔面を挟み込みそのまま切り落とすには至らなかったが、
首と羽の間に大きな切込みを入れた。
血は出ない。
羽根つきに苦しんだ様子はない。

だが、次に再度回転しながら飛翔し。
護衛の一人を弾き飛ばした後、その負担に耐え切れなかったのか羽の切り口はさらに広がる。
片側に傾いた様になら無い飛行体制のまま、しかし再び咆えると。

キィイイ!

今度はサロメに向かいその巨大な口を広げながら、羽の損傷のためか速度や軌道が不安定のまま彼女に飛来する。
手負いとはいえ、成人近い男が連れ去られるほどの勢いと質量だ。
真正面から受け止めるか、回避に専念するか。
それとも。

>>36
ロイの言葉に返事はないが、叩いたときの感触からおそらく鍵は閉じられていない。
いつでも中に入ることはできそうだが。
中で何が起こっているのかは聴覚では判断できないほど静かで、客室や甲板からの戦闘音もあり上手く聞き取ることはできないだろう。

しかしそのまま即突入をしなかった場合。
戦闘を多く経験しているロイなら知っているだろう、血液の匂い。それが中から漂ってきていることが分かる。
それはその臭いに集中すればするほどはっきりと濃くなっていき、間違いなくわずかな量ではない。
そこまでが人間の嗅覚でも判断できるほどだ。

38リオンハルト & サロメ@仕立て屋:2013/06/03(月) 00:18:44 ID:9AERNRD2
>>37
 合図を受け取るとリオンハルトはゴーレムに
 その"何か"の脚を掴ませて齧らせようとする。

『ちょっと見た目グロテスクな事になるかもね。』

 短い腕で怪物の脚を引き込みながら呻き声を
 上げつつ、金属の前歯と牙で、釘のような刺の
 ついた口腔内で、びっしりならんだ石の臼歯で
 骨付きの鳥腿肉を齧り取るように口を動かし始める。

- ん゛む゛〜ふ… ん゛む゛〜ふ… -

 しゃぶりながら噛まれた怪物の脚はどのくらい壊せたか。
 もしくは無傷だろうか。流石にそれはないと祈りたい。

========================================
「血が出ない?!あれって生き物なのかな?」
 どちらにせよ、そのアレに捕まったり噛まれたりしてはどうしようもない。
 巨体の癖に速いのも厄介だ。外した攻撃が翼の付け根に傷をつけたのは
 不幸中の幸いだったかもしれない。バランスを失った怪物が飛ぶ時に
 起こす風はかなり乱れていた。おかげでサロメの飛行も安定を失ったが。

「きゃあ!!」

 お互いに不安定な姿勢で衝突、怪物と接触したサロメがはじき飛ばされ
 船楼の壁に叩きつけられた。こういう時は体重の軽さがかえって有難い。
 全身を打撲する事態での重症や致命傷だけは免れた。

 しかし頭を打ったのか。そのまま暫く動けずにいる。

「頭がクラクラする…。」

 視界が揺れている。頭を打ったようだ。

39ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/06/06(木) 18:10:18 ID:95mecXo.
>>35
「オイ!! 誰かいないのか!? お・・・・・ッ!!」

不意に漂う生臭さが鼻腔を突き刺す
血だ それも多量の

「・・・・・・・・・・」
無言でサーベルを構えると 鍵がかかってないことを確認

「・・・・・・ッ!!」
ドアに体当たりをして中に突入 仲にまだ手kギア残ってないかを確認すると共に 事態の明確な確認と生存者の確認を行う

40このレスはしまわれました:このレスはしまわれました
このレスはしまわれました

41リオンハルト & サロメ@仕立て屋:2013/06/11(火) 20:02:19 ID:tQg68muM
>>40
 不恰好なゴーレムもまた、"何か"が内側で破裂した衝撃に耐えられず、
 音を立て軋みながら折れ、または引き千切れてメリメリと内側から崩壊した。

 リオンハルトは廊下の散らかり具合と荒れ具合を見て溜息をつく。
 今後は慎重に機会を選んでから、船体を傀儡の兵にした方が良さそうだ。

 彼は一旦自分の部屋に戻るとすぐに大鞄を一つ持って戻ってきた。
「これはただの期待ですが"人形"が通用する相手かもしれません。」
 試験運転として鞄の中から歯車が剥き出しの人形を立ち上げる。
 回転する刃が飛び出し、引っ込む。それを確認したら鞄に仕舞った。

 赤髪エルフには何もわからないとだけ告げた。
「あの怪物がいつ現れたのかもわかりません。
 飛行中に侵入してきたのか、最初から積み込まれていたのかもね。
 さて、今のままだと甲板に人が集まりすぎてしまいますね。
 少し奥の様子も見ておきたい所です。」

 飛空艇の要所はどこか。操舵席、船長室、動力炉。
「まずは少し動力炉を覗いてみましょう。
 何もなかったら貨物室、そして廊下を見回って甲板に合流です。」

========================================
 鳥籠の男の声に反応して叫ぶ。
「大丈夫!まだ立てるから!ごめんなさい。」
 頭を揺らすのは危険だが一度の衝撃で意識を刈り取られる事はまずない。

 負ったダメージは打撲の方が深刻かもしれない。
 それすら同じく一撃目。危険な落ち方はしていないはず。
 空飛ぶ怪物と護衛二人が向かってくるのが見える。
「おじさんたち伏せて!!」

 サロメは怪物を引き寄せて自分と同じ目にあわせる事を思いついた。
 船楼への激突、これは自分より大きく重い存在にはよりきつい物だろう。
 いざとなれば横へ跳び、避けようと怪物を対処できるギリギリまで引き付ける。
「さあ、こい!」

42このレスはしまわれました:このレスはしまわれました
このレスはしまわれました

43ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/06/15(土) 15:51:54 ID:UGvq0KKs
//orz

44奇怪的な空の旅:2013/06/18(火) 07:07:15 ID:RLh2FVoc
>>38
リオンハルトの召還したゴーレムの口に入り込んだ巨体の片足は。
その強固で鋭利な歯にすり潰されてなおその形を保とうとする。
風船のように膨らむ右足は、ゴーレムの歯を押しのける弾性力を徐々に大きいものにしていくが。
ついに”何か”の足がその負荷に耐えられなくなったのか、ばん、と煩い炸裂音をたてて。
足を基点とし、本体ごとそのまま破裂した。

赤髪のエルフは、とっさに耳を塞ぐことに失敗し、脳にまで響き渡った破裂音に若干気分を悪くしつつ。
飛び散ったあとその場に残った、”何か”の破片―――黒い皮をつまんで拾い上げる。

「本当に、風船のようなものだったのか…」

彼女の言葉は、本来破裂した際に残るはずだった、内臓や血液のようなものが一切見当たらないということから。
執事はひとまず目先の脅威を退けたことに肩をすくめると。
リオンハルトと赤髪エルフに一礼して、彼の主の下。甲板へ向かい走り出した。

「しかし、一体何故こんなものが…?」

怪物のやってきた客室廊下の奥へと視線を移す彼女の問いに答えるものはいない。
リオンハルトの後の行動は、このまま客室廊下奥へと向かうか。
甲板へ戻り様子を見に行くか。それとも、はたまた別の選択肢か。


――――――――

「お嬢ちゃん!?」

羽ありの何かと衝突し、吹き飛ばされるサロメに。
すかさず援護に向かおうとする鳥かごの男だが、彼は空中で振り落とされず戦闘するだけで手一杯のよう。
それよりむしろ、暴れる何かから振り落とされていないことが奇跡であるほどから。
彼の方が援護を望みたい心境だった。

サロメを吹き飛ばした後。
その衝撃でさらに身体を分解させ、一枚の羽はわずかな部分でかろうじて繋がっている程度にまで損傷する。
だがそれは止まらない。
まるで痛みを感じていないかのように、声も、勢いも、緩めず。
サロメの体勢を崩したのを悟ったのか、さらに追い討ちをかけるよう、だが今度は。
複雑な軌道というよりもはやただ滑空し、そのまま甲板に墜落するかのような勢い。

キィイイイイイ!!

羽ありは吠え。
金髪の少女の命令でサロメの正面に盾となるよう立ちふさがった護衛二人ごと、そして自らも。
押しつぶさんばかりの速度で空中から、斜めに差し込むように猛突する。

>>39
自身の嗅覚で、眼前にある部屋の異常性を感じ取ったロイ。
扉を開き操縦室に突入する彼の目に映ったのは、操縦席に座り、背を向けたまま操縦装置に手をかけるドワーフと、
壁にもたれかかり意識を失っているらしい中性的な外見を持つ人物。
そして、部屋の中心に陣取り、形態こそ異なるものの甲板上空で飛行していた羽ありを思わせる、黒塗りの身体に黄色い斑点を散りばめた、二本の太い足で地面に立つ巨人。
その両腕には、巨人と同じ彩色の剣と思わしき形状を持つモノが握られており。
入室と同時にスイッチが入ったかのように両腕を広げ、”巨人の持つ武器”を構えるとロイへに向けて一歩一歩足を踏み出し近づいてきた。

オォオオン。

静かに吠えるそれが踏み出すたび、部屋の床を浸す、油のように黒ずんだ、ほんのわずかに粘性がある液体が跳ねる。
高さは成人男性の足首程度まで。そしてそれは、まるで血液のような臭いを発していて。
ロイが扉を開けたことによりそれはゆったりと外へと流れ出そうとする。

45ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/06/19(水) 23:32:29 ID:KtL8ZIJ2
>>44
扉を開け放った先の光景は 異常という言葉がよく似合うだろう
何せどう見ても操舵室には似つかわしくない巨人と 何も変わったことはナイト平然としているドワーフである

このモンスターが何者なのか ドワーフは何故こうも平然としていられるのか 意識を失っている人物に怪我はないのか
一度に色々なことがありすぎて収集が追いつかない が 巨人が雄叫びを上げてこちらに接近してくるではないか しかも剣のような武器を構えて

「オイそこのドワーフ!! 一体何があった!!? この惨状はどう説明つける!!?」
とりあえず話が通じそうな唯一の存在であるドワーフに叫ぶと サーベルを構え

「何のつもりかシランがね・・・ヤルってンなら容赦しねぇぞ!!」
床を滴る液体を跳ね上げ 巨人に向かってイク サーベルの射程に入ったなら その切先を巨人の胸に突き刺そうと考えながら

46奇怪的な空の旅:2013/06/20(木) 18:29:44 ID:brfHPObE
>>41
「わ、分かった。 この程度の戦力の分散なら確かに問題はないだろう」

巨大な何か、との戦闘を終えてまさか寝起きではないはずだが。
状況を把握できず、一撃を貰ったためいまだ万全では無い様子の赤髪エルフもリオンハルトと同行するのを決めたようだ。
廊下を進んだ先の動力炉には、時間帯からか鍵が掛けられている。
造りの良い素材で作られたそれは、明らかに外側からの攻撃で破壊するのはおそらくかなり難しいだろう。

「……ちっ。 こっちもか」

それは貨物室も同様であるらしい。
扉に手をかけて、力いっぱい引っ張ってみるもののまるで効果が無く女は舌打ちをした。

「リオンハルト殿、やはり騒ぎの起きている甲板に向かった方が」

と、落ち着きの無い赤髪エルフは薦める。
しかし、いくら鍵がかかっているとはいえ、この場でできることはまだ幾つかある。
リオンハルトはこの場に残り何かを試すか、それとも甲板へ向かうか。

>>41
「…」

サロメの声を受けて、少女の意識が復活した事を察し、無言のまましかし護衛はその身を退けることはない。
ただ回避だけを求めた、サロメの言葉の真意を理解することができなかったのだ。
船体へ強く身体をぶつけ、損傷を負っている少女の強がり、としか取れなかったのか、そもそも聞く気が無かったのか。
不規則な軌道で向かってくる羽根つきの突進をまともにうけ、一人は端へ、一人は船体の外へとはじき出され、落下していく。
甲高い悲鳴が上がった。声の主は攻撃を受ける前に立っていたサロメの位置付近で座り込んでいる女性ではない。
両手で顔を覆って膝をつく、金髪の少女だ。

上空へ受け流された羽根突きは、もはやまともな飛行はできないのか。

キ、キィ……キィイイイイイイイ!!!!

最後の抵抗とばかりに、船体へと回転しながら落下する。
位置は頭部がサロメからわずかにそれた辺りに着地するように見える。
が、無風でない今、その場にとどまっていては不幸な軌道修正が起こってしまうかもしれない。
問題は、その速度が異常なまでに早く判断した後行動する間に存在する猶予がほんのわずかしか存在しないことだが。。


>>45
「そこに倒れてるやつが、箱を”ウチの案内人”に取られてなぁ」

種族特徴に反しない小柄な背中を丸めて、ロイに向けたまま。
声を掛けられたドワーフは、化け物との戦闘がいまにも始まろうとしているのにかかわらず、やはり焦りを微塵も見せぬ口調で答える。
老成した低音。響きはあり、化け物の唸りにかき消されずロイにはしっかりと届く。

「ありゃ偽者だ。 まぁともかく、その化け物があんたを襲うんなら、逃げるのも手だ」
「何故か俺は襲われん。 理由は…そこのヤツが何かしたらしいが、すぐ……気絶し、おった」

そこまで言い終えると、ドワーフはタンの絡んだような咳をする。
台詞が後半になるにつれ、しゃがれてぶつぶつと途切れるほど低音になっていく。

「俺は…操縦、に専念せにゃならん」

両手に剣を持ち、足を進める巨体はドワーフが喋って言おうと勿論お構い無しにロイへとまっすぐ迫り。
武器を構えるロイを上から叩き潰すように、棍棒に近い容量で剣を振り下ろす。
リーチは明らかに向こうの方が上だ。動作も決して緩慢ではない。
ロイがその場に立ち止まって手を突き出すだけでは、おそらく胸に食い込む刀身は期待できない距離から。
しかし何かには一切弊害のない攻撃が繰り出される。
早歩きで近寄り、武器を叩きつける。
たったそれだけの行動だが、部屋が振動するほどに咆哮する巨体は、
”相手が未熟なぼうけんしゃであれば”その場に腰をついてしまうほどの威圧感を放っていると言っても十分だ。

47リオンハルト & サロメ@仕立て屋:2013/06/21(金) 21:29:21 ID:CD16kJZA
>>46
「甲板ですか?」
 リオンハルトは赤髪エルフの提案を受け少し考える。
 確かに甲板の方も騒がしい。

 それに動力室、貨物室は外から侵入できそうにないので、
 普段ならば異常なしと判断するのが打倒だろう。
 しかしさっきの"何か"は突然現れた。

「そうですね。わたしの思い過ごしだったようです。」
 扉に耳を当て中の音を確認しながらエルフに返事を返す。
 扉の向こうから物音はしないだろうか。
 中に何者かの気配はないだろうか。
「甲板に向かいましょう。」
 閉ざされた扉と壁の間に普通の紙テープを貼って甲板に走って向かう。

 紙テープはトランプを開封した時に破るシールと同じ目的の目印だ。
 中に誰かが入れば次にこの扉を見た時にテープは切れている。
========================================
 船楼の壁を背にサロメは羽根付きを待ち構える。
 判断は羽根付きが飛び込んで来た時には終わっていた。
 今は反応する事に集中するだけだ。そう僅かな風の流れに。

 無風の環境に純粋な風の流れが迫ってくる。
 錐揉み回転しながら向かってくる巨体が起こす風だ。

 視界の端に弾き飛ばされた男性の姿が映り少し行動が遅れたが、
 座り込んでいる女性に覆いかぶさるように予定通り横へ跳躍する。

 上手く行けば怪物は伏せた女性とサロメを飛び越えて船楼に激突。
 運が悪ければ何が起こるのかはわからない。
 ただただギリギリのタイミングで跳び伏せる。

48ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/06/23(日) 23:36:28 ID:7QQDgdxU
>>46
「『箱』?『案内人に取られた』?『偽者』?」

イマイチ何を言っているのか要領を得ない
その箱とやらが理解できればこの言葉にどんな意味が含まれるかわかるものだガ そんな暇がないのが悔やまれる

「お・・・おいおい大丈夫なんだろうな!?」
湿った咳と小さくなる声 もしかしてこの爺さん襲ってこないとか行っているが すでに致命傷を負っているのではないかと心配になる

さて 操縦士の心配ばかりをしていられない 何せ巨人との戦闘中なのだ
巨人はサーベルの間合いの外から 巨大な剣を振り下ろしてくる その威力はきっと想像通りであろう

だが当たらなければどうということはないのだ
その剣をサイドステップを踏んでやり過ごし なおも接近 予定通り胸に切先を突き刺そうとする

剣が床を打つ衝撃も 喧しい咆哮も耳に響くだけ
場数を踏んだ(自称)ベテランの自分を威圧するだけの今日は この巨人からは感じない

49奇怪的な空の旅:2013/06/25(火) 13:42:42 ID:QZGZLp0g
>>47
吹き飛ばされた護衛達に意識を取られ、一瞬のブランクを産んでしまったものの。
サロメの行動は羽つきが墜落するリミット内になんとか間に合わせることが出来た。
庇われるよう、しかしサロメに押しのけられるよう飛び掛られた女性は驚きの表情を見せつつも、抵抗する力も無いのか大人しくサロメの予期した方向へと身を転がす。
そのとき、何か物の落ちる音がした。蓋の開かれた、手の平サイズの正方形の箱は女性が慌てて拾い上げ、懐にしまう。
そして、そんな些細なことをかき消すような、その直後の轟音。
頭から甲板に衝突した羽根つきが、プレスされた空き缶のように身を潰れさせ、そのまま破裂した音。
船体が、いままでにないほど大きく揺れる。
体勢を保っていられるのは、よほどのバランス感覚の持ち主ではないと難しいだろう。
事実、数十秒前甲板へ辿り着き、少女からの説明を受けていた執事だけが唯一(サロメやリオンハルト、ロイを除いた範囲で)なんとか身を仰け反らせながらも。
手をつかず二本足で立ち、彼の主を支えていた。

―――――

このタイミングで、リオンハルトと赤髪エルフが甲板に到着する。
目に見える光景は、翼竜にまたがり、一人の男性を背後にのせながら、羽つきと空中戦を続けている冒険者の男。
そして女性を庇うようにして倒れているサロメ。
主である少女を囲うようにして、羽つきの攻撃をいつでも受け流せるよう陣形をとり待機する護衛。
職員を除きこの場に居合わせていないのは、ロイと、眼鏡の人物。

>>48
「あぁ…問題は無い。この船がとんどる限り、俺がくたばるわけにはいかん」

ロイの言葉には、若干鬱陶しげに返事をする。
何か、の振り下ろした剣を軽快なステップで避け懐へ接近。そしてサーベルを突き出す。
流れるような基本動作は確かに咆哮への怯みを見せないのも合点が行くほど、経験に培われたものではあったが。
しかしサーベルが対象を貫くことはなかった。
黄色い斑点を持つ身体は、突き出されたサーベルの部分だけ、まるでゴム風船のように凹んで。

オォン。

低くくぐもったうめき声とともに、人間の身体を容易に浮き上がらせるほど猛烈な反発力がサーベルを伝わってロイに遅いくる。
そして、すかさず追い討ちとばかりに、一度目は真横に右から左へ、二度目は今朝気味に左から右へ。
立て続けの攻撃。
頭部というのも曖昧なほどわずかに膨らんだ身体の頭頂部の目がぎろり、とロイを見下ろした。

50サロメ&リオンハルト:2013/06/28(金) 17:31:13 ID:y30OX47E
>>49
 女性の落とした箱を搭乗前に見た記憶があるのはサロメの気のせいだろうか。
 たしか眼鏡の男も同じくらいの大きさの正方形の箱を持っていたはずだった。

 リオンハルトが赤髪エルフと共に甲板に現れる。
『今の揺れは一体。。。
 サロメ!無事か!?』
「パパ?なんだか変な怪物が襲ってきたの。
 倒したら絞った風船みたいに割れて。。」
『風船?』
 上空にもう一匹。それと戦っているあれは鳥籠の男か。
 目の前にいるもう一匹の怪物も今まで各々が倒してきた物と似たような物だろう。
『ロイさんはどこに?』
「パパ、ロイ先生は操縦室に向かったよ!」
『ふむ。。。何かあったか?
 サロメ室内にも形だけ違う風船の怪物がいたのだよ。』
「じゃあ、あれも?」
『確証はないがおそらくは同じ物だ。
 絞り潰す方法が一番だ。
 そして斬撃ならば重く鋭い物も良い。』
 他の方法も探す価値はありそうだが可能性が高いのは圧力である。
「わたし、鳥籠の人に伝えてみるわ。手伝えそうなら手伝ってみる。」
 サロメは翼を広げて上昇していった。

 そしてリオンハルトは赤髪のエルフに話しかけながら歩き出す。
『念のためにロイさんの向かった操縦室に行ってみよう。』
 ハルバード使いである彼女か、もしくはそのハルバードこそが役立ちそうに思えたのだ。

51ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/06/30(日) 22:34:35 ID:bL/CAlfc
>>49
(だからそういう不安になる言い方を辞めろ!!)
心の中で叫びながら巨人に切先を突き出した が

「うぉ・・・・・プッ!!」
切先は巨人の肌に突き刺さることなく まるでゴムのような伸縮を持って反動をこちらに伝えてくる
それに対処するべく 反発の力を使って大きく後ろに跳躍し 着地 床に滴る血が跳ね飛んだ

「この・・・ッ豪剣!! 展開!!」
物理は効果が薄いと判断 闘志を剣に収束 刀身を紅蓮に染め上げる

そして更なる前進 ソレを阻むかのように巨人が獲物を振り回す

「大振りが!! 怖いもんかよ!!」
歩幅を大きく広げながら腰を落としつつ上半身を屈めるダッキングにて一撃目の下を掻い潜り 
返す刀の袈裟切りは 更に低く ヘッドスライディングのように床へ体を投げ出すようにして潜る

そのまま床に倒れこみながら  巨人の右足膝当たりを狙って 紅蓮の闘志纏うサーベルを横に振るった
先ほどは物理オンリーの攻撃だが 今度は熱エネルギーを追加した 焼き切るような一撃である

52奇怪的な空の旅:2013/07/18(木) 16:12:03 ID:MLfDrkQM
>>50

53奇怪的な空の旅:2013/07/18(木) 16:44:42 ID:MLfDrkQM
>>50
上空へと飛翔したサロメは、あっという間に鳥籠の男と羽ありとの戦闘域へとたどり着く。
彼を背に乗せている翼竜にくくり付けられた鳥籠の中身は空。
どうやら、小さな爬虫類が何らかの干渉により巨大化し、騎乗物となっていることを察することは容易いだろう。
そして、サロメが付近まで来たことに気づくと、喚く羽ありの声を打ち消すほどの大声で。
翼竜の背にもう一人乗せた、先ほど跳ね飛ばされた男性を地上へと降ろす際の時間稼ぎを要求する。

「とりあえず、この足手まといだけ降ろす! お嬢ちゃんいいところにきてくれた、一瞬でもいい変わってくれ!」
「…すまない」

よほど切羽詰っていたのかサロメの返事を待たずに。
ひたすらに両翼と身体を振り回す羽ありが飛空艇に接触しない程度のぎりぎりの高度まで、男と翼竜は戦闘域を下げると。
即座にその落下点を予測し、他の護衛や執事が終結。サロメに返事が承諾されずともされまいとも、即座に護衛の男は竜から降り易いよう耐性を整え。
飛び降りる。
そして落下する彼と入れ替わりに、サロメは羽ありを戦闘可能範囲に捉えることが出来るだろう。
相手の注意を引くか。男の位置調整をするか。それとも別の行動を取るか。
現在、羽ありはいまだに地上付近へ降りた鳥かごの男を狙い、滑空を始めようとしている。
落ち着き無く身体を捻り捻り暴れてはいるが、サロメへの警戒は薄い。

――――――


「ロイの援護だな。分かった。 すぐ向かおう」

護衛の男が、数人の男性や執事に受け止められ。耐性を崩しつつもなんとか着地をし。
それを確認した鳥籠と翼竜が再度サロメの援護へ向かおうと飛翔を始めたところで赤髪は頷いた。
リオンハルトに先行し、開いたままになっているロイの向かった操縦室への扉を駆け足で抜けると。
そのまま廊下を進んで行く。しばらく歩を進めれば、油のように黒ずんだ粘性のわずかにある液体が床を伝って。
薄く広がりながら流れ出てくるのが分かるだろう。

「な、なんだ。くそっ。疑問点だらけじゃないか。くそっ」

状況に理解が追いつかず苛立つ女は気づいていないようだが。
客室前の廊下や、甲板に比べて、操縦室への廊下は明らかに整っていて、何かに壊されたような跡もない。
甲板から操縦室までの道のりは決して長くないため、すぐに扉の前へはたどり着けるだろう。

>>51
……!?!?

熱を加えたサーベルによる斬撃は、懐へ潜り込んだロイの腕により正確に相手へと衝撃を加え。
みしみしと、巨大な”何か”の右足首を軋ませ、そして、確かに腕に反動こそ伝わるものの。
それが元の形へと戻りきる力ごと押し切った。
裂目から”何か”を動かしたエネルギーそのものを放出する猛烈な勢いで空気が噴出し、鼓膜に響きわたる轟音とともに。
傷口へ吸い込まれるよう一瞬のうちにしぼみ破裂する。細かくのこった薄皮がゆったりと床へと落ちて。
びりびりと部屋全体に渡りきった衝撃は確かに操縦士の耳にも響いたようで、首をかしげながら耳を塞いでいた。

が、次にロイが目にするのは。
油のような液体が、気を失っている中世的な眼鏡の男の付近。
一箇所だけ不自然に盛り上がった位置から風船のように黒い皮に黄色の斑点模様の何かが膨らみ、
徐々に先ほどまでロイが戦闘を行った”何か”が所持していたものと同じ形状の剣を形取っている情景。
加えて、数秒と待たず、そこからさらに人の腕のようなもの。そして、足のようなもの。
それぞれある一定の大きさまで膨らむと、今度はそれが地面へと足をつけ、胴の位置を膨らませながら立ち上がる。

オォオオン。

早々と頭の形成にまでたどり着いた”巨大な何か”は、不自然なほど先ほどの個体と全く同じトーンで咆えて。
両腕の剣を打ち鳴らした。

54リオンハルト & サロメ@仕立て屋:2013/07/21(日) 04:53:51 ID:POccDeBQ
>>53
 サロメは見事に護衛の男を救出していた鳥籠の男の声に頷く。
「良かった。落ちてなかったんだ。
 まかせて!何をしてでも引きつけるから。」
 子供の甲高い声ではっきりと言葉を返した。

 さて羽付きの知性は高そうに思えないが、実際はどうなのだろう。
 注意は引きたいが警戒の薄い間に一激くらいは入れたい所だ。
 奇襲はどこから?視界に入らない真上か真後が良いだろう。
 滑空をはじめる前。今は羽付きのうなじか翼に取り付こうと狙う。
 怪物とすれ違うその時に自分の翼をたたみ宙返りをしながら落下。
 鋏を開いて前に突き出すと再び翼を使い怪物に向かって急降下。
 このプランでなるべくは翼をいただく。
 注意がそれなくとも真っ直ぐ飛べなくなれば男達を追えまい。

――――――

 黒い粘液は気になるが、それその物を調べる手段はない。
「おそらくですが船長室にもいます。
 これ以上船を破壊されるのは御免被るところ。」
 リオンハルトは先ほど部屋に戻って持って来た大鞄を降ろして開いた。
 そして中から弦楽器の弦巻のような物を取り出し力強く引っ張る。
 木製の鞄が複雑に割れ中のカラクリと連動して長身の人形に変形した。

「分からない事が多いのはまだ仕方がありません。
 ただ怪物がどこから現れたのかはそろそろ分かるかもしれませんよ。
 それはただの勘なのですが。
 とにかく誰かに持ち込まれた事だけは確実でしょう。
 わたし達が最初に倒した風船お化けは飛ぶ物には見えません。」
 彼はそれだけ言うと中から音と叫び声の聞こえる操縦室に入るために大人形と進んだ。

55ロイ@元兵士 ◆mURoET.VKw:2013/07/26(金) 22:03:43 ID:M4ppC4eM
>>53
「んだらぁぁぁぁあああ!!!!」

渾身の気合と共に叩き込んだ一閃は どうにか怪物の弾力に押し勝ち 敵の表皮を断ち切った
その瞬間飛び出る空気と轟音 その後に表皮を残して萎んで床に落ちた その様子はまるで

「ゴム風船?」

眉を顰める 確かにあの弾力もゴムだと思えば納得はいくし 虚空から出てきたというのも空気を膨らませたといえば 納得はいくが・・・・

「・・・・にしては物騒だな オマケに結構な膂力だし」
少なくてもタダの風船ではないことは確かだ さて 脅威は去ったかどうか 室内のクリアリングを始めようとしたら

「・・・・・・・・・・・・・・またぁ?」
心底嫌そうな顔をする どうにも黄色い斑点のある風船のようなものが 先ほどのような形状を成しながら膨らんでいく

「まさか無限湧きじゃないだろうな? こりゃ発生源をさっさと特定せねば・・・いや 先にアイツを片付けなきゃならんか?」
闘志の炎溢れる切っ先を向けながら思案する コレは骨の折れる相手だ

「相手が風船ならば・・・切るよりも 突く!!」
あくまでも相手が風船のようなものというのが前提であるが 風船というものは先端がとがっているものに非常に弱いものである

今度は相手の体に接近し 切先を尽き立てんと走り出した


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