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【やりたいように】スマクエから10年後【やればいいんじゃないの】

407名無しのカウンセリングだべ:2017/05/24(水) 08:05:41 ID:LPhqZ3lE0
>>404
「……私はあくまで【治療】を施したまでです……私だって誰かを殴ることは辛いのですよ!」
「しかしこれは必要なことなのです……誰かがやらなければならないのです!」

「私は間違ったことなどしていないのです…… 貴女も見たはずです」
「私の体の中にいる悪魔は私の方が強いと悟り私に従った!
体の中にいたあの悪魔は私が重傷を負ったがために体から出て言った! 我々の【治療】は間違っていない!」

この男の体の中にいた蜘蛛は、 ……触ってみると殴られた痕があった
この男の体から蜘蛛が出て言ったのは、この男を痛めつけたからだった

体の中にいる幻獣を悪魔と呼び、それらを追い出し従わせるのを治療と呼ぶ
いつしか幻獣に取り憑かれた人間とそうでない人間の区別がつかなくなり、全てに治療を施すようになった

「我らの【聖女】も【治療】を受け、体の悪いものを全て出したからこそ【聖女】と成し得たのです!
我々の決断は間違っていなかった!」



「……っ……あの怪我であんなに動けるなんて、思いたくない…………」

押され倒れた時、怪我をした手を打ったのか
息が荒く油汗を額に浮かばせながら立ち上がる和
見たところ、資料室 というか物置というか、ロッカールームというか
あんまり有効活用されていない気がする

「ドアをぶち破るのに使えそうな道具、ないもんかしら……」ガチャッドサッ



「……………」

何気なく、ロッカーを開けると中から出てきたのは身ぐるみを剥がされ下着姿となったまま眠りこける男性
盛大に倒れても目を覚まさないあたりよほど催眠ガスの効果が強いと見える

……なんとなく、見覚えある、ような
被害者の男性を任された、警察の一人……?

「……來咲巡査」

逮捕しないのと、言いたげな表情で翔を見る和
ロッカールームに潜んでいた変質者が騒動に巻き込まれたと、そのように見えるのか

408名無しのカウンセリングだべ:2017/05/24(水) 09:37:44 ID:rSL.2IBY0
>>406
「あいつの事だ、次の拠点を攻略し終えた辺りでまた何か仕掛けてくるだろう」
「その時は、絶対に一泡吹かせてやる」

今の所、アレイスターに同様や衝撃を与えられたのは和一人。
しかし、あれも状況が状況だからこそ出来たものであり、何度も同じことは出来ない。
そうなった場合、彼に一泡吹かせるには​───綿密に策を練り、彼の予想を遥かに上回る行動を起こさねば。

「念のためこの本と写真は俺達が回収しておくか。聖女、とやらも気になるしな」
「……そうだな。そろそろ、戻ろう」

409名無しのカウンセリングだべ:2017/05/24(水) 21:55:33 ID:h05OFT8.0
>>407
他のロッカーを探っていた翔は大きな音と和の言葉によってそちらを向いた。
始めはうわあ、というような表情で下着姿の男を見下ろしたが、その人の顔を見て目を見開いた。

「……烏屋さん。この人は、あの場にいた、夕闇町の警察官ですよ」

しかし、和と翔は先ほど、警官を、
否、警官の格好をして倒れていた二人の人物を見ている。

「……たまたまあの病院に、別の警察官がいた、なんて
希望的観測はよしたほうがよさそうですね」

顔まで確認しなかったことが、否、先入観に捕らわれてしまったことが仇となったのか。


そして哀れな警察官は床に転がしたままにすることにした。
この部屋に布があればかけただろう。




(後半は全スルーか……)

銃の持ち出しや持ち出しや持ち出しを突っ込みたかったが仕方ない。
しかし、今までより話が通じやすい。
……となると、予想していたとはいえ、今までのは彼の意志での行動だと、少なくとも蜘蛛は全くの被害者だと発覚したわけだが。
呆れたように、大きくため息をついた。

「そんなことは、そんな理由で暴力が許される異界でやることですね」

「ここは現代日本。
あなたがどれだけ言葉を連ねようが、
あなたは、犯罪者です」

傷害、暴行、場合によっては殺人未遂、
更には窃盗に銃刀法違反。公務執行妨害もあるかもしれない。
異世界関係のことを法律に当てはめるのはおかしいと思われるだろうし、
自分でもそう思うが性分なのだ、ずっと変われなかった。

「……もしかして、治療と称して人を痛め付けることに快感でも覚えましたか。
それなら、悪さをしていない生き物にも、そもそも何も憑いていない人間にも危害を加えようとするのも分かります。
悪魔が憑いているって自分で盲目的に信じ込んで正当化すれば、あなたの中では、良いことをした、ということになりますからね」

「自分より弱い存在をいたぶるのは楽しかったですか?
……今度はあなたが悪魔払いされる番ですよ。
いや、今度も、かな」

410名無しのカウンセリングだべ:2017/05/24(水) 23:26:01 ID:4B4lXlLI0
>>408
「今回の拠点で何か動いてくれないッスかねー 違う奴参戦してるのにノーリアクション辺りオイラ達以外眼中にないんッスかね」

後ろに頭を回し、絵楠についでバイクのところに戻る一行
キル夫は黒幕と面識がなく、これから向かう先もわからないためか不安そうな顔をしていた
……いや別件だろう、バイクのところに戻るとため息をついた

「どうしたッスか? 不安なのわかるッスけどそんなに気を落とすほどじゃないッス!」
「…… 帰り道どうすんだヨ」
「え?そりゃ…… ……あ」

来る時はどうしてたか? 一匹蛙になっていた
バイクのデカさ関係なく、基本二人乗りが限界だろう
何とも言えぬ表情を浮かべる二人

と、キル夫がワサビの肩に手を置いた

「…………ワサビ」
「や、やっぱりそうなるんッスか!? いやなんで!?」
「オレは蛙化の技使えるし戻す技使える、蛙になったら使えない」
「えぇぇぇえええええ!? ……うわ消去法でオイラしかいねーッス!!それでも嫌」




「グワッグワッ ゲーロゲロッ」

411名無しのカウンセリングだべ:2017/05/24(水) 23:55:20 ID:4B4lXlLI0
>>409
「あぁ…… 我々のやる行為はいつだって理解されない物です、そんなに…… フフフ……面白そうに、見えるなんて」

悲しげな口調で、笑みをこぼして
瑠奈の言うことに一切反論もしないで―― あくまで、被害者であるままだった

この男の中では、善意の行動なのかもしれない。 それを理解されない悲劇の登場人物の一人なのかもしれない
己の善意を暴力で満たしながら、周りに傷ついた人の山を作りながらこうしてきたのだろう
こうしていくのだろう

「………話込むつもりはなかったのについ話がつづいてしまいました」
「急な停電に、閉じ込められた我々―― 貴女は私を拒絶するでしょう、それでも私は貴女を救いたいのです、【治療】したいのです」
「しかし、ここでは【治療】も満足にできない……… なら」

「我々の【家】に――行かなければ―――」

男の引き金にかかる、指が動く
辺りに銃声が響いた






「………… 入れ替わり……? 違う警官との、合流……?」

とっさに見苦しい物を隠そうと、ブレザーをかぶせると頭に疑問が浮かび上がる
あの二人は、少なくともホルダーに銃はなかった、寝ていたフリをしているのだとしても隠す場所などなかったはず
さらにここまでは一本道で、先回りできる余裕など無かったはず

「………… 今回の加害者、悪魔祓いという名目で動いていた」
「悪魔がついているわけではないけれど……」

心当たりがないわけではない
「なら、あの被害者の人も……」

その思考を、一つの銃声が遮った



「フフ……ハハハハ…… ハハハハハハ……!!」
「ハーハハハハ、ハハ、ハ………」

「な、ぜ……?」

銃を取り落とし、腕を抑える男
下の階から足音が響き、片方の手とハンカチで顔を抑えた 警官姿の男が、今しがた弾丸を放った銃を片手に登ってきて男を取り押さえた

「異常事態で遅れました、警察です ……お怪我はありませんか?」

412名無しのカウンセリングだべ:2017/05/25(木) 01:53:00 ID:H679hrsc0
>>410
「アレイスターの事だ、『聖女』の存在をゲーム内のイベントとして利用してくるはず」
「現状のままでいけば三つ巴の戦いになるんだ。奴の思考をそれとなく想像すれば、むしろ奴にとっては美味しい状況になる」

世界征服などという理由ではなく、純粋にゲームをエイラと絵楠達に向け仕掛けてきたアレイスター。
あまり勝手なことをするのならば『聖女』側を排除しにかかるとは思われる。
しかし、現状でいえば『聖女』側はむしろアレイスター側を倒そうとしている。彼の想定内にはいない存在だが、ゲームを盛り上げる要素として利用はしてくるだろう。
小さなものとはいえ拠点を一つ叩かれたことからも、攻撃の理由としては説明が付く。
絵楠の言う通り​────三つ巴の戦いが展開されるか?

「ワサビ……」
「まぁ仕方ない、な。さぁ、スペースへ帰ろうか」

今度こそ探索を終えた筈。
気になる要素も増えたが、証拠となる物をある程度は確保出来た。
明日の拠点攻略への差し支えにはならない、成果としては上々だろう。

「(あの時、アレイスターは紫のメダルを俺達にぶつけてきた)」
「……明日の拠点攻略」

バイクを走らせる最中、一つ考え事に耽る。
一番最初の拠点攻略の時、アレイスターが呼び出した強敵​────プトティラコンボ。
結局あの後紫のメダルは再び回収され、他のメダルも戻らす終い。
そこから連想される内容は遥かに分かりやすい。

「俺としては、新たな一歩になる」
「オーズとして、もう一度戦うために」

一人、そう呟き。
絵楠はライドベンダーの速度を上げた。

413名無しのカウンセリングだべ:2017/05/25(木) 19:07:07 ID:7vW5Me1.0
>>411
「っ……」

「その被害者か容疑者本人か、または別の第三者かは分かりませんが、
少なくとも、この状況下で、
烏屋さんのような体質か催眠ガスのようなものを発生させた張本人、
もしくはそれを知っており、対処できる人物がいたのは確かです。
……急いでここから出る手段を見つけなくては」

誰に向けられた銃声なのか、自分たちを閉じ込めた人物や、二人いた警官の内の一人が容疑者から離れてこのような地下にいる理由など――これは警察官の服を奪うために誘い出されたかなにかだろうが――疑問点もたくさんある。
だからといって立ち止まっても疑問は解決しないし、事態は好転しない。

「隙間がある程度開くなら、棒かなにかで外の物を動かすこともできるのですが。
あの短時間でドアを押さえられる物なら、少なくとも大きな家具とかではないでしょうし。
……変な能力を使われていない限り」

これで扉が凍っていたり、岩が置かれていたりしたら堪ったものではない。
とはいえ、パッと見そんな雰囲気はないため大丈夫だろう。多分。

「工具でもあればドアを取り外したり、
蝶番を……壊すのは、外開きなら難しいでしょうか」

「……後は、蹴破るしか」



「…………」

「……………………はっ。
だ、大丈夫です」

思っていたタイミングと違うところから鳴らされた銃声に硬直していたが、
声をかけられてようやく我に返る瑠奈。
恐る恐る、階段を降りていき降りていく。
踊り場まできた辺りで、ふと思い立ち、男が落とした銃を軽く蹴る。
銃は踊り場の端へと滑っていった。これで万が一拘束を振り切っても、その直後では銃での攻撃ができないだろう。

(てっきりシャッターや停電は、彼が被害者を狙ったり、逃げるための時間稼ぎと思ったが……
ならば、誰が、何の目的で……)

(……いや、内側なら窓も開くだろうし、逃げるためなら上の階層に来ていること自体、不自然……か。
……今は、それよりも)

ハンカチで口元を押さえている警察官を見る。
下の階から来たのなら、元々この病院内にいた警察官であろう。
暗くて顔がはっきり見えないため、あのときに居合わせた者かは判断つかないが。
しかし、この人は、ある程度男の能力を知っていたのだろうか。

「……なにか、お手伝いいたしましょうか。
他のかたは、まだ見えないようですし」

他の警察官のことを交えながらも、そう問いかけた。

414名無しのカウンセリングだべ:2017/05/25(木) 19:26:28 ID:4B4lXlLI0
>>412
「共倒れが一番美味い展開だけどナァー…… 最悪こっち狙ってきたら2対1……」

互い違いに殴り合うのがベストだが、
アレイスター側が煽ってこっちに刺客を差し向ける可能性だってひょっとしてあるかもしれない
単純に絵楠達を主人公としてではなく、コマの一つとしてしか見てないのならなおさらだ

「……そうならないことを祈るしかないな、ワサビ」
「……………ゲコ」

キル夫の方には、毛並みと同じく青色でどこか本人の尻尾と似た青色の尻尾を持つ蛙がのっていた
見るからに不機嫌そうで、もとに戻るなり噛み付くかもしれない それは本人のしるところじゃないだろう

町並みがあっという間に通り過ぎていく、ワサビが飛んでいかぬよう押さえつけつつ、
辺りを新鮮なものを見るように、懐かしいものを見るように見回すキル夫だった

415名無しのカウンセリングだべ:2017/05/25(木) 20:35:04 ID:4B4lXlLI0
>>413
そう言われるが否や

ガンッ! ドンッ!

扉に向け、体をぶつけ、破壊しようと目論む和

銃声を聞き、明らかに焦っていた
これが今回の加害者の男に向けて撃たれたのなら万々歳だった、
だが、もしも他の人にならば
邪魔をした瑠奈に向けられたのなら

気が気でなかった

「(……悪魔でも、幻聴でも…… この際どうだっていい……!)」

「――――――!!!」

ド ン ッ

ひときわ大きな音が響くと、開け放たれる扉
そばにはこれで抑えていたのだろう、真っ二つに割れた箒が転がっている

危うくバランスを崩しそうになるが、翔に支えられ、すぐに体勢を立て直す和
礼を言う暇もなく、走り出そうとする

「翔さん、上の階……! い、急がないと……!!」



「や、やめろ 離せ!!」
「私は、治療を―――」

プシュッ


何か発射音のようなものが聞こえると、騒いでいた男の声の音量が下がっていき、
気がつけばおとなしくなっていた

怪人が現れるようになり、警官の装備のグレードも上がったのか?
麻酔銃を、携帯しているようだ

「――――問題ありません、貴女は大人しくここで待っていてください。 出歩くのは危険だ」
「私はこの男を閉じ込めに行きます。 外にいたら何をするかわからない」

意図的か、あるいは照明のせいか
帽子に隠され、ハンカチで顔を覆っているがため顔が見えない
その警官は、まるで屁でもないかのように―― 今しがたまで騒いでいた男を、片腕で持ち上げると
大きめの荷物を運んでいるのかのように肩に乗せた

「もうすぐ他の警察官が応援に駆けつけます、それまでじっとするように ――――」

誰かが走ってくる音が聞こえ、言葉を切る警官
今の話にでた警察官が、来たわけではなさそうだ ――ハンカチを口で噛み、右手に麻酔銃を持った

「ハァ、ァ、ハァ、ハァ…………!」
「…………來、咲さん………?」

息を荒くし、現れたのは今までどこにいたのか、和と翔
今降りようとしていた警官、登ろうとする和と翔

ただの警察官のはずなのに、危険などないだろうに―― 妙な緊張感が走った

416名無しのカウンセリングだべ:2017/05/26(金) 00:02:50 ID:Azms7eDo0
>>415
和とともに階段を駆け上がると――情けないことにドア突破に全然役立たずだったことはこの際置いておくとして――
そこには、例の男を背負った警察官の男性と、姉である瑠奈。
息を整えながらも、姉の容態を確認する。
……無傷のようだ。
瑠奈も、和と翔の姿を見て、今まで少し強張っていた表情が一気に和らいだ。

「よかった……お二人とも、無事のようで」

仕切りによかったよかったと呟くように言う。
瑠奈には拳銃に対してトラウマを抱いている。特に、音とその瞬間に舞う血飛沫に。
それが自分へと向かうものではなかったが、発砲が起きた事実に対して無意識に臆していたのかもしれない。

そんな瑠奈に反して、全然安心できないのが、和と翔なのではあるが。

本物かは区別が付かない。名前及び所属や階級――これは制服を見ることが出来ればわかるが――を尋ねればいいのだろうが、
男性は銃、警察支給の銃ではない、を片手に持っている。
しかも、すぐ傍には瑠奈がいる。
人数的にも、挟み撃ちのようになっている現状としても、有利には見えるが、
男がどんな能力を持っているか分からない今、下手に刺激させることは避けたかった。

三人に漂う空気に気づいたのだろう。
瑠奈は和と翔、そして警察官を見ていたが、少し申し訳なさそうに言った。

「……恩を仇で返すようで悪いのですが」

「あなた、警察官ではないか、警察官としてはアウトよりの方ですよね」

「……対人の麻酔銃は化学兵器扱いですし、麻酔を使うことから医療行為でもあるとされているため、
現状、警察官が持つことなんて、有り得ないんですよ。
例え、怪人やら怪獣が攻めてきても。
そもそも、先進国では作ることができないので」

「実は本職は獣医さんで動物用のを改良しただとか、
中国にはあるという噂なのでそっちから輸入とかなら……
あとは、もう、ゲーム、のようなお話になりますね」

……全くその通りではあるのだが、今指摘する場面ではない。
彼が持っているものが麻酔銃と分かったのはいいのだけれども。

417名無しのカウンセリングだべ:2017/05/26(金) 00:35:43 ID:hRNQdwTI0
>>416
「………………」
「………………」

階段中腹で立ち止まる男を、下から睨む和
警察官──── 否、警察の制服に身を包んだ男は床を見たまま沈黙していた

下から上から降り注ぐ、疑惑の目
男が、ため息をついた

「随分と平和で窮屈な世界ですね、この『世界』は ───羨ましいほどに」

「…………!」



「この男は警察の手には負えない、來咲瑠奈」
「────元々我々の世界のものです、これは」

プシュッ

「────え」
「────そんな物騒なものを何故貴女が持ち歩いているかは存じません、烏屋カズ」
「お返しさせていただきます ───弾も一緒に」

麻酔銃から放たれた針が、和の首に刺さり
ガスとは打って変わり一撃で意識を掠め取られる和
体から力が抜け、後ろに倒れかかるが、男の手に支えられ
翔の方に押し付けられた

銃口を向けられるのを、ただ黙って見ていたわけではない
男一人を背負っていたにもかかわらず、階段という不利な状況だったにもかかわらず
気がつけば手がすぐに届く場所に、男は降りていた

418名無しのカウンセリングだべ:2017/05/26(金) 01:46:49 ID:H679hrsc0
>>414
「共倒れを一番狙いそうなのは個人的に『聖女』側だと思うがな……」
「仮にアレイスターを潰せば、次は俺達が狙われかねん」

今でも十分狙われそうだがな、と続けながら絵楠は呟いた。
正直、聖女側と協力し合うつもりもなければ、詳細を調べてもすぐさま撃退するつもりもない。
仕掛けられればこちらも相応の対応はするが、今は動く必要も無いだろう。
エイラに頼み、数人ほど聖女の調査に人員を回してもらうつもりではあるが。

「……今度、和や瑠奈に何か知っていることがないか聞いてみるか」

しかし、それにしても今は聖女のデータが少なすぎる。
二人が何か知っていればいいのだが、と、思いつつも、自分でも調査をすることはやめないでおこう。
と、そんな考え事をしているうちに無事に到着したようだった。

「懐かしいか、キル夫」

419名無しのカウンセリングだべ:2017/05/26(金) 21:50:06 ID:YII6yuX.0
>>418
「ん? あぁ懐かしいといえば懐かしいナァー けどやっぱ違う気がすんだ」

ゲーロゲロ、とワサビを元に戻しながら、絵楠の問いに答える
表面上は不機嫌そうな顔をしているが、なんとなく見た目ほどは怒っていない気がするワサビ

実はRPG世界に行ってから、自分の世界に戻れていないのだ
よく似た現実世界に行っても、今みたいに自分のような存在がいない異世界
それは、まるっきり文化や見た目が違う世界よりも 遠く、寂しく感じた

「……ここに来たときは帰って来れたんだーって思ったんだけどナァ、実際はまた違う世界だって」
「妙な事に巻き込まれてるし、まだまだ遠いナァー……」

「…………悪い、変な空気になったな ここが絵楠達の……… 溜まり場か?」

420名無しのカウンセリングだべ:2017/05/27(土) 10:30:45 ID:H679hrsc0
>>419
「……そうか」

自分も何度か異世界を巡ることはあったが、最終的に現実世界へと帰ることが出来ていた。
それと比べると、キル夫の場合は同情せざるを得ない。
異世界にいればいる程、現実世界が恋しくなっていくことがあることを絵楠自身、知っているからだ。

「そう気を落とすな、帰りたいって気持ちが消えない限りいつか必ず帰れるさ……俺みたいに、な」

精一杯の励まし。絵楠が今出来るのは、それしか無かった。
どれだけかかろうと、いつかは必ず帰れる​───────
気力さえ損なわなければ、結果は案外しっかりと付いてくるものだ。

「まぁ、そうなるな。ここが俺の元いた世界だ」

421名無しのカウンセリングだべ:2017/05/27(土) 13:22:20 ID:LPhqZ3lE0
>>420
「……そうだナァ」

続けていれば、いつか辿り着けるかもしれない
辿り着けないのだとしても、自分のいた場所に戻るには旅を続けるしかないのだろう

今はこうして、絵楠達に協力しているが
事が済めばまた違う世界へ行くのだろう。
今度はどこへ行くのだろうか

「こんな物騒な事が起きてなかったら、平和ないい世界なんだろうナァ」
「こんな物騒な事が起きてなかったら観光にはこれ以上ない場所ッス!終わったら適当に遊ぶッス!」
「こんな物騒な事が起きてなかったらそもそも町歩けないんだけどなオレら」

「それはそう、と このビル…… 如月がレジスタンスの?」

422名無しのカウンセリングだべ:2017/05/28(日) 00:04:01 ID:3zVK3xRE0
>>417
「烏屋さん!」

瑠奈の声が響く。男によりこちらへと倒れ込むように来た和を咄嗟落ちないよう支えた翔は、和を庇いながらも男を見る。
すでに両手は塞がっているため、どれだけ近くとも、翔からはこれ以上、男への行動は取れない。
元より、人間業ではないことをやってのける彼の身体能力の前では、自身など到底敵わないことも分かっている。
ただ、いざとなれば、外にいるであろう姉の友を呼び、和と瑠奈を逃がす算段を組み立てなが、男の動向を見落とさぬよう、じっと睨み付けた。

男の銃が麻酔銃であったことを、和に出血がないことを確認し、
多少動揺しながらも、瑠奈が下にいる男へ問いかけた。

「あなたがたは、あなたは、今の、この現状を、打開したいのですか?」

「それとも、このまま……混合していくことを、望んでいるのですか」

現実世界と他の世界を融合させようとしている、アレイスターの味方、もしくは賛同者なのか。
それを、阻止したいと思っているのか。

聖女のこと、『我々の世界』のことを聞いても、今の場所、状況的には詳しい説明も聞けないだろう。
だからか、せめて、どのような立場なのかだけを暗に聞いていた。
そこに、虚実が混じる可能性があると分かってはいるが。

423名無しのカウンセリングだべ:2017/05/28(日) 00:21:25 ID:H679hrsc0
>>421
「ははは!この事件が無かったら、今頃二人の事を取材してるかもしれないなぁ」

流石にしていいかの許可はとるけど、と一言。
絵楠はこの状況でも、比較的冷静に振舞っている。
本当は、姉の方は今も無事だろうか、兄は無理していないだろうかと心配な気持ちもある。
しかし、今地上で山亘理家を守れるのは自分ただ一人。
その気持ちを抱えて、絵楠は力強く生きていた。

「あぁ、ここがレジスタンススペース……俺達の基地だよ」
「絵楠、ワサビ!やっと戻ってきたか……って、なんだその饅頭!?」

スペースに入るや否や、キル夫を見てゼロが声を荒らげる。
怪獣には慣れているが、流石に饅頭の形をした生物、しかも二足歩行は馴染みがなかったのかもしれない。
一方のガイは、顔を覆うように雑誌が乗っている。どうやら眠っているようだ。

「お帰りなさい、絵楠さん」
「おっかえりー!何か情報は掴めたのかい?」

続けて、エイラと由紀が三人を出迎える。
この状況、キル夫としては困惑するだろう。絵楠とエイラの顔は瓜二つなのだ。
どちらかと言えば、昔の絵楠の髪型に近いエイラの方が馴染みやすく感じるか?

424名無しのカウンセリングだべ:2017/05/28(日) 09:43:57 ID:bywp5M/c0
ヘボット見てエタってないで書かないとなって思いました



「行かなくてよかったのか?」

 辺りを見渡せるような少し遠い場所にある高いビルの屋上で、マガタノゾーアが倒されるところを見た後。
 動こうとしない咲野に疑問を投げかける。

「うん。だってあの敵は大き過ぎて無理だし」
「あれ使えないのか?」

 あれというのはあれだ。あらゆる物理法則を従えてくるやつ。多分使えるはず。

「あれは、私のじゃないし、バランスブレイカーだし、可愛くないから使いたくない」
「確かに……。そして可愛くない……か」
「やっぱり、見た目は大事だと思うんだ」

 ――ぐらり、と。
 右目の視界が揺らいだ。左目は変わらず、現実(今)を。けれど、右目は、黄金色の右目は何かを――。

 ――黄金の■――

 それを見てしまった刹那、ありとあらゆる感覚が失われた。
 左目の視界が傾いた。自分が倒れそうになっているということに気がつけない。黄金の■を見て、意識が断絶してしまって。

「わわ、大丈夫!?」

 倒れないように身体を支えられた。

「っ――。……今のは、何だ?」
「また、何か見たの?」

 右の頬をハンカチで拭われる。

「…………なんか、恥ずかしいな。無意識に、涙出るなんて」
「黄金瞳なんだから仕方ないよ」
「少し……休んでいいか?」
「うん。いいよ。――じゃあ、私は急用が出来てしまったからちょっと待っててね!」

 そして、時間が過ぎた。
 体調はもう問題ない。

425名無しのカウンセリングだべ:2017/05/28(日) 09:47:18 ID:bywp5M/c0
「腹減ったー喉乾いたー」

 咲野を待ち続けてどれだけの時間が過ぎたのだろうか。30分? 1時間? 時間を確認出来ないから分からない。

 ここは屋上。外から来たので中に入る扉には鍵がかかっている。
 壁も天井もない密室のようだった。

「咲野ー……はやく戻ってこーい………」

 弱々しく、力なく、言葉を漏らした。

「空飛ぶ怪物とかに見つからないように……、いや、黄金瞳の価値知らないと、わざわざ狙ってこないか」

 黄金瞳の価値。自分でも分からないが。とにかく、わかる奴には輝いて見えるらしい。そして――



 いつの間にか、寝ていたようだ。
 夢を、見ている。
 ふわふわと、朧げな夢。

 誰かが傷ついている。
 立てないほどに傷つけられて、赤色に身を染めて。
 対峙している黒い人。そいつが、こんな風にしたのか。
――やめろ。
 声を出そうとするが、声が出ない。手を伸ばそうとするが、手が動かない。
 どうすることも、できなかった。
 この夢が、俺の見ている夢ならば。自由に動いたっていいじゃないか。
 これは夢だから意味がないと思いつつも。それでも、諦めずに――



 目が覚めた。
 見慣れた景色。ここは、ビルの屋上ではなく自分の部屋だった。

「あああああああああ! また寝てたああああああ!!」
「うわっ! 突然大声ださないでよ。びっくりしたぁ!」
「もう寝てたまるか! 行くぞ! あ、その前にお腹すいて力が出ない……! つーかビルの屋上にいたはずなんだけどいつの間に!?」
「うん。まずは落ち着いて?」
「無理。無理だ! ああ、もう外暗いし、俺は今日一日無駄に過ごしてしまった……!」
「無駄じゃないよ。…………お腹すいてるなら私が作ってあげようか?」
「マジで! 作れるのか!?」
「料理なんて作ったことないけどなんとかなるよ!」
「…………すごく心配だ……」
「大丈夫だよ。まかせて!」


 10分後。台所にて。

「わわ、失敗の程度で言えばかなり失敗してるけど、ちょっと原型とどめてるし、かなり失敗してる中のちょっと失敗って感じだから、ちょっと失敗したでいいかな?」
「………」
「え? それ食べるの? ちょっと失敗しちゃったやつだよ?」
「…………」
「そ、それ、そんなに美味しい? もしかして見た目は悪いけど味は美味しいってやつ? ――――うっわ、まっず!? これ食べ物じゃないよ!?」
「……………ごちそうさまでした」
「うわ、全部食べちゃった……。味覚大丈夫? もしかして私が変なの?」
「よし、行くぞ」
「う、うん。あの、本当に大丈夫?」
「…………腹は満たされた。量は問題ない」
「そ、そう……」

 こうして夜の街へ繰り出すのだった。

426名無しのカウンセリングだべ:2017/05/28(日) 10:40:23 ID:bywp5M/c0
「そういえば急用ってなんだったんだ?」
「ちょっと調べ物をね」
「なんの?」
「それは、黄金瞳についてかな」

 嘘はついていないが、本当のことも言っていない。
 けれど、解ってしまった。何について調べていたのか。

「虚空黄金瞳……アザトゥース……とか、についてか? この黄金瞳はアザトゥースの残滓だから嘘はついていないな」
「…………そうだよ。はあ、本当におまえには隠し事なんてできないなぁ」
「すまない」
「謝らないで。迷惑かけちゃったし、謝るのは私の方だね。ごめんなさい」
「いや、そんな、きみに謝られることなんてされてない……けれど屋上に置いてけぼりにするのは確かに迷惑……」
「屋上に置いて行ったのはわざとだよ。謝ったのはそのことについてじゃない」
「違うのか!? わざとって何で!?」
「怪物が出る街で黄金瞳を1人で出歩かせるなんて危険でしょ? だから、そう、壁も天井もない密室に閉じ込めたのさ!」

 今明かされる衝撃の真実!
 閉じ込めるなんて、なんてことを考えているんだこの子は! 何について謝ったのか知らないが、こっちの方がすごく迷惑だ。

「空飛ぶ怪物が出たらどうするんだ」
「あ、………んー………その時はあれだ。……呼べ。私が光速くらいのスピードで来よう」

 無計画! あまりにも無計画!

「心配になってきた……」
「大丈夫! たっくんは私が守る!」
「そうか……それはありがたいが………」



拠点潰したいけどこの2人は拠点のこと知らないしどうするかな

427名無しのカウンセリングだべ:2017/05/28(日) 19:53:36 ID:4B4lXlLI0
>>422
「今の世界の状況に関しての見解はあなた方と一致するでしょう。 私にとっても、組織にとっても 芳しいものではない」
「『コレ』のような物の対処は少ない方がいい」

「……ただ、この状況に対しての方針については、まだ決まってはいません」

アレイスター側の人間ではない、しかし進んで解決するか、傍観するかに関してもまだ決めていない
……少なくとも、こちらと進んで敵対するようなことは、ないはず

「しかしこの男と、所属しているだろう団体の確保については元より我々の仕事です」
「あなた方に害をつもりはありませんが、我々に刃を向けるようであれば ……それ相応の対応をさせてもらいます」

これからどこぞへと、姿を消すことを邪魔するなと告げる
二人の方から戦いを挑むような真似をしないことを、承知した上で釘を差した、のだろう

「……ここでの私の仕事は完了しました、もはや長居する意味はない」
「被害者と加害者、そして病院の騒ぎに関しては既に手を回しています。 あなた方は知らぬ存ぜぬで通してください」

適当な場所で、ガスを吸って眠ることをおすすめします ――そう告げると、
両手が塞がり、まともに動けない翔の横を通り過ぎ、病院から出ようとする男

この停電の後で被害者と加害者が行方不明となっては、警察内外問わず大騒ぎになるかもしれない
そんな騒ぎが起こる前に、何かしら手を打ってくれたらしい 融合する前の世界で、どんな規模の組織に所属していたのだろうか

階段を降りると、ふと振り返る男性

「…………あぁ、最後にそちらで寝ているお嬢さんに伝えておいてください」
「――――対して力も、覚悟もないくせに関わるな、と」

「それでは、 ―――――二度と会わないことを祈っています。」

428名無しのカウンセリングだべ:2017/05/28(日) 20:10:44 ID:4B4lXlLI0
>>423
「まともに出歩けないフラグじゃないッスかそれー!」
「オレはまだきぐるみと言い訳できるけどワサビ」
「キル夫はまばたきした瞬間でオレ以上のアウトッス!!」

警察に確保か、動物実験へドナドナされるのか
取材を受ける時無事な自由な姿でいられるだろうか、前例が……あるにはあるけどどうなるかはしらない

そして辿り着いたレジスタンススペース、キル夫が感心したように口笛を吹いた

「へー、こんなもん作っ…… 出会い頭にそれだもんな!?」
「ただいまッス! 拠点行った帰りのお土産ッス! ……昔の仲間ッスよ!」

直球で失礼、変な生物を見たと言わんばかりの声の荒げっぷりに
冗談で返したワサビが慌てて弁解するレベルの形相を浮かべるキル夫
こんなんそんないるわけないからしょうがなし

「……双子?」

429名無しのカウンセリングだべ:2017/05/29(月) 00:09:24 ID:jz6eJhNs0
>>427
「な、なんなんですか。混合って……今の世界の状況?
それに、組織とか団体とか、手を回したって……」

そのまま男を見送ってから、戸惑うように姉を見る翔。
瑠奈はその視線に肩をすくめる。

「話すと長くなるよ。組織云々は私も知らないけれど。
……後でちゃんと話すから、今はとりあえず、ロビーに戻りなさい」

「……あの男、信用できるんですか。
名前、知っていたようですが」

「それは私も驚いた。なんなんですかあの人」

「もしかして、寝ている間に、なんてことは」

「それはないでしょ。
そもそも彼、本物の拳銃も持っていたし」

拳銃を持つ男から拳銃のみを弾き飛ばす射撃能力、成人男性一人を抱えたまま目視が難しいほどの移動、
現状、こちらが勝てる要素は一つとしてない。
殺す予定であったなら、既に今ここで三人の死体は転がっていただろう。

「まあ、信用に関しては、している、というよりも、するしかない、かな。
私たちには情報量が少なすぎる。
とにかく、あの男性の言を信じるなら、警察の不祥事沙汰も病院の管理体制の甘さもなんとかなる、と思いますよ」

「対策しようのない不祥事と管理の甘さですけどね」

「だからどうにかしてくれたのでは」

なるものだろうか。発端はバス事故、表面化したのは瑠奈が行った通報で、救急車もパトカーも出動する事態になっているのだが。
なんとも言えない表情になる姉弟ではあったが、瑠奈は一つ咳払いをしてから、再度告げた。

「……とりあえず、さっき言ったようにロビーで倒れていなさい。
その酸素ボンベも適当に放っておいてもいいんじゃないかな」

「……姉さんは?」

「私はそもそも病院にいなかったからね……
また窓から出て病院の外に出るかな。
残してきた子たちも気になるし」

「外で寝るんですか?」

「寝ません。車で調べものしてきます。
頃合い見計らってそっち行く」

「はあ」

では、と上へと向かう前に、眠っている和の額を撫でた。

「……大丈夫、よね」

「寝ているだけですが、あの銃の効能がどんなものかはわからないので、なんとも。
元々安静にしていなくてはいけないのに、随分無理をさせてしまいましたし。
それに、あの男、返してもらう、とも……」

「……私、彼女の保護者に顔向けできるかしら」

「……一緒に謝りますよ。保護者、どなたかは存じ上げませんが」

430名無しのカウンセリングだべ:2017/05/29(月) 00:54:27 ID:H679hrsc0
>>428
「俺が何とか言い訳考えてみるか……?」
「俺達とかどうなるんだよ」
「ゼロさん達はまぁ……ダメだな多分」

スーツの質感とかないみたいだし、とボヤく絵楠。
空気は和むが、何というか無駄話にしかならないというか。
実際そうなのだが。

「双子って訳じゃないな。ただ顔が似てるだけの別人」
「まぁ、そうなります。僕はエイラ・アーウェン。レジスタンスのまとめ役と情報収集の中核を担当しています」
「うちは如月由紀!ここ如月ジャーナルの編集長で、レジスタンスのメンバーでもあるわけ!」

エイラと由紀が、キル夫に対し自己紹介をする。
ここにいる辺り、エイラの方の準備は恐らく済んだのだろうか?
よく見ると、画面に映し出された一際大きな部屋に巨大な魔法陣が描かれており、その詳細を書き示す文が打ち込まれていた。

「エイラ、これは?」
「僕の許可した人物のみが行き来できるように設定した、あの拠点の近くまで到達する通り道です」

エイラが言うには、自分の許可しないものが入った瞬間に異空間に放り出される仕組みにしたらしい。
この魔法陣を書き起すための準備に時間が必要だったらしく、早くから詠唱に取り掛かっていたのだ。
現在は数人の魔法使いが交代交代で魔法陣を維持している様子。

「キル夫さん……でしたか。あなたのことは魔法陣に書き示してませんでしたね……後で追加しておきますか」
「とは言っても、キル夫がどうするかにもよるぞ?」

431名無しのカウンセリングだべ:2017/05/29(月) 21:56:39 ID:3.07IcTA0
>>429
どの程度まで自然の形で収める事ができるか、
どの程度まで不審に思われずこの大騒動をまとめてくれるのか、現時点で探る術はない
幸いなことにこのガス自体の、あの男の異能の力として、この状況をただの平和で平穏なものと認識させる効果があるため
この病院に関しては何とかなる……かもしれない


「……スー…………スー…………」

二人の心配をよそに、押し付けられた麻酔銃を手に、眠りこけている和
バス事故から神経を擦り続けてきた分、疲れが溜まっていたのだろう
こうして眠らせたのはある意味正解だったかもしれない

首に刺さった麻酔針は気がつくと無くなっていた
体の中に入ったのかと思うも、よく見れば麻酔針には童守学園のエンブレムが刻まれていた
……深く考えないほうがいいかもしれない、ただの麻酔針型腕時計型麻酔銃

432名無しのカウンセリングだべ:2017/05/29(月) 22:02:55 ID:3.07IcTA0
>>430
「おう、よろしくな それでえっと、ワサビ」


「……なんの話だ?」
「オイラ達レジスタンスのグループに入るかどうかって話ッス、ここにいたら衣食住問題なしッスよ!」
「断ったら?」
「一応他にも行くあてはあるにはあるッスよ」
「ふーん……?」

話を振られ、ワサビを脇に寄せ何に誘われているか尋ねる
一応ここがだめならバーの方に行けばいい、ということはわかったが

「絵楠たち手伝うって決めたしオレも入るよ」
「魔法陣に追加頼む、エイラ」

433名無しのカウンセリングだべ:2017/05/29(月) 23:00:26 ID:3zVK3xRE0
>>431
「…………」

「…………」

「考えるのはやめましょ」

「ですね」

学園のマークを見た瞬間に同時に顔を合わせて頷く二人。
瑠奈と和の名を知っていた男性。情報が学園経由なら、翔のことも知っていただろう。
実際にそうかは断定できないが、繋がりは見えたことだし由とすることにした。

「じゃ、ちゃんとロビーのソファーに寝かせるのですよー。
診察室にもきちんと連れていくこと」

「分かっています」

「仕事しろよ警察官ー」

「僕、今日は非番なのに……」

本当は少し違うのだが、と口の中で呟きながらも、和を抱えると一階へと降りていく。
途中、酸素ボンベを適当に医療器具がある部屋の近くに転がしてから、姉や男に見習いハンカチで口元を押さえ、ロビーへと着くことになる。


一方、その後ろ姿を見てから、瑠奈は反対に階段を上がる。
上がりきったところで、近くの窓からじっと中を見ている姿があった。

「…………」

『…………』

「…………ど、どうも」

『……銃の音がしたときには窓を割ってでも入ろうかと思ったよ』

「その大きさじゃ窓だけじゃなくて壁も壊れちゃうね……」

こちらもこちらで一悶着ありそうではあるが、一先ず病院外に出られることにはなるだろう。

434名無しのカウンセリングだべ:2017/05/29(月) 23:32:39 ID:4B4lXlLI0
>>433
童守学園の関係者ならば、恐らく事件の裏工作も かなり無茶をして、できるのかもしれない
瑠奈達卒業生の履歴書には『童守学園』の四文字は無く、あるのは現実世界の近場の学校の名前
学園世界の特性か、隕石の事件の余波かこうした辻褄合わせを無理やり行う事は学園の常套句だった

安らかに、とは微妙に離れているがロビーのソファに寝かしつけると
恐らく自身もハンカチを離し、眠りにつくかもしれない
ガスがまだ残っているため、不思議と穏やかで平和な気分に浸りながら、眠りにつけるはずだ

使い方さえ間違えなければ、人の役に立てていたかもしれない、誰かを癒せたかもしれない
そんな能力、だったというのに


『…………』

瑠奈が戻ってくると、男がどこかへ消えたのを感じているのか
再び大人しくなりジェットの足に掴まれブラブラしている蜘蛛
あの暴れっぷりは、多分今も感じる空気の甘い匂いを感じてのことだろう、それが薄れていくのを感じているのだ

435名無しのカウンセリングだべ:2017/05/30(火) 02:02:12 ID:H679hrsc0
>>432
「分かりました。明日までに済ませておきます」

キル夫の返答を聞き受けた後、部屋を後にするエイラ。
少々働き過ぎのようにも見えるが、これが彼の日常風景なのだろう。
昔のような発明三昧の日々が、そっくりそのままレジスタンス業務に変わっただけだ。

「あ、そうそう絵楠ちゃん。新しいガシャット出来たってさ、試してみる?」
「新しいガシャット?分かりました、すぐ行きます」

絵楠も由紀に連れられて、違う部屋へと向かった様子。
今、レジスタンススペースのメインフロアに残っているのはキル夫とワサビを除けば、ウルトラマンであるゼロとガイのみであった。

「っかしよぉ、饅頭までいるとはなぁ」
「……饅頭……?」

改めて感心するような声を上げるゼロに反応するかのように目を覚ますガイ。
キル夫の姿を見るや否や、ゴクッと唾を飲んでいた。
​───────食べ物と勘違いしている。確実に。

>>426
『ゲームクリア!』
「……餓鬼がこんな夜中に何してんだ?」

二人の目の前へと吹き飛ばされ爆散する怪人。
怪物を撃破した当人であろう仮面ライダースナイプ​───────大我は変身を解除すると、暗に「とっとと帰れ」と言いたげな様子で二人に呟いていた。
その足元でぽつりぽつりと光る、小さな物体。

「こいつが付けてやがったか……手間かけさせやがって」

どうやら発振器のようだ。光の方角的に、南東を示している様子。
怪人を撃破した様子からも、怪人達の溜まり場を襲撃するつもりであろう大我。
彼について行くのも、存外悪くない手立てか?

436名無しのカウンセリングだべ:2017/05/30(火) 14:06:40 ID:bywp5M/c0
>>435
「ひゅう! 楽しそうだね! いつ出発する? 私も同行する!」

 赤い瞳を不気味に輝かせ、はしゃぐ咲野。その瞳の不気味さと表情の明るさが全く合っていない。

「お、落ち着け。行くのは危険だから勧められない」
「それと、私は餓鬼じゃない。正義の味方だよ! 悪の敵でも可!」
「俺の話聞いてる?」
「うん? どうしたんだい、たっくん。私の事が心配だから一緒に行きたいって? 大丈夫だよ。おまえくらい余裕で守れるさ」
「もちろん一緒に行くけど……。俺も、出来る限り頑張るよ」
「それじゃあ。輝いて。いつものように、きらきらと。――それじゃあ、行こうか! そこの………仮面ライダーブラックジャック!」
「仮面ライダースナイプな」

 知らないはずなのにさらりと名前を言う。黄金瞳のおかげかと拓人は思うが、《解析》の異能のせいである事は本人はまだ知らない。

437名無しのカウンセリングだべ:2017/05/30(火) 18:39:22 ID:Qx2Qf25.0
>>435
「それじゃ今日のところはもう一つの行く宛に当たるッス! 絵楠戻ってきたら情報の共有も兼ねて行ってみるッス」
「……流石に宿屋感覚で行くのはやべーんじゃねーの?」
「踊る猫の支店だから大丈夫ッス」
「ああー、ほんと色んな世界にあんなアレ」

この世界では宿屋というかホテルの需要の方が高いため、
いまいちパッとしないが異世界では割とポピュラーな宿屋らしい、踊る猫
ふと後ろに視線を感じると、ヨダレを垂らした鋭い眼光の青年が熱い眼差しを送っていた
……………

「く、食われる!? おいワサビ!オレん中の餡子が狙われてるぞ!」
「嘘つけッスあんたの中の外もマシュマロッス!」
「ボケにボケで返すなよ!?」

438名無しのカウンセリングだべ:2017/05/30(火) 20:13:16 ID:.RhFVOOE0
>>434
(……本当に不用心なほど平和な光景だ)

(……今はなにが起きているかは分からないけど、
こんなことが横行していたら、たいへん……)

(……今思えば寝た振り、に、すればよかった……
起きられるか……僕……)

そして、すやぁとそのまま眠りについた低血圧警察官(非番)。
とはいえ、この状況事態、異能が使われた特殊なものであるため、
おそらく、きっと、他の皆が起きる頃には起きられるだろう。たぶん。



「……落ち着いているね」

『そうですね。ボクもそろそろキツいから移動したいかな』

「それじゃあ車に移動しましょう。
調べたいこともあるし……
蜘蛛くんの手当ても、しなくちゃね。随分と、遅くなってしまったけど」

触るまで気づかなかった、自身たちと戦う前についたであろう傷をしっかりと見据えながら呟いた。
血が出るほどではないとはいえ、しっかりと付いているジェットの爪痕からは目を逸らさせてもらった。
治療はせずともしばらく立てば元には戻るだろうものだ。
一瞬捕食風景がよぎっただなんて、まさかそんな。

とりあえず、治療を最優先にと窓から病院を脱出し、車へと戻った。
病院内やシャッターの様子を見ながらも、蜘蛛の治療を始めた。

439名無しのカウンセリングだべ:2017/05/30(火) 21:49:50 ID:4B4lXlLI0
>>438
肝心の男は去ったと言えど、暴力により無理やり従わされた爪痕は大きいのか
相も変わらず大人しくじっとしている

かと思いきや、心なしか体がほんの少し上にそれているような気がする
顔らしき物が見当たらないが、見上げているのだろうか

じっと見られているのか見られていないのかわからない蜘蛛の治療を続けていくと、
男が去ってそう経っていないにも関わらず病院のシャッターが開きはじめ、中に明かりが灯る
中からどこか釈然としない表情を浮かべた人たちが出てくるのが見えた



「………っ……」

「…………!」

ソファの上で身を起こし、妙な痛みと そして、気を失う前に見た男の姿を思い出し、半身を起こす和
病院は明かりがつき、周りの人は今しがた起きたばかりというように欠伸をしながら寝る前しようとしていたことへ戻っていく

呼吸器ですぐに意識が回復した辺りで分かる通り、ガスを吸わないとそれだけで意識が回復する
翔も恐らくすぐに目を覚まし、何が起きたのか理解してなさそうな和を見つけるだろう

440名無しのカウンセリングだべ:2017/05/30(火) 23:27:50 ID:8iF0F0cg0
>>439
「どういう技術、いや、能力、なんだろう」

『塔や学園が破壊されても明日には直っているとか、そういう』

「ああ……ああ、うん、あったね、そんなことも。
……私の通報、イタズラ呼ばわりされてないといいなあ」

説教モードが解けた――後回しになったともいう――ジェットと軽い雑談を交わしながら、
蜘蛛の治療を進めていく。
目に見える範囲ところの傷口を綺麗にしたり包帯を巻く程度ではあったが。

「……これでだいたい手当てできた、かな。
……足とか頭とか包帯巻いちゃったけど前見えてる?
呼吸できてるよね……?」

傷も多かったため、若干蜘蛛のミイラっぽくなっている。
顔がありそうな部分は避けてはいるのだが、
顔がどこか分からない、どこを向いているのかも大まかな検討しかつかない上、
異世界の生き物だからとんでもないところに顔がついている可能性も……ということが一瞬にして頭に過った。



「……烏屋さん、おはようございます」

「いろいろ聞きたいことはあるとは思いますが、
とりあえず、今は一階のロビーです。
烏屋さんは、麻酔銃を受けてしまい、倒れてしまったのですよ」

すぐに起きれてよかったと内心安堵しながらも、現状を把握しきれない和を見た。
一先ず場所――これはもう見渡せばすぐ分かるだろうが――と、和が眠った原因を話す。

「容疑者と、あの……被害者らしき男は、もうここにはいません。
集団催眠も、停電も、なかったことになっている、らしいです」

「……詳細は烏屋さんの診察が終わってからにしましょう。
地下でも倒れてしまったり、ドアを突破したりと、無茶をさせたことでしょうし」

これ以上は長くなる。男と姉が交わしていた会話もあることだし、姉と合流してからのほうがよいだろう。
また、傷害事件はどのような扱いになっているかは自身でも分かっていないため、
和が診察室に入ってからすぐに、この場にいるはずの警察官とコンタクトを取ってみる予定ではある。

地下、そして警察官といえば、追い剥ぎされた同業者は無事に制服を返してもらったのだろうか。
まさか彼だけあのままではあるまい、と思いつつ、地下には確認にはいけなかった。
一応関係者以外立ち入り禁止であるし、万一身ぐるみ剥がされたままだったときの対処も思い付かなかったからだ。

441名無しのカウンセリングだべ:2017/05/31(水) 00:10:36 ID:4B4lXlLI0
>>440
『……………』ブルブル

問いを聞いてか聞かずか、
少し間を開けてブルブルと震え、再び沈黙
息苦しそうにしている様子はないし、見上げている顔?らしき部位は包帯に覆われてない
体の震えも怯えから来るものではなく自分の意思での左右運動であったため大丈夫だという意識表示だろう


「翔さん…… ……來咲、巡査?」

地下での慌てっぷりから、咄嗟に下の名前で呼んでしまったが
落ち着いたためか一度口にした呼び名を改める和

翔の話をひとまずは黙って聞き、男性に押し付けられた麻酔銃を持っていることに気づくと
何かを思い出したように自分の持ち物を確認し出した

「…………落としていたか、押されたときにスラれた…… 油断してた」
「それにしても、……無かった事に? あんな大規模な………」

何かをいいかけると、ちょうど自分の番号が呼び出された
そのまま続けたい様子だったが翔の推測もあり、麻酔銃をしまうと(現役警官の目の前で)、
診察室へと入っていった


「………今回の加害者? あぁ、それならもう本部の方に連行したはずだろ?」

加害者の弾性について聞くと、返ってきたのはこの返事
停電の事を尋ねても、極短い時間だったという言葉が返ってきたため
何とか事実を上書きしていったらしい。

ちなみに今のところ、半裸の男が出てきたという情報は出ていない模様

442名無しのカウンセリングだべ:2017/05/31(水) 00:38:24 ID:H679hrsc0
>>436
「……ケッ、勝手にしろ」

諦めた様子で、一人そそくさと歩き始める大我。
着いていった先にあったのは、廃校となった筈の学校。
辺りには見張りの怪人が数体彷徨いているため、拠点の一つと見て間違いないだろう。
規模としては中間くらいか。

「こいつにはもう用はねぇな」

茂みへと発信機を投げ捨て、大我は物陰に隠れて潜入の機会を伺っていた。
いっそ夜襲として突っ込むのもありだろうが。

>>437
「……ハッ!?た、食べないぞ」
「​───うー……」

キル夫が喋る姿を目の当たりにして、正気に戻ったかのように涎を拭き取るガイ。
何処までも人間らしく、何処までも食い意地を張ったウルトラマンである。
それと同時に、やけに疲労した様子で戻ってくる絵楠。
やれやれ参ったね~と呟きながら由紀も現れるが、よく見ると二人して服の裾が凍りついていた。

「はぁ、改めてギルの存在の重みを知ったな……」

ソファへと突っ伏す絵楠の手に握られている未知のガシャット。
しかし、ワサビならそこに描かれているものが何か分かるだろう。
それは、一度絵楠が変身し、今はアレイスターに奪われた力の一つ。
オーズ・プトティラコンボが描かれていたためである。

443名無しのカウンセリングだべ:2017/05/31(水) 07:37:21 ID:wykbYVa20
>>442
「まだ食欲が溜まった視線を感じるぜ……」

見た目柔らかそう、美味しそうな見た目ゆえにいたしかたなしたかし
怖い顔だと言われ、怖がられたり通報されない分だけマシな扱いであるが
ガイが近くにいる時には精神的に落ち着かないだろう

「おかえりッス! 奪われてたもんをまた作ったんッスねー……」

ああして取られなければこんな事せずとも、
そう思ったがいいが後の祭り、今更取りに戻れるものでもない

「んで絵楠、これからバーの方に行くッスけど一緒に行くッスか?」

444名無しのカウンセリングだべ:2017/05/31(水) 09:18:39 ID:bywp5M/c0
>>442
 自らを、誇示するかの如く。
 ただ、ただ、高らかに咲野は言い放った。

「ブエノス・ノーチェス! 愚鈍で無価値な怪物どもめ!」

 その声で怪人はこちらに気付くだろう。
 拓人は慌てて注意するが時すでに遅し。

「静かにしろ! 何やってんだ。馬鹿か!?」
「奇襲もいいけれど、それだとつまんないし。――さあ、ゲームスタートだ!」

 申し訳なさそうに大我の方を見る拓人。いつでも無計画の咲野は何をしでかすかわからない。

445名無しのカウンセリングだべ:2017/05/31(水) 19:16:56 ID:woeoUrbg0
>>441
(お、ある程度の意志疎通はできそう)

『大丈夫そうだね』

「ですな。
脅したり乱暴しちゃってごめんね」

主に男から引き剥がすときの行為のことだ。
傷がなく、かつ顔ではないだろうところを触れるか触れないかぐらいの感覚で撫でた。

「ジェットは、怪我は?」

『羽毛が少し』

「帰ったらブラッシングしなきゃだね」

片付けもそこそこに、
後部座席にジェットと蜘蛛を置いたまま、自身は助手席へと移動する。
そして、車内に放置していたパソコンを立ち上げた。

『コンピュータ……なにを調べるの?』

「今回の発端となった男の団体と、彼が奉っている【聖女】について」

病院内に起きたことを粗方ジェットに説明する。キーを叩く手は止めずに。
問題が大規模化したり表面に出たものはすでに回収され、なかったことにはなっているだろう。
それでも、多くの人やものがインターネットに繋がっている御時世、痕跡がないかを調べる。

『調べて殴り込むの?』

「殴り込まないし、こちらに何の被害もないなら組織とやらに任せるけど……
いざ、その団体がこちらに牙を向いてきたとき、情報は多いほうがいいでしょう。
実際に、烏屋さんは狙われた。
以後、または、他の誰かが狙われないとは限らない」

……そして、しばらく調べて一つの記事を見つける。

「……あの廃木材加工場……焼けてる……」

つい数時間前に自身が調べた拠点。
和同が言っていた篠目町のゴタゴタの意味も理解できたが、
しかし、ここは――エクスが実地調査に向かった場所である。
万が一、億が一ということがあるかもしれない。
ドローンが早々ばれて拠点を焼いて逃げたのか、戦いの末か、いっそ放火したかは分からないが、
どちらにせよ、事情は聞いておくべきであろう。



(……替え玉を用意したのか、誰もおらずとも裏側でそういう処理になったのかは分からないけど、
これで、なんとかなった、のだろうか)

一応関わってはいるから後で署に行けば詳細も分かるだろう。
誰かが冤罪をかけられてさえいなければ、こんな突拍子のないことの収まり方に、異論はない。今のところは。

(……しかし、あの麻酔銃、烏屋さんのだったか……
注意し忘れたけど、まあ、こんな状況なら持っていて当たり前か……)

姉にSNSで和が診察室に入ったこと、病院内の様子を送ってから、
翔は診察が終わるまでロビーで待つことにした。
先程の異様な光景など、なかったかのような周囲を、何とも言えない表情で見ながら。

446名無しのカウンセリングだべ:2017/05/31(水) 21:59:13 ID:D00H4UII0
>>445
『…………』

触れるか触れないか、指先に軽く感触を感じるだけだというのに、
手を伸ばした瞬間に身体がこわばったのがわかる
……あの男の残した傷は大きいようだ

今までの事故、事件を振り返ってみると、
病院で停電が起きたこと自体はSNSに投稿されていたが
あの男が起こした催眠に関しては内外問わず騒ぎとなっていない
試しにバス事故の方を調べても、眠っている間に事故が起きたという書き込みばかり出て
暴行事件には一切触れられていなかった。
…………事故の原因が運転手の居眠りによるものとなってるのは、カバーしきれなかったのかそれとも故意か。

事故、事件について調べ終え、あの男の団体について検索しても中々それらしいものはヒットしなかった
近隣の町と併せて調べたら小説サイトものしか当たらないし、
聖女では範囲が広すぎてアウト
あの男が話していた『治療』については、そのような伝承を持つ集落が登場するホラー話のサイトがヒットした

『組織』曰く、あの男はこの世界の人間ではないと告げていた
世界の融合が進む中、ネットの方は侵食度が低いのだろう ……まだ

447名無しのカウンセリングだべ:2017/06/01(木) 02:19:48 ID:H679hrsc0
>>443
「……」
「ガイ、腹減ってんなら飯奢ってやっから……これ以上アイツのこと見つめてやんな」

奢る、という単語に反応したのかゼロの方を向くガイ。
本当に食べることに関しては人よりも人らしいというか、何というか。
意外と気さくそうだが、飯だけは別物感がする。

「まぁ、そうなるな。擬似的にプトティラの力を再現したものがこれだから」
「しかし、ギルがいないとプトティラに似たものすら制御が難しいとはな……知らずのうちに、アイツに頼りすぎていたか」

ガシャットを見つめ、今はいないギルに想いを馳せる絵楠。
メダルさえ奪還すれば再会は容易いが、その奪還が容易ではない状況。
すぐにでもギル無しで擬似的なプトティラコンボを制御できるようにならなければならない。
焦りは禁物だが、気にはしておかなければ。

「マスターの所にか?そうだな、俺も一緒に向かうよ」

>>444
「!バカッ、勝手なことすん……だぁ、仕方ねぇ……!」
『バンバァンシューティング!』
「第二戦術、変身!」『レベルアーップ!』
『ババンバン!バンババン!Yeah!バンバァンシューティングッ!』
「もう少し考えて行動しろ、バカが!」

即座にドライバーを巻いた大我はガシャットを起動して変身。
咲野を標的と捉え向かってくる怪人達を後方からガシャコンマグナムで撃ち抜き、すぐさまカバーが出来る範囲へと入り込んだ。

「……仕方ねぇ、コイツラとっとと片付けて正面から突破するぞ」

448名無しのカウンセリングだべ:2017/06/01(木) 20:39:28 ID:4B4lXlLI0
>>447
「……あんにゃろーから必ず取り返すッス! 町の平和も、奪われたもん皆ッス!」

今は亡きギルを偲ぶ絵楠の肩をたたき、改めて告げるワサビ
まだ死んでないし偲んでもないが、あの高圧的な態度でこそ泥のように動くのも
アレイスターと敵対する理由の一つだろう

バイクが二人乗り、というわけで誰か一人を蛙にするわけにもいかず、
とりあえず徒歩で向かう一行
同じ神守町だし、そんなに時間はかからなかった




「! …………あぁ、いらっしゃい」
「(*゚д゚)ノ」
「いらっしゃーい!」

準備中、の立て札がかけられた扉を開けると、
どこか落ち着きがなくそわそわとしているマスター、無邪気に手を振る子供コンビが出迎えてくれた
前来たときとは違い椅子が地面に置かれ、商売開始間近と言った印象を受ける

「(*゚д゚*)」

何か手に持って、絵楠達の元へと向かうアネパ
見ると、小型サイズのアネパ…… 羊毛フェルトで作られた、そっくりのぬいぐるみだった

「梟木の兄ちゃんが帰ってきて作ってくれたんだ! 今奥の部屋で違うぬいぐるみ作ってる!」

ネコ耳の少年―― マスターがこっそり教えた所に寄ると、ライという名の子が鼻息荒く教えてくれた

「うわ、すっげーそっくり……!」

「へー、誰だかわからんないが上手に作ってるナァ……」

「すっげー似合わねぇ……」

「えぇ……」


口々に縫いぐるみの感想を言っている横で、マスターの電話が鳴り出す
『ちょっと待ってて』と手を上げると、電話を手に急いだ様子で部屋の奥に入っていった

「……和のお姉ちゃん、変なのに巻き込まれちゃったみたいで」

事情がわからないだろう一向に、自分の知ってる範囲で情報を告げた

449名無しのカウンセリングだべ:2017/06/02(金) 13:24:20 ID:bywp5M/c0
>>447
 迫り来る怪人を気にも留めず、驚いた表情で大我を見る咲野。

「ど、どうした? 敵来てるぞ!?」
「うん、わかってる。ただ、ずっとひとりで戦ってきたから……。誰かと一緒に戦うってこういうことなんだね。楽でいいかも」
「…………。分ったならもうあんな事するなよ?」
「だが断る!」

 潔く即答して、軽く目を瞑る。腰あたりに手を当て、短く、呟いて――。

「――機械帯、起動」

 ――姿が、変わる。
 黒。黒い姿。黒い服。けれど、暗い印象はない。何故なら――
 ――閃光が迸る――
 ――雷鳴が轟く――

 まばゆい光が、迸る。
 それは蒼色をした輝きだった。
 それは蒼天の輝きだった。
 空に見えるもの、空に輝くもの。
 雷の、輝き――

 ――そして――
 ――赤い瞳、輝いて――

 ――周囲に浮かぶ光の剣、5つ――

「誰も呼んでないが私は来た! そして見た私は勝つだろう!」
「カエサルか何か……? というか、前と違うな……。セーラー服は相変わらずだが、機械帯の色が金から黒になってリボン付いてるし、ポニーテールになってるし……」
「改造済みだ! ふふん、ポニーテールかわいいでしょ?」
「お、おう」

 その答えを聞いた咲野は微笑んで。――怪人を見据える。
 近くに拓人が居るため、力を抑えて。怪人に向け、雷電を、放つ――!

 機械帯を使って戦うのはこれで3回目。まだ使い慣れていないが、正確に。怪人を打ち倒す。

450名無しのカウンセリングだべ:2017/06/03(土) 00:46:43 ID:Joj6CQwA0
「………………」

処置してくれる先生が他の患者の方を当たってるということで、病室の中でぼんやりとしていた
骨は折れてこそ、いなかった
しかし大の大人がメリケンサックを持った手で殴られただけあって、無傷とはいかなかった。
骨にヒビが散見され、おそらく固定されるだろう
この状況下で利き手の腕にヒビ 何週間、かかるだろうか

「(…………動かないほうが、周りの人にとってむしろ好都合なのかもしれない)」

今回の事を思い出すと、ただでさえ重い気分がズシリと落ち込む
拠点制圧に向かう際の状況とは違う、マイナスからゼロに戻すための戦闘に犠牲
巻き込んでしまった人たちの事を思うと自己嫌悪で口の中が苦くなった

『その後悔は早計すぎるぞ、たまたま乗ったバスであんなこと起きるなんて誰が想像できるというんじゃ!』

…………頭の中で、いつものよう幻聴が
いや

「…………さっきの事は感謝してる、とだけ言っておくわ」
「あの扉を塞いでいた物 ………破壊されたの、あなたの仕業なんでしょう?」

『…………』

地下で閉じ込められた時、扉を押さえつけていた物を破壊したのは、間違いなく自分じゃない
それほどの力、出せないのだから

『……当然じゃ、今まで幻聴とかいないフリをされていたというのに』
『あんなに縋られとなっては、無視などワガハイには出来んよ』

「……………」

『………小娘、おぬしがワガハイ達や魔法に対していい感情を持っとらんのはわかる、信じられない理由も知っておる』
『それを変えろなんて無理な話じゃ ……それでも、構わんよ』

『…………ワガハイはお主を信じとる、助けるにはそれで十分じゃ』
「…………!」
『………… フー、話すだけでも大変じゃの…… しばらく、眠るとするか』

話しかけたのと同じく、唐突に気配が消えた
後に残ったのは、苦い、苦い嫌悪感だった

451名無しのカウンセリングだべ:2017/06/03(土) 21:08:06 ID:8iF0F0cg0
>>446
「……ないか。まあ、聖女とか悪魔云々だけじゃなあ」

せめて固有名詞の一つでも聞くことができていたのならば、少しでも範囲が狭められていたのだが。
そこで、ふと聖女を敬っていた男との会話が思い出される。

(……我々の、【家】、か。
あのまま連れていかれていたら、もう少しなにか分かったかもしれない)

(とはいえ、連絡手段や逃走手段が確立させていないことには、悪手、か。
過ぎ去ったことを言っていてもしょうがない。
あの人たちが対処をしてくれて、こちらに被害がこないのなら、言うこともない)

(……事件の収まり具合はこんな感じか。
犯人の存在は不明だが、あの人たちもそこまで下手なことはするまい)

翔からの連絡を確認した後にパソコンから目を離して、病院を見やる。

「……そろそろ烏屋さんの処置も終わるでしょう。
見に行ってきます。
二人でお留守番、できる?」

『大丈夫。いってらっしゃい』

ちらと蜘蛛を見た後で、ジェットがパタパタと翼を振る。
蜘蛛くんと仲良くね、と瑠奈は病院へと翔、そして和と合流するために向かった。

452名無しのカウンセリングだべ:2017/06/04(日) 00:30:08 ID:4B4lXlLI0
>>451

「………えぇ、事情聴取で遅くなるかもしれないけれど……えぇ、それじゃあ」

病院に入ると、恐らくマスターにかけていたのだろう
ちょうど和が病院の公衆電話の受話器を置くところだった

手当が終わり、青くなっていた頬にはガーゼが貼られ、
長袖で隠れてしまっているが右腕に包帯が巻かれ、
その他大小の傷に手当された後が見える

本人曰く、特に深い傷は右腕だけだと言っていたが
いかんせん包帯やガーゼが多い、マスターが見たらぶっ倒れるのではないのだろうか
本人も右腕の怪我に対して何か言われたのか、浮かない表情をしていた

「……! 來咲、さん」

「………… 今しがた治療が終わったから、マスターに連絡していたところ。 加害者がいなくなったらしいからどうなるかはわからないけれど……」

453名無しのカウンセリングだべ:2017/06/04(日) 00:35:45 ID:H679hrsc0
>>448
「度々来てしまってすみません、マスター」

何となく何かあったのだろうかと絵楠は察するが、ひとまずは挨拶から。
その次に目に止まったアネパのぬいぐるみを見て、思わず絶賛する声が漏れた。

「おっ、凄い可愛いな!アイツ結構手先が器用なんだなぁ」

今度、何か作ってもらおうか。
その場合はライダーでも頼むか、それともウルトラマンか。
と考えている矢先に教えられた、和の近況。

「そう、か。……となると、アイツは今病院にいるんだな」

徐にヘルメットを担ぎ、バーを出ようとする絵楠。
たった今から見舞いに行くつもりか──と思われそうだが、よく見るとスマホで何かをメモしている。
果物の名前からして、見舞いの品を買いにいくのだろう。
恐らく、少し先になるが明日の拠点攻略が終わり次第と言った感じか──今日行くのも、ありではあるが。

>>449
「!……アイツ、ただの餓鬼じゃねぇな……」

怪人達の急所を的確にガシャコンマグナムで撃ち抜きながら、スナイプは呟く。
少なくとも自分の知るバグスターや仮面ライダーとは全く違う異質な力。
どんな力を発揮するのか見てみたい気もするが、こいつらを片付ける方が先か。

「さっさとコイツらぶっ潰すぞ。第参戦術」
『ジェットコンバット!……レベルアーップ!』『バンバァンシューティング!』『アガッチャ!』
『ジェット!ジェット!イン・ザ・スカイ!ジェット!ジェット!ジェットコンバットー!!』

スナイプはオレンジ色のガシャットを刺すと、レベルアップ。
背中にジェット機を装着し、二丁のガトリングを装備した『コンバットシューティングゲーマー』となり、敵を打ち始める。

454名無しのカウンセリングだべ:2017/06/04(日) 12:25:37 ID:4B4lXlLI0
>>453
「……いや、大丈夫みたいだよ絵楠君 どうも入院するほどの怪我ではないらしい」

店の奥から電話を片手に、マスターが出てきた
安心したような、まだ心配しているような
そんな複雑な表情を見せている

「恐らく今回の騒動の原因とは、無関係だと思うけれど ……厄介な連中が他にいるみたいだね」
「それって『聖女』とかそんな連中ッスか?」
「いや、詳しい話はまだ聞いていないけれど 聞いた話によるとどうも暴力的な悪魔祓い、だとか何とか」
「なら違う奴らッスかねぇ……」

『聖女』とは関わりがない……? 果たしてそうだろうか
同じ場所で見かけたかもしれないし、見かけていないかもしれない
それはそうと、新顔に顔を向ける

「君は初めて見る顔、だね? 『踊る猫』へようこそ」
「あぁ、初めましてだナァ 宿屋として利用できるか?」
「元々酒場と宿屋一体型だからね、迷い込んだ異世界の人なら無償で提供しているよ」
「って言っても一晩借りるだけだからナァ……」

現物ですまん、とキル夫が出したのは小粒サイズの宝石
異世界だと他の世界の通貨が扱えないため、こっちの方を持ち歩いているのだろう
宝石を受け取ると、マスターから鍵を渡された

455名無しのカウンセリングだべ:2017/06/04(日) 23:32:01 ID:H679hrsc0
>>454
「!……そうか、よかった……」

安堵の声を漏らし、ヘルメットを机に置くとどっと疲れたように椅子へ座り込む絵楠。
思えば今日一日も、アレイスターと初めて邂逅した時に匹敵するほど濃い一日だった。
疲れが出るのも無理はないだろう。その分収穫もあったのだ、結果は上々。

「悪魔祓い、か……暴力を振るった時点で、ミイラ取りがミイラになるものと変わらない気がするな……」

理由はどうであれ、そんな簡単に人に暴力を振るうものではない。
その上悪魔祓いだのなんだの難癖をつけて正当化するなど、許し難い行為だ。
挙句の果てに自分の知り合い、しかも女性を傷つけたと来た。
──許す理由など、全くもってありはしない。

「アレイスターのこともあるけれど、聖女の方も気になるし……その、悪魔祓いとやらも放ってはおけないな」
「俺にどれだけ出来るかは分からないけど……やれるだけ、やってみよう」

456名無しのカウンセリングだべ:2017/06/05(月) 00:13:53 ID:qAgreyYM0
>>452
「そうですか。
実は、先ほどの……病院が停電する前での連絡では私が慌てて切ってしまいまして、
悪いことをしてしまいました……随分と、心配をしていたでしょう」

私も後で改めて連絡を入れなくては、と呟いた後に、
瑠奈は和の手当ての跡、特に固定が施された腕を見た。

「……骨にも、影響が出てしまっていたのですね。
気づくことができなくて、ごめんなさい」

「お怪我の具合は、いかがだったでしょうか」



電話をする和を視界に捉えながら、翔は少し離れたところで、自身も通話をかけていた。
否、正確には着信を受けてのものではあったが。

「……そうですか。あの近くの、工場でも」

「いえ、こちらこそ、頼っていただき、ありがとうございました」

「この後は、先ほど、被害者の女性は診察が終わったため、通報者と共に署へ向かう予定です。
彼女がこの後の調書を取ることに同意するならば、ですが。
少なくとも、通報者は……ええ、そうですね、その通りです」

「…………ああ、はい、その件ですが」

「喜んで、受けさせていただきます、和同警部。
警部のお考えの通り、この件、なにか、ありそうですから」


「……姉に似た、ですか。
甚だ遺憾ではありますが、まあ、姉弟、ですからね」

457名無しのカウンセリングだべ:2017/06/05(月) 12:33:02 ID:PaMtY9Go0
>>455
「んー……… 絵楠、聖女についての話が出た時、悪魔の話も出てた気がするッス」
「確か人に巣食う悪魔、がどうとか」

木材工場の壁に血で書かれていた、あの例の文字
聖女について書かれているとともに、確か人に巣食う悪魔に死を。 そう書かれていたはずだ

悪魔祓いというからには、人に取り憑いた悪魔を祓うのも仕事の一つ
それを指して悪魔祓いと呼んでいるなら、ひょっとして同一の────?

「……そういえば、君が向かった例の拠点、火事にあっていたね」
「話を聞くと放火のようだけど、それも『悪魔祓い』とやらが関わっているのかい?」

マスターの表情は、あまりよくない
和の怪我の原因である彼らにいい感情を抱いていないのは見ての通りだろうし、
何より悪魔と形容されてる存在が他ならぬ自分たち異世界の生物─── このバーの客もそうだし、保護対象もそうなのだ

458名無しのカウンセリングだべ:2017/06/05(月) 12:46:00 ID:PaMtY9Go0
>>456
「……私も打撲程度にしか思ってなかった、それに折れるほどの怪我ではなかったから気づかないのも無理はない」

腕に痛みがあったのはもちろんだが、動かす事自体は問題なく出来ていたのだ
こういった応急処置は本人の自己申告によるところが多いし、あの場には専門家がいなかったのだからしょうがないだろう

「右腕の数箇所にヒビ、落ちた時茂みに入った時のかすり傷、バス内で負った顔の怪我」
「……を除けば無傷そのもの、痕には残らないみたい」

心配していた顔の怪我も、男がまだメリケンサックをつける前だったのが幸いしたのか痕には残らないらしい
大きな怪我を負っていないようだ、それにしては 表情がどこか暗かった

「…………それで、私が眠らされた後の話と、加害者についての話が聞きたいけれど……」
「……………… ここでは、目立つわね」

ちなみに服装は依然として、被害者の…… あの組織の男を助けた時についた血の跡が残ったままである

459名無しのカウンセリングだべ:2017/06/05(月) 21:12:25 ID:aQ6guZ4s0
>>458
「そうですね……薬の処方が終わっているなら、一先ず車へと行きましょう。
そういえば、私の弟はどこへ行ったのやら。
…………消えたか」

「勝手に人を消さないでください」

後ろから半目の翔が声をかけてきた。
その手にスマホが握られているのを見て、ああ、と瑠奈は声を出した。

「詳細、聞けましたか。
誰だったとか、人相とか」

「――いえ、名前等はまだ。
それに、人相なんて、関わった張本人なのに聞けませんよ」

「……調書となると、犯人の様子からなにからの状況を説明しなくてはいけないはずですが、
本当になんとかなるのですかね」

「それはこちらとしても同意見
です」

周囲が一件落着の方向へと動いている中、自身たちだけ置いていかれているような、不透明な状況。
瑠奈は小さくため息をつくと、目線で駐車場を示した。

「とりあえず、移動するしか、ありませんかね」

「……その怪我です。調書を後日、落ち着いてから、というのもできますが……烏屋さんはいかがしますか」

和の様子を見てから、翔が告げた。
どことなく和の表情が冴えないことも、この進言の理由の一つだ。
先に帰るにせよ、共に署に行くにせよ、車内での情報交換はできるだろう。

460名無しのカウンセリングだべ:2017/06/05(月) 21:59:00 ID:CTBFSDR60
>>459
「……………」

「………出来る事は今日のうちに済ませておきたいの」
「明日以降、行けるかどうかわからないから」

深く息を吸い、吐き出す
それが気持ちのスイッチとなったのか、すぐれなかった顔を隠し、無表情の仮面をつけた

「………それに日をおいて行ったら、警察署内でも妙な事件に巻き込まれそうな気がするもの」
「ただ ………えっと……………」

言い出しにくそうに、自分の服を見下ろす
この格好で警察署内に翔と入ったら被害者側ではなく加害者にしか見えないのだ
さしずめ瑠奈は保護者である姉か親戚の人か

「……………我儘言ってるのは重々承知だけど………… 私の家に、寄ってもらっていい、かしら」

461名無しのカウンセリングだべ:2017/06/05(月) 22:48:18 ID:H679hrsc0
>>457
「!あぁ、確かにあったな。壁に書かれていた文字だったか」

ワサビに言われるまで忘れていたが、そういえばそんなことが書いてあった。
思い出したかのようにスマホを取り出し、カメラロールを確認する。
どうやら証拠として写真に残していたようだ。

「人に巣食う悪魔── 放火を行った奴らが残していった『聖女』──」

表情の良くないマスターの心配をしつつ、拠点での放火跡を思い起こす。
和達の方で現れた悪魔祓いと、自分たちの方で見かけた『聖女』に関する書き起こし──
この状況で繋がらない方がおかしい気もする。同一でない可能性もあるが、あまりにもに過ぎているのだ。
少なくとも、同一犯と見て良いだろう。

「何かしらの情報は掴めないか……?」

悪魔祓いと聖女、二つの単語に関する情報が流れていないかネットで検索を掛ける。
かなりのダメ元だが、何か一つでも情報が掴めれば幸いだが──

462名無しのカウンセリングだべ:2017/06/05(月) 23:20:21 ID:4B4lXlLI0
>>461
聖女と悪魔祓い、2つで検索をかけてみる
……やはりつながらない、情報が多すぎる

「2つともよく聞く単語だからね 情報収集できる範囲が広いのが仇になっている」
「……そんな暴力的な連中が大規模で存在しているならば、もっと引っかかってるかもしれない。 神守町周辺の、小規模な団体様の可能性が高いかもしれないね」

過去にカルト宗教と言われる団体が派手に動いた結果、どうなったかはわかるだろう
こうした過激なニュースは人々の注目が集まりやすいし、注目が集まるということはネタにしやすいのだ
新聞社に勤めている絵楠の耳に、届かない辺り最近できた新興宗教……?

「事情聴取がどれほどかかるか、聞ければよかったんだけれども、彼女携帯を………」

「…………」

酒場に鳴り響く、マスターの携帯の着信音
先程鳴り響いた音とは違う、静かな音色 それを聞いて何故か体が強張った

「…………和の携帯から、だね」

電話を取ると、無言でスピーカーモードにした

「―――ザザッ――― ス――― ザッ……… ……マスター? 私、だけれど」

酒場に和の声が響く

463名無しのカウンセリングだべ:2017/06/05(月) 23:45:39 ID:8iF0F0cg0
>>460
「ええ、そのくらい、お安いご用ですよ。
御自宅の場所さえ教えていただければ、車を飛ばします」

「気分が優れなくなったらいつでも言ってくださいね。
調査協力は任意のものですし」

方針は決まった、ということで、病院での用事を済ませた三人はこのまま車に乗り込み、
始めに和の家に行くことになるだろう。
――いや、三人だけではなかった。



「…………車に、入れたんですか」

「うん。それがなにか」

瑠奈の車。車内を覗きこむと、そこには後部座席の隅にいる蜘蛛と、床に座っているピジョットの姿。
この二匹の異世界の生き物たちが、運転席の後ろ側に固まっていた。
ジェットに関しては、三人が来ても首を動かさず微動だにもしないが……まさか、置物のつもりなのだろうか。

「この蜘蛛、大丈夫なんですか」

「……むしろ、蜘蛛くんのほうが大丈夫ではないかもね」

464名無しのカウンセリングだべ:2017/06/05(月) 23:57:39 ID:H679hrsc0
>>462
マスターの言葉通り、よく聞く単語故にまるで情報が集まらない。
創作物だの昔の書物だの、今欲しい情報とは関係ないものばかりだ。
挙句自分の耳にもあまり入ってない情報ときた──中々に難しい状況。

「つい最近立ち上がった宗教団体が無いか調べてみます」

マスターにそう告げ、次の検索候補を頭の中で整理し検索欄に入力し──
その途中で、和の声が響く。

「!和……怪我は、大丈夫か?」

マスターから聞いていたとはいえやはり心配なものは心配だ。
こうして声が聞けただけでも安堵できたが、本人の口から聞いておきたいものもある。
何よりこのタイミングで電話ということは、もしかすると──今欲しい情報に繋がるものがあるかもしれない。

465名無しのカウンセリングだべ:2017/06/06(火) 07:53:12 ID:QduksON20
>>463
お願い、と消え入りそうな声で頼まれたと共に告げられた住所は
カーナビで確認すると警察署の進行方向、着替えるだけならば多少時間が変わるぐらいだった

「……この治療の後見てると警戒する気も薄れていくわね」

数時間前はこんなに包帯ぐるぐる巻きではなかったはずの蜘蛛を見て、ポツリと感想をこぼす
どちら側に座るか少し悩んだ様子だが、蜘蛛とジェットの間に座り込み、蜘蛛の横にそっと左手を置いた




「………異世界と融合した時点でろくな事にならない気がしていたけれど………」
「………アレイスター一本には集中させてくれなさそうね」

和の家に向かう道すがら、今まであったことを翔に伝える意味でも昨日からの流れの話を聞いた
多分情報のほとんどが共有されたはずだ
一部気を使いそうな部分を除いてはおそらく

「元々『治療』の概念が存在していて」
「その『治療』を受けた誰かが、『聖女』として祀られるようになった ……そう聞こえるわね」

466名無しのカウンセリングだべ:2017/06/06(火) 08:12:13 ID:QduksON20
>>464
『─────』

『───大丈夫────ザザッ──大した怪我はない』

妙にノイズが入り、声が遠い電話だ
マスターの顔も和に向けている穏和なものではなく、むしろ警戒の色がありありと見える

「………今どこにいるんだい、和ちゃん」

『───事情聴取を受けに、警察署へ───ザザッ───向かっているところ』

「そうかい、二人とはまだ一緒なんだね?」

『────ええ』

「ところで君が隠れて貯蔵していたアレだけど 没収したからね?」

『───? え、ええ』

467名無しのカウンセリングだべ:2017/06/06(火) 10:03:47 ID:bywp5M/c0
>>453
「うん、そうだね。――ところで、どうしてそんなにくっついてくるんだい、たっくん。近くにいたら力出せないんだけど?」
「夜の学校って怖いだろ……。しかも廃墟だぞ? マジヤバイ。怖いと怖いが合わさって最強の怖さになってる……」
「大丈夫。怖くないよ」
「俺は怖い―――あっ」

 咲野は空を駆けるように浮いて。空を飛ぶ術を持たない拓人は置いてけぼりに。

「お、置いてくなぁぁあああ!! 昨日《怪異》を見たばっかりだぞ!? 正気度ポイント減ってる!」
「問題ない。その右目はアザトースの残滓でしょ? 耐えろ!」
「無理、無理。怖い!」

 泣き言を言う拓人を無視して、紫電を溜める。

「さて、終わらせようか。―――神(わたし)の雷霆をご覧あれ! ―――電刃、《双電公の神矢》(レイゴン・アロー)!」

 雷鳴、轟かせて。黄金の雷電、身に纏い。
 その輝き、視界を白く染めて――
 その雷電、怪人を打ち据えて――

「後はよろしくー」

 あと一撃でこの辺りにいる怪人は全て斃れるだろう。
 止めは自分で刺さずにスナイプに委ねる。

468名無しのカウンセリングだべ:2017/06/06(火) 10:08:15 ID:4th7lQJE0
>>466
「(……マスターが警戒している?)」

やけに聞き取りづらいノイズはともかく、マスターの顔付きを見て何かを察する絵楠。
ノイズとはいえ一瞬の間も気になるが、今の顔付きは、マスターが和に対して向ける表情だとは思えないのだ。
何かしらの訳があるのか、それとも──

「(……あっさりと受け入れた?)」

こういうものは見つかった場合、恍けるか焦って覆い隠すかが相場だと思うのだが。
何故、電話の向こうの和はこんなにもあっさりと認めたのか。
そもそも隠れて集めていたのだから見つかったら焦る筈である。
もしや。いや、もしかしなくても──

「……そういえば和、ゼロがやっぱり不便だって言ってたけど」

相手が何処までこちらの事を知っているかは知らない。
が、少なくとも今の状態ではスピーカーの向こうの人物が和とは到底思えない。
うまく炙り出せるかは知らないが、おまけで釘を刺しておこう。

469名無しのカウンセリングだべ:2017/06/06(火) 12:30:13 ID:CTBFSDR60
>>468

『───────』

『慣れるように言って』

プツン
最後の最後でゼロへの容赦ない発言が繰り出されると
電話の電源が切れた

今のはどうだろう、言葉の内容はゼロに言いそうだし、
その後すぐ切るのは本人もやりかねない

「…………十中八九、なりすましだとは思うけどね」

そんな心情を察して、苦笑いを浮かべるマスター
今しがた切れた電話を持つ

「さっき和が事件に巻き込まれたっていうのは聞いたよね? その時どうも携帯を落としてしまったらしいんだ」
「それなのにこうして電話がかかってくるのは2度目だよ……… ワサビ君、録音一緒に聞いてくれるかい?」
「ん、あいあいさーっス!」
「絵楠君、來咲君に電話してもらえるかい? 今どこにいるかと、和が電話してないかをね」

470名無しのカウンセリングだべ:2017/06/06(火) 23:37:22 ID:8iF0F0cg0
>>465
「……なんだかすごいことになっていますね。
しかし、これであんなニュースが流れていてもほとんどの人が無反応な理由が分かりました。
融合、とはまた大きく出たものです」

「傍迷惑なものですね。今日みたいな二次被害も増えてくるでしょう。
典型的なカルト集団が、本物の力を手に入れたとか、洒落になりません。下手な犯罪集団より手に負えないです。
それより手に負えないのがアレイスターさん、なのでしょうが」

「本物の力を手に入れたどころか、
あの男性の話によるなら異世界の集団が核となっているのでは」

そこまで話して、翔が息をついた。
もうそろそろ和の家に着くころであろうが、二人ともあの男性から、和に告げるように言われた言葉は話していない。
片方は完全に気を使い、もう片方はマスターには一応通しておこうぐらいの気持ちではいる。

471名無しのカウンセリングだべ:2017/06/06(火) 23:53:59 ID:4B4lXlLI0
>>470
「………カルト集団、暴行、聖女………」
「……どれも神守町にも夕闇町にも、馴染みが薄い 規模が小さかった集団として存在していた……」

「……自分たちに害成す者を『治療』するなら、『聖女』も元々は外部の……」

何かを考えるというよりも、思い出すように頭を動かし、
無意識に右手を動かし顔をしかめる

それからそう時間が経たずとも、烏屋が指定した住所近く……
古い町並みと同じくらい、古く、ボロい、なんだか幽霊の一人や二人出てきそうなボロアパートが見えてきた
昔のドラマで見たことがあるかもしれない、部屋に風呂がついていなさそうなレベルの古アパート

「ごめんなさい、すぐに着替えてくる」

そう断りを入れ、烏屋が車から降りるとアパートの一室へと入っていった
……・見れば見るほど幽霊が出そうな、妙な霊気を感じるのは気のせいか
「」

472名無しのカウンセリングだべ:2017/06/07(水) 01:16:42 ID:H679hrsc0
>>469
「……ビンゴ」

向こうとしては一瞬の焦りこそあったものの、その場を切り抜けたと解釈するだろう。
しかし絵楠側からすればそうでもない。そもそも絵楠は、ゼロが和に「ブレスレットを付けてくれ」と頼み込んだことまでは知らないのだ。
確かに本人の言いそうなことでこそあるが、本人ならばため息をつきながら「知っていたのね」と前に付けるのではないだろうか。
個人的な観点でこそないが、この和は間違いなく──

「マスターの懸念、当たりみたいですね」

やはりマスターも同じように思っていたようだ。
しかも聞いた話が正しいのなら、和は電話など出来ないはずである──
これで先程の電話がなりすましと確定したか。

「分かりました、今から電話しますね」

>>470
「──もしもし、瑠奈。今どこにいる?あと、和は一緒か?」

即座に電話を繋ぐと、マスターの方をチラリと向いてから──
聞くように頼まれたことを、瑠奈に向けて言った。


>>467
『ガシャット!キメワザ!』
『ジェット!クリティカルストライクッ!!』
「ぶっ飛びやがれ!」

トドメを任されたスナイプは必殺技の体勢に入ると空中で静止。
ガトリングに溜め込まれたエネルギーを一気に解き放ち、怪人達を殲滅した。

「……とっとと突入すっぞ」

473名無しのカウンセリングだべ:2017/06/07(水) 07:05:07 ID:bywp5M/c0
>>472
(2人とも空飛んでる………。俺だけ――いいや、俺は戦うことができないから……)

 地上でひとりぼっちとなった拓人はぼんやりと、空を飛び戦う2人を見ていた。
 咲野はふわりと地上に降りて、拓人の腕を掴むと大我の後に続いて足を進める。

「さぁ、行こう! さてさて、どんなものが待ち受けているのかな!」

 拓人は、ただ、付いていく。咲野の側から離れないように。
 咲野の力の源は電力ではなく、魔力でもなく、人が持つ輝き――。人ではない咲野は、輝きを自ら生み出すことができない。それ故に、輝きが近くにいなければ全力を出すことができない。
 だから、付いていく。電源として。諦めずに――。
 そう、諦めずに。夜の廃校が怖くても、恐怖で足が竦んでも、無理やり足を動かして。

(……俺にも、戦う力があれば……。見ているだけというのは、心苦しいな……)

474名無しのカウンセリングだべ:2017/06/07(水) 19:24:40 ID:XiCX98Bk0
>>471
「はい、ここで待ってますね」

アパートへと向かう和の背中を見たあとに、翔はアパートを見上げた。

「……すごいところに住んでいますね」

「あまり詮索するもんじゃないよ」

「分かってます」

翔は助手席に座り直す。
そして、今まで車内で語られていたことを頭の中で反芻させた。

「世界の融合を企む者に、暴力的エクソシスト、その他にも、単体で暴れる人や生き物もいる……ですか。
……本当に、また厄介なことに巻き込まれて」

「巻き込まれに行った記憶はあまりないんですがねえ。
前に言ったとおり、今回はバックアップのみのつもりですし」

「つもりになりますかね」

そこで、瑠奈の携帯電話が震えた。着信が来たのだ。
マスターか和同警部からだろうか、と端末を取り出した瑠奈が、一瞬動きを止めた。

「…………誰これ」

携帯電話の画面に映った番号を見て、呟く瑠奈。
エクスはマスターに教えてもらったのかもしれないが、瑠奈はエクスの連絡先を知らないのだ。
瑠奈の言葉に翔が画面を覗き込み、姉の顔を見た。

「……電話といえば、烏屋さんの件もありますし、出ない方が」

「いや、何か情報が得られるかも……イタズラだったらパスするかも」

「パスする前に切ってくれませんか?」

翔の言葉をスルーして、瑠奈は電話口に耳を傾けた。


>>472
「…………」

「…………どちらさまでしょうか。
出身の世界から言っていただけると……」

見知らぬ番号であり、名乗りの口上もないため数秒無言で返されたが、
口調や尋ねている内容的にもエクスであることは察した瑠奈。
しかし、電話を用いて和に成りすました者や、エクスのドッペルゲンガーたち――しかも、内一人は敵方である――のことも考えてそう告げた。
それにしてはもうちょっと言い様がなかったかとは感じるだろうが、
オレオレ詐欺のように先に名前を聞き返して成りすまされるケースを防止するために考えた結果である。

475マスター「君達同期で同じ町に10年近く住んでるんだよね……?」:2017/06/07(水) 20:42:52 ID:.d3PqMhY0
>>472 >>474
瑠奈や絵楠と違い、童守学園を学歴にそのまんま載せた場合のサンプルとして現実世界の学校に通っているらしいため、
ひょっとしたら学園が用意した物件で中は快適…… なのかも、しれない
中は快適で外はソコソコのバーと比べると底冷えするような不安を感じるが


「……絵楠君、名前 君同一人物が3人いるんだから」

「声だけ聞いたら誰が誰かわかんないッス」

マスターの電話を取り囲み、録音のノイズ部分を何か聞いている横からツッコミが入る
何か、単なるノイズではなく何かが聞こえるらしい ひょっとしたらその様子や声も瑠奈や翔に聞こえるかもしれない

476絵楠「忘れてたよマジで…… あ、ちょっと介入するね」:2017/06/07(水) 23:19:37 ID:H679hrsc0
>>474-475
「あ、悪い。……神守町の山亘理絵楠だ、普通に名乗り忘れてたよ……」

何というか、ドッペルゲンガー──基、違う世界の自分がいることに慣れるのもいいことばかりではない。
平然と電話したつもりだったが、思えば名乗り忘れていではないか。
ちょっと気が抜けてしまったというべきか、信頼故のミスというべきか。

「それで、さっきの内容なんだけど──」

そこまで呟いて、絵楠が口を動かすのを止める。
何かに気づき、いや──何かの音を、聞き取った?

「……何の、音だ」

しかし、確かに絵楠には聞こえた。
少なくとも音は電話の向こうから響いていたと絵楠は感じたため、瑠奈達の方に何かいるのかもしれない。
マスター達にもほんの少し聞こえただろうか?その音、いや声は──
獣の咆哮のような声と、何かを引き裂くような音。

「瑠奈、何かいるかもしれない!周りに警戒、してくれ……!」


そこまで絵楠が言ったと同時に、空高くから地面へと何かが落下した。
姿形は怪人のようだが──少なくとも、まだこの世界では見ていないタイプの怪人。
やがて、怪人の体が膜で覆われたかと思うと、ドロドロにとけ──その場に、腕輪だけが残った。


>>473
「……どうやら、アレを使ってやがるみてぇだな」

手に持ったレーダーに記された反応を見て、苛立つ大我。
レーダーに映されたのは、バグスターウイルス──彼や永夢が根絶を目指している新種のウイルス。

「オメェら、気をつけろよ……バグスターウイルスに発症したら俺しか治せねぇ」

477名無しのカウンセリングだべ:2017/06/07(水) 23:58:07 ID:8iF0F0cg0
>>475-476
「ああ、やはり山亘理さんでしたか。
ご本人さまですね、安心致しました。
ええと、烏屋さんのこと、です、が……」

後から微かに聞こえてきたマスターの声もあり、エクス本人であることに安堵する。
そして、会話を続けようとしたところで、エクスの異変に気付く。

「……音、ですか。どこから……」

『上……来るよ』

人間よりも遥かに身体能力が高い故か、ジェットが天井を睨みながら声を上げた。
瞬間、近くに落ちてきた怪人に、人間二人は声を失う。

「……はい」

「…………はい。
ええと、烏屋さんのことでしたっけ?
今は一緒に夕闇町の警察署に向かうところでして」

(え、会話続けるの?)

平然と話を続けた姉をドン引きしつつも、翔は窓から怪人の様子を見る。
そして、車内から出来る限り空の様子を覗いた。
あの声の持ち主が怪人なのかどうかは分からないが、
怪人がこのようになった原因がまだいるかもしれない、と警戒しつつも。

478名無しのカウンセリングだべ:2017/06/08(木) 00:14:10 ID:4B4lXlLI0
>>476-477
「絵楠君?」
「ま、またなんかあったんッスか!?」

獣の咆哮が聞こえずとも、絵楠の慌てた様子に周りが何かが起きたのだと察した
マスターの携帯から離れ、絵楠の周囲に集まる一行 何が起きているのか、知りたいのだろう




「……『聖女』……『治療』………」
「………あの暴行を受け続けた、被害者が…… 恐らく、そう呼ばれるようになった」

「聖女と呼ばれるほど尊ばれる存在になった彼女が、カルト集団と仇なしていないということは…… もう、生きている可能性は少ない」

「……騒ぎになっていないということは…… 遺体もまだ、見つかっていないはず」

薄暗いアパートの中、一人思考を勧める
自分自身を殴った形跡はなかった、ということは『治療』が必要とする患者は外の人間のはずだ
……あんな人間が施す『治療』を、喜んで受ける人はいない

「……宗教としてのはっきりとした関わりは無くても」
「行方不明とか、そんな形で……形跡が残っているんだとしたら」

479名無しのカウンセリングだべ:2017/06/08(木) 06:52:11 ID:H679hrsc0
>>477-478
「(あの咆哮、何か引っかかるんだ)」
「(俺が知っている、何かの様な──)」

絵楠が電話の向こうで思案している、その最中。
怪人が先程までその場所に『あった』であろう痕跡が残っている腕輪の元に凄まじい速度で現れる、何か。
──地面に落ちた腕輪と同一のものを左腕に装着し、赤い複眼を光らせた、緑の戦士。
一目見て、『仮面ライダー』に該当するものだと分かるだろう。

「ウゥゥ………」

だが、獣の様に唸り声を上げているそれは果たして本当に『仮面ライダー』なのか。
ただの獣宛らのその姿を見たものからすれば、仮面ライダーとは言えないかもしれない。
少なくとも、先程の怪人を殺めたのは間違いなくこの獣だろう。

「……!ガルルァッ!」

しかし、獣は瑠奈達とは違う方向に何かの気配を察知したのか。
その場を凄まじいジャンプで離れ、夜の闇に消えていった。

「……何か、何か引っかかるんだ……」

一方の絵楠は、独り言をぼやいていた。
恐らく、獣の咆哮を何処かで聞いたことがあるのだろう。自身の知るものよりは幾分音が高いが。

480名無しのカウンセリングだべ:2017/06/08(木) 09:54:01 ID:bywp5M/c0
>>476
「ウイルス!? 怖そうだな」
「私はウイルスとか大丈夫だけど……」

 咲野は人間ではないためバグスターウイルスには感染しないが、拓人は別だ。右目以外は普通の人間と変わらない。

(ただでさえ戦えないんだ。足手まといに、ならないように……)

 無意識に、黄金色の右目を覆うように強く押さえて。
 そんな拓人を咲野は心配そうに見る。

「安心して? 治せる人いるんだし、大丈夫だよ。私はウイルスとかよくわかんないから、お医者さんに任せるね!」

 大我に向かって笑顔でウインクをする咲野。その視線に、黄金瞳を持つ拓人に何かあったらただでは済ませないという想いも込めながら。

481名無しのカウンセリングだべ:2017/06/08(木) 18:55:02 ID:oSJUDPQc0
>>479
「…………」

「……黙ってしまわれた」

「……そりゃあ、騒ぎをスルーして報告続けようとしたからでは」

「ええ……なんなんだ……」

スマホを少し耳から離し、瑠奈も車外を見た。
そこには既に何もいない、その獣も去った後である。
まだ何か落ちているのかもしれないが、電話を繋げており、相手方が何やら考え込んでいる今、変に物音を立てるようなことをする気はない。

「……なんで昨日の今日で私は空からの落下体を見なくてはならないのでしょう」

「まあ、車に当たらなかっただけ幸いでしたね、としか」

「当たってたらさっきの人か、アレイスターさんに修理代請求してました」

「さっきの方は果たして人だったのでしょうか……。
そして飛び火するアレイスターさん」

「元凶っぽいらしいですし、少しは、ね。
さて、そろそろ思考が戻ってくる頃でしょうか。
もしもし、山亘理さん、大丈夫ですか」

翔との会話を中断して、瑠奈は山亘理へと再び話しかけた。

482名無しのカウンセリングだべ:2017/06/08(木) 20:30:44 ID:YhKRplFY0
>>479 >>481
すっかり黙りこくってしまった電話からで、マスターが絵楠を現実に引き戻そうとする声が聞こえ
今までの説明を始める絵楠
2度目の電話があったこと、
それが瑠奈達の行動と一致していること、
探りを入れてみるとほぼ偽者らしいこと
そしてノイズ混じりの、録音を聞かされた

「電話越しで申し訳ないけれど…… この時近くにいたかい?」

和一人の声しか聞こえなかった、
確か車から降りる直前まで話していたはずである
電話がかかってきたのはその前後、アパートに入ってすぐかけたとしてもタイミングとしては遅い

483名無しのカウンセリングだべ:2017/06/09(金) 17:21:40 ID:5waeUtdM0
>>480
「最も、そう簡単に発症するモンじゃねぇ……頭の片隅にでも入れときゃいい」

そう呟いた後、見張りの戦闘員を一人気絶させる大我。
経験値が違うと言ったところか、手馴れた様子だ。

「テメェらが関わる理由はねぇと思ったが」

その後、二人を見て一言呟く。

「……そうも言ってられねェか」

先程の戦闘を共にしたため、大我にも何となく察しはついた。
同じだ。レジスタンスと名乗り、この現状を打開しようとする者達──
彼等と今共にいる二人は、本質的に。

「……まぁいいか。いいかテメェら、無理はすんなよ」


>>481-482
「……あ、あぁ 悪い……ちょっと考え込んでた」

瑠奈と声ですら遠くに聞こえていたのか、マスターの声でふと我に返る絵楠。
瑠奈に詳細を説明すると、マスターの流した録音を自分も改めて確認する。
やはり、成りすましの可能性は高いだろう。

「(しかし、あの咆哮は……)」
「(後で瑠奈に、もしも姿が確認出来たのならどんな特徴をしていたか聞いておくか)」

484名無しのカウンセリングだべ:2017/06/09(金) 23:28:46 ID:8iF0F0cg0
>>482-483
「……山亘理さんから電話が来る1、2分前から、烏屋さんはご自分の家に寄ると一時的に別れています。
その間なら、まあ、できないことはないとは思いますが……。
それより前で、病院からマスターに連絡した後となると、
彼女は、電話をしていません。
携帯電話を持っていませんですしね」

アパート内に更なる予備があるなら話は別になるが、
しかし、和は成り済まされた事実を知っているのだから、その場合、電話の最初に予備端末を使っている旨を告げるだろう。
十中八九、否、ほぼ百パーセント成り済ましである。

「しかし、警察署へ向かう最中であることを……ある程度はこちらの行動を把握しているようですが、目的が見えませんね。
他の人物と行動しているならば、そこから携帯電話が手元にないことが判明する可能性が高いことは分かるでしょう。実際に知らせましたし」

「それでも、未だに相手が成り済ましをしている理由……
話を合わせているだけで同行者や周辺の行動は把握していないのか、
誘い出すかなにかをしようという魂胆か……」

そこまで話してから、小さく息をつく。
結局は推測の域から脱せないものだ。あれこれと、しかも電話上で言っても仕方のないことであるし、向こうも困ることだろう。

「すみません……長々と。
この先は、実際にお会いして話した方がいいかもしれませんね。
烏屋さんにも、確認いただきたいですし」

485名無しのカウンセリングだべ:2017/06/10(土) 14:56:39 ID:84xi7Dfc0
>>483-484
「いや、僕らの方も色々考えをまとめたかったしちょうどいい」
「なんにせよ気をつけてね、相手がどうであれ君達の動向を知っているのは間違いないようだから」

最初のなりすましから、本人がどこで何をしているかは掴めている、それだけは違いないのだ
前回はそれが元で救出に迎えたのだが、今回はどうなのだろうか
危機に瀕しているわけでもなければ、困っているわけでもない ……はず

電話での用件は、ひとまずこれで済んだだろう
このまま電話を切ってもいいの、かもしれない───

「ごめんなさい、少し遅く………」
「…………何かあったの?」

話が終わったタイミングで和が戻り、電話の向こうにもその声が聞こえた
無難な格好を選んだようだ、学校の制服に着替え
手にはやけに太い青色のファイルを持っている
身を寄せ合い電話で会話している瑠奈と翔から何かあったことを察したのか怪訝な表情を見せる

486名無しのカウンセリングだべ:2017/06/10(土) 21:41:28 ID:8iF0F0cg0
>>485
「おかえりなさい、烏屋さん。
ええ、少しね」

帰ってきた和の姿が無事そうであることを振り向いて確認する。
そのあと、ああ、と声を出した。

「……ちょうどバーに電話も繋がっていることでしょうし、ここで最終確認を取りましょうか」

「烏屋さん、病院を出てから……アパートへと行った後等に、マスターに電話で連絡をいれましたか?」

瑠奈は電話を口元から少し離し、その内容が電話の向こう側にも聞こえやすいようにしながら、
和に、そう尋ねた。

487名無しのカウンセリングだべ:2017/06/10(土) 23:01:11 ID:4B4lXlLI0
>>486
「……いえ、伝える用件は病院で話したし、ここまで電話する暇なんてなかったから……」

貴方達を待たせるわけには行かないし―― と、最もな事をつぶやく
今は落ち着いているが、昨日今日と瑠奈に対し恐縮しぱなっしであるし、
何も電話なら署で向かう途中でも問題ないのだ、待たせるような真似をしないだろう

最終確認はとれた、やはりなりすまし………

「ところで和ちゃん、君が隠れて貯蔵してた物だけど勝手ながら没収させてもらったよ」

「え、一体どれの…………」
「…………待って、今の無し」

「………あぁ、うん この彼女は本物みたいだね。 しっかりと全部探し出すとしようか」

「カマかけるなんてひどいわよマスター……」

君が自爆したじゃないか、というマスターの声とともにこれで本当に最終確認が取れたのだろう
代わりに違う地雷を踏み抜いてしまったようだが

「………その電話番号、確か山亘理さんの物だったわね」
「バーにいるってことはこっちの事情も説明されているでしょうし、されてなかったら多分これからするわね?」

瑠奈の携帯の画面にうつる番号、そしてバーに電話が繋がっている言葉から絵楠がバーにいる事に勘付いた
車から降り、アパートに向かう道すがら考えていたこと、そしてヒントになるかもしれない事を ……そしてヒントになるかもしれない物を、提示する

「『治療』の末に悪いものを全て出して『聖女様』になった、 ……考えたくないけれど、あの集団が女性を暴行した末に、聖女となった。 そうでしょう?」
「けれどもそんな話聞いたこともない、この近隣の出来事なのに話にすら上がらない、表沙汰になっていない」

「……暴行を受けた女性が戻ってきた、そんな話も」
「結果の話が見つからないのなら、原因の話はどうかしら」

『あのカルト集団は自分達以外の存在を悪魔憑きと捉えている』 つまり、『治療』を受けた人間は得てして部外者なのだ
あの男もそうだったし、和も、そして新たに悪魔憑きと認定された瑠奈も、全員外の人間だった

何より、内部の人間同士で『治療』を行い続けたら内容が内容だけに、破滅するのだ
笑う人間も殴る人間もいなくなる

「この町近隣で起こった行方不明事件や家出人の方を当たる、そこから情報を得ることができるかもしれない」
「………訳あってそうした事件、調べていたからまとめた資料持ってきた」

と、手に持つ青いファイルを見せる
関係ない事件が大多数だろうが、関係のある事件が紛れ込んでいるかもしれないと

488名無しのカウンセリングだべ:2017/06/11(日) 01:17:26 ID:H679hrsc0
>>484-487
「ふむ……」

和の動きのおおまかな内容は、瑠奈のおかげで把握出来た。
しかし、成りすまし犯の動機は未だに掴めないでいるのは変わらない。
何故和に成りすましていたのか、本当に誘い出すためなのか愉快犯か──
考えていてもキリはないか。

「……今度は、本物の和みたいだな」

その最中に聞こえてきたマスターと和の会話を聞き取り、今度の和は本物であることが確定。
同時にほんの少しだけ、ホットしたようだ。

「成りすましは確定、おまけに奴等の動きも大枠は掴めたか……」

動き、というよりは動機と呼ぶべきか。
とにかく、これで『悪魔祓い』と『聖女』に関わる人々が同一であることは確認できただろう。
しかし、てっきり絵楠は聖女が悪魔祓い共に指示を出す・或いは崇拝される存在かと思っていたのだが──
話を聞く限り、相当惨いことをされていたようだ。挙句帰ってきたという話もない。

「……そうだ。悪い、瑠奈。さっきの話を蒸し返すようになるけど……」
「そっちで獣の咆哮がしただろ。その辺りに何か落ちていたりしないか?こう……そうだな、腕輪みたいなもの……とか」

一方の絵楠は、さり気なく瑠奈へと腕輪が辺りにないかを確認してくれと伝えた。
腕輪自体は先程の怪物の痕跡がある部分に落ちたままだが、怪人の体液の塊がべっとりと地面には付いたままだ。
むしろ、腕輪にあまり付いていないのが不思議なほど──
正直写真さえとれば問題は無いだろう。絵楠が何か知っている様子なので、写真を撮って送るくらいで大丈夫かもしれない。

489名無しのカウンセリングだべ:2017/06/11(日) 23:51:50 ID:8iF0F0cg0
>>487-488
「なるほど……その資料も、後ほどバーで検証致しましょう。
こちらの詳細の話も、まだ出来ていませんし。
……先ほどの異形との遭遇についても、合わせて、ね」

「……それで、えーと、落ちているものですか?
これ、降りないと確認できませんね。
お二人は車内で待っててください」

懐中電灯投げなきゃよかったな、と呟きながらも、翔と和を置いて車の外に出る。
ジェットは不安そうに見守るなか、問題の跡地へと近付く。
車自体は外灯の下に置いていたものの、そこは暗がりでよくは見えなかった。
が、近寄ったことで怪人が落ちた跡をはっきりと目撃し、顔をしかめた。

「う……あ、ありましたよ。
腕輪、ですね。
これ、どうしますか、持って行きましょうか」

触りたくないなと心の中で思いながらも、そう尋ねた。

490名無しのカウンセリングだべ:2017/06/12(月) 12:52:32 ID:ES7OBEv.0
>>488-489
「ええ、ここで話すには長くなりすぎる…… 電話だと見せられないもの」
「…………異形との遭遇?」

テレビ電話だと文字が小さすぎる、写真だと面倒くさい
とりあえず報告だけしておきたかったらしく、言い終えると車の中にファイルを置いた



「……………」
「子供の落し物、というわけではなさそうね」

車の中にいろ、と言われたにも関わらず
横からひょっこりと顔を出し、共に腕輪を見る

「……來咲さん、回収するなら私がやった方がいいと思うわよ」
「他の異世界生物みたいに体に何かが入ってくるのなら、既に取り憑かれてる私の方が対抗してくれるかもしれないし」
「何か妙な機能があるとしても ………多分『無効化』できるはず」

チラリと、翔を見る
病院内であの催眠ガスの中一人だけ無防備でも影響を受けていなかった時のことを言いたいのだろう

491名無しのカウンセリングだべ:2017/06/12(月) 21:02:04 ID:bywp5M/c0
>>483
 経験の差。咲野の場合は――とある《結社》の構成員であったが、雷電の身となって正義の味方になった今は見る影もない。
 正義の味方だからという理由で昔のような事はしなくなった。例えば、昔は奇襲が得意だったが、今は正面突破一択。赫眼の力も今では全く使用しない。だが、雷電の身となってから1ヶ月も経っていないため、未だ不慣れな様子。
 拓人は言わずもがな。

 そして大我に無理をするなと言われて咲野はそれにうんうんと頷く。

「そうだよ。無理は良くないよ、たっくん」
「え? お、俺? 咲野もじゃなくて? 俺は別に無理なんて――」
「してるよ。戦えないくせにここまで付いて来て。ばかじゃないの?」
「……やっぱり、邪魔か?」
「違うよ。そうじゃなくて――」

 咲野は1秒にも満たない間に考えた後、拓人をじっと見据えて続ける。

「――おまえの右目はアザトースの残滓、そして私はニャルラトテップと同じ瞳。運命的な関係だね? おまえがあるじで、私が代行者。おまえが戦えないのなら、私がおまえに代わって戦おう。輝きを忘れぬ限り、私は、おまえの武器で在ろう」
「……そんな、咲野を武器だなんて思うことはできない」
「それじゃあ守られていて? 騎士に守られる姫のように」
「俺が姫? いやいやいや。ないないそれはない」

 否定する拓人をおまえにはその2択しかないと言わんばかりに無視して、大我の方に近づく。

「面白そうだったから首をっつこんでみたんだけど、何をすればいいの? 敵をボコボコにするのは任せて!」

 戦力的に、今のところは2人で1つという認識でいいだろう。雷電の力に慣れていない、といっても威力は絶大。敵を正面から倒すなら役に立つだろう。

492名無しのカウンセリングだべ:2017/06/13(火) 07:10:26 ID:H679hrsc0
>>489-490
「……もしや……瑠奈、余りにも触りたくなかったら、写真だけでも充分だ。俺の仮説が正しいとしたら、今となっては何の効力もないはず」

瑠奈の反応もごもっともだろう。絵楠も現物を実際に見た訳では無いが声の感じで何となく察しはついた。
そもそも先程まで居たと思われる怪人の体液がそこには残っているのだ。触りたくなくとも無理はない。
ここで和が出てきたのは、ある種運が良かったか。

と、いうことで拾った腕輪を少し見てみることにする。
青や赤に点滅している光、腕輪の内側に付いている大量の針。
そして僅かに香る、薬品の香り──

「……なぁ、今からそっちに出向いてもいいか?」
「腕輪を回収してそのまま如月ジャーナルに向かっておこうと思う」

そんな折、絵楠から飛び出す発言。
行動力の高さはさすが彼といったところか──
しかし、そんな時間があるのかどうかが一番の問題である。
既に夜なのだ、安易にうごかないほうがかいいのだが。

>>491
「アザトース?ニャルラトホテプ?」

──あいつが何言ってんのか時々わかんねぇ
博美にこびり付いた単語。
それはまだいいのだが、この拠点の意味は何なの大我の人からいいのな人はない。

493名無しのカウンセリングだべ:2017/06/13(火) 11:00:01 ID:t8ul/ZWo0
>>491
「アザトース?ニャル……何なんだ、そりゃ」

──こいつが何言ってんのか、時々全然わかんねェ
今まで受け持った患者の中にもそのような単語を言っていた患者はいたご、アレはゲームのキャラではないのか?
もしかすると、ソイツらは本当に存在するのか──?
等と考えていても埒が明かない。この拠点がある意味が大我には分からないが、バグスターウイルスが絡んでいる以上関わらないわけにも行かない。

「あぁ、派手に奴等をブッ飛ばしておけばそれでいい。バグスターウイルスの方は俺がブッ倒す」

一応、二人の力でもバグスターウイルスを倒せなくはないと思われる。
が、まだ力の制御が完全に出来ているか分からない以上は派手に場を荒らしてもらうのが一番好都合だ。
そんなことを言っている間に、拠点の中枢と思われる部屋の扉に辿り着いた三人。

「さぁて……ミッション、開始」
「!?何だ……!?」
「狼狽えるな。来ると思っていたぞ、仮面ライダー」

大我はそう呟くと、扉を思い切り蹴破った。
中にいる怪人達は当然焦るが、その中の一人──恐らくここの拠点を任されているであろう幹部、赤色で頭や肩の特記が特徴的なスタイルの『ゲノムス』が怪人達を静止し、静かに佇む。

「テメェら、行くぞ……第弐戦術」
『バンバァンシューティング!』
「変身!」

ゲノムスを見据え、ガシャットを起動する大我。
同時に怪人達もこちらを標的に捉え、一斉になだれ込む──!

494名無しのカウンセリングだべ:2017/06/13(火) 12:44:56 ID:LYqv/Yi.0
>>492
「……………」

瑠奈の手が触れないうちに腕輪を回収すると、
これ以上1秒たりとも触れたくないとばかりにビニール袋に突っ込み口を結ぶ
この腕輪をつけた人間に何かしら薬品を注入するもの、だろう恐らく

「…………それなら警察署で合流するのはどう?」
「ここで待ってたら他の人が来るかもしれないし、全員一気に事情聴取されるとも思わないし…………」

昨日今日で、外を出歩く怪人の数は減ったが
どうも瑠奈達が遭遇したことを考えると、外では待ちたくない
何より待つ時間が勿体無いのだ

495名無しのカウンセリングだべ:2017/06/13(火) 12:51:32 ID:kyDgG6KU0
>>490-492
「烏屋さん……もう、本調子ではないのですし、あまり無茶をしてはいけませんからね」

始めは和を咎めるようには見ていたけれど、口調は厳しいものでも責めるものでもない。
すぐに、まったく仕方ないなあとでも言いたげに目線を和らげた。
そもそもの車が近くにあるし、ジェットが開いたドアから半身出ているし、とりあえずは大丈夫だろうと判断したのもある。

「……この腕輪、先ほど怪人らしき方が落としたものなのですよね。
落としたといっても、あの世から干渉してくる手立てがない限り、本人が取り返しに来ることはないと思いますが」

「効力がないというなら私が持っても大丈夫そうですが……トングかなんかを車に入れてきていればよかった」

年下に変に気を使わせるまいと、腕輪を持ち上げた。
さすがに素手ではなく、ハンカチを用いてではあるが。

「それで……山亘理さんがこちらにきて、ということは、
こちらがバーに赴いてからでは遅い、ということでしょうか」

「情報共有も兼ねてどこか一ヶ所に集まりたかったのですが……」

戦力の要となるエクスには、なるべく早く情報を渡しておきたい。
しかし、夜である今、営業時間内に当たるマスターは動けないだろうし、だからといい、和が大きく関わり、異世界の者たちを保護している彼に今回のことを共有しない選択肢はない。
まあ、いつぞやのように、モニターかなにかで通信を繋いでおけばできるだろうが。

496名無しのカウンセリングだべ:2017/06/13(火) 12:52:32 ID:kyDgG6KU0
リロードしない民再発動
>>495はなかったことでお願いします

497名無しのカウンセリングだべ:2017/06/13(火) 23:24:52 ID:8iF0F0cg0
>>492,>>494
「ここで合流を待つのは私も避けたいところです。
ここは住宅街ですし、夜とはいえ、人目もあるでしょう。
それに……先ほどの方がいつ戻ってくるやも分かりませんし」

ハンカチで取ろうとした瞬間の和の早業に少し目を見張りながらも、エクスに伝える。
もう日が暮れており、未成年もいることだ。警察署での調書も、今日の内は簡単なものになるだろう。もしかしたら、あの組織が容疑者や被害者に関して手を回したことにより、通常よりも短いものになる可能性もある。
エクスがこちらに来ている間に、調書も終わるかもしれない。

「なるべくなら、一ヶ所に集まって情報共有したかったのですが……難しそうですかね」

相変わらずの根性さに少々呆れながらも呟いた。
若干、朝から東奔西走しているエクスの疲労度がどのくらいか心配な声色もあるが。

498名無しのカウンセリングだべ:2017/06/14(水) 00:54:17 ID:H679hrsc0
>>494-497
「確かに、な。一箇所で集まった方が俺もやりやすい」

そう言いながら、以前エイラから受け取った通信機に目を見やる絵楠。
腕輪を受け取った後、即座にエイラに詳細を伝えるためだろう。
現物を渡しておけば、絵楠としてもこの腕輪に関わる出来事を捜索しやすくなる。

「今の所、俺はまだバーから出ていないよ。そっちの指定した場所に向かうさ」

和と瑠奈に向かい、そう伝えておいた。
腕輪のことが気になることは確かだが、こちらにはバイクもある。
それに二人には早くその場を後にしておいてもらいたいのだ。

499名無しのカウンセリングだべ:2017/06/14(水) 14:25:46 ID:bywp5M/c0
>>493
「そ、それは、気にしないで。……うん。忘れていいことだ。アザトースと黒の王――ああ、えっと、ニャルラトテップのおとぎ話は、この世界の人には関係ないからね。もちろん、黄金瞳が顕現してしまったたっくんを除いて」

 大我も近くにいて、聞こえているということを忘れて、語ってしまった事を恥じて赤面する。
 一方、拓人はその言葉に驚いた様子で。その言葉は、まるで、自分がこの世界のひとではないと言っているようだった。本当にそうなのか、聞こうとしたが――。
 この拠点の中枢と思われる部屋の扉にたどり着く。
 あとで聞けばいいか、と拓人は思って。
 扉が開かれる前に、解析は終わっていた。その部屋に何が在るのか。怪人が、どれくらいいるのか。故に、少し離れたところで立ち止まる。

 さあ、ここからは戦いが始まる。
 咲野はすぐさま機械帯を起動させ、雷の輝きを放つ。

「正義の味方らしく名乗りを上げようか! ん、そんな暇ない? それじゃあ、手短に。――刮目せよ! 我が身、我が力、雷電なれば! ――さあ、どうかご笑覧あれ――」

 要望通り、派手に。派手に。

「痺れるぞ。耐えてみろ」

 雷鳴、響いて――
 辺りが、閃光で白に染まり――
 そして、雷電の衝撃。

 ――亜光速移動。
 倒れていない怪人を、雷電を纏わせた拳でぶっ飛ばす。

「さあ、来い、雑魚共! 輝きがある限り、私は、無限に戦えるのだから」

 スナイプがゲノムスと一対一で戦えるように。怪人達を引き付ける。

500名無しのカウンセリングだべ:2017/06/14(水) 19:31:08 ID:4B4lXlLI0
>>497-498
「……ここでどこで合流するか話し合っては本末転倒、強引だけど決めさせて貰うわ」
「山亘理さん、神守町の警察署までお願い。 そこで合流しましょう 本格的な話し合いができなくとも、軽い情報共有だけでもできるはずよ」

このまま話し続けていると、恐れている事態が起きるかもしれないと、一番年下のくせにきっぱり決める
マスターからは私が伝えておくから、と言いながら車の中に戻り、腕輪をファイルの開いているページに入れた

ネックなのが、取り調べがどれほどかかるかということ、どれほどかからないということ
早く終わっても遅く終わっても面倒なことになる、署についた前後で合流できると良いが

501名無しのカウンセリングだべ:2017/06/16(金) 12:29:09 ID:..f6DugY0
(署に行く途中でやりたいイベントがなかったことを祈りつつ)



電話を終え、絵楠が向かう場所、そして元々の目的地である警察署にたどり着いた
昨日から続く騒動のせいか慌ただしく警官が出入りし、病院の時とは打って変わり辺りに緊張感が漂っていた
………病院の方は能力のせいもあるだろうが

「…………さすがにまだ着いていないわね、私たちの方が近かったし」

車から降り、辺りを見回すも絵楠の影はまだない
ここなら他の人が多いし、怪人怪物もここを狙うような命知らずな真似はしないだろう、
まだ事件が始まった序盤の頃は

502名無しのカウンセリングだべ:2017/06/16(金) 21:01:40 ID:K4cY5mas0
ちと忙しかったゾ……

>499
「どうやらサシでやり合うしかなさそうだな……」
「フン、私に勝てるかな?」
「ケッ、吠え面かかせてやる」

互いに煽りあったと同時に、ゲノムスは光弾、スナイプはガシャコンマグナムからエネルギー弾を同時に発射。
どちらも相手には当たらず地面をかすめ取ったが、すぐさま肉弾戦へと移行。
ゲノムスの強烈な蹴りを受け止め、スナイプもまた肘鉄を喰らわせるが、それは避けられる。
一歩下がった後に再びガシャコンマグナムを四方八方に発砲したがゲノムスに弾き飛ばされ、逆に光弾の嵐を見舞われた。

「チィッ、手強い野郎だ……だが」
「……むッ!?」

光弾の嵐が止むのと同時に、天井に吊るされていた蛍光灯がゲノムス目掛け落下した。
どうやら先ほどの発砲はただやたらめったらと行なったわけではないらしい。

「テメェら、そっちは任せたぞ」

雑魚散らしを受け持ってくれた二人にそう告げると、スナイプは一際大きなガシャットを取り出す。
二人は知らないだろうが、それは飛彩が持っているはずのギアデュアルβであった。


>500-501
「あぁ、了解した。そっちに向かうよ」

和に指定されたポイントまでの道を思い出しながら、絵楠はライドベンダーの元へと向かう。
時間はさほどかからない。伊達にバイクには乗っていない。
つもりだが、流石に向こうに比べるとかかる時間が多いことには多いが。


「お待たせ、悪いな……少し遅れた」

和が車から降りて数十分後、ライドベンダーを駆った絵楠が警察署へと辿り着いた。
今日だけでもかなりの距離を走ったり、戦闘をこなしたりしているのだが、あまり疲労は溜まっていないようだ。
遊園地での戦闘がほぼ一方的なことと、バーにいた時間のおかげだろう。

503名無しのカウンセリングだべ:2017/07/02(日) 13:21:57 ID:bywp5M/c0
>>502
 雷鳴と共に「イェーイ!」という声をあげながら敵をぶっ飛ばしていく咲野。
 その姿、楽しそうで。

(やること、ないな……)

 先ほどの話で言えば、騎士に守られる姫の状態なのだろう。だが、雑魚敵は咲野が、ゲノムスはスナイプが相手をしているため、敵はこちらに近づいてこない。
 しかし、何もしない、というのはやはり落ち着かなかった。

(……スナイプの方を観戦するか)

 咲野のあの様子を見て放っておいても大丈夫だと思い、そっと視線をそちらに向ける。
 そして――


――それは、誰かのメモリー。

 ネクストゲノム研究所。バグスターウイルスの感染者。4名が消滅。

――さあ、解析の時間だ。
――すべて、すべて、解析して――

(電脳世界……電子生命体? …………。――解析は終わった。もうこれを視る必要はない。……けれど――)

――忘れてしまえば、何の意味も、ない――


(白昼夢……? こんな時に?)

 それを見たのは刹那の出来事で、時間は1秒も経っていなかった。
 右目から涙が溢れないうちに急いで拭う。
 白昼夢、見た内容は全て忘れてしまって。

――ああ、全て忘れてしまうなんて。
――意味がない。意味がない。

 気付けば、スナイプがガシャットギアデュアルβを取り出していた。

(あれは……シミュレーションゲーマーレベル50に――いやいやいや、なんだ今の!? 知らないはずなのに何で知ってんだ俺!? ああ、これ黄金瞳のせいか!)

 自覚のない解析の異能に混乱するが、全て黄金瞳の所為にして。そしてまた、気付けない。

504名無しのカウンセリングだべ:2017/07/03(月) 19:41:55 ID:4B4lXlLI0
>>502
「………町内とはいえ、結構かかるのね……」

町の中心、からちょっと離れた場所にあるバー
思った以上に時間がかかった事に、少し選択ミス感が漂う

「そんなにかからない…… と思いたいけれど、その間にチェックできるかしら」
「同時に話し合いはできなくともある程度情報を共有することはできると思うけど……」

そう言って差し出されたのは、話に出ていた青色のファイル
別の事件を追っていた、らしい時に作成した誘拐事件を主軸に記録したものだ
……ここに本当に手がかりがあるかは眉唾ものだが

505名無しのカウンセリングだべ:2017/07/08(土) 09:22:02 ID:H679hrsc0
>>503
『ガシャット!デュアルアップ!』
『スクランブルだ!出撃発進!バンバンシミュレーションズ!発進!』

拓人の思案や解析も、大我は何も知らない。
故に気に留めることもなく、即座にドライバーを起動。
飛来したシミュレーションゲーマを装着し、スナイプレベル50へと変身を果たす。

「その姿は……そうか、それがレベル50とやらか」
「チッ、そんなとこまで調べてやがんのか……まぁいい、速攻でカタを付けてやる!」

スナイプは宣言と共に機関砲を発射し、ゲノムスや周りの怪人を迎撃。
ゲノムスは光弾を放ち対抗するが、火力は明らかに機関砲の方が強力。

「ッ……この火力……!」
「舐めんじゃねェぞ、こんなもんじゃ済まねぇんだよ!」


>>504
「あぁ、すまん」

ファイルを受け取り、パラパラと捲る。
様々な記録を眺め、少しずつ頭に入れていく絵楠。

「……あ、そうだ。腕輪、持ってるか?」

その中で、腕輪に関して聞いておく。
スマフォの検索歴に、既に腕輪に関してのものが入力してあるようだった。

506名無しのカウンセリングだべ:2017/07/11(火) 10:55:57 ID:bywp5M/c0
>>505
「おお、すごい……」

 まるでヒーローショーを観る子供のように。
 まるでテレビを観ているかのように。
 これは現実だが、非現実のように観る拓人。非日常に巻き込まれてからそれほど経っていないため、未だに怪人との戦いを見るのは慣れていない様子。

「おいおい、私には感想とか声援とかないのか!?」
「……きみはいつまで遊んでいるんだ?」
「もちろん相手が死ぬまで。ちょっとくらい遊んだっていいでしょ?」
「駄目です。早く倒せ」
「――御意(イエス)。我が王(マイロード)、拓人」

 それは、絶対的な王の命令であるかのように。
 それは、命令を受けた騎士であるかのように。
 拓人の方へ跪く咲野。
 その光景に拓人は一歩下がる。ドン引きである。

「えっ!? いやいやいや、なっ、何それ……?」

 困惑している拓人を、いつものように無視して――

「輝きを持たぬ者よ。尊さを持たぬ哀れな者よ。お前の声は届かない――」

 ――迸るは黄金の輝き。
 ――黄金の、雷霆。

「残 念 だ っ た な !」

 その黄金の輝きに当たると、瞬く間に消滅する怪人達。
 あんなにいたのに、残るはスナイプと対峙しているゲノムスのみ。

「どうだ! 私だってやればできるよ!」
「えっ、ああ、すごいな……?」

 咲野はそれを聞いて、勝ち誇ったような表情をスナイプに向ける。

「けど、スナイプの方がすごくてかっこいいと思う。頑張れスナイプ……!」
「何……だと!?」


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