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書き込みテストスレ

203異形の森の名も無き使者:2014/03/31(月) 14:53:25 ID:6HVrp2HQ
500/9/17, Yerles

暗い林に、ゆらゆらと人魂の様な光が漂っている。
「父ちゃん、やぱ無理」
ことばじりに震えが混じる少年の肩へ
骨ばった大人の手が乗った。
「おいおい。言ってたろう?アレ位とっちめるって」

からかう口調を溜息でしめ、父上と呼ばれた男は
そろそろと輝く球体へ近付いてゆき、おもむろに
ジャンクの袋をかぶせた。
「知識と行動の二つがあればっと」
ぼんやり光る袋の口を握り、男は振り返る。

「ほらウィスプ提灯の出来上がり。綺麗なもんだろ」
さとす様にかざされた光へ、目尻の赤い小顔が浮かぶ。
「何だよ泣いてるのか、そんな怖かないだろ」
「そんなの見せんなバカ」
恥ずかしさからか、父の脚へ当たり散らし
来る時よりもちゃんとした足取りで、間違えた道とも知らず
走りだす少年。

その背へ男は頭を掻いた。
逃がされた光の玉が、暗い林から浮かぶ、月のように空へ。


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