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箱
59
:
名無しさま
:2008/07/06(日) 10:01:47
男は箱を持つてゐる。
大層大事さうに膝に乗せてゐる。
時折箱に話しかけたりする。
眠い目を擦り、いつたい何が入つてゐるのか見極めようとするが、
壼か花瓶でも入つてゐるのか。
何とも手頃な善い箱である。
男は時折笑つたりもする。
如何にも眠かつた。
「ほう」
箱の中から聲がした。
鈴でも轄がすやうな女の聲だつた。
「聴こえましたか」
男が云つた。蓄音機の剛吠から出るやうな聲だ。
うんとも否とも答へなかつた。夢の績きが浮かんだからだ。
「誰にも云はないでくださいまし」
男はさう云ふと箱の蓋を持ち上げ、こちらに向けて中を見せた。
箱の中には縞麗な娘がぴつたり入つてゐた。
日本人形のやうな顔だ。
勿論善く出來た人形に違ひない。
人形の胸から上だけが箱に入つてゐるのだらう。
何ともあどけない顔なので、つい微笑んでしまつた。
それを見ると箱の娘もにつこり笑つて、
「ほう、」
と云つた。
ああ、生きてゐる。
何だか酷く男が羨ましくなつてしまつた。
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