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動作テストスレッド
26
:
タカハシ
◆2yD2HI9qc.
:2009/03/23(月) 13:37:46
崖へ放たれた魔法が大きな網となりその一体を覆い隠し、ひゅんひゅんと音を立てながら見えない何かを剥ぎ取っていく。
テリーはその間物も言わずただ両手を挙げ集中している。
やがて青白がざあっと引き離された後に、居を構える探し続けた城が姿を現した。
洋風の複雑な出で立ちは見るものを圧倒しその不気味さはこの世の物とは思えない。
魔王に似つかわしい、邪悪な城だった。
「恐ろしいな……」
思わずこぼれる平凡な意見は、まったく当たり前だった。
正面には巨大な門が待ち構え、簡単には侵入出来そうにも無い。
さすがに少しばかり後ろへ下がりたくなったが、こうして現れた以上は進まなければならない。
終わりはもう、すぐ目の前にあるのだから。
テリーは詠唱を終え、少しばかり疲れていた。
肩を落とし安心しているようにも見える。
「ふぅ。この魔法はこれまで一回しか練習したことが無いんだ。
うまくいって良かったよ。これで俺の役目は終わりだな」
「何言ってるんだ。これから一緒に入って魔王を倒すんだよ」
「いいや。悪いがそれは出来そうも無いんだ」
そういうテリーの身体は、ぼんやりが更に薄くなり始めている。
ゆっくりと、それでも急速に透明な空気に混ざり込んでいくかのように。
「おい。嘘だろう。せっかく再会できたのに、これから一緒に戦うんだろう!」
「俺もそうしたいさ。だがどうやらこれが、俺の役目だったんだな。肉体がないのもそのためだろう。
ルビス様に頂いた最後の力ってのは、この事も含んでいたんだな。力も無くなりつつある……」
「待ってくれ! まだ話が!」
「会えて良かったよ…… 時が来ればまたその時に……──」
すぅーっと、青い凛とした色が消えてなくなる。
魔物の気配も音も匂いも無く、地鳴りのような大気の咆哮だけが身体を揺らす。
話したいことは山ほど在った。
聞きたいこともうんと在った。
だがもう、叶わない。
そうするべき相手は、この暗い空気と混ざって消えてしまったのだから。
結局、束の間の喜びはやはり束の間で、目の前を覆う忌々しい城と全ての元凶である魔王を打ち倒す事だけが、残っていた。
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