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ダンゲロス流血少女MM:生徒会応援スレ

96鬼姫計都/羅喉:2015/08/28(金) 21:25:47
最終戦前短編SS

【姉妹】

ここはリゾート施設『メロウズ』、既に日は陰り、宵闇に包まれた海辺を星空の照明が映し出す。
さざ波をBGMに、心地好い潮風が吹き抜ける。

日中はリゾート地と言うだけあり活気に満ちた砂浜も、今は夜と言うことで私を除けば誰も居ないし、とても静かなものだ。

そこへ――――――――――ザッ、ザッ、ザッと砂地を踏み締めこちらに向かってくる足音が一つ。

ザッ――ザッ―――ザッ――――――っと不意に足音が止まる。

「―――――義姉さん」
気配のする方を見遣ると、暗闇の中、微かな星明かりに照された鬼姫災禍が佇んでいた。

「呼ばれた様な気がしてな、散歩がてら来ちゃったよ」
「ここに来れば、義姉さんに会える気がしたんです」
「こうして顔合わせるのは何年ぶりだ?確か――――――――――」
「約3年ぶりかと――――――――――」
「そうか、そんなに経ってたか、時が過ぎるのは速いものだな(苦笑)」
「この3年、義姉さんを捜しながら剣の修行も積んで来ました、まさか、このような形で再会するとは夢にも想いませんでした」
「全くだ、まるで性質(たち)の悪い夢を見てるようだな――――――――――」
「口舌院五六八さんも仰ってましたが、『運命』なのかもしれません――――――――――」
「『運命』か――――――――――、何の因果が巡ったのやら、とんだ神様の悪戯ってやつかしら」

本当に神様と言う全知全能な存在が居るのなら、きっとそいつは性格が悪い陰険な奴なんだと思う。

「義姉さんは、何で妃芽薗に居るんですか?」
「ん、ちょっとね――――――――――絶対に殺しておきたい奴が居るんだよ」
「物騒な物言いですね、義姉さんにそこまで言わせる相手って――――――――――『転校生』、ですか?」
「そうね、転校生と言うかは解らないけど、それと同等かそれ以上の力を持った存在ね」
「なら、生徒会と番長陣営が力を合わせて立ち向かえば良いじゃないだすか!!」
「それは無理ね」
「どうして!!」
「私達は退くに引けない所まで来てしまったのよ、生徒会は私の仲間を殺した、私達番長陣営も生徒会のメンバーを殺しているわ」
「もう、手遅れなんですね――――――――――」
「――――――――――あぁ、手遅れだ」

本当に、性質(たち)の悪い神様の悪戯だ。
私はただ、義姉さんを捜しだして連れ戻す、それだけでここまで来たのに、まさか敵同士になるなんて。

「計都、戦いたくないなら逃げなさい、次に会った時は―――――――――本気で殺すから」

もう逃げられない、義姉さんには義姉さんの戦う理由が、私には私の戦う理由が有る。
ここで仲間を見棄てるのは鬼姫の名折れ、私は覚悟を決めた。

「災禍義姉さん!!」
「ん?」
「貴女を討ち取るのは私達です!!」
「おう!!」
「では、戦場で――――――――――」
「じゃあな、計都、羅喉―――――――――」

私達は別れた、次に会う時は――――――――――殺す。

「さよなら、災禍義姉さん」
「さよなら、私の大好きな妹達」

(完)


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