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ダンゲロス流血少女MM:生徒会応援スレ

58口舌院五六八:2015/08/11(火) 23:33:15
「まぁ、あれだ、どうせおまえさんのことだから『お兄様』絡みだろ」

ぴくりとも体は動かさずに、通訳の雰囲気が変わる。
静かに、それでいて深く大きく存在のみが膨れ上がる。

「お兄様がどうかしましたか?」
「おお、そんな怖い顔しなさんな、あたしは通訳の敵じゃねぇし……」
片手に持ったコップで口を潤し
「言語の敵でもねぇ」

五六八が嘘を付いている様子はないと思ったのか、緊張のレベルを引き下げる通訳。
口舌院同士で腹の探り合いをしてもしょうがないことはお互い十二分に知っていた。

「いきなりお兄様の話を振って来る意図が見えませんが……」
「んー、あたしから言ってもいいものかどうか分からんが」

卯月言語がこの学園の様子を伺っている……そう五六八は語った。

「結界広げてたら気づいたんだよ、最近ちょくちょく様子を探ってるっぽいぞ」
「……本当ですか?」

五六八の結界には、名前をある程度特定できる能力があることは通訳も知っていた。
だが、なぜお兄様が……私への連絡もよこさずに?

「言語の野郎は、なんだかんだ察しがいいからな……何か起きるかもしれねぇ」
「何かって……この学園でですか?」
「多分なー、でかい喧嘩になりゃ面白いんだが」
「冗談でも、そういう事は言わないでください……」

口舌院五六八にトラウマがあるように通訳にもトラウマはある。
真剣味を嗅ぎとった五六八は、それ以上茶化さなかった。

「ま、なんだ、何かあったら声かけろよ」
「……?」
「素直に受け取れよ、何かあったら味方してやるっていってんだよ」
「五六八さんが?」
「おう」

通訳はまず何かの罠かと疑った……口舌院五六八が味方になる
通訳と五六八は二つ違いである、幼稚園も小学校も同じである。
何の因果か中高すら同じ学校という悪夢。

確かに、味方についた五六八は心強い。
いじめを受けている人間を見かけると颯爽と間に入って
いじめの原因を物理的に取り除く。
だが、最終的に始まるのは五六八の暴力よる絶対的恐怖政治だ。
そして本人はそのことに気がついていない。
天然の問題児であった。

「今までお前さんを殴ってきた回数ぐらいは、お前さんの敵を殴ってやるぜ」
「それだと、この学校の全員を殴っても殴りたりませんよ」

二人の口舌院が席を立つ。
一人は、これから吹き荒れるであろう嵐に期待しながら
もう一人は、その嵐から皆を守る決意を秘めて。

嵐は刻々と近づいていた。        了


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