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ダンゲロス流血少女MM:生徒会応援スレ

51タイガービーナス(1st 千本桜 明菜):2015/08/11(火) 20:01:26
「いい? 私がこれから貴方を撃つ。 苦しいと思うけど、我慢して。」

「はい……!」

雨竜院 愛雨の笠からマカロフの銃弾が放たれる。
銃弾は美鳥を貫く、だがそこから流れるのは血ではなく、とても美しい輝きを放つ水。
その水分は天へと昇り、そして病室中に降り注ぐ、
それは美鳥の心が顕現した、とてもとても美しいシャワーであった。

(私はつい戻ってしまった……矢達メアの姿に……そして彼女の命を奪い、美鳥ちゃんに悲しい涙を流させてしまった……!)

脱水症状により衰弱しながらもタイガービーナスの復活を祈る美鳥を見つめながら、雨竜院 愛雨もまた懸命に己の能力『リフメア・サーキュレイション』を行使する、

(これはその償い……だから……目を覚まして!)

二人の少女の願いが静かに広がっていった――。

***********************************


「おや……どうやら影虎様を呼び戻そうとしてる方々がいらっしゃるようですね」

「これは……この輝きは……!」

突如、空間をまるで虹のような輝きが差し込んだ、
その虹は黄金の道となり、影虎の元へと向かう。

「その道を辿れば現世(うつしよ)へど戻れるかもしれません。影虎様にその意思があれば、ですが」

「この光は……美鳥?」

影虎は虹の向こうに美鳥の想いを確かに感じ取った。
その脚が徐々に光へと向かって動く。
しかし、その顔がふと天に浮かぶ明菜の顔へと向けられる。

(でも影虎にはあの人が……)

顔を曇らせ、逡巡する影虎。

「向かわないのですか? 貴方の大切な方のところへ?」

「…………」

雨月は、構わず問いかけを続ける。

「人間の情というのは不思議です。これ程想いが通じ、なお躊躇わせるものは何か。いかな探偵の推理力でも及ぶものではありませんね」

「私はあの人のように、美しい物を美鳥と共有できない……」

「美しさ、ですか……。ふむ、確かにあの少女は身も心も美しい。まるで立花(りっか)のようだ……」

「立花……?」

雨月もまた、天に浮かぶ明菜の姿へ目を向ける。
だが、一方の影虎は雨月の言葉にきょとんと何かを考え込んでいた。

「そう、刃を携えた立花……果たして彼女がどんな星座となるのか」

「刃……剣と立花……剣と……たちばな……」

影虎は顎に手を当ててぶつぶつと呟く。
しかし、やがてはっと思い浮かび、勢いよく顔を上げる!

「○風の橘……!!」

「…………………………………………………………………………はい?」

「そうよ、剣道といえば旋○の橘!!」

影虎は顔をきらきらと輝かせて天を向く。
雨月は、ただあっけにとられた表情でそんな影虎を見つめる。

「そうよ! 何も恐れることは無かったじゃない! 剣道と言ったら旋風の○だわ! 私はあの人よりももっと素晴らしいものを美鳥と共有できる!」

「そ、そうですか」

「ええ、ありがとう! 雨月星座! 私は大切なことを思い出せたわ!」

「それは何よりですね」

「こうしちゃいられない……私には戻ってやるべきことがある! 待ってて……美鳥!」

影虎は光の向こうに待つであろう美鳥の顔を思い浮かべる。
そして影虎はだっと駆け出し、勢いよく光の橋を渡っていった。
後には、取り残された雨月星座と、星々の輝きだけが残った。

「……やれやれ、やはり人の情というのは不思議だ」


――――奇跡的に一命を取り留めたタイガービーナスは一度喜んだ後、すぐに脱水症状で昏倒した美鳥を連れてすぐに病室を抜けた。未だ美しい雨が降り注ぐ中、雨竜院 愛雨はいつの間にか姿を消していた。
影虎の介抱で美鳥はすぐに元気を取り戻し、影虎から知らされたタイガービーナス復活の知らせに喜んだ後――、影虎がもたらした五冊の漫画本を読破して再び深い眠りに落ちたことは言うまでもないであろう。


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