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ダンゲロス流血少女MM:生徒会応援スレ

1流血少女GK:2015/08/01(土) 23:45:07
生徒会用

50タイガービーナス(1st 千本桜 明菜):2015/08/11(火) 20:01:01
※このSSの点数は雨竜院愛雨と雨月星座のプレーヤーに半分ずつ渡してください。

『タイガービーナス 復活篇』

<<前回までの大雑把な粗筋>>

虎十字団との激戦、転校生同士の激しいバトル合宿が続く日々に心身共に披露していたタイガービーナスこと、紅井影虎!
そんな彼女は偶然、剣道場にて親友紅井美鳥が剣道部部長、千本桜明菜(せんぼんざくら あきな)と急接近しているのを目撃してしまう!
精神的ショックと魔人不気味なイタミの能力の追い打ちによって魂が半分抜け出た状態となる!
そしてその状態のまま雨竜院愛雨と戦った彼女は……。

「タイガービーナスさんっ! しっかりしてください!」

ザ―……ザ―……ザ―……。
外には豪雨が降り注いでいた。
ここは妃芽薗学園の医療センター。
雨竜院愛雨と戦い、倒れたタイガービーナスはいかなる導きか、彼女の危機を察した紅井美鳥によって、ここに運び込まれていた。
だが、学園の優秀な医師団による懸命な治療も虚しく、彼女の心拍数は徐々に弱まり、既に停止寸前にまで陥っていた。

(美鳥の……声が聞こえる……)

生死の境を彷徨っていた紅井影虎は、その最中、彼女の大切な存在である紅井美鳥の声を聞く。
通常ならば生きる活力を取り戻しそうなものであるが、今は違っていた。
紅井影虎の脳裏にちらつく、千本桜明菜の影……。

(もういい、もう……)

彼女の生きる気力は次第に衰え、その意識はやがてこの世界から切り離されていく。
それは夢か現(うつつ)か幻か……。
彼女はいつの間にか、星々の輝きによって包まれた空間にいた。

「やれやれ、私を倒した方が真っ先に魂を抜かれてここに来てしまうとは、皮肉ですね……」

影虎の前に一人のセーラー服の少女が佇んでいる
闇夜に溶け込むような黒髪と星々の輝きにも負けぬほどの透き通る肌を持ったセーラー服の少女だ。

「貴方は! プリ、プリュ……プリヴぁ、プりブ……プりヴィヴィヴィヲーズ、星座(せいざ)!」

「プリュヴィオーズ、です。無理に言わなくても、日本語で雨月を自由に読んでもらって結構ですよ、紅井影虎さん」

「ご、ごめんなさい……。えっと、ここは一体何?」

「さて、どこでしょうか……。この世とあの世の狭間か、はたまた数多の並行世界の真ん中か……。いずれにしても肉の檻に囚われた者では来れないところです」

「私は……死んだの?」

「さて? でもそんな事を問うまでもなく、貴方は既に死んだような状態でしたけど?」

「……っ!」

「雨竜院愛雨と戦う前、貴方は既に魂が半分抜けていた。それは生前葬の儀を奏でられたためでもあるのでしょう。けど、何よりも貴方自身の魂の星が、既に輝きを亡くしていました……」

***********************************

ピー、ピー、ピー。

「タイガービーナスさんっ!」

妃芽薗学園の医療センター。
紅井美鳥の目の前で、今タイガービーナスの心音を示すグラフは今、完全に停止したことを示していた。
絶望に美鳥が顔を伏せた時、力強い声が彼女の後ろから響いた、

「諦めちゃダメッ!!」

美鳥が振り向くと、そこには眼鏡をかけ大きな傘を手に持った一人の少女がいた。

「貴方は……?」
「雨竜院愛雨(うりゅういん めう)……。それより、この娘はあなたの大切な人なんだよね?」
「は、はい……」
「なら、まだ助ける方法はあるよ! 貴方は、彼女のために自分が傷つく覚悟はある?」

***********************************

「これが、貴方の魂を蝕んでいた輝きですか」

雨月星座がパン、と手を鳴らすと、星々が照らす空に一人の少女が浮かぶ。
桜色の着物に身を包んだ、刀を持った少女。

「美しい少女ですね。人を惹きつける輝きに満ちています!」

「そう……美鳥の心はもう、彼女に……」

「強い輝きを持つ星の前に、小さな星はその輝きを消していく……。影虎様、今あなたの光は消えようとしています」

「…………」

「虎という星座は八十八の中にはありませんが……せめて私が貴方という星座の輝きをを手元に留めましょう」


***********************************

51タイガービーナス(1st 千本桜 明菜):2015/08/11(火) 20:01:26
「いい? 私がこれから貴方を撃つ。 苦しいと思うけど、我慢して。」

「はい……!」

雨竜院 愛雨の笠からマカロフの銃弾が放たれる。
銃弾は美鳥を貫く、だがそこから流れるのは血ではなく、とても美しい輝きを放つ水。
その水分は天へと昇り、そして病室中に降り注ぐ、
それは美鳥の心が顕現した、とてもとても美しいシャワーであった。

(私はつい戻ってしまった……矢達メアの姿に……そして彼女の命を奪い、美鳥ちゃんに悲しい涙を流させてしまった……!)

脱水症状により衰弱しながらもタイガービーナスの復活を祈る美鳥を見つめながら、雨竜院 愛雨もまた懸命に己の能力『リフメア・サーキュレイション』を行使する、

(これはその償い……だから……目を覚まして!)

二人の少女の願いが静かに広がっていった――。

***********************************


「おや……どうやら影虎様を呼び戻そうとしてる方々がいらっしゃるようですね」

「これは……この輝きは……!」

突如、空間をまるで虹のような輝きが差し込んだ、
その虹は黄金の道となり、影虎の元へと向かう。

「その道を辿れば現世(うつしよ)へど戻れるかもしれません。影虎様にその意思があれば、ですが」

「この光は……美鳥?」

影虎は虹の向こうに美鳥の想いを確かに感じ取った。
その脚が徐々に光へと向かって動く。
しかし、その顔がふと天に浮かぶ明菜の顔へと向けられる。

(でも影虎にはあの人が……)

顔を曇らせ、逡巡する影虎。

「向かわないのですか? 貴方の大切な方のところへ?」

「…………」

雨月は、構わず問いかけを続ける。

「人間の情というのは不思議です。これ程想いが通じ、なお躊躇わせるものは何か。いかな探偵の推理力でも及ぶものではありませんね」

「私はあの人のように、美しい物を美鳥と共有できない……」

「美しさ、ですか……。ふむ、確かにあの少女は身も心も美しい。まるで立花(りっか)のようだ……」

「立花……?」

雨月もまた、天に浮かぶ明菜の姿へ目を向ける。
だが、一方の影虎は雨月の言葉にきょとんと何かを考え込んでいた。

「そう、刃を携えた立花……果たして彼女がどんな星座となるのか」

「刃……剣と立花……剣と……たちばな……」

影虎は顎に手を当ててぶつぶつと呟く。
しかし、やがてはっと思い浮かび、勢いよく顔を上げる!

「○風の橘……!!」

「…………………………………………………………………………はい?」

「そうよ、剣道といえば旋○の橘!!」

影虎は顔をきらきらと輝かせて天を向く。
雨月は、ただあっけにとられた表情でそんな影虎を見つめる。

「そうよ! 何も恐れることは無かったじゃない! 剣道と言ったら旋風の○だわ! 私はあの人よりももっと素晴らしいものを美鳥と共有できる!」

「そ、そうですか」

「ええ、ありがとう! 雨月星座! 私は大切なことを思い出せたわ!」

「それは何よりですね」

「こうしちゃいられない……私には戻ってやるべきことがある! 待ってて……美鳥!」

影虎は光の向こうに待つであろう美鳥の顔を思い浮かべる。
そして影虎はだっと駆け出し、勢いよく光の橋を渡っていった。
後には、取り残された雨月星座と、星々の輝きだけが残った。

「……やれやれ、やはり人の情というのは不思議だ」


――――奇跡的に一命を取り留めたタイガービーナスは一度喜んだ後、すぐに脱水症状で昏倒した美鳥を連れてすぐに病室を抜けた。未だ美しい雨が降り注ぐ中、雨竜院 愛雨はいつの間にか姿を消していた。
影虎の介抱で美鳥はすぐに元気を取り戻し、影虎から知らされたタイガービーナス復活の知らせに喜んだ後――、影虎がもたらした五冊の漫画本を読破して再び深い眠りに落ちたことは言うまでもないであろう。


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