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ダンゲロス流血少女MM:生徒会応援スレ

43タイガービーナス(1st 千本桜 明菜):2015/08/10(月) 19:00:22
「やめなさいっ!」

ドン!という音を立て、明菜が突如十を両手で突き飛ばした。
常人ならばそのまま身を任せていたであろうが、常に美しく高潔であらんとする明菜の精神は実に頑強であった。すんでのところで一十の腕を拒絶する。

「あ、ご、ごめんなさい!」

ふっと、十も我に返る。
これまで徹底的に明菜を攻め抜いていた彼女であったが、これまでの行為は彼女の本心によるものではなかった。
一十、彼女は決してノーマルであり、女性を襲うような心の持ち主ではない。
ならば何故キスが上手いのか? 明菜を快楽の虜にしようとしたのか? それは彼女の持って生まれた性(さが)としか言いようがない……。

「まったく……、やはり野生の獣はあなたではないですか、十さん」

はだけられた着物の胸元をきゅっと締め、明菜は顔を赤らめながら抗議の声を上げる。

「い…いやっ、違いますっ……! 私は決してそんなんじゃ……!」

必死に否定する十であったが、明菜はやれやれ……と呟きながら身なりを整え、すっと立ち上がる。

「……すっかり水を差されてしまいましたね。決着はまたいずれ……もちろん、剣の方ですよ?」

「え、ええ……もちろん!」

十もまた、放った剣を拾い上げ、身だしなみを整える。

「ともかく、おかしな噂に関する知らせについては感謝します。風紀委員の方でもこれは調べてみましょう」

「ええ……。私も学園内の身内にこうした事に関する調査が得意な子がいるんです。彼女にお願いして調べてもらってみますね」

そう言って、一十は道場を後にする。
その後ろ姿を見送り、明菜はふと唇に手を当て、先ほどまでの感触を思い出す。

(まったく……最近は妙に心を乱されてばかりですね……)

つい先日の、謎の背後に忍び寄った男の事を思い出す。更に最近仲良くなった懸命に強くなろうとする、自分と同じ美しいものを愛する後輩。
いけない、自分は美しくあらねば、懸命に周りに浮かぶ自らを迷わす幻影を振りほどく明菜。
ふと、先ほど十が放り投げた紙切れに目を移す。
醜い獣と化した自分……あの姿は本当に謂れの無き姿か?

「馬鹿馬鹿しいことを……」

明菜はその紙切れを拾い上げ、天に向かって放り投げる。
そして一閃――。電光石火の如き居合抜きで、その紙が地に落ちる前に両断した。獣となった自らの姿ごと。

「やはり、徹底して斬らねばならないですね、この学園に巣食う化物を」

明菜は何かの決意を新たにする。
だが、その姿はどこか儚げであった。


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