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リレー小説の感想要望スレ3

1名無しさん:2021/07/10(土) 14:22:45 ID:c8fdNnkA
リレー小説の感想・要望その他いろいろについて語るスレ
スピンオフや小ネタなんかも投下していいのよ

リョナな長文リレー小説 第2話
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1483192943/l50

まとめWiki
ttp://ryonarelayss.wiki.fc2.com/


前スレ
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1517672698/l30
前々スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1483443134/l30

2名無しさん:2021/07/10(土) 15:32:16 ID:???
せっかく久々に浮上したのに男の子のちんちんリョナる話ばっかりじゃな…
とおもったので、主人公の唯ちゃんに活躍してもらいました

3名無しさん:2021/07/26(月) 01:15:13 ID:???
死なないでオトちゃん!あんたが死んじゃったら
キャラ的に対になるかと思って無理矢理リザチームに入れたスズ・ユウヒはどうなるの!?
次回オト死す!デュエルスタンバイ!
みたいな展開になってきた…

小隊メンバーこんな感じかなー というのを作ってみた
ルーアはもっと背が低いイメージだけど、身長は弄れないっぽい
https://imgur.com/a/jvPGhnt

ちなみにCharat Genesisってやつ使いました
ttps://charat.me/genesis/create/

4名無しさん:2021/07/31(土) 13:42:42 ID:???
はえーこんなのあるのか!みんな可愛い
サクラの変身後は地味な子が垢抜けたみたいな感じになっててそそるねえ

5名無しさん:2021/08/01(日) 14:28:14 ID:???
クリオネぇさん懐かしい笑笑
便乗埋め助かりましたありがとう

6名無しさん:2021/08/03(火) 22:14:55 ID:???
前スレ無事に埋まってよかった(無事じゃない)

舞とレイナの戦いもいよいよ開始
舞はこれがラストバトルになりそう…

7名無しさん:2021/08/13(金) 01:29:56 ID:???
楽しみにしてくれていた人も居たので、ようやっと完成させたドロシーリザアイナのスピンオフ続編を投下します〜

8名無しさん:2021/08/13(金) 01:31:14 ID:???
「きゃあああああああッ!!!……って、あれ……?」

予想されていた地面への衝撃……食らっていればひとたまりもなく重症確定だったが、アイナの体は五体満足だった。

「……あぁん?どうしてだ?確実に叩きつけたはず……って、お前は!?」

「はぁっ、はぁっ……!ま、間にあった……!」

ガマがアイナを叩きつけた地点には、仰向けに横たわっているリザが肩で息をしていた。



「おぉー!?一体これは……!何が起こったんでしょうかカイセツさん!」

「はいはい、アイナ選手が叩きつけられる地点へとなんらかの方法で瞬間移動したリザ選手が、クッションになるよう、やわめの魔力障壁を展開。それのおかげでアイナ選手は無傷で済んだというわけですねえ」

「なるほど!ではリザ選手のファインプレーというわけですね!」

「ええ。とはいえ大声出しながら発動したあの様子では、瞬間移動の力をまだ使い慣れていないようで、かなり体力を消耗しています。状況が良くなったとは言い難いですねぇ……」

カイセツの言う通り、リザは初めて自身の希望の座標に転移することに成功したが、集中力と魔力を使い果たしてしまい、立ちあがることができなかった。



「はぁ、はぁ……アイナ、怪我してない……?」

「リ、リザちゃあああん!!ナイスすぎますわ!!!ありがとうですわ!!!命の恩人、感謝永遠にですわーーー!!!」

「チッ……邪魔が入ったか。ドウのやつはアウィナイトの小娘相手に何をやってやがる!まあいい。もう一度このうるせえピンクガキを叩きつけてやるまでだァ!!」

「ひ、ひいいいいいっ!」

「くっ、もう一回……!きゃあぁっ!?」

もう一度クッションになる障壁を展開しようとするリザだが、バチッという音と共に魔力が暴走して不発に終わる。
ほぼまぐれで成功したようなものを連続して成功させることなど、運の悪いリザでは到底不可能なのであった。



(あぁ、流石のリザちゃんももうダメそうですわ……ドロシーもなんか言ってますけど、鎖男に捕まってて魔法が封じられてるみたいですわね……)

一気に高高度まで持ち上げられるアイナ。
高いところから見下ろして分かったが、このフィールドは自分たちがいる四角い足場の周りが全て溶岩の海だった。
遠くには他の参加者が戦っている様子がうっすらと見える。
火山フィールドはこの足場以外にも、戦闘場所が用意されているらしい。

が……死にゆくアイナにとってそんなことはどうでもよかった。

(頭が……クラクラしてきましたわ。幻覚のようなものまで……もしかしてこれが、走馬灯ってやつですの……?)

死を悟ったアイナの脳裏に、今までの人生の走馬灯がよぎる……



「あっ、手にマメできてますわ」
「こ、これ!味噌汁じゃなくて豚汁ですわ!」
「ぬわ、見てみて!このほくろデカすぎですわ!!でかーっ!!!」
「カレー作ったのに米炊き忘れてしまいましたわ笑」
「回転寿司で真っ白い皿なのに300ナーブル!?こんなの悪質な詐欺ですわー!!」
「この道に出てくるんですのねー」



(ち、ちょっ!?なんですのこの走馬灯は!?アイナの人生ペラっペラでしょうもなさすぎですわー!!!)



霜◯りのコントみたいな走馬灯がリアルに思い浮かんだアイナは、そのあまりにも中身のない自分の人生を思い返して覚醒する!

(や、やはりまだ終われませんわ……!せっかくこんなキュートで可愛らしい容姿を手に入れて生まれたというのに、ここで死んだらこれまでの人生も全て無駄ですわ!そしていつかアイナと出会う運命の王子様が、人知れず大不幸になってしまいますわ!)

勝手に未来の伴侶の心配をしているが、アホのアイナは本気でそう思っていた。
だがそんな彼女の思いが通じることもなく、自身に巻きついている鎖は無常にも急降下を始める。

(くぬぬぬう゛っ……!アイナもリザちゃんみたいに瞬間移動ができれば……!いや、そんな派手な特殊能力はいりませんわ。この場を誤魔化すだけの……どんな能力でもいいですから、神様よろしくおねがいしまあああああすですわ!!!)

目をぎゅっと瞑りながら夏戦争の決め台詞を頭の中に思い浮かべるアイナ。
そんな彼女の願いが通じたのか……

鎖鎌の急降下は、ぴたりと止まった。

9名無しさん:2021/08/13(金) 01:33:03 ID:???
「……チッ、こいつも能力者だったか……!オイコラ、どこにいきやがったピンクのクソガキ!」

(……え?アイナは、まだここに……ほえ?一体どうなってるんですの??)

ぴたりと急降下が止まったと思えば、自分を捕まえていた男はキョロキョロと辺りを見回している。
否……男だけではない。
もう1人ドロシーを捕まえている男も、捕まっているドロシーも、倒れていたリザも、キョロキョロと誰かを探している。

「なんと!?アイナ選手もまさかの異能力者!リザ選手と同じ瞬間移動でしょうか!?ガマ選手の鎖鎌から脱出しているー!」

「女の子チームは2人も異能力者がいたんですねえ。でもおかしいですね……どこのカメラにもアイナ選手の姿がないような……?」



「チッ……クソが!」

(え……あいだぁっ!)

高度を下げた鎖鎌から不意に解放され、受け身を取るアイナ。
地面との距離が近かったので怪我はないが、まだ自身の状況がよく分かっていなかった。

「くそ、隠れる場所なんてねえが……?おいピンクどこにいやがる!出てこねえとこの金髪をぶっ殺して、ってのわあああ!!」

「……誰を殺すって?」

「おおっとリザ選手ー!人質がいなくなった途端一気に前へ出てガマ選手にナイフ攻撃を仕掛けていくー!」

「んーーーおかしい……熱源探知でもアイナ選手が一向に見つからない……神隠しかな……?」

「ち、ちょっとアイナー?脱出したのは分かったから出てきなさいよー!そんでリザを援護してあげてー!」

「貴様、捕まってる分際でなにを宣っている……!」

「ふふん、こんな鎖で私を捕まえたと思ってるのなら……大間違いよっ!」

「なに……!ぐぬぅ!?」

体から直接かまいたちを起こしたドロシーは、魔防障壁を貼る暇も与えず、その風で自身を縛る鎖を粉々に吹き飛ばした!



「さあさあ各選手、熱い戦いを繰り広げております!リザ選手とガマ選手、ドロシー選手とブン選手!どちらも譲らない戦いだー!」

「アイナ選手、本当にどこにいってしまったんでしょうか……?もしかして溶岩に落ちた……?」

(……わかった……!やっとわかりましたわ。アイナは……今のアイナは……透明人間になってるんですわ!!!)

戦闘中の仲間たちと解説の様子から、ついにアイナは自身に起こっている異常を認識した。

(で、でも自分には触れますし、床とか服にも触れるということは……厳密には透明になったのではなく、どちらかといえばステルス……実体はあるけれども不可視になっているんですわ……)

ガマが自分を解放したのは、拘束しているはずの自分の姿が見えなくなり、そこにいないと判断したからだろう。
直前にリザが見せた瞬間移動もあり、その手の類だと判断されたらしい。

(な、なんにせよ……ナイスタイミングでついにアイナも覚醒したんですわ!このまま2人を援護すれば……アイナたちの勝利ですわーー!!!)

先ほどまで死の恐怖で涙目になっていたアイナの顔が、勝利を確信して勝ち誇ったような笑顔になった。

10名無しさん:2021/08/13(金) 01:34:30 ID:???
「この、クソがっ……!性奴隷のメスガキの分際で、すばしこいガキめっ!!さっさと股を開いてあんあん鳴きやがれっ!」

「……むっ」

ガマの差別的な一言にカチンと来たリザ。
殺さないよう手加減していたが、ナイフを利き手の右手に持ち替える。

ガキィンッ!!キィンッ!ガッ!

「ぬぐぅ!!お前、まだこんな力を隠し持って……?」

「女だとか性奴隷とかアウィナイトだからとか……人を外見でしか判断できないこと。それがあなたの敗因」

「なんだと……?ぐがごぼあべしっ!?」

鳩尾、人中、喉仏と人体の急所にナイフの柄で連続強打を叩き込まれ、ガマは気を失った。



「つ、つつ、強いッ!!リザ選手、屈強な男にも屈することなく勝利をもぎ取ったあぁっ!」

「お人形さんのようなルックスからは信じられない、恐るべし強さですね……これは今大会の台風の目となるかもしれません!」

気を失って倒れるガマをしっかりと両手で受け止め、怪我をしないようゆっくりと(少し重そうに)横たえるリザ。
念のため脈を確かめて死んでいないことを確認すると、残りの敵……ドロシーが交戦中のブンの元へと駆け出していった。



「はぁっ、はぁっ……」

「息が上がっているな……鎌は扱いの難しい武器。大方その派手さに魅せられて使っているだけなんだろうが……甘いな」

「くっ、馬鹿にしてぇ……!そもそも魔法さえ当たれば、武器なんかなんでもいいのよぉっ!!」

魔法を封じるアンチバマジクの前には、ドロシーの風魔法が通じない。
かといって鎌を振っても、慣れない得物では相手の言う通り大振りな動きになってしまい、有効打を与えることができない。
ブンとの一騎打ちにおいて、ドロシーはジリ貧だった。

「ドロシー、こっちは片付いた……アイナがどこに行ったかわからないけど、加勢するね」

「い、いいわリザ!手を出さないで!こいつはあたしが叩きのめす!」

「え……で、でもっ……!」

「いいの!このあたしが初戦で負けっぱなしじゃ終われないわ!そこで見てて!」

「え、ええっ……?」

とにかく負けず嫌いのドロシーの悪い癖が出てしまい、リザは手が出せなくなってしまう。
出そうと思えば出せるのだが、こういうときに言うことを聞かないと、後でドロシーはガチギレしてしまう。
リザは面倒臭いなと思いながらも、ドロシーが本当にピンチになるまでは見守ることにした。

11名無しさん:2021/08/13(金) 01:37:12 ID:???
「さぁてカイセツさん!女の子チームはアイナ選手が謎の失踪、鎖兄弟チームは2人戦闘不能!これは女の子チームの勝利も見えてきますねー!」

「2人がかりでやれば勝てそうなもんですが、なんで早く終わらせないんですかね?戦士の矜持とかかな?時間が押すし女の子がリョナられないんならさっさと終わって欲しいんですけどね……」

(実況と解説の言う通りですわ……決定打もないのにリザちゃんに任せずドロシーはなにをやってるんですの!こうなったらアイナが手を出してやりますわ!)

すっかり出るタイミングを逃した、のではなくステルスを解除することができないアイナは、さっさと終わらせるためにドロシーに加勢することにした。
どうせ見えていないし、自分が加勢したことはわからないだろう。

(でも加勢するにしてもどうすればよいのか……あ、ちょうどいいから持ってきたこの箱を調べてなにか使える武器がないか確認してみませんと!)

箱をひっくり返してガラガラと中身を取り出すと、さまざまな見慣れないお菓子が飛び出てくる。

(家系豚骨チョコレート、シュールストレミングジュース、あん肝のマカロン、カツオの練乳漬け……なかなかアイナの好みをそそるお菓子たちですわね!)

常人には考えられないラインナップのお菓子たちだが、味覚が破滅しているアイナにとっては食欲をそそるものばかり。
試しに家系豚骨チョコレートを一つ口に放り込むと、豚骨とニンニクの濃厚な風味とチョコレートの不気味な甘さが口いっぱいに広がった。

(う……ウマーーー!!ニンニクのしつこい味がチョコレートの甘さと合わさって摩訶不思議な感覚ですわ!これは無限に食えるやつですわー!!!)

奇妙奇天烈なお菓子に舌鼓をうつアイナ。
だがアイナは考える。これのどこが武器なのか。
ステータスアップした感覚もないし、特殊な魔法が使える気配もない。
とすると、これは……

(ただのおいしいお菓子ですわね!!ならば……激しい戦闘で疲れているドロシーの口の中に突っ込んで、さっさと終わらせてもらうしかないですわ!)



と、非常にはた迷惑な結論に至ったのであった。



「くっ……あぐっ!」

「ククク……1対1にこだわるのはいいが、俺は他の兄弟とは格が違う。お前を手早く片付けたら、次は後ろの金髪だ」

「ッ……!ドロシー、もう……!」

「やめて!!!今こいつに手を出したらたとえリザでも吹っ飛ばす!!!」

「ドロシー……!」

防戦一方のドロシーを助けたいリザだが、他ならぬドロシーがそれを阻む。
このままでは負けるのが誰なのか、彼女自身が1番分かっているはずなのに……
友達がいいように嬲られているのをこれ以上見続けることは、リザにはできなかった。

「お願い、もう意地を張らないで……私なら魔法がなくても戦える」

「私は……この戦いにアイナとリザを巻き込んだ以上、そう簡単に引き下がれないのよッ!!死んでいった……アイナのためにもッ……!」

「……えっ」

「アイナはきっと溶岩に落ちて死んだ……私のせいだ……私に力がなかったからッ!」

未だに姿を見せないアイナ。
となれば溶岩に落ちてしまったと勘違いしてしまうドロシーであった。
ドロシーがこんなにムキになっているのは、友達を守れなかった自分への苛立ちなのだと気づいたアイナだが……

(こ、これはまずいですわ!!せっかちでアホなドロシーの脳内でアイナが勝手に殺されてますわー!!さっさとこんな戦い終わらせて、姿を見せないと……!そのためにも、これを食べて元気出しやがれですわバカドロシー!!!)

戦いの隙をみて接近し、ドロシーの口に凶器を放り込むアイナ。
この時ドロシーがこれを食べていれば、理不尽にも悶絶して戦闘不能になっていたのだが……



「うわっ!?なにこのキモい物体!!」

目の前に突如現れたチョコレートに咄嗟に反応したドロシーは、強い風を起こしてチョコを吹き飛ばす。
その行き着く先は……

「……あむ」

「あ……食べた」

目の前にいた敵、鎖兄弟のブンの口内だった。



(あーッ!ドロシー何吹き飛ばしてるんですの!敵が食べてしまったら意味ないですわー!)

「ククク……この期に及んでドーピングか?残念だが俺が食べさせてもらウボロロロロロゲゲゲゲゲエエエェェッ!!!!」

「うわあああっ!ちょ、何!?アンタ大丈夫!?」

「アガッ、ゴエェ!!ヴゥヴオオ゛゛エエエ゛エエエ゛エ゛ッゲェェ゛!」

「ド、ドロシー!?この人に一体何したの!?」

「な、なんもしてないわよ!?ただへんなのを飛ばしたらそいつがそれ食って……」

「………………ガクッ」

服毒死と同じようにのたうちまわって喉を掻きむしった後、鎖兄弟のブンは物言わぬ屍となった。

12名無しさん:2021/08/13(金) 01:39:38 ID:???
「え……まさか死んだ?」

「……生きてるけど……多分しばらくは起きなさそう。完全に気絶してる」

「えー……ということで……何が起こったのかはよくわかりませんが!!美少女チームの勝利イイイイィ!!!恐るべし鎖兄弟を見事に下し、1回戦を突破しましたあああ!」

「最後のは疑惑の判定ですけどねぇ。なんで突然苦しんだんでしょうか……それに、アイナ選手は一体どこへ……?」



「やりましたわー!なんかよくわからないけれど最強美少女アイナの勝利ですわー!」

「きゃあっ!?あ、アンタいままでどこにいたのよ!死んだかと思って心配したじゃない!」

「コッコッコ……アイナもついに目覚めたんですのよ。我が覇道を歩むために必要な能力に……ウキキキキキキキキキッ!」

「笑い方キモっ!」

「アイナ……ドロシーの言う通りになってたらどうしようと思った……ううっ……!」

「わ、わわっ!リザちゃん!?こんな公衆の面前で抱きつくなんて……!」

「ぐすっ……本当によかった……よかった……!」

「うぉ……リザちゃんの泣き顔が可愛すぎて尊みが……とてつもない母性に目覚めそうですわ……今なら無調整の母乳を二次性徴中のちっぱいから大量射乳できそうですわ!!!」

「それ飲んだら間違いなくアホになるやつだから。アンタは一生粉ミルクで子育てしなさいよね」

「なんと、アイナ選手もどこに隠れていたのか無事でしたー!美少女チーム全員生存で、見事1回戦突破です!」



1回戦を突破したドロシーたちは、2回戦が始まるまで控え室で待機していた。

「それにしてもまさかアイナも異能力に目覚めるなんてね……アンタらがどんどん強くなって、なんだか置いてきぼりみたいで寂しいわ」

「でもステルスなんて地味ですわ……アイナはもっと派手に暴れられる能力が良かったですわ!炎を撒き散らしたり、氷を撒き散らしたり、雷を撒き散らしたり!」

「きったないわね……なんでそんなに何かを撒き散らかしたがるのよ」

「……でもアイナ、もう能力のオンオフができるようになってるよね。私は発動すら安定しないのに」

リザの言う通り、アイナは早くも能力の発動と終了が自由自在であった。
さっきから消えたり出てきたりして、ドロシーをからかっている。
発動すら不安定、発動しても不安定、発動後は体力と魔力の消費が激しいリザにとっては、俄かに信じられないことだった。

「き、きっと異能力にも習得レベルがあるんですわ!リザちゃんの瞬間移動はきっとSSランクの難度!使いこなすのは難しいけれど、習得すればとんでもなく強いということですわ!」

「……私にセンスがないから、っていうこともあるのかな……」

「こらリザ、すぐ後ろ向きになるんじゃないの。というかそんな能力なくても、リザは強いじゃない!男2人を格闘で倒したなんて、すごいことよ!」

「そ、そうですわそうですわ!素早い機転でアイナを助けたのもリザちゃんですわ!間違いなくさっきの戦いのMVPはリザちゃんですわよ!」

「……2人とも、ありがとう。もっと2人の力になれるように、次の試合もがんばるね」

「ぐっ、いじらしい、なんて健気な……!リザちゃんは容姿も性格もぐう天使すぎますわ……!」

13名無しさん:2021/08/13(金) 01:41:29 ID:???
3人が次の戦いに備えて準備をしていると、不意に控室のドアが叩かれた。

「んー?こんなときに誰ですの?」

「あ、私が出るよ」

「あ、気をつけなさいよ!変な男が入ってくるかもしれないんだから!」

ドロシーの指摘通り、今回の闘技大会は女性参加者が多いせいか、兵士になる気もなくただただ性欲やリョナ欲を発散させる為に出ているものも多い。
事実、一回戦で負けた女チームの事後は悲惨なものが多く、心を壊されてしまった女子は兵士の慰み者になるか、人体実験の材料にされてしまうというのは、ドロシーたちも知らない事由である。

だが控室へ訪れた者たちとは、先ほどぶりの再会であった。



「あ、あなたたちはさっきの……」

「よう、女子の部屋にむさ苦しいのが来て悪いが邪魔するぜ」

「あー!ジャラジャラうるさい鎖男たちですわ!何しにここへきたんですの!?」

「ま、まさかここでやろうってんじゃないでしょうねッ!」

「いや落ち着け落ち着け……俺たちは争いに来たんじゃねえ。ちょいと助言とお願いに来ただけだ」

長男のブンが抑えた口調でそう言った。
他の2人も武器は持っておらず、戦闘をしに来たわけではないらしい。

「……リザ……さん」

「……え?私……?」

「俺も弟のドウも、貴女の格闘術に手も足も出なかった……アウィナイトの女だからとバカにして申し訳なかった。この通りだ」

そういうとガマとドウは、深々と頭を下げた。

「え、それをわざわざ私に謝りに……?」

「なによこいつら、凶悪な顔してくるくせに礼儀正しいのね」

「謝るついでに……俺たちを弟子にしてください!!兄弟揃って貴女の格闘術と、その美しいお姿に見惚れてしまいました!」

「え、ええっ……?」

「うわっ、さすがリザちゃんモテモテですわ……凶暴な傭兵の男たちをも籠絡するとは。でも!リザちゃんはアイナのものですわー!そもそもリザちゃんは弟子は取らない主義ですわー!」

「いや、リザはそんなこと一言も言ってないでしょ」

「で、であれば少しだけ!少しだけ俺たち2人に稽古をつけてくださいっ!格闘術の心得をぜひ直々にご教示いただきたくっ!」

「わ、わかりました……その、私なんかでよければ……」

「ちょ!リザちゃん優しすぎますわ!どうせその男たちもチ◯コの指し示す方向に動いてここまで来ただけですわ!危険ですわよー!」

アイナの叫びも虚しく、リザと鎖兄弟の2人は訓練場へと向かっていった。



「さて、弟たちの用事はアレだったが……俺はお前に鎌の扱いを教えてやりたい」

「……は?私に負けたくせに何を私に教えるっていうのよ!」

「いや、あれはお前が食わせてきた妙な物体のせいだろ!俺は負けてねえ!」

「ぐぬぬぬっ……!」

「そうですわそうですわ!ドロシーの鎌の使い方はモン◯ンで使ったことないチャアクやスラアクを使った時のハンターと同じでしたわ!操作方法すらわかってなさそうでしたわ!」

「うるさいわね!妙に具体的にディスるんじゃないわよ!」

だが実際ドロシーは見た目のインパクトで鎌を選んだので、アイナの指摘は間違っていない。

「そんなんじゃこの先、生き残れねえぞ。俺たちに勝ったんだから、武器の扱いくらいは覚えろ。しっかり教えてやるから来い」

「ぐぬぬぬぬ……!ま、まあ参考くらいにはしてやるわ……!」

不服そうだが学ぶ気満々のドロシーは、鎌を掴んでブンについていった。

14名無しさん:2021/08/13(金) 01:43:04 ID:???
「……あ、あれ?アレレアレ?」

リザはガマとドウと特訓、ドロシーはブンと特訓をすることになり、気づけば控室にはアイナ1人ぼっちであった。

「……なんかこういうときに余ると、自分にはなんの価値もないのかと思えてしまいますわね。体育の時間に先生と組まされるやつですわ……」

謎に傷心のアイナは、他にすることもないので闘技大会の最新情報を確認しようとテレビをつけた。



「第一回戦全てが終了しました!カイセツさん、気になる選手はいましたか?」

「そうですねー……個人的には火山フィールドで見事に勝利を勝ち取ったドロシー、リザ、アイナ3名の選手たちに注目しています」

「おっと、いま画面に出ている3名の選手ですね」

「特に金髪の儚げな美少女はあの奴隷民族のアウィナイト……彼女たちがマスターしているのは寝技というか性技だけだと思っていましたが、このリザ選手、格闘術であの鎖兄弟を2人倒しています。素晴らしい逸材と言えるのではないでしょうか」

「なるほど!しかもこのルックスですからね……大会を見ている女児たちにはもちろん、大きなお友達にも大いに人気が出そうです」

「他の2人の選手も負けず劣らず美少女揃い。ドロシー選手は強力な風魔法を使いこなし、アイナ選手はなんと姿を消す能力を持っているそうです。脇を固めるこの2人にも注目ですね」

「ちょちょちょ!!勝手にアイナたちの能力がネタバレされてますわ!しかも脇を固めるって、完全にリザちゃんのバーター扱いになってますわね……!」

「えーそんな美少女チームの一回戦の戦闘動画は人気ゆえ少し値上げして8万ナーブルで販売中です!彼女たちの悲鳴をまとめた音声データはリーズナブルな2万ナーブル!今後の闘技大会運営のために、皆様ぜひご購入のほどよろしくお願いいたしまーす!」

「ふぬおおっ!?さっそくアイナたちが金儲けの道具にされてますわああ!?」

アイナの泣き顔のアップやドロシーの吹っ飛ぶ姿がスローモーションで映し出された後、番組はCMへと移った。



「今年の暑い夏は、可愛い真凜ちゃんと一緒にひんやり過ごそう!新発売、凍死レモンアイス!」

奇妙な販促のナレーションが流れた後、人気アイドル有坂真凜のアイスのCMが流れはじめる。
画面には水着姿のマリンが下から上にゆっくりとアイスを舐め上げる映像が流れていた。

「真凜と一緒に、氷漬け♡」

上まで舐め上げてから笑顔をこちらに向ける真凜のアップで、お茶の間をも氷漬けにするCMは終わった。

「なんて下品なCM……そしてぐぬぬ……いくらリザちゃんが可愛いとはいえ、バーター扱いはなんか癪に触りますわ……それはそれとしてリザちゃんのエロ可愛い悲鳴のMP3は欲しいですわ……!優勝したら買うしかありませんわね……!」

理不尽に能力をばらされバーター扱いされたが、アウィナイトのリザが大活躍したとあっては持ち上げられるのは仕方がない。
それとは別に、ちゃっかり友人への歪んだ欲望を口に出すアイナであった。



「カイセツさん、他に気になる選手はいますか?」

「んー……まあ優勝候補としては、やはりイザベラ選手でしょう。元王下十輝星のベガである彼女は、この大会で返り咲いてやろうと言う魂胆でしょうから」

「王下十輝星は基本的に正体を隠していますが、彼女は堂々と公言していたようですね。やはりプライドの高さがそうさせるのでしょうか」

「……え?元押下十輝星……?大会にはそんな実力者もいるんですのぉ!?」

早速アイナは検索エンジンで「押下十輝星 イザベラ」で検索してみる。
すると、彼女は過去に王下十輝星だったものの、あまりに凶暴な性格であったため、その座を下ろされてしまったという過去を見つけることができた。

「ふむ……天下の王下十輝星にも性格に難があるとクビとか降格はあるんですのね……というか、もしかしたらアイナたちはこんな怪物とやりあうかもしれませんの……?」



名前:イザベラ・リコルティア
年齢:28
一人称:あたし
身長:177
武器:魔本ソルティレージョ

元王下十輝星、ベガの星位だった女性。
闘技大会で勝ち残り、実力で王下十輝星の座についていたが、自由奔放かつ残酷な性格で味方にも牙を剥くことが多かったため、その座を降ろされる。
その後は消息不明だったが、今大会に突如現れ、再度ベガの星位を狙っている。

【容姿】
長い黒髪に妖艶な目元に泣きぼくろ、大きな赤い帽子が特徴的。
魔術師らしい服装をしているが胸元はほぼ出されており、そのグラマラスボディを惜しげもなく白日の下に晒している。

【性格】
凶悪な女魔術師で、その性格や目的を量り知ることは常人には不可能。
シーヴァリアには歳の近い姉がいるらしい。

15名無しさん:2021/08/13(金) 01:44:39 ID:???
その後、ドロシーたちは破竹の快進撃を続けていった。
リザの能力も戦いを経て徐々に安定してきた上に、アイナの能力は発動すれば一方的に敵への注意を促すため、言わば出し得技。
見えない敵に怯えている状態ではドロシーの風とリザのナイフから逃げられることは叶わず、3人は確実に勝ち星を重ねていったのである。



「さあ、この闘技大会もいよいよ決勝戦!!本当はここに至るまでにあと2戦ほど敵を用意していたのですが、尺があまりに長すぎた&PCの操作ミスによりほぼ消えたので、1回戦からの決勝戦の流れになっております!」

「そして決勝戦はなんとなんと美少女vs美女対決!ドロシー、リザ、アイナ選手vsイザベラ、エイヴァ、ミレーユ選手だああああ!!」

「最終戦のステージはここ、由緒正しきトーメント闘技場でのガチンコ勝負となります!そして勝ち上がったチームには500万ナーブルと、王都警備隊への特別推薦が決定!立身出世間違いなし、人生の勝ち組への黄金ルートが待っておりますッ!」

「いやー女の子を入れた今大会は例年にない盛り上がりで、やっぱ闘技大会はこうでなくちゃなーって感じだなぁー!女の子チームのレイプシーンが売れに売れたし、今年のボーナス期待大だわー!」

「ちょっカイセツさん!まだマイク入ってるんで余計なこと言わないでくださいー!!!あ、それでは選手入場前に、オープニングセレモニー!有坂真凜ちゃんの生ライブでえええっす!!」

実況の合図に、闘技場に開いた穴からゆっくりとライブステージが競り上がる。
真ん中には人気急上昇アイドル、有坂真凜がアイドルらしい水色フリフリのドレスで、観客に手を振り笑顔を振りまいた。




「うおおおおおおおおおお!!」
「生マリンちゃんかわいいいいいーっっ!!」
「アイスのCMどう見てもフェ◯で見るたびにムラムラしちゃうよーーー!!!」
「ウヘヘ……このトーメントであんな美少女が犯されないなんてもったいないぜ」
「いつかとっ捕まえて、生中出しレイプで絶望させてやりたいでやんすなー」
「フヒヒ、ぼ、僕はずっと真凜ちゃんのパイオツぺろぺろしてきたいなぁ……!ブ、ブヒ」

「みんな来てくれてありがとーっ!今日は前座だけど、みんなのために元気よく歌っていくよー!新曲聴いてね!私の悲鳴は150Hz!!!」

「「「ウオオオオオオオオオォーーーー!!!」」」

16名無しさん:2021/08/13(金) 01:46:06 ID:???
「す、すごい盛り上がりですわね……現役のアイドルを前座に使うとは、このイベントの熱量高すぎですわ!」

真凜が歌うステージの袖で、出番を待つドロシーたちは観客の熱気に圧倒されていた。

「たしかに、今まではカメラ越しの観戦で観客なんていなかったから、ちょっと緊張するわね……でもそんなの関係ないわ!ここまで来たら勝つだけよ!」

「そ、そうですわ!!もうヤブレカブレのアブラケタブラのビビディバビディブーですわ!500万ナーブルのために勝ち以外あり得ませんわ!ねっリザちゃん!」

「……え、ぁ……そ、そうだね……」

アイナに声をかけられたリザは、衆人監視の目に晒されるのが怖いらしく、ブルブルと震えていた。

「……リザ、震えてる。大丈夫?」

「だ、大丈夫……ちょっと人が多くて緊張してるだけ……だと思う」

「確かに、この大会でリザちゃんファンが大量に増えたらしいですからね……観客席にもたくさんリザちゃんへのメッセージ掲げてる人が大勢いますわ」

「うぅ……その人たちに見られるの、恥ずかしい……!」

「こらアイナ、なんでそんな煽るこというのよ!リザがもっと萎縮しちゃうじゃない!」

勝ち上がれば勝ち上がるほど、観客からたくさんのメッセージや差し入れがリザたちの元に届けられている。
アイナとドロシーは手紙には興味がなく差し入れのお菓子をバクバク食べてばかりいたが、リザはすべての手紙に目を通していた。

「あんな手紙を読むから緊張するんですわ!どうせ会いたいとか触らせろとかパンツくれとか変態的なことしか書いてない手紙は読む価値なしですし!アイナたちはただただ己の欲望のために勝ち上がるだけですわ!」

「でも、丁寧に応援してくれてる人もいるし、同じアウィナイトの女の子が書いてくれた手紙もあったから……その人たちに生で見られると思うと恥ずかしくて……」

「へぇ……ならいい機会じゃない!その人たちにカッコいいリザの姿を生で見せて、勇気を与えましょ!アウィナイトは奴隷じゃない、むしろ強いんだって見せつける、千載一遇のチャンスよ!」

「……!」

「お、リザちゃんの目つきが引き締まりましたわ!クールビューティーなリザちゃんもやっぱり可愛さMAXすぎますわ!!」

ドロシーの言葉に、緊張していたリザの顔が引き締まる。
アウィナイトが弱くないと見せつければ、その扱いも少しは変わることもあるかもしれない。
そう思ったリザに、もう迷いはなかった。

「……そうだね……ありがとうドロシー。覚悟できた」

「ふふ……リザいい顔になってる。そうこなくっちゃね!さぁ、そろそろ前座のライブも終わる頃だし、みんな準備しましょ!」

ドロシーの言葉に頷き、それぞれの武器を確かめる。
ドロシーは鎌、リザはナイフ、アイナはお菓子。
結局アイナは武器を上手く扱えないため、激マズだったり爆発したりする奇妙なお菓子入りボックスをそのまま武器にしていたのであった。

「……あ!いたいた!ドロシーさんたち、ちょっといいですか?」

「んん?なんですの?戦いの前に牙を研ぐ猛獣たちに声をかけるなんて、自殺行為ですわよ?ガオー!!」

「いや、実は決勝戦はですね、衣装の指定がありまして……」

そういうと大会係員は、バッグから3人分の衣装を取り出す。
その衣装を見た3人の顔は、すぐに青ざめた。

17名無しさん:2021/08/13(金) 01:47:34 ID:???
「レディースアーンドジェントルメン!これより王都警備隊最終試験のバトルトーナメント、決勝戦を行いまあああああす!!」

「決勝戦はなんと美少女vs美女チーム!美女たちの組んず解れつのキャットファイトに乞うご期待!では早速選手入場、いってみよー!」

「その暴風は全てを寄せ付けない最強の盾!そして全てを微塵に切り刻む最強の矛!今宵も彼女が闘技場に吹き荒れる台風の目となるのか!?ボールドウィンドウィザード、ドロシー選手ウウウウウゥ!!!」


「うおおおおおーー!!」
「気の強そうなドロシーちゃんかわいいよおおお!!」
「屈服して脱がされてレイプ目キボンヌ!」
「おかあさーん!あの服すっごくヒラヒラしててかわいいー!」
「び、美少女チームは全員フリフリドレス……やめてくれ、その術は俺に効く!」


「うわ、なんか紹介文まで用意されてる……!でもまあ、なんかやる気上がってくるわね!」

観客たちの声援にテンションの上がるドロシー。そんな彼女が着ているのはヒラヒラの緑のドレス。
係員がいうには、美少女チームは可愛さを全面に押し出して、より観客たちの心を掴みたいと言うことらしい。

(しょうがないから着てやるけど……戦い方まで可愛くする気はないし、全力で敵を吹き飛ばすだけ!やってやるわ!)



「続いては!!お菓子の国からやってきたようなキュートで愛くるしい姿に惑わされる者が多数続出!!ロリポップでクレイジーなお菓子たちが、ターゲットの死角から次々と襲いかかる!!今大会最年少のデンジャラスコンフェクショナー、アイナ選手ウウウウウゥ!!!」


「アイナちゃん可愛いいいい!!!!」
「ロリコンホイホイキターーー!!!」
「透明になったら見えなくなっちゃうよー!!」
「その二次性徴中のまま止まってくれー!!」
「おっぱいがちょっと膨らんだくらいが最高ー!!」
「キツキツおまんこに挿れさせてくれー!!」
「さっさと泣かされろー!」


「ちょ!?アイナへの声援には下品なヤジ多すぎですわ!!アイナはロリ枠であるというのに、やはりこの国は犯罪者予備軍だらけですわぁ……!」

アイナはピンクのヒラヒラ衣装。髪も服もピンク色のアイナはファンシーな印象を全開にした印象であった。



「美少女チームラストはー!!予測不能の瞬間移動!変幻自在に襲いかかるナイフの猛攻!キュートな容姿と美しい金髪に目を奪われたが最後、鮮血の赤が咲き乱れる!金髪碧眼のスプレンディッドアサシン、リザ選手ウウウウウウウウウゥッ!!!」


「うおおおおおおおおーーー!!!」
「キャーーーーー!!!」
「生で見てもめっちゃ可愛いいいいいぃ!!!」
「金髪にゴシック黒ドレスは神!!!」
「リザちゃん頑張れー!!!」
「アウィナイトの逆襲だーー!!!」
「性奴隷はち◯こしゃぶりながら股開いてあんあん言ってろー!!!」
「優勝賞金の数十倍も価値のある商品が出てる件」
「あんたの好きなリザちゃん出てるよー。応援してあげなさい」
「ボロボロになって泣き叫べー!!」
「リザちゃんがんばぇーーーー」
「俺と付き合ってくれー!!!!」


応援の声と誹謗中傷が、黒いドレスを着たリザに一斉に降りかかる。
闘技場はトーメント王国民のガス抜き場所であり、欲望の捌け口であることを、リザは身をもって知った。

(……私は私にできることをやるだけ。それ以外のことは考えない……考える意味もない)

18名無しさん:2021/08/13(金) 01:48:38 ID:???
「さあ美少女チームすべて出揃いました!お次は美女チームの入場です!」

リザたちが闘技場の舞台にたどり着くと、反対側の出口から3人の女性が現れた。

「元王下十輝星の泣く子も黙る最強魔術師!その実力はいまだ未知数!!今夜はどんな魔法を見せてくれるのかー!マッドネスソーサラー、イザベラ選手ー!!!」


「おばさんひっこめー!!!!」
「おっぱいの化身だあああああ!!」
「小娘全員叩きのめせー!!!」
「小娘にやられちゃってプライドズタズタ展開もオイシイけど」
「とりあえず全員脱がせー!!!」


「フフ……相変わらず騒々しい場所だわ」

先頭に現れたのは、魔法使いのローブを大胆に着崩し、大きな赤い帽子を被った露出度の高い女性。
その表情は微笑を浮かべてはいるが、リザたちのことを見てはいなかった。

「あいつが元王下十輝星のイザベラってやつね……」

「み、見るからにやばそうですわ……!というか露出狂にもほどがありますわ!!おっぱいがほとんど乳首しか隠れてませんわ!!」

「………………」



「続いてはー!細腕から繰り出される剣技に注目!トーメント騎士団の技は全て習得済み!今大会参加者で剣の腕で右に出るものはなし!スタイリッシュソードダンサー、エイヴァ選手ー!」


「女騎士はさっさとくっころされろー!」
「若さに嫉妬するなー!!」
「美少女にボコられろー!!」


「……早く終わらせよう」

重装鎧に身を纏うエイヴァ。その顔は窺い知れないが、闘技場のスクリーンには銀髪銀目の美女が映し出されていた。



「続いてはー!その華奢な見た目に似合わぬ戦斧使い!バッサバッサと敵を薙ぎ倒す姿はまさに戦乙女の生まれ変わり!スウィートウォリアー、ミレーヌ選手ウウウウウゥ!」


「可愛いいいいい!!!」
「まさに綺麗なおねーさん」
「抱きてえええええええ!!!」
「俺の斧で叩かせてくれーー!!」
「おねーさんが美少女にやられるシチュになってもいいぞおおお!!」
「むしろそれがいいぞおおおお!」


「うう……やっぱ恥ずいけど、ここまできたけん、がんばらんと!!あ、お相手さんよろしゅうに!」

妙な言葉遣いでぺこりとリザたちに頭を下げたのは、白髪に青目の女性。
手には自分の身の丈よりも大きな斧を引きずっており、アンバランスな雰囲気を醸し出していた。

19名無しさん:2021/08/13(金) 01:50:05 ID:???
「さあ両チーム出揃いました!!ここでルールを説明いたします!決勝戦は制限時間なしのデスマッチ!予選と同じく敗者がどれだけボコボコにされようが死のうが、勝者側が勝ち名乗りを上げるまで試合は続行されます!勝者側は空気を読んで、相手チームを地獄の底へ叩き落としてくださあい!説明は以上です!では両者、真ん中の線に立って試合前の整列をお願いします!」

闘技場の真ん中に敷かれた線に整列する女戦士たち。
だが1人だけ、足を止めてこちらに来ない者がいた。



「……イザベラ、何をしている。整列してさっさと始めるぞ」

「……ねぇ、あなた」

「……え、私ですか……?」

イザベラはリザを指差し、にんまりと笑った。

「あなたアウィナイトよね?どうしてこんな場所にいるの?あなたがいるべき場所はこんな晴れ舞台じゃなくて、地下の人身売買オークション会場でしょ?」

「ちょ、あんたいきなり何言って……!」

ドロシーがすぐに掴み掛かろうとしたが、隣のアイナが手で制した。
まだ試合も始まってないのに相手チームに手を出したら、失格になってしまうためである。

「あたしが出てきた時より何より、あなたが出てきた時の方が断然盛り上がってたの、な〜んか気に入らないのよねぇ」

「………………」

悪意の詰まった視線をリザは、無表情と沈黙で受け止める。
膠着した状況で声を出したのは、ミレーヌだった。

「い、イザベラちゃん、そんなら試合でこの子かっとばして、ストレス発散すればいいやないの。早く終わらせて、3人でパーっと飲みでもいこうやー!」

「……早く整列しろ。さっさとしないと失格になるぞ。ここまで勝ち上がってきた結果を無駄にするつもりか」

「うるさいわねえあんたらも。数合わせで適当に入れてやっただけなのに、なんであたしに命令してるのかしら。雑魚のくせに」

「え、えぇ……イザベラちゃん、どったん?このアウィナイトの子に注目奪われたんが、そげん気に入らんの?」

「それも気に入らないし、あんたのそのアホみたいな口調ももううんざりだわ。そっちの堅物にもね。やっぱりあたしにチームは無理だったみたい」

「……どういう意味だ」

エイヴァが整列したまま剣に手をかける。
突然の仲間割れという思わぬ展開に観客たちはどよめき、リザたちも沈黙していた。



「イザベラさーん、早く整列しないと失格にしますよー!てかここまできて不戦勝とかいろいろ台無しになるんで、さっさと試合を始めてくださーい!」

「ほ、ほらイザベラちゃん、はよせんと失格なるよ?機嫌なおしてーな?ね?」

「さっさとしろ!斬られたいか!」

2人に促されても、イザベラは動かない。
近くにいたリザが歩き出してイザベラの手を掴もうとしたが、その手は振り払われた。

「……友達に迷惑、かけてるよ」

「あんなの友達じゃないわ。うるさい女どもにはこうして……やる!」

イザベラは背後から思念詠唱で呪文を唱え、エイヴァとミレーヌに魔力を飛ばした。

「ギャッ!?」
「ぐおっ!?」

「え!?な、なんですの!?」
「2人とも……消えた?」

ボフンっ!と言う音と共に2人の姿が消え、その場に残ったのは……



「ゲロゲロ、ゲロゲロ!?」
「ゲロゲーロ、ゲロゲロ!!」

2人が来ていた衣服や鎧と、カエル2匹だった。

20名無しさん:2021/08/13(金) 01:51:19 ID:???
「ゲロゲロ!!!ゲロゲーロ!!」
「ゲロゲロゲロゲロ!!」

「アハハハハハハッ!!2人とも前よりよっぽど素敵だわ。何言ってんのかわかんないけど、きっと喜んでるのよね?アハハハハハハ!」

「……う、嘘。カエルに変えられたの……?」

「ひ、人をカエルに変えるなんてそんなダジャレ魔法見たことありませんわ……で、でもこれは……」

イザベラがようやく整列の列に立つと、2匹のカエルはイザベラのそばに寄ってきてピョンピョンと飛び跳ねた。

「ゲロゲロ!!ゲロゲロ!!」
「ゲロゲーーーロ!!」

「ククク……ほら、早く試合始めましょうよ。こいつらもやる気満々だわ」

「……も、戻してあげて。そのままじゃ戦えない」

「アハハハハハハッ!アウィナイトは優しいのねぇ。じゃあ戻してあげ……おっと!」

ブシャッ!!!ブシャッ!!!

「うわあっ!!」
「ひいいっ!!」
「えっ……」



「な……ななななななななななんと!?イザベラ選手、仲間をカエルに変えた上に踏み潰して殺害したああああああああ!!!」

「な、何考えてるんですかね……味方殺すなんて。このままだと3対1なんですが……」

常識では考えられないイザベラの奇行と残虐行為に、会場はざわざわと騒がしさを増していく。

「な……あんたなにやってんのよ!!仲間だったんでしょ……?酷いよ、こんなの……!」

「クフフ……こいつらなんて、優勝賞金欲しさについてきただけのゴミよ。遅かれ早かれ始末するつもりだったけど、イライラしたから踏み潰した。それだけ」

「で、でも……これでは試合はできませんわ。2人がいなくなってしまっては……」

「フン……ねえ審判!あたしは問題ないわ。3対1で始めるわよ!それでいいでしょ?」

「……ここまできて中止できないので、イザベラ選手は1人で3人相手にしてください!もうこっちは知りません!!!」

「フフフ……ほらね。何も問題ないわ」

「…………」

踏み潰されたカエル2匹を眺めるリザ。
先ほどまで喋っていた人間が突然カエルに変えられ、無惨にも踏み潰された事実に、彼女の頭の中で悪い想像が回り始める。


(これって……ドロシーやアイナが……こうなるかもしれない……?)


「心配しなくても、アンタらはカエルになんか変えないわよ。こんな味気ない終わり方はアンタらも嫌でしょ?たっぷり遊んであげるわ……!」

「……!」

心を読まれたようなセリフに我に帰るリザ。
横を見ると、ドロシーとアイナも怯えを隠しきれていなかったが、闘志が消えたわけではなかった。

「や、やるわよリザ、アイナ!3対1なんてボーナスゲームよ!絶対勝ちましょ!」

「え、えぇ……そうですわね……」

「……うん、勝とう。それにこの人は……許せない」

「フフ……アウィナイトは優しい子なのね。こんな虫どもに同情して目の色を怒りに変えるなんて」

そう言うとイザベラは空間から魔本ソルティレージョを取り出す。
リザたちも武器を構え、ついに最後の戦いの舞台は整った。

「えー……では気を取り直して!王都警備隊トーナメント決勝戦!LETS ROCK!!!」

21名無しさん:2021/08/13(金) 01:52:51 ID:???
「ゲイルインパクト!!」

先手必勝を仕掛けるドロシーの風魔法がイザベラへと襲いかかる。
アイナは姿を消し、リザはドロシーの風を盾に勇猛果敢に接近戦を挑む。

「可愛い魔法ねぇ……コンデンスブリーズ」

イザベラの生み出した異空間が、ドロシーの風を吸収する。
その異空間を切り裂いて、イザベラの目の前に踊り出たリザは、迷いなくナイフを振るう!

キィン!!

「えっ……?」

イザベラの体に突き立てたナイフが、空間に貼られた見えない壁で弾かれてしまっていた。

「フフフ、可愛い声……もっと攻撃してみなさい、リザちゃん?」

「くっ……!たああっ!」

キィンッ!キィンッ!

「なんとなんと!リザ選手の必殺ナイフ攻撃が全て弾かれています!カイセツさんこれは一体どういうことなのでしょうか?」

「イザベラ選手は稀代の魔法使いです。彼女にしか使えない魔法も数多くあると聞きますから、おそらく自身の周りにリフレクターを張って物理攻撃を防いでいるのでしょう」

キィンッ!キィンッ!

(くっ……このままじゃナイフの方がダメになる……!一旦退くしか……)

イザベラの物理障壁突破を諦めたリザは、瞬間移動でその場を離脱する。

(へぇ……シフトが使えるなんて、たくさん特訓してるのねぇ)

ごく限られたアウィナイトに発言するという異能、シフトの力に関心しているイザベラの目の前に、リザと入れ替わりで奇妙なお菓子が飛んできた。

「あら?これは……」

「そのおっぱいを丸焼きにしてやりますわ!!ダイナマイトお煎餅ー!!」

ドオオオオォン!!
煎餅型の爆弾が大量に爆発し、周囲に煙が立ち込め始める。
すぐにドロシーが風魔法で煙を吹き飛ばし、リザが再度接近すると、イザベラの姿は消えていた。



「美少女チーム、素晴らしい連携力です!アイコンタクトや指示もなく、三位一体の連携を見事に成功させました!」

「ですが、イザベラ選手の姿が見当たりませんね……ってあれ、イザベラ選手の本が落ちてますね」

煙が消えた闘技場の床に落ちていたイザベラの本から、異空間が出現する。
そこから現れたのは、小さく拍手をしているイザベラであった。

「くっ!なぞのばしょ的な所に逃げてたんですのね!」

「あぶないあぶない。見た目によらずえげつない爆弾もってるのねぇピンクの子は。まともに食らってたら大怪我してたわ」

「リザ、アイナ!アレやるわよ!」

「が、がってん承知ですわ!」

「了解!」

相手が1人とはいえ、ただならぬ実力者であることは3人は肌で感じている。
ならば本気を出される前に、完封するしかない。
間髪入れずに攻め込む3人に対し、イザベラは静かに笑っていた。

22名無しさん:2021/08/13(金) 01:54:12 ID:???
「ガストバレット!!」

鎌を回転させた遠心力で風の弾丸を打ち出すドロシー。その威力は猛烈なエネルギーを溜め込んでいるため、常人であれば切り刻まれて骨も残らない威力である。

「魔法で私に勝負を挑むのはオススメしないわよぉ?コンデンスブリーズ!」

先ほどと同じ、風魔法を封じる異空間にドロシーの風は吸い込まれてゆく。
だが彼女たちの連携は、ここからが本番だった!

(……ん?風魔法の中に変なものが紛れて……ううっ!?)

パンパンパンパンッ!

「うおおっ!?なんですかこれは!激しい光が闘技場を包んでおります!フラッシュに弱い方はお気をつけくださいー!」

「ぐっ、私はこのマナコで見ました!ドロシー選手が放った風魔法にステルス状態のアイナ選手がパチパチキャンディーのようなものを投入!異空間に取り込まれる前に風がキャンディを炸裂させ、閃光が放たれたようです!」

解説のいう通り、放たれた後に仕込んだ閃光キャンディがイザベラの視界を奪う。
すぐに目を閉じたリザがシフトで急接近し、ナイフを振るうが……

(おそらく金髪が来る……でも無駄よ。物理障壁は私の意思や状態とは関係なく展開されている。こんな小細工で視界を奪われたからって、影響はない……)

「たあああああっ!!」

ズバッ!!!

「がはっ!?」

イザベラの思った通りに、リザのナイフが弾かれることはなかった。
ドロシーが射出したガストバレットのエネルギーは、アイナがキャンディを放り込む際に自身が持っていたナイフへと魔力を吸収させていた。
それを素早くリザへとパスしていたため、リザが持っていたナイフは物理属性ではなく、魔法属性。
物理無効の壁では防ぐことは叶わず、リザのナイフはイザベラの体に横一文字の強烈な一撃を与えたのである。

「なんとなんとー!先制したのは美少女チーム!イザベラ選手の体に大きな傷をつけることに成功したアアアア!!」

「これまでの戦いで磨いたチームワークが光りますね。3人とも自分の長所を最大限活用できています!大きく勝利に近づきました!」

「ドロシーちゃんいいぞー!」
「さっさとドレス脱げー!!!」
「アイナちゃんめっちゃ器用ー!!」
「このクソBBA仕事しろー!!」
「リザちゃんがんばぇーーー!」
「さっさとリョナられんか!!若い娘のリョナられる姿を見るのが生きがいだというのに!」

リザたちが有効打を与えたことで、観客たちの盛り上がりもさらに加速していく。
だが当の彼女たちは、油断などしていなかった。

23名無しさん:2021/08/13(金) 01:55:27 ID:???
「やったか!?……は言ってはいけないセリフですわね」

「障壁に多少勢いを殺されたけど、手応えはあった……これで倒れてほしい」

「2人とも、油断しないで。あんな凶悪な奴が一撃で倒れてくれるなんて思わない方がいいわ」

3人の視線の先のイザベラは、倒れはしないまでもゆらゆらと苦しそうによろめいている。

「ギブアップするー?降参ならもう私たちも何もしないわ!3対1なんて卑怯だし、もう終わりにしましょ!」

「ク、フフ……久しぶりに怪我をしたわ。しかもこんなに大きな傷……しばらくしたら出血で倒れて死んじゃうわね……」

「……何言ってんのこいつ」

「ウフフフフ……この出血なら気を失うまでざっと5分てとこかしら……?ゲホッ!……じゃあ5分以内に、あなたたちを全員始末しないとねぇ……」

「そ、そんな体で何ができると言うんですの!?大人しくギブアップしやがれですわ!」

「アイナ、あいつはまだやる気みたいよ。こっちも全力で……ぐあっ!?」

「え……ドロシー!?」

リザとアイナが視線を移すと、ドロシーはイザベラが発動させた束魔法の中で、身動きが取れない状態になっていた。



「今までの連携で気づいたの。起点作りはいつも風を使うこの子。だからこの子さえ潰せば、あなたたちのチームワークは瓦解する……そうよね?」

「くそ、なによこれ、動けな……!ぐうぅ!?あがあああああああああああっ!!!」

「ドロシー!?」

「あら金髪ちゃん、そんなおっきな声出してどうしたの?若い子の新鮮な魔力をちょっと吸収してるだけよぉ。簡単に殺したりしないから安心しなさい……ウフフフフ……」

ドロシーの悲鳴からして、明らかにちょっとという量ではなかった。
魔法使いが体内の魔力を急激に奪われてしまうと、体は動けなくなることは愚か、死に至ることさえある。

「ドロシーを、離せっ!!」

「あ、リザちゃん!?1人で無闇に突っ込むのは危険ですわ!!」

アイナの静止も聞かず、ドロシーを助けるべくリザはシフトで一気に接近し、イザベラへ斬りかかる。
だがこの時のリザは、まだ自分の魔力をナイフに乗せるという器用な技ができていなかった。

ガキィンッ!!

「しまっ……ぐううっ!?」

その攻撃はまたも物理障壁によって弾かれてしまい、体制を崩したリザはその細首をイザベラの手に捕まれた。



「ウフフフフ……貴女は面白い魔力を持ってるわね。まだ使いこなせてはいないみたいだけれど……」

「そんな、リザちゃん!!」

「は、離してっ……!ぐ、げほっ!」

イザベラの細腕が、リザの首をギリギリと締め上げる。
細腕から生み出されている力とは思えない圧力に、リザは苦しそうな声をあげながらも必死に振り解こうとしていた。

「フフフフ……こんな可愛い衣装を着てるんだもの。観客にはちゃんと貴女のサービスシーンを見せてあげなきゃ」

メキメキメキメキ……!
「う、ぐ!ああぁっ……!」

「でもこのまま首絞めで落としちゃうのも面白くないから……貴女にはこれをプレゼントしてあげる。どうなるか楽しみね……?」

「な、何を……?きゃむぅっ!?」

拘束を解除され抱きしめられたリザは、イザベラに腰に手を回されたままディープキスをされ、口移しで怪しげな魔力を注がれていく……

24名無しさん:2021/08/13(金) 01:57:07 ID:???
「キマシタワーーーー!!」
「やっぱりレズだあああああああ!!!」
「リザちゃんとキスできるなんて……いいなぁ」
「リザちゃん、がんばぇーー!」
「さっさと発情させて服脱がせろー!」

ちゅっ、ちゅむ、ちゅくる、むちゅううっ!!
「んんっ!きゃぅ!あああん!や、やめ、てぇっ……」

「あらあら、普段よりずいぶん可愛い声出すのね。それが貴女の地声?もっと可愛がりたくなっちゃうわぁ……」

興が乗ったイザベラは、リザを仰向けに倒してマウントポジションを取り、そのままキスを続ける。

「さぁ、楽しみましょう?んっ……!」

「やあぁぁっ!んっ、んぐぐぅ……!んーーーッ!!んーーーーーー!!!」

イザベラにキスをされるたびに、リザの腰が跳ね上がり、ビクンビクンと痙攣する。

(こ、この魔力……!体が、ふわふわして、変な、感じ……!)

一気に体を弛緩させるような魔力に必死に抗うリザ。
そんな彼女の体に、イザベラの期待する効果はまだ表れていなかった。

「気持ちいいはずなのに、抵抗するのねぇ。身を任せて楽になれば早く終わるわよ?んむぅ……!」

ぐちゅ、ちゅうううううううぅ!!!
「ひゃんっ!?ん、んんんんんんんんぅ!?」

「ほらほら、よくなってきた……ふふ、アウィナイトって興奮するとローションみたいに甘く粘っこい唾液になるっていうのは本当だったのね。いい経験になるわ……」

「あ、ぁ……うぁ……」

段々と体が痺れたように動かなくなり、弱々しい声を出すリザ。
そんな姿に気を良くしたイザベラは、トドメとばかりに舌を激しく絡ませていった。



「さぁさぁなんと見事に形成逆転!ドロシー選手は異空間に拘束され、リザ選手はマウントポジションからのキス責めを受けて蕩けてしまっております!そしてアイナ選手はまさかの戦意喪失だあああ!」

「アウィナイトって興奮すると唾液が甘くて粘っこいローションみたいになるんですね……やっぱり、性奴隷として生きてたほうが世のため人のためになりそうですね。あんなに可愛いんだし。あの子のフェ◯めっちゃ気持ちよさそうだし」

攻めのドロシーが封じられてから、状況は一気に最悪に陥った。
ドロシーの悲鳴を聞いて冷静さを欠いたリザは、その報いと言わんばかりに敵の魔術師に唇を奪われ犯されている。
そんな彼女の姿を眺めることしかできないドロシーは、罪悪感でいっぱいだった。

「ぐぅ……!り、ざ……!が、ああああああああっ!?」

「あぁ、リザちゃん、ドロシー……あ、アイナはどうすればいいんですの……?」

「あ、アイナ……リザを、助け……て……ぐっ、あああああああああぁ!!!」

「む、むむむ無理ですわ……アイナ1人で立ち向かうなんて、そんな……ドロシーとリザちゃんが一緒にいてくれないと、アイナは……!」

ステルスして向かったところで、全く勝算もない。
むしろ今リザに夢中のイザベラを刺激すると、とんでもない報復をもらう可能性がある。
親友を助けようとして捕まったリザとは対照的に、自己保身の考えになってしまったアイナは、その場にぺたりと座り込んでしまった。

(む……無理ですわ……ギブアップ……そうだ、もうギブアップするしかないですわ……)

25名無しさん:2021/08/13(金) 01:59:05 ID:???
「し……審判ッ!!ギブですわ!!アイナたちはもう無理ですわッ!!この試合はもうアイナたちの負けで、終わらせてほしいですわっ!!!」

「……は?」

実況の一言に、水を打ったように静まる会場。
リザの苦しそうな喘ぎ声だけが響く空間に、しばらくして笑い声が響き渡った。


「ギャハハハハハハハハ!!!」
「いやむしろこっからが本番だろがいっ!!!」
「勝ち名乗りが上がるまでは試合続行じゃあ!」
「ほらほらリザちゃんが負けちゃいそうよ。あんた応援してあげなさい」
「リザちゃん、がんばぇーーー!!!」
「アイナちゃんの絶望顔可愛すぎてぺろぺろしたい」



「えー、試合は相手を気絶、または死亡させて勝ち名乗りが上がるまでは続行です!時間無制限!さあ、戦闘を続行してください!」

「そ、そんな……!」

アイナの目の前には、すでに魔力を吸い尽くされたのか、涎を垂らして気絶しているドロシーと、拘束から抜け出せず喘ぎ声を漏らし続けるリザ。
イザベラはまだリザに夢中で、アイナに襲いかかる気配もなかった。

「……こ、この状況はもうどう見ても……あ、アイナたちの負けですわ……そ、そうですわ!イザベラさん、いやイザベラ様!!勝ち名乗りを上げればもう勝ちにしてあげますわ!だからリザちゃんを……リザちゃんを離せですわ!!」

「んっふ……!こ〜んな可愛いおもちゃ、思いっきり楽しまないと損じゃなぁい♡勝ち名乗りなんてまだあげないわぁ。貴女は後で適当に料理してあげるから、大人しく待ってなさい」

「あ、あい、にゃぁ……!んむぅっ!?ふあああああああっ!!!」

「リ、リザちゃん……!む、無茶苦茶ですわ!!こんなの、もうただのレイプと虐殺ですわ!!」

「クククククク!!!レイプに虐殺!!それこそ勝者の特権と言えるじゃないか!!」

突然実況席から響き渡ったのは、アイナも聞いたことがある声だった。



「この声、お城で助けてくれた……王様!?」

「ククククク……男は虐殺、女は犯す。それの何が悪い?強いものが弱いものを貪り尽くし、全ての尊厳を奪い絶望させ蹂躙する。それこそがこの国の成り立ちであり繁栄の礎。老若男女誰でも理解できる、実にシンプルな国家のスタンスだ……」

「で、でもこれは……もうドロシーもリザちゃんも戦える状態じゃありませんわ!これじゃもうただ嬲られるだけっ……!」

「クク……みんな君たちのような美少女が嬲られる様を見に来ているのさ。それにこの戦いに全てを承知で挑んだのは君らだ。別に強制もしてないんだから、ルールくらいは守ってもらわないとなあ?クククククククク!!!」

「そ、そんな……じゃあアイナは……ドロシーは、リザちゃんは……ここで死ぬんですの……?」

「それはイザベラ次第だが……まあ親切に教えておくと、この大会でイザベラと戦って生きてたやつはいない!以上だ!」

「……え……」

王のセリフに、アイナは目の前が真っ暗になった。

26名無しさん:2021/08/13(金) 02:00:07 ID:???
「ウフフフフフ……ちょっと時間かかっちゃったけど、そろそろかしら?」

「はぁっ……はぁっ……う、ぁ……」

イザベラとリザの口を繋ぐ粘性の液体……お互いの唾液が長い糸を作り、ぽたりとリザのドレスに落ちた。
リザの喘ぎ声で完全にスイッチの入ったイザベラは、リザの黒ドレスに手を突っ込み胸やお腹を撫で回している。

(この子が可愛くて、ついつい快楽魔法まで大量に流し込んで楽しんじゃったわぁ……)

「さぁリザちゃん、飛び回る準備はできてる?」

「……とびまわりゅ……じゅんびっへ……?」

「ふふ、呂律回ってないわよ?やらしい喘ぎ声はしっかり出せてたくせに、いやらしい子ねぇ……ほら、きたきた」

ビクン!!
「んぅ!?ぐ、ぁあ!!ひゃあっ!?」

リザの体がビクン!と跳ね上がると、ふわりと浮かび上がると同時に、辺りに魔力が奔流しはじめ、バチバチと音を出し始めた。

バチバチバチバチバチ……!
「あぐっ……!な、なに、これっ……?」

「リザちゃんの魔力に、不確定要素がたくさん詰まったジャンクな魔力を注ぎ込んだのよぉ。そうするとどうなるかっていうと……まぁこれからわかるわ」

「は、はぁっ……はぁっ……!」
(体が……熱い……!魔力が、抑えられな……!)

体を走る魔力が暴走し、激しい発汗と悪寒がリザの体を襲う。
急な体温の変化に意識を失いかけるも、すぐに魔力が体内で走りだしリザの意識を覚醒させる。

バチバチバチバチバチバチィィッ!!
「ぐあぁあああぁッ!!あっ!これ、だめッ、あ、や、いやあああああああっ!!」

「あら、消えちゃった♡」

魔力が暴走したリザは、イザベラの目の前から消えた。



「なんと、魔力が暴走したリザ選手が消えてしました!いったいどこに……?」

「ぐうぅ、あがあああああああああっ!!!」

「あ、あそこです!会場上空で悶え苦しんでます!カメラさん、逃がさないでズームして!」

大会会場の空中で、リザは電撃に打たれているかのように胸を突き出して絶叫していた。

「良絶叫キターーーーー!!」
「足ピンで胸を突き出すポーズが素晴らしい」
「あ、あれ?また消えた!」

「はっ、はっ、うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」

「あっ、カメラさん会場真ん中の地面!なんかいろんなとこに連続で瞬間移動してます!」

「なるほど……これはおそらくリザ選手の意思ではなく、体内の魔力暴走によるものですね。えー、どこに移動するかわからないから、撮影が大変です!!カメラ人数増やして対応お願いします!!」



魔力暴走により自分の力に制御の効かなくなったリザは、地面、空中、観客席とランダムに飛び回っていく。
なお、観客席より外は魔法障壁が貼られており、そこから外にはワープできない状態になっていた。

「ウフフフフ……無様ねぇ。ピュンピュン移動しながら悶え苦しんで、しぶといハエみたい」

「ああああっ!い、いや……っ!きゃあああああああああああぁ!!」

「あっ観客席に移動しました!カメラさん抜いて抜いて!」

「うひょおおおおお!リザちゃんが俺の股間にワープしてキタァ!!これはもうヤっていいんだよなぁ!」

ビリビリ!!

「うあぁっ!!」

観客席にワープしてしまったリザは、興奮した男にドレスの裾を引きちぎられた。

「グヘヘへ……次ワープするまでは、やりたい放題ってわけだぁ!」

「ひっ!?や、やめて……からだ、痺れて……動けな……!あ、きゃああっ!」

「グヒヒ……!ってあ!もうワープしちまったああああああ!!」

「えー、観客の皆さん!リザ選手が10秒ぐらいの間隔で悲鳴と共に突然頭上や目の前に現れるため怪我をする危険があります!リザ選手の魔力が尽きるまではお気をつけくださーい!あと選手への攻撃は基本的に禁止ですが、不可抗力で殴っちゃったり、不可抗力で服を破いちゃったり、不可抗力であーんなとこやこーんなとこを触っちゃったり、不可抗力で一緒に写真撮影しちゃったりするのは大丈夫でーす!」

「うおおおおーーー!!」
「俺んとここい!俺んとここい!」
「あんな可愛いおにゃのこが俺の身体に飛んでくる可能性が……?」
「ほらリザちゃんが来てくれるかもだってよ。お祈りしなさい」
「リザちゃん、がんばぇー!」
「10秒じゃ挿れらんねえな。リザちゃん掴んだら速攻でキスしねえと!」
「会場広いしどうせこないでやんすよー」
「ぼ、僕は10秒間の間だけでもパイオツが触れればいいなぁ……グ、グヒ」

不可抗力という制限は、このトーメント闘技場では無きに等しい。
観客が不可抗力と申告すればすべて不可抗力になってしまう。
突然の観客サービスのようなリザの魔力暴走に、闘技場は熱狂の渦に包まれていった。

27名無しさん:2021/08/13(金) 02:01:19 ID:???
「あぐっ……!」

「キタアアァ!!リ、リザちゃんが俺の身体にいいいぃ!!」

「うわ、うらやまーー!!さっさとキスするかおっぱいでも触って土産にしとけ!」

「いやまって……めちゃいい匂いする!身体軽ゥ!顔ちっさ!金髪サラッサラ!!ほんとにお人形みたい……ってあ!消えたアアアア!!」

「だからさっさとキスするか触れって言っただろおー!」



「ぐぅあっ!」

「こ、こここっち来たぁ!ん、ちゅうううううつっ!!!」

「んんんんんむううぅっ!?」

「ぷはっ!あ、消えた……へへ、あんな金髪美少女とキスできたなんて、もう人生に悔いねぇなぁ……」



「痛ぅッ!!」

「あ、きたっ!」

「ばかやろ、俺んだ!どけよクソがっ!」

「んだとぉ!?リザちゃんは俺のとこにきたんだ!テメェがどきやがれえぇ!」

「あ、ああぁっ……!ぐ、ううううう!」

「「ああーーー!!消えちゃったああああ!!」」



「さあリザ選手の瞬間移動で、観客席はうれしい悲鳴なら醜い争いやら!場外乱闘も起こるほどのカオスっぷりとなりました!」

「うぐっ……!」

「突如目の前に美少女、しかも10秒間なにしてもOKとは、人それぞれ楽しみ方に個性や好みがあるとは思いますが、カイセツさんがこの状況になったらどうされますか?」

「うひょーーー!!!ん、んふ、んんんんんんん!!!」

「ちょ、なんですかその気持ちの悪いコメントはっ……てあれ!?リザ選手がいつのまにここにぃ!?」

突然後ろに現れた息も絶え絶えのリザに、カイセツは迷うことなく髪の毛を掴んで接吻していた。

「あ、消えちゃった……えーっと、美少女に10秒何してもOKだったら、ベロチューで鼻の穴まで舐めて楽しみました」

「正直キスは悪手だと思いますよ。さっきから回されてるから、前にキスしたのがおっさんの可能性もありますし」

「た……たとえそうだとしても!あんな美少女とキスできるのにしないほうが男として悪手だと思いますがね!!!」

「うわ、ここに来て1番強い口調で主張してますね……」



「ウフフフフ……リザちゃんにはいいお仕置きになったわ。私より目立った罰の、ね」

「……イザベラさん……本当にお願いですわ……もうこれ以上、アイナのリザちゃんを苦しめないで……」

「ウフフフフ……暴走している魔力が切れるまでは、あの子は観客たちのおもちゃ。もう私にとっては何も関係ないわ」

「……ならさっさと、アイナを気絶させるか殺して、この戦いを終わりにしてほしいですわ……」

「そうねぇ……風使いの子はもう泡吹いて気絶してるし、楽しめそうなのは貴女くらいかしら」

イザベラがヒールを鳴らして近づいてくる。
近くではドロシーが白目を剥き泡を吹いて涎を垂らし、動かなくなっている。
遠くではリザが魔力暴走の感覚に耐えられず悲鳴をあげながら、空中や観客席を飛び回っていた。

(……アイナはクズですわ……友達がこんなに酷い目にあってるのに、こいつに反抗する気力が湧かないなんて……)

「……はぁ、貴女もここまで潰してきた奴らと同じ、つまらない顔だわ」

「……どういう意味ですの」

「諦めちゃってる顔よ。あたしそういう顔大っ嫌いなの。戦意喪失して諦めてただ死を待つだけの存在……そんなの痛ぶってもつまらないわ」

「そんなこと言われても、無理ですわ……アイナ1人では勝てるわけないですわ……」

アイナが諦めた時、上空の次元の裂け目からリザが現れ、アイナの目の前に落下した。



「あ゛ぐっ……!」

「り、リザちゃん!?あぁ……こんなの酷いですわ……!」

美しい黒ドレスは所々が引き裂かれ、顔を殴られたのか右目の上に大きな痣ができている。
魔力暴走で体力を奪われながら観客たちに何度も殴られ、触られ、犯され、リザの身体はボロボロだった。

28名無しさん:2021/08/13(金) 02:02:33 ID:???
「暴走してた魔力がやっと尽きたわねえ。観客たちと遊び疲れてぐったりみたい。しっかり休ませてあげなきゃ」

「う、ゲホッ、ゲホッ……!ぁ、アイナ……無事……?」

「あ……アイナは無事ですわ。こんなときまで他人の心配なんて、リザちゃんは優しすぎますわ……」

「へぇ……これが素晴らしき友情ってやつかしら?泣けてくるわねぇ……全部踏み潰してやるけど!」

ドゴっ!!
「おぐっ……!!」

息も絶え絶えのリザのお腹を、ヒールで容赦なく踏み潰すイザベラ。
体重を乗せた容赦のない一撃に、たまらずリザの口から吐瀉物が吐き出され、イザベラの足に付着した。

「……私の足に……何をかけてんのよこの性奴隷がああああぁっ!!!」

ドガッ!!バギッ!!グチャッ!バゴッ!!
「ぐ、ああああああああああッ!!!」

「リ、リザちゃあああああああああん!!!」

逆上したイザベラに蹴りの連打を浴びせられるリザ。
美しい金髪は土と埃に塗れ、痛々しい腫れが数カ所も顔にできていても、イザベラは止まらなかった。

「クククク……アウィナイトを絶望させるといい顔になるって聞いてたけど、本当にいい目の色になるのね……」

「ぐふ……んぐっ!ゲホッ、げぼッッ!!……ぅ……」

散々蹴られて内臓がやられたのか、大量の血を吐いたあと、リザはぐったりと動けなくなった。

「ぺっ!アウィナイトの分際で、兵士になろうなんてよく思ったもんだわ。いいザマねぇ。アンタのファンもいい加減目が覚めるでしょうよ。アウィナイトは所詮、弱小民族の性奴隷なんだってね!」

「……も、もうやめて……リザちゃんが、死んでしまいますわ……」

「こいつはあとで金にするし、殺さないわよ。……最後はアウィナイトでも魔法使いでもない無価値なアンタね。さて、どう料理したものかしら」

リザに唾を吐き、彼女の体を蹴り飛ばしたイザベラが、ゆっくりと近づいてくる。

(……こんなことになるなら、大会になんか出るべきじゃなかったんですわ……アイナたちの力なんて、所詮本当の怪物には及ばない……兵士になるなんて、無理だったんですわ……)

29名無しさん:2021/08/13(金) 02:03:46 ID:???
「反抗しない奴を痛ぶるのも面白くないし、アンタはさっさと殺すわ。そうすればこのアウィナイトも、一生自分を責めて苦しむことになるだろうし……ククククク!」

「さあイザベラ選手、魔力吸収でドロシー選手を完封し、魔力暴走でリザ選手を完膚なきまでに叩きのめしました!残るはアイナ選手ただ1人です!」

「アイナ選手はもうションベンちびってますね。まあ親友があんなにボロボロにされて、これから殺すと言われれば、誰でもああなるかも知れませんが……」

動かなくなったリザやドロシーのアップが映し出されると、イザベラの死体蹴りに少し冷めていた観客席がまた盛り上がり始める。

「ククククク……観客も喜ばせてるし、あたしにしては結構盛り上げられてる方だわ。大会側には感謝してもらわなくちゃ……ん?」

何かに足を掴まれ、イザベラが下を向くと、動けなくなったはずのリザが片手で足を掴んでいた。

「アンタまだ動けたの?ゴキブリ並みの生命力ね……もしかして魔力をあげすぎたのかしら。それで覚醒してるだけみたいね」

「……お、願い……アイナとドロシーに……酷いこと……しないで……」

「プッ……!ねぇ聞いた?仲間には酷いことしないでだって。じゃあアンタはどうなってもいいの?あたしに買われて、一生慰み者の人生でもいいわけぇ?」

「リ……リザちゃん、だめですわ……そいつの口車に乗ったら、リザちゃんは……」

「……私はそれで、いい……だから、2人には……手を出さないで……」

「ククク……アーハッハッハ!!アウィナイトだからって自己犠牲にも程があるわ!でも……アンタらは全員地獄に送るってもう決めたからね!何を言っても無駄よ!」

ドガっ!!
「がはっ……!」

「あ、リザちゃんっ!!」

満足に悲鳴も出せないリザは、イザベラに蹴り飛ばされてドロシーの上に落下した。

「狙い通り♡2人でイチャイチャしててね。このピンクを遊び殺したら、一緒に地獄へ送ってあげる」

「ドロシー選手とリザ選手、サンドイッチになってしまいましたー!」

「是非とも2人の間に挟まってクンカクンカスーハースーハーしたいところですねえ……さて、そろそろ試合も終盤ですかね」

「アイナ選手は戦意喪失しております!こここらは彼女の残虐レイプショーとなるのか、はたまた奇跡の大逆転となるのか!」

実況が煽り立てるも、観客たちはほぼイザベラの勝利を確信していた。


「3人まとめてさっさと脱がせろー!」
「3人まとめて裸で吊し上げろー!」
「アイナちゃんも観客席に飛ばしてくれー!」
「敗北美少女とのふれあいコーナー常設キボンヌ!!」
「ドロシーちゃんとリザちゃんに挟まりたいー!」
「アイナちゃん1人じゃなんもできんっしょ笑」
「リザちゃんも動けなくなっちゃったし、そろそろ帰ろうかしらねえ」
「リザちゃん、がんばええええ!!!」



(……このまま……終わりでいいんですの?もしここにいるのがリザちゃんやドロシーだったら、きっと最後まで戦ったのに……)

アイナが顔を上げると、イザベラの手のひらには炎が渦巻いていた。

「うるさいガキは嫌いだし、無価値なアンタはさっさと焼き殺すから安心なさい。まあ、楽には死ねないと思うけどね……」

(……焼死……それはそれは苦しい死に方らしいですわね。友達を助けられなかったアイナにはピッタリな死に方かもしれないですけれど……)

生きることを諦めたアイナの視界の片隅に、リザの姿が目に入った。

(……リザちゃん、あんな酷い目にあっても、最後までドロシーとアイナを気遣って……そんなリザちゃんになにも報いることなく、アイナはこのまま終わるんですのね……)

「さあ、そのままさっさと……死ね!!!」

(……アイナたちの夢が、こんなところで終わるなんて……!)

猛火弾がアイナに向かって射出される。
アイナはそれを正面に見据えたまま無情にも焼き尽くされ……ることはなかった。

30名無しさん:2021/08/13(金) 02:06:26 ID:???
「おおっと?完全に諦めていたアイナ選手ですが、どうやらすんでのところでイザベラ選手の魔法を回避したようです!その姿が見えません!」

「アイナ選手のステルス能力ですね。これまでの戦闘で、透明にはならないことが分かっていますが……イザベラ選手を仕留める秘策はあるのでしょうか」

イザベラの放った炎弾は壁に激突し、チリチリとしばらく燃えて消えた。

「チッ、完全に諦めた顔をしていたくせに……さっさと出てきなさい!ぐっ……!」

「おっと?イザベラ選手、腹を押さえてなにやら苦しそうです!これはまさか……」

イザベラが押さえているのは、先程リザに斬られた場所である。
自身で宣告した5分を過ぎ、ついに貧血で意識を失いかけたのであった。

(……そろそろ出血が多くなってきたわ。さっさと済ませないとねぇ)

「これは、アイナ選手にもチャンスがあるかもしれません!持久戦に持ち込めば、イザベラ選手は出血多量で倒れるでしょう!ねぇカイセツさん!」

「出血多量、ねぇ……」



(実況が言った通り……そういえばヤツはリザちゃんの一撃をもらっていますわ!時間稼ぎで体力を消耗させればいいんですわ!)

「くっ……!姿を消しても無駄よ。マナの流れを追えばアンタの居場所は……」

アイナの能力は存在を消すステルス。
足音や足跡は消せないにしても、赤外線検知や魔力の流れを追う体内起因の痕跡はすべて消すことができる。
故に、イザベラの魔力を持ってしてもアイナの居場所を掴むことはできない。

(チッ、意外と厄介な能力ね……まあでも、攻撃するときには痕跡が残る。奴が攻撃を仕掛けてきたところを叩けばいいわ)

妙なお菓子を投げつけてきたところを無効化し、集中砲火するつもりでいるイザベラ。
だが彼女は、アイナの目的に気づいていなかった。



「……くっ……一体いつになったら来るのよ……!」

そう、アイナが攻撃を仕掛けてこない。
決め手がないため手を出せずにいるのだろうが、アイナが姿を消してからもう5分も経っていた。

「なんと、ここにきて戦局は膠着状態に入りました!!片や決め手に欠けるため攻撃できず、方や相手の場所がわからず攻撃できず、なんとも言えない状況です!!」

「そろそろリザ選手たちも起きるのではないかと思いましたが……2人揃ってくっついて百合百合とおねんねしてますねえ」

膠着状態になれば、不利なのは実はイザベラの方であった。
出血が多くなってきたせいか、だんだんと意識が遠くなっていく。

(……仕方ないわね……それなら……)

「ぐっ……うぅ……」

「おーっと!ここでイザベラ選手、ついに出血多量で蹲ってしまったー!」

「これはチャンスですねー。アイナ選手、もうここで責めるしかないんじゃないでしょうかー」

「え!?なんでそんな棒読みなんですか解説さん!?」



(……なんかよくわからないけど、蹲って苦しそうですわ!ならばここでアイナのお団子爆弾をお見舞いしてやりますわー!)

お団子爆弾とは、お団子型の爆弾である。
見た目も触感も、もちもちしていて一見爆弾に見えないが、地面などの硬い場所に触れた直後、大爆発する危険な代物だ。

「う、くぅ……」

(よし、こっちを見てないですわ!そのおっぱいごと、消しとばしてやりますわー!)

イザベラめがけてお団子爆弾を投げるアイナ。
その弾道は弧を描きながらイザベラへと飛んでいったが……



ぽむんッ♡

「え」

「んぁっ……はぁんっ♡」



お団子型爆弾は、着弾場所となったイザベラの巨乳の弾力にブルンッ!と弾き返され、アイナの元へ跳ね返ってきたのである!!!

31名無しさん:2021/08/13(金) 02:08:58 ID:???
「すげえええええぇ!!!」
「おっぱいで、いや乳房で爆弾を弾いた!?」
「貧乳だったら死んでたな」
「謎の喘ぎ声がエロかった……!」
「俺も爆弾になりてえ」
「ファインプレーならぬパインプレー!」
「やはりおっぱい……おっぱいはすべてを解決する……」



「な、なななんとイザベラ選手!!某爆弾デスゲーム漫画の如く、起爆の衝撃を発動させずにおっぱいで爆弾を弾いたー!!!」

「しかもやたら色っぽい顔と喘ぎ声付きですよ。確信犯ですかね、コレ」

「な、ななななー!?ふざけんなですわー!!そんなのおっぱいを使ったイカサマ……あ」

コロコロコロコロ……ドカーーーーーン!!!

「パイオツカイデー!!!!!!」

足元に転がってきた爆弾の爆発の衝撃で、ステルスが解除されたアイナは妙な悲鳴と共に思い切り吹き飛ばされた。



「フフフ……ようやく捕まえた」

「きゃあっ!」

倒れたアイナにマウントポジションを取るイザベラ。その手には闇の力が渦巻いている。

「よかったわぁ巨乳で。あたしが貧乳だったらさっきので死んでただろうし」

「ぐ……おっぱいに敗北するなんて、惨め過ぎますわ……あれ?そういえば貴女の傷は……」

「ああ、さっき蹲ってるときに治癒したわ。フフ……もしかして攻撃のチャンスだと思った?アレはただの誘い受けよ。こうして見事にひっかかってくれてありがとう♡」

「え……そ、そんな……!」

「アハハハハハハ!!!稀代の魔法使いと呼ばれたあたしが、あんな傷ひとつ治す治癒魔法も使えないわけないじゃない!解説の棒読み聞いてなかったの?いつでも治せたけど、あえて隙を作ってただけなのよぉ?」

「ぐ……ではアイナは……アイナは手のひらの上で踊らされていただけですの……?」

「そういうこと。アンタはこの魔法……ドロールプレジャーとかいったかしら?無駄な抵抗をしてくれたお仕置きに、快楽と苦痛を与える魔法で、思いっきり嬲ってあげるわ……!」

「ひっ!や、やめ……あ、うああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」

闇の力を込めた手でアイナの頭を掴み、その魔法を直接頭から流し込む。
途端に爪先からは苦痛、頭からは快楽を感じる物質が過剰に生成され、アイナの体は混乱に陥った。



「痛いのがあんまりわからなくなるくらい、気持ちよくなる魔法なのよぉ。ほんとは魔法少女にやる魔法らしいんだけど……女の子ならなんでもいいわよね♡」

「あ、あ、あぁ゛……!か、身体中がぞわぞわして……画面の左から右までぞわぞわで埋め尽くされたら、発狂してしまいそうですわ……!」

「昔のキモいゲームみたいな感想ねぇ……じゃあ思いっきり、ぞわぞわさせてあげる!」

「や、やめて、お願いやめてぇ!!いやっ!だめっ!あ、ああああああああああああああああああああああッ!!」

お嬢様口調で喋ることも忘れ、思い切り股間を掴まれたアイナは泡を吹いて絶叫した。

32名無しさん:2021/08/13(金) 02:11:32 ID:???
「あ……ぅ……!」

「ふぅ……汗も涙も鼻水も涎も流しちゃって、顔から出るもの全部でてるじゃない。情けないわねぇ〜」

顔から出るものどころか、失禁までしてしまったアイナは白目を剥いてぐったりしていた。

「まぁ、バカみたいな戦い方してた割には結構いい悲鳴だったわ。聞かせてくれたお礼に、今度こそ一瞬で殺してあげる……」

バチバチバチバチバチッ!!
「ひ、ひいっ……!」

イザベラの掌に雷が迸り、周囲の空気がピリピリと震えはじめる。
観客たちはいよいよトドメの時だと言わんばかりに、立ち上がって興奮しはじめた。

「観客も盛り上がってきたし……アンタを殺して、あの魔法使いも殺して、アウィナイトはどこかに売って金にするわ……いや、勝ち名乗りを上げたこの場でオークションするのもいいかもしれないわねぇ」

「……ふ、ふふ、ふふふふふふ……」

「……何がおかしいのかしら?」

「……掌の上で踊っていたのは……おばさんの方……ですわ……」

「は?いったい何を言って……え」

アイナの視線の先……イザベラの腹には、風魔法を帯びた大きな鎌が刺さっていた。

「……ゴフッ!?な、なに……なによ、これ……!」

「ブン師匠に教わった奥義!!!グリム!!!リーパーアアアァ!!!」

「がはっ……ぐああああああああっ!!!!」

鎌の一撃と凄まじい風圧で、イザベラの体は闘技場の電光掲示板まで吹き飛ばされた。



パリーン!!バチバチバチバチバチ!!!
「ぐうっ!?ああああああん!!」

「追撃の電光掲示板の電撃イイイイィ!!イザベラ選手、これは致命の一撃だああぁ!!……しかしなぜ、ドロシー選手が起き上がったんでしょうカイセツさん?」

「はいはい、ドロシー選手とリザ選手の状態を思い出して欲しいんですが、ドロシー選手は魔力切れで気を失っていて、リザ選手は魔力暴走で立ち上がれない状態でした。つまり、ドロシー選手の方は魔力さえあれば立ち上がれる状態だったんですね」

「ふむふむ……」

「リザ選手は魔力暴走しつつも、イザベラ選手に与えられ過ぎた魔力がまだ体内に残っていました。が、彼女自身は観客の暴力や私の接吻のせいで満身創痍。動けない状態でした」

「なるほど、ということは……!」

「イザベラ選手が2人をサンドイッチにしたのが悪手でした。リザ選手は動けなかったけれども、自身に残った魔力をドロシー選手へ直接注ぎ込むことで、ドロシー選手を覚醒させたのです!」

「おお!つまり、魔力を直接注ぎ込むということは……!」

「ええ、ええ!私だけはその様子をずっと見ておりました!ばっちりカメラも回しているので、その様子は観客の皆さんにも割増料金で売りつけましょう!」


「ええええええええ!?」
「き、気づかなかったああぁ!!」
「ドロシーちゃんとリザちゃんのキス……!生で見たかったああああぁ!!」
「10万ナーブルでも買うぞおおお!!」
「リザちゃん、がんばえーーー!!!」


解説に捕捉すると、アイナにとどめを刺す瞬間に観客席が盛り上がったのは、ドロシーがむくりと立ち上がったからである。
それにイザベラが気づいていれば、また結果は変わったかもしれないが……



ドサッ!
「ぐふっ……!お、おのれ……!アウィナイトが私の魔力を、こいつに与えただと……!」

「アイナが諦めそうになった時、立ち上がれたのは……リザちゃんがこっちに目配せしたからですわ」

「……な、に……!」

「こうなることを見越して、リザちゃんはアイナを信じてくれた……貴女が苦しむまで、貴女の腹の傷のことなんか、すっかり忘れてましたわ」

「……ぐ……!」

「アイナのリザちゃんが可愛いすぎるからって、魔力を与えすぎたのが貴女の敗因ですわ!!」

「それにしても……よくも観客巻き込んでリザにあんな酷いことしてくれたわね!もう1発食らわしてやるわ!グリム……!」

「……ぐ……ぅ」

「……ガックリ落ちましたわね」

「ふん。ならもう終わり!この王都警備隊トーナメントの決勝試合は、あたしたち美少女チームの……完全勝利よ!!!」

「「「ウオオオオオオオオオ!!!!!」」」

ドロシーが鎌を上に掲げ、勝鬨を上げると共に、闘技場は割れんばかりの喝采に包まれた。

33名無しさん:2021/08/13(金) 02:35:50 ID:???
「ん、ぅ……?」

「あ、リザ起きた!」
「リザちゃん!!大丈夫ですの!?」

リザが目を覚ました場所は、トーメント城の医務室。
試合終了時、彼女だけ全く意識がなかったため、ここへ運び込まれて治療を受けていた。



「そっか……私たち、勝てたんだ」

「もーほんっと嬉しい!リザのおかげよ!あいつの魔力を……その……あー….…つまり、えっと……」

「ドロシーは自分のセリフを見切り発車するからそうなるんですわ!その続きはアイナが言ってあげてもいいんですのよ?」

「や、やめてよアイナ……!私も、その……自分のしたこと、わかってるから……」

「……えー……べ、別に、あたしはそんなに気にしてないわよ?リザのこと、好きだし」

「えっ、えっ、ええっ……!」

「バカ!そういう意味じゃないっ!なんで耳まで赤くなってるのよ!と、友達としてに決まってるでしょ!?……だからリザも、そんなに気にしないで欲しい、っていうか……」

「あーあー。もう2人とも茹で上がったタコみたいですわ。仲睦まじいことで。はやくお赤飯炊かなきゃですわ」

「う、うるさいわね……!でも、アイナも1人ぼっちにさせちゃったのに、頑張ってくれて……ありがと」

「……アイナは途中、完全に諦めてしまいましたわ。それでも戦えたのは……リザちゃんが諦めてなかったからですわ」

「え、わたし……?」

「あの時リザちゃんが目配せしてくれなかったら、アイナは今ごろ骨まで焼かれてこの世からオサラバしてましたわ。だからリザちゃんは、またもアイナを救ってくれたんですわ!」

「……そう、なんだ……でも、アイナも頑張ってくれたのは事実だよ。アイナが時間稼ぎをしてくれなかったら、私もやられてたと思う」

「リザちゃんは優しいですわね……アイナもいつかリザちゃんみたいに、自分を犠牲にしてでも誰かを助ける強さを身につけたいですわ!」

「おお、アイナかっこいい!バカのくせに!」

「ムキー!今そういうツッコミは野暮ですわよ!!」

「あははっ!まあつまり、あたしたち3人で掴んだ勝利ってことでしょ?三位一体のチームワークが掴んだ、友情、努力、勝利ー!ってね!」

「はあ……いかにも脳筋ドロシーの適当なまとめ方ですわ……」

「ふふふ……」

「なによぉ!2人とも文句あるの!?」

34名無しさん:2021/08/13(金) 02:38:02 ID:???
その夜。
トーメント王にディナーに誘われた3人は、トーメント城内の食堂にて運ばれてくる料理に目を見開いていた。

「分厚いステーキに脂の乗ったお寿司にシュワシュワのシャンパン……!他にもなんだかよくわかんないご馳走がいっぱい!これぞ勝ち組のディナーよ!ああもう、よだれ止まんない……!」

「お、お腹が空いて力が出ないですわ……!アイナは自立二足歩行型のあんぱんじゃあないし、もう食べていいですわよね!?さっさと食べるべきですわよね!?」

「ふ、2人とも静かにして….王様が来るまでは、食べちゃダメだよ」

「ぐぬぬぬぬぬ……!早くしないとステルスしてドロシーの分から食べて罪をなすりつけますわよ!!」

「ちょ、それ絶対やめなさいよね!普通にアンタならやりかねないわ……!」

やがて料理が運び終わると同時に、マントを羽織った王が食堂に現れた。



「やあやあ諸君!ん?なんだ食べてないのか。さっさと食っていいぞ!ここではそんな礼儀なんて気にするな!」

「「い、いただきまああああす!!」」

「2人とも……もう……」

早速ドロシーとアイナはがつがつと食べ始めた。
リザもテーブルマナーなどはあまり知らないが、目上の人物がいるのにガツガツと食べる気にはなれない。

「リザだったか。お前も食え食え。なんせ君たちは今日から王下十輝星だ。精力つけてもらわないとな!」

「え….?」
「ブーーーーーーーー!!!」
「ぎゃああああああぁっ!!この馬鹿アイナ、口の中のステーキをあたしにぶちまけるんじゃないわよッ!!」
「ど、ドロシーは聞こえなかったんですの!?今王様は、アイナたちを王下十輝星って……!」
「そ、それは、き、聞こえたけど……!」

この試験は警備隊への入隊と、優勝賞金500万ナーブルだけである。
いきなりすっとばして王下十輝星という突然の任命に、3人は戸惑いを隠せなかった。



「王下十輝星も最近は任務中の殉職やら、謎の事件に巻き込まれたやらで、めっきり数が減っててねぇ。実は今は本来10人いるべきところ、4人しかいないんだよ」

「……でもそんな、いきなり十輝星なんて……!」

「それがそうでもない。十輝星に入るにはもちろん実力も大切だが、それ以上に必要なのは野望だ。なんの向上心もないやつは十輝星になっても意味がない。だが君たちはこの前会った時、それをしっかり聞かせてくれただろ?」

「あ、あのときの、ですか……!」

「ドロシーは悪人退治、アイナは好きな洋服を着て好きな食べ物を食べる超弩級のリッチな暮らし、リザはアウィナイトの救済……まぁリザだけ無駄にハードル高そうだが、野望には変わりないさ」

「………………」

「まあ、強制はしない。だが俺様は本気だ。今日、王下十輝星になってくれるんなら、あのスラムに帰る必要もない。王城の部屋を1人1部屋貸し与えよう。この晩飯も毎日のように食べることができる。君たちの人生は見事に逆転成功だ」

35名無しさん:2021/08/13(金) 02:39:50 ID:???
「……やります!やらせてください!私たち、王下十輝星になります!」

シュビッ!と手を挙げ、ドロシーが声高らかに宣言した。

「ちょ!何勝手に私達とか言ってるんですのぉ!?アイナはまだ決めてませんわ!」

「……アウィナイトのみんなを救うためなら、私も、王下十輝星になります」

「え、ええ!?リザちゃんもそんな即決ですの……?んむむむ!!じゃあアイナもやりますわ!なってやりますわ!十輝星!」
(最悪ドロシーを置いてリザと一緒に帰ろうと思ったけれど、リザちゃんもここに残るならもう選択肢なくなってますわーー!!)



「いやあその決断力、素晴らしい!時代はやっぱり男も女も関係なくなってきてるな!今日の戦いぶり、君たちは素晴らしい戦士だった!歓迎しよう、今日から君たちは王下十輝星だ!!」

パンパン!!と王が手を叩くと、蝶の髪留めをした大人しそうな少女が現れ、王に何かを渡した。

「ああ、紹介しよう。彼女はサキ。リゲルの星位についている王下十輝星の1人だ」

「こんばんは!サキっていいます!歳が近い女の子が入ってきてくれて、すっごく嬉しいです!これからよろしくお願いします!」

「おお、サキさんね!あたしはドロシー!彼女はリザでこれはアイナ!よろしくね!」

「なんでリザちゃんにはSheでアイナにはThisですの!!ちゃんと人間扱いしてほしいですわ!!!」

「……サキさん。よろしくお願いします」

「……はい!では私は別の用事がありますので、これで!これからよろしくお願いしますね!」

サキという少女は笑顔でペコリと挨拶すると、食堂を出て行った。



「……あいつもよくやるなぁ」

「え?」

「ああいや……これは王下十輝星であることを示すバッジだ。別にいつもつけてなくてもいいが、城の中でつけていれば兵隊に指図し放題になる。ドロシーはデネブ、リザはスピカ、アイナはベガのバッジだ」

「むむむむ!アイナがスピカがよかったですわ!なんか響きがキャワイイですもの!」

「星位は俺様の独断と偏見で決められる。交換はなしだ。アイナはベガで頼むぞ!」

「むむむぅ、わかりましたわ……」

「こ、これがあの噂の王下十輝星バッジ……!きゃはー!!権力者の証いぃ!!これで今日からあたしも勝ち組だー!リザとアイナのおかげよぉ!2人ともありがとうー!」

バッジを持って小走りした後、ドロシーはリザとアイナに飛びついた!

「わわっ、ドロシーいきなりどうしたの……?」

「ドロシーはひたすら立身出世への憧れと抱いていましたから、まあ仕方ないですわ……!ちょ、ガクガク揺らすのはやめろですわ!!今度はリバースした寿司を顔にぶちまけますわよ!!!」

「ぐすっ……あはははっ!本当にあんたたちと会えてよかった!!これからもずっとずっとよろしくね!リザ、アイナ!」

「うん……うんっ!ぐすっ……私もドロシーとアイナに会えてよかった……!これからもよろしくね!」

「な、なんですの、2人とも泣き始めたら……アイナも……泣きそう……と思ったけど……涙は出ないですわ笑でもこれからもよろしくですわーー!!!」



苦難の末に、スラムの住人から王下十輝星へと転身を遂げた3人。
彼女たちにはこれから先、様々な苦難が待ち受けているのだが、それはまた本編で語られるだろう。





「あのアウィナイトが王下十輝星……?容姿がいいだけの性奴隷民族のくせに、生意気……どうやって虐めてやろうかしら」

容姿のいい女性に歪んだ欲望を持つ少女。リゲルのサキ。
この後、リザはサキから色々と嫌がらせを受けることになるのだが、それはまた語られるかもしれないし、語られないかもしれない。
そして彼女の本性をリザたちが知るのは、当分先の話である……

36名無しさん:2021/08/13(金) 02:52:52 ID:???
スピンオフは以上です。いやあ長い

十輝星はアイベルト、ロゼッタ、ヨハン、サキだけで、そこに3人が入った時の話ですね
ちなみに王様が言ってた十輝星が減ってるっていうのは、自分に従う十輝星を揃えるためにマッチポンプをしかけている設定です。確か本編にもそんな描写があったはず……(曖昧)

さっさとカエルになって死んだエイヴァとミレーヌは、本当は2回戦や3回戦で活躍する予定でした。
が、冗長だったしミスって消したしで、こんな扱いになった可哀想な奴らです。

スピンオフ描く時は、前半後半とか分けずに一気に描くべきだなって思った(小並感

37名無しさん:2021/08/13(金) 16:46:41 ID:???
そして本編も5ヶ月ぶりに動き出したリザとスズ
なんとなくリザってスズが苦手な感じするのは、スズの本心に勘づいているのか….?

38名無しさん:2021/08/13(金) 22:13:17 ID:???
スピンオフおつかれさまです!

ガチレズ様に蹂躙される三人組かわいい……
衣装がひらひらドレスなのも良い

十輝星に任命されて喜ぶドロシーとか
自分を犠牲にしてでも誰かを助けたいと語るアイナとか
本編での運命を考えると味わい深いですねフヒヒ

そしてカエルにされた二人も大変良さそうなキャラでした
斧使いのお姉さんとかぜひ使いマワしたい

39名無しさん:2021/08/15(日) 12:28:07 ID:???
うおおとんでもないものが投下されていた……
大長編大変お疲れ様です
非常に読み応えのある過去編でした……!

長いのにバトルも幕間パートも入念に作り込まれてて、読んでて全然飽きませんでした
リザちゃんはやっぱり無理やり気持ちよくさせられるのが似合いますね
絶望してからドロールプレジャーをかけられるアイナも美味しくいただけました

地味に好きだったアイナ節が全編にわたってこれでもかと盛り込まれてたのがめちゃくちゃ嬉しかったです、この絶妙なギャグセンスがなかなか真似できない……

これで2戦ほど削られてるとか創作パワー強すぎて尊敬します
ごちそうさまでした……!

40名無しさん:2021/08/15(日) 20:00:58 ID:???
感想ありがとうごじゃります〜
リザはレズに襲われるのがお約束
欲を言えばドロシーももうちょっとリョナってあげたかった

アイナ節のコツはしょーもないおふざけをハイテンションでやることですかねぇ。。
明るい子だけどドギツイ下ネタもえっぐいネタも好きという尖ってる性格だからなあ……

41名無しさん:2021/08/22(日) 20:06:22 ID:???
びちびちびちっ!!じゅぶぶうっ!!
「ッギアアアアァッ!? や、やめろ!やめてくれナメェェッ!!」
「ったくよぉ。なーんで俺様が、こんなキメえ奴を解体さなきゃなんねえんだか……」
「っ……ん、くあぁぁっ……!!」

黒い骸骨はブツブツと文句を吐きながらも、ナメクジ獣人にナイフを突き立ててあっさりと仕留める。
ナメクジの死体をエミリアから引きはがすと、固まりかけの糊のような粘液がエミリアの肌の上で糸を引く。
魔力を大量に失って、感覚が鋭敏になったエミリアは、その異様な感触に、こらえ切れず甘い声を漏らした。

「ケッ……暢気なもんだぜ。
俺はボーンドの旦那から、テメェを死なせず連れ帰るよう、命令されてる。
これがどういう事かわかるか……?」

「え………ボーンドさん、の……?」
「テメェ……俺様の、このナイフを見ろ……忘れたとは言わさねえぜ!?」
「きゃっ!?」
スケルトンはナイフを振りかぶり、エミリアの首の横に思い切り突き立てた。
白い魔法陣が砕け散り、拘束を解かれたエミリアはお尻から地面に着地する。

「!!………ま、まさかあなたは……ヴァイス……!?」
「そういう事だ。テメェのせいで、俺様は哀れなアンデッドの身ってわけよ……
こんな身体じゃ、女を犯すのも満足にできねえ。
マスターの命令に逆らえねえから、好き勝手に嬲り殺す事も出来ねえ。まったくムカつくぜ!!」
「そ、そんな勝手な事……!」

「だから、こういう機会は大事にしねえとなぁ?俺に下された命令は、テメェを死なせねえこと……
つまり、殺しさえしなけりゃ何やったっていい、って事だよなぁ!?」
「!?……そ、そんな……やっ………やめてっ……いやあああああぁっ!!」

グサッ!!ザシュッ!!ドスッ!!
「っひぎ!!うあああぁっ!!いやあああああああっっ!!」

ヴァイスはエミリアに馬乗りになり、脇腹や手足、肩口など、エミリアの全身いたる所に黒い刃を突き立てる。
急所を巧みに避け、殺さないよう、生かさないよう、ギリギリの所で苦痛を与え続けるように。

「さぁーて……俺様の繁殖肉ナイフは無くなっちまったし、
代わりに地獄から持ち帰った『真・斬魔朧刀』で、てめえのマンコグチャグチャに切り刻んでやろうかぁ!?」
「っ……ファイアボル……」
「へへっ!やらせるかよぉっ!!」
……ザシュッ!!
「っうあああああっ!?」

魔法少女殺しの刃を手の平に突き立てられ、エミリアの反撃の魔法は打ち消された。
もうエミリアに、抵抗、反撃する気力は残っていない。
かつてヴァイスと戦い、殺されかけた時の恐怖が蘇り、ただ苦痛と凌辱の嵐が立ち去るのを待つしかできなかった………

「………その辺にしておけ、ヴァイス」
「ああん?……なんだ、シラベの野郎か。今良い所なんだから、邪魔すんなっての」
「それ以上やれば、娘は死ぬ……主の命令に背けばどうなるか……わかっているだろう」

しばらく後。エミリアを好き勝手に切り刻むヴァイスの元に、もう一体のスケルトンが現れる。

「ちっ!……しゃーねえなぁ、エミリアちゃん。優しい優しい俺様が、今回だけは特別に命を助けてやる。
いずれお前もリザの奴も、まとめて俺様のナイフで切り刻んでやるよ………ヒヒヒヒ」
(………そん、な………どうしてヴァイスが、ボーンドさんの……)

シラベ、と呼ばれたスケルトンがエミリアの身体に手をかざすと、エミリアの全身の痛みが引いていき、代わりにスケルトンの身体のあちこちが傷つき、ひび割れていく。
まるでスケルトンが傷の痛みを引き受けているかのような不思議な術だが、
当のエミリアにそれを気にする余裕はなく、スケルトンに抱きかかえられたまま意識を手放した。

42名無しさん:2021/08/22(日) 20:13:00 ID:???
うっかり感想スレに投下してしまったぜ…
そしてせっかく復活したエミリアちゃんが
また速攻で魔法封じられてボロクソにされちゃってる不思議

舞やリザも因縁の相手と戦いが始まって、そろそろナルビア編もクライマックスか


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