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リレー小説の感想要望スレ

1 名無しさん :2018/02/04(日) 00:44:58 ID:dauGKRa6
リョナな長文リレー小説 第2話
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1483192943/l50

リレー小説の感想・要望その他いろいろについて語るスレ

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839 名無しさん :2020/02/03(月) 00:57:13 ID:tgVp8YLA
月光だけが海面を照らし、波の音だけが反響する海辺にたどり着いた少女2人。
夏には昼夜問わず人で溢れかえるこの場所も、冬のこの時期、しかも夜では人っ子1人いない。
どこか寂しげな砂浜。その波打ち際に腰を下ろして座り込んだリザの隣に、ドロシーもちょこんと座り込んだ。

「……ドロシー、寒くない?」

「大丈夫。ちゃんと着込んできたから……リザの方こそ平気?」

「……うん。大丈夫」

そう小さく言ったリザの目が、海の向こうを眺め始める。
暗い空と海の交わる境界線。その先を月明かりがおぼろげに照らす。
それを見つめるリザの碧眼は、真っ暗な水平線の先よりも遠い遠いなにかを見つめているようだった。

「……リザ……後悔してるの?」

「……人を……殺したこと?」

「うん……」

「……後悔もしてるけど……自分のことがよくわからなくなってるのが怖い……」

「……どういうこと?」

「……家族を失って、毎日逃げ回ってばかりの毎日で、もう死のうと思ってた私が……理不尽に怒って、人を殺めるなんて、随分図々しくなったなって」

「図々しくもなるわよ。こんな理不尽とエゴの塊のクソみたいな世界だもん。だから私は立身出世に憧れて、アイナやリザまで巻き込んでのし上がろうとしてるしね」

「……世界とか関係なくドロシーは元々そういう性格でしょ?」

「……リザ、あんたって結構言うときは言うわよね……」

「…………」

リザとしてはただ本音を言い切っただけらしく、また海を遠い目で見つめ始めてしまった。



「……ねえドロシー」

「ん?」

「……兵士になったら、たくさん人を殺さないといけないのかな」

「……あたしたちみたいななんの価値もない子どもがのし上がる道は、兵士しかない。だからあたしは兵士になって、国のために戦いながら悪いやつをぶっ飛ばす。……何よりさ、こんな盗んでばかりのしょーもない毎日嫌だもん」

「……私も、アウィナイトのみんなが残酷に殺され続けるのは嫌だよ。だけど……兵士になって戦うなんて、弱小民族とか言われてる私なんかにできるのかな……」

 リザの目が暗い青に染まると同時に、強めの波から上がった飛沫が彼女の金髪を濡らす。
自分たちに貼られた弱小民族という称号と虐げられた経験が、リザの決心を惑わせているのだろうか。

 それならばとドロシーは立ち上がり、ニコッとリザに笑顔を見せた。



「じゃあさ、あたしにリザの運命、預けてみてよ!」

「……え?」

「あたしに助けられた命でしょ?じゃあその御礼ってことで一旦あたしに預けてよ。リザがあたしについていくのもうやだーってなったときは、しょうがないから返してあげる」

「……ご、強引だなぁ……そんなに私と一緒にいたいの?」

「当たり前でしょ。降りしきる雨の中死にたい死にたいって嘆いてた美少女をほっとけるわけないわ」

「……そんな前の話……あと美少女っていうのやめて……」

「もーアンタも煮えきらないわね!やるだけやって駄目だったらまた別の方法を考えればいいのよ。あたしたちまだ10代なんだし、いくらでもやりなおせるんだから!」

「……もう……わかったよ。別に試験に出たくないとか言ってないのに…‥」

「ええ?なんなのよ思わせぶりなことばっか言って……まぁそういうタイプの方が男にはモテそうだけど」

「ぷっ……はぁ、アイナもドロシーもふざけてばっかり……」

「あ、笑った笑った!リザが笑った!やったー!」

「もう……なんでちょっと笑っただけなのにそんなに喜ぶの…‥」

夜の海に響く少女たちの笑い声。
親に捨てられても、どんなに虐げられても、すべてを奪われても、希望を失うことのない少女たち。
その行く末にあるのは希望か、それとも絶望か……

840 名無しさん :2020/02/03(月) 01:02:17 ID:tgVp8YLA
「いよいよ来ましたわね……この時が」

警備隊採用試験当日。受付を済ませた3人はトーメント城の待合室にてその時を待っていた。
待合室自体はいくつかあったが、部屋には3人のみで他の選手が入ってくる気配はない。
ドロシーとアイナは用意されたソファに腰掛け、用意されたお菓子を食べている。

1人落ち着かない様子のリザは、部屋の隅でナイフ捌きの反復練習をしていた。

「あたしたちだけVIP待遇っぽい感じない? 3人だけでこんな広い部屋使っていいのかしら」

「きっと汚い野郎どもと一緒にすると試合前に間違いがおきそうだから、隔離されてるんですわ! 運営側の配慮ですわよきっと!」

「まあリザはアウィナイトだからそういうことはありそうね……ってごめん。こんなこと言うべきじゃないわ……」

「……いいよ。そういう私たちへの偏見をなくすために、今日は頑張るつもりだから」

この日のために必死に練習してきたナイフ捌きを繰り返しながら、リザは静かに答えた。

「おお……リザちゃんがこんなに燃えているなんて……そんなリザちゃんにアイナも萌えますわああぁ!」

「アイナ、今日はおふざけなしでマジで勝ちにいくわよ。結果を残せば兵士になって普通の生活ができるんだからね」

「ガッテン承知の助ですわ!あ!モニターがつきましたわ!ルール説明をするみたいですわよ!」

アイナが指差した先の吊り下げられた巨大モニターが点灯し、スーツ姿で座っている2人の男が現れた。



「ゴングが鳴るのを今か今かと待ちわびている選手の皆さん!私たち実況と解説からここで改めてルール説明をいたします!」

「えー、王様の気まぐれで今年は100人ではなく、99人のチーム戦バトルロワイヤルになりました。1チーム3人の系33チームで一斉に待合室に出現するワープホールに入っていただきます。」

「その先に広がっているのはランダム生成フィールド!火山、森、洞窟、雪山といった魔物も生息しているトリッキーなものから、屋内、荒野、草原といったプレーンなものまで、どんなものになるかは入ってみるまでわかりません!」

「えー、そんなランダム生成フィールドでこれまたランダムにマッチングしたチームと試合を行います。繰り返して5回勝てば優勝できます」

「で!この計算だと第一試合で33÷2で1の余り。第2試合でも17÷2で1の余りチームが必ず出てくるわけですが……」

「第2試合で余りの1チーム入れてる計算してる時点でわかると思いますが、その枠にあたったチームはシード権を得て戦わずして次の試合に上がれまーす。運が良ければ3回勝つだけで優勝できる計算ですね」

「そういうことです!運も実力の内!あたったチームはラッキーということで喜んでくださいねー!」

「……説明これで終わりだっけ?」

「まだですよ!使用武器や防具に関しては待合室に置いてあるもののみとします!それ以外の武器防具を持ち込んだ選手は失格です!あ、変身したり魔力で武器防具を作ったりするのはOKでーす!」

「……説明これで終わりだっけ?」

「まだですよッ!試合の勝敗は監視チームが判断して、戦闘不能と判断されたら問答無用で負けになります!そして勝利したチームが勝ち名乗りをあげるまでは、敗北の屈辱を味わってもらいます!つまり死体殴り推奨です!蹂躙した弱者をボコって殺すなり犯して孕ませるなりお好きにどうぞー!」

「……説明これで終わりだっけ?」

「まだですよ!カイセツさんぜんっぜん把握してないじゃないですか!この試験は3人でワンチームなので、相手チーム3人全員を叩きのめすまで勝ち名乗りはあげられません!まあ当然ですね!」

「‥…説明これで終わりだっけ?」

「……ええっと!ルールに反した選手はこっちで強制送還させるので、そのつもりで! ではまもなくワープホールが出現いたします! 出現まで少々お待ちをー! しばしご歓談をー!」

841 名無しさん :2020/02/03(月) 01:03:22 ID:tgVp8YLA
ルール説明は終わり、モニターには月花庭園の美しい映像が流れ始めた。

「むむむ……死体殴りやり放題とはさすが実力主義国家……負けたらまずいですわね……」

「……負けなければいいだけの話よ。女だからって油断したやつをぶっとばしちゃいましょ!」

「……ドロシーが持ってるのって…‥鎌?」

「そう! 武器としてそこにおいてあったの。なんかかっこいいからコレにするわ。剣を練習してはいたけど、ずっとしっくりこなかったのよね」

「見た目で自分の命を預ける武器を決めていいんですの? なんだか不安ですわ……」

「こういうのは第一印象でしっくりきたものを使えばいいの。アンタも剣練習してたけど重くて無理とか言ってたじゃない。好きなの使いなさいよ」

「んー……アイナも迷ってるんですわ。このお菓子がいっぱい書かれた箱はなんですの……?」

(ブォン…‥)

「……あ」



待合室の真ん中の空間が突然歪みだし、黒いワープホールが現れる。
中の様子はまったくわからないため、入る前にどのような戦場に飛ばされるかを知ることはできないようだった。

「さぁ選手の皆さん! ついに戦いの時が来ました! 現れたワープホールに飛び込んでください! 時間おしてるんで早く!」

「あ、10秒以内に飛び込んでくれないと失格にしますからねー」

「ええっ!? そんなの聞いてないですわー!」

「ああもう! アンタその箱持って早く来なさい! リザ、準備できてるよね?」

「……ばっちりだよ」

「よし! スラム3人娘の力、見せてやるわよー!」

「ちょ、ドロシー、引っ張らないでですううううううわあああああああぁぁぁ!!!」

戦いの舞台へとつながるワープホールは、3人の少女を飲み込むとゆっくりと閉じていった。



●●●



「よっ! 実況解説おつかれさん!」

「あ、王様。こんなところまでお疲れさまです」

全ての選手の入場を確認した実況席にやってきたのは、珍しくラフな私服の王であった。

「今年はチーム制になったせいか、かなり女の子の参加が多いんですよ王様! 嬉しい悲鳴が各所であがってます!」

「集客率も上々だな。騎士の家系なんかに絞らずこうして募集したのは成功だった。女がいないといまいち盛り上がりにかけるからなぁ。半数近く集まるとは思わなかったが」

「去年まではただのむさ苦しいイベントでしたからね。可愛い女の子に絞って募集しましたが、もう集まるのなんの」

「女どももこの国でどう生きていけばいいか、わかってるんだよ。搾取される側からする側に回らないと、生きていけないんだとな」

「なるほど……観客席にいるのは男ばっかりですが」

「その野郎の観客共からもしっかり金を搾り取れるよう、販売にも力を入れてるんだ」

「あっそうそう。観客は手元のモニターで好きな試合を観戦できますが、観客席は携帯カメラ持ち込み禁止にしてます。お気に入りの試合のリョナシーンの動画、音声は帰りに一本5万ナーブルで販売という寸法ですよ」

「トーメントでリョナ映像や音声を売ると儲かってしょうがないですからね。闘技場の運営資金にも繋がります」

「クク……この国はリョナラーだらけだからな! 俺様はVIP席でじっくり鑑賞するから、お前らもしっかりやれよ」

「もちろんです!私達の実況は火山エリアなんで、ぜひ見てくださいねー!どちゃシコ可愛い子がいっぱいいる注目エリアですよ!」

「ほう……」

842 名無しさん :2020/02/03(月) 01:04:48 ID:tgVp8YLA
「ううん……ここは何……」

「……火山かな」

ドロシーがゆっくりと立ち上がると、四方を岩肌で囲われた洞窟のような空間であった。

「あ、暑いですわ……しかも明らかにボス戦が起こりそうな雰囲気の空間ですし……」

「……下、普通に溶岩よね……落ちたら負けどころか死ぬわね……」

「ま、マジですの……?こんな場所に飛ばされるとか幸先悪すぎですわ……」

「……2人とも立って。敵はもうこっちに気づいてる」

リザの目線の先には、遠くてはっきりと見えないが似たような背格好の3人の人影が見える。
とりあえず近づこうと3人が歩き出した瞬間、ピーーーーー、と耳障りなハウリングの音が響いた。



「はいこちら火山エリア!今大会注目の美少女3人は運悪くも最悪な場所に来てしまいましたー!」

「場所も最悪ですが……相手もよくないっぽいですよ。あの3人はトーメントでも有名な三つ子の傭兵ですからね」

「さぁ両チーム!もう出会った瞬間に戦いは始まっていますよ!レッツロック!!!」

実況の声がやたら響き渡る。だがなんの挨拶もなしに初めていいものなのかと、ドロシーたちは困惑した。

「……どうしよう」

「まあとりあえず挨拶くらいはしとかない?向こうも多分そう思ってるからこっちに来ないん……じゃ……」

「わわわわ!もう3人全員コッチに来てますわーーー!!!」



急接近してきた3人の姿は、異様だった。
全員ガスマスクをつけて顔を隠していて、同じ白の戦闘服。走り方まで同じである。
持っている武器もすべて同じ……鎖鎌であった。

「血の気の多い連中みたいね……全員吹き飛ばしてやるわ!トルネードショット!」

ビュウウウウウウウウウウゥ!
ドロシーが放った3発の突風は、外れることなく3人の男に命中したのだが……

「「「アンチバマジク」」」

ビュオン!

「え、嘘……!」

「残念!ドロシー選手の放った風魔法は無効化されてしまいましたー!」

「防御魔法の使い手ですか……風使いのドロシー選手は苦戦を強いられそうですねぇ」

「……各個撃破しよう!私は真ん中と戦う!ドロシー左、アイナ右をお願い!」

「が、ガッテン承知の助ですわああぁぁ!」

「……あ、うん……!リ、リザ!アイナ!気をつけてね!」

得意技が封じられたドロシーの焦りを瞬時に察したリザの言葉で、3人それぞれの戦いが始まった!

843 名無しさん :2020/02/03(月) 01:07:27 ID:tgVp8YLA
「この……ウィンドスラッシュ!」

風の遠心力を纏って鎌を振るうドロシー。その一撃は疾風を纏い、斬撃のみならず衝撃波を射出した。

「ガキにしては上出来だ……だが……」

ビュオン!

「……そ、そんな! なんでよ!」

先程同様、ドロシーの生み出した風は防御魔法によって無風と変えられた。

「鎖鎌術、壱縛り!」

ギュン!

男の放った鎖がドロシーに放たれる。
ジャラジャラと音を立てながら発射されたそれは、先程のドロシーの風と同じ命中精度で向かってきた。

(早い! とりあえず風を当てて狙いをそらす!)

「ウィンドアロー!」

鎖の起動を逸らすべく、風魔法を飛び道具に放つ。
うまく行けば鎖の起動をそらしつつ、敵の体制を崩すこともできるカウンターの意も込めた反撃だ。

だが───

ビュオン!

「な!?」

「馬鹿め! 武器にも防御魔法がかかっているのさ!」

「くっ、きゃあああっ!」

ドゴッ!
目の前に迫った鎖を回避できず、ドロシーは胸に鎖を叩きつけられ吹き飛んでいった。



ガッ!ズザッ!

「ぐあっ! あぐっ!……ッ!」

強烈な一撃をもらったドロシーは地面をバウンドしつつ、なんとか受け身をとり体制を立て直す。

「ドロシー選手、無様に吹き飛んで連続ダメージ! 地面に叩きつけられていやらしく喘いでおります!」

「いや……この吹き飛び方は……」



「いっ……つぅ……!」

(くっそ……骨までいったかなぁ……)

ズキズキと痛む胸を押さえる。戦闘を続けることはできそうだが、小さくないダメージであることは確かであった。

「……お前、やるな。自分に風を吹き当てて俺の鎖からうまく逃げるとは」

「……てへ♪バレた? あのまままともに食らってたら鎖にがんじがらめにされて、サービスしちゃうところだったからね」

攻撃を食らう瞬間、ドロシーは足元に強い風を発生させてわざと吹き飛んでいた。
当然、鎖の一撃に加え地面に叩きつけられるダメージも加算される。
だが、あのまま敵に拘束されることを避けるためのドロシーの苦肉の策であった。

「なんと! ドロシー選手、あの一瞬で打開策を閃き敵の拘束から逃れたようです! なんという判断能力だー!」

「うーん残念ですねぇ。がんじがらめになって苦しそうに喘ぐドロシー選手も見たかったのに……というか、てへって可愛いなぁ」

「可愛いですねぇ……まあまだ一回戦ですし、じっくり見ていきましょう……!」

「……俺は鎖兄弟のブン。お前の名は」

「あたし?ドロシーだよ。いずれ十輝星になる最強風使い!ちゃんと覚えといてよね!」

鎌を構え直したドロシーは、痛みに怯むことなく敢然と敵に向かっていった!

844 名無しさん :2020/02/03(月) 01:08:59 ID:tgVp8YLA
「はあああぁ!」

キィン!ガキッ!キンッ!

「この……ガキィ……!」

鎖鎌は遠近両用の武器であるが、近接戦ではナイフのほうが取り回しは簡単である。
もちろん扱う者のスキルにもよるが、実際にリザのナイフ捌きに鎖兄弟は防戦一方だった。

(ガードが硬い……でも、このまま押し切ってやる…‥!)

「月閃連斬!」

「グッ……!」

三日月を描くように連続で斬り上げるリザの技を、鎌で弾いて無効化する男。
その動きによって足が不自然に後ろに下がったのを、リザの目は見逃さなかった。

(……今だ!)

連続攻撃を防いで体制を崩した男の懐に入ったリザは、ナイフの柄を男の鳩尾に叩きつける!

「ぐあああぁっ!」

「まだまだぁ!」

人体の急所に強烈な一撃を食らい蹲る男。すぐに追撃の回し蹴りが男の顔面に炸裂する!


ドゴッ!!

「ぐっはぁ……!」

「ぁ……ご、ごめんなさい……」

勢いよく放たれたリザの回し蹴りを食らい悶絶する男。その様子に思わずリザの口から謝罪の言葉が漏れた。

「おおーっと! 金髪碧眼の美少女リザ選手、見事なナイフ捌きと格闘術で鎖兄弟のドウ選手から勝利をもぎ取ったー!」

「えぇ……あんな可愛い女の子をリョナらずして負けちゃうとか……はーつっかえ」

「カイセツさん! まだ一回戦ですから、焦らず焦らず!」


「……ふぅ。さて……」

ひとまず勝利をもぎ取ったリザだが、まだ他の2人は戦っている。
すぐに助けにいこうと足を踏み出したその時、足元に何かが巻き付いた。

「……行かせる、か……!」

「……え? きゃうっ!?」

845 名無しさん :2020/02/03(月) 01:12:11 ID:tgVp8YLA

「きゃあああああああぁ! 鎖鎌とかいう強いんだか弱いんだかよくわからない武器で襲いかかってくるド変態ですわー!」

「このぉ……!ちゃんと戦えクソガキ!」

ドロシーとリザが戦う中、アイナはというと、ただひたすら逃げ回っていた。
持ってきたお菓子の箱は中に大量のお菓子が入っているだけで使い方がわからず、ほとんど丸腰であるので仕方がない。

「アイナ選手! ちょこまか逃げ回っているだけで何も反撃できていません! これではただの幼女に襲いかかる暴漢です! もうシンプルに事件です!」

「アイナ選手は出場選手の中で最年少ですからね。まぁまともに戦えるとは思っていませんが……意外とこういう女の子がいい悲鳴を出してくれることもありますので期待してます」

「さ、さっきからこの実況も解説もやばいことしか言ってませんわー! 警備隊試験とは名ばかりの公開レイプくさいですわー!」

「だれがお前みたいなガキ……! 鎖鎌術、壱縛り!」

シュルシュルシュルシュル……ガキン!

「きゃっ!? いやああああああ!!」

先程ドロシーが回避した技だが、素早く伸びる鎖に抵抗する術を持たないアイナはなすすべもなく拘束されてしまった。



「ぐっ……苦し……!ああああん!」

「ククク……小娘3人で優勝できると思っているのか?お前らみたいなメスガキは花でも愛でてろ……!」

ギチギチギチギチ……!

「いたい、痛いです……わ……!あああああああん!」

「俺は鎖兄弟のガマ……兄弟の中で一番残忍な男だァ!」

「ぐ、ひ、ひいいいいぃ!」

鎖を振り上げアイナの体を持ち上げた男は、そのままアイナの体を地面に叩きつけるべく振り下ろす。
地面は岩肌。高度からの叩きつけでは先程のドロシーのように軽傷では済まないであろう。

「あーーっと! アイナ選手へ致命の一撃ー! この一撃に耐えられるのでしょうかーーー!」

「アイナちゃんいい声ですねぇ! 彼女みたいなギャグキャラっぽいのがいい悲鳴上げるのって結構ポイント高いんですよ」

「アイナ! 今助け、んぐっ!?」

「ククク……捕まえたぞ」

悲鳴を聞いて助けに行こうとしたドロシーも、その隙を突かれ鎖に拘束されてしまう。

「これは無理でしょうね……ドロシー選手も捕まってしまいましたし……ん?そういえばさっき勝ってたリザ選手は……」



「く……!」

「……あ!なんとリザ選手、ドウ選手が最後の力で投げたと思しき鎖に足が絡まって動けなくなってしまっています!」

「え、あいつ蹴り食らって意識朦朧としてたじゃん……そんなやつの投げた鎖に足取られるなんて運悪すぎ笑」

ここにきて生来持つ運の悪さを発揮したリザは、援護にも行けず動けなくなっていた。
瞬間移動の力を何度も試してみてはいるが、未だに安定して発動しない。
このままではアイナが叩きつけられ、負けるどころか命を落としてしまうだろう。

「や、やああぁ……アイナ死にたくないですわ……! ドロシー、リザちゃん、助け……!」

「あの2人も後で送ってやるから…‥安心して死ねやッ!」

ブウゥン!!!

「ああああっと! ガマ選手は容赦なくツインテール美少女を地面に叩きつけていくーーーー!!!」

「ぐううううぅ!!! 離せええええ! アイナああああぁぁ!!!」

「あ……いやあああああああああ!!」



(……発動して……お願い!)



ドロシーとアイナの絶叫が反響する中、リザは一点に集中して魔力を解き放つ。
唯一アイナを助ける事ができる方法……自分がクッションになれる位置への移動のために。
それが自分の体を顧みず本当に助けることなどできない、ただの先延ばしだとしても、リザに迷いはなかった。



「……ぐああああああああああああああああああ!!!」

「ああああああああああああ!!」

予想されていたアイナの絶叫。
それを上回る声量のリザの絶叫が、火山内部に響き渡った。

846 名無しさん :2020/02/03(月) 01:14:50 ID:tgVp8YLA
……はい、完結してません(泣)
こんなに大長編にするつもりなかったのになーなんでだろうなー
まあぼちぼちやっていきますわぁ

そういえばウィキの人も忙しいのかなあ
更新が地味に楽しみだったり

847 名無しさん :2020/02/04(火) 00:41:43 ID:???
前も言ったかもしれないけど、すごく読み応えあってリョナみもある前日譚をありがとうございます!
最近になってドロシーブームが自分の中で来てるみたいで、善戦してるドロシーちゃん見てたら息子が元気になってきたよ
完結を切に願う笑

848 名無しさん :2020/02/08(土) 17:10:54 ID:???
ドロシーの過去(wiki参照)に吹いた
たしかになかなかエグい目にあってたな……

しれっとヤヨイに手下が増えつつ、ようやくササメ編もクライマックスへ

849 名無しさん :2020/02/11(火) 17:00:15 ID:???
ドロシー推しの流れに乗って支援SSはります

スピンオフでは「ちょっといい牛肉」を調達していたドロシーですが、
もしも「高級店の最高品質の肉」を狙っていたら。というif展開。
中盤以降軽くグロ注意かも

850 【1/4】 :2020/02/11(火) 17:01:38 ID:???
リザ、アイナと共に、王都警備隊試験への出場を決めたドロシー。

何の後ろ盾もない、か弱いスラムの貧乏少女3人組がここまでこぎつけるには、並々ならぬ苦労があった。
特に、リザはエントリー料を稼ぐために貴族の館に潜入してから様子が少しおかしい……

(リザは何も言わないけど……きっと何か、辛いことがあったんだ。元気づけてあげなきゃ)
そんな彼女を元気づけるためにも、ドロシーはいつもと違う、美味しい物を調達する事にした。つまり、肉だ。


「ふっふっふ……さすがにもう寝静まってる頃かしらね。どれどれ、冷蔵庫は、と……」
一口に肉といっても種類も品質も様々。どうせなら、リザのために最高の物を選んであげよう。
そう思ったドロシーは、いつも忍び込んでいる『裏通りの店』ではなく、
商店街の一等地にある肉屋……王都でも随一と評判の『超高級店』を選んだ。

だが友へのそんな想いが、思わぬ不幸を呼び寄せてしまうことになる事を……
この時のドロシーは知る由もなかったのである。


「あぁぁん?材料が一人分足りませんだぁ?……どうすんだおめえ。明日の朝イチでお客さんに届けなきゃならねえんだぞ!?」
「ぶひいい!申し訳ありません!!」
(やばっ!まだ人がいた!隠れないと……)

厨房にいたのは、店主と思われる大男と、部下らしい男たちが数名。
皆エプロンにコック帽をかぶり、肉切り包丁を持っている。

(なんか揉めてるみたいね……肉はあの冷蔵庫の中か。どうしよう)

「い、い、急いで材料を調達してきます!!」
「んな事言ったって、おめえも知ってるべ?あのお貴族様、肉の品質にうるさいでの。
あの方の満足する肉なんて、そう簡単に………ん?」

部下たちに怒鳴り散らしていた店主。だが、何かに気づき、鼻をヒクヒクとさせながら周囲を見回し始めた。
(ん?どうしたのかしら……見つかった、って事はないわよね。ここからじゃ死角で、絶対に見えないはず……)

「匂いだ……肉の匂いがすっぞ。それも新鮮で、極上の………そこだぁぁぁああああああ!!」
(ブオンッッ!!)
「えっ!?」

店主は、宙を見つめてブツブツとつぶやいたかと思うと………
手にした巨大肉切り包丁を、ドロシーに向けて投げつけてきた!!

(バコッ!!)
店主の投げた包丁は、雑多に置かれていた木箱…それもドロシーが隠れていた箱に見事命中。
あと0コンマ数秒脱出が遅れていたら、ただでは済まなかっただろう。

「う、嘘でしょ……完璧に気配を消してたはずなのに!?」
「グヒヒッヒ……おらの鼻は、肉の匂いは絶対に見逃さねえだよ。
それにしても、オラは本当に運がいいなぁ。
こんなタイミングで、超極上の美少女肉が、向こうから紛れ込んでくるなんてよぉ……」

「び……美少女肉!?………まさか、ここの肉屋って……」
「ヒッヒッヒ……うちはどんな肉でも扱ってるだ。どんな肉でもな……
品質極上、出前迅速。お得意様の注文には、いつだって完璧に応えるだぁ。
スラムや町から調達した女の子の肉を、新鮮なまま捌く……うちの一番人気だで」

即座に逃げ道をふさがれ、厨房の奥に追い詰められるドロシー。
だが……ただで逃げるつもりはなかった。その前に。

「許、せない……あんたみたいな下衆は、この私がぶちのめしてやる!!…ゲイルインパクト!!」
「ぶおっとぉぉおお!?」

ドロシーは店主に向かって真正面から突っ込み、必殺の風魔法を繰り出した!

851 【2/4】 :2020/02/11(火) 17:03:14 ID:???
(グオオオオオオオンッ……)
「な………何、ですって…!?」
「ぐひひひ……この最高級耐魔鍋は、炎はもちろん、どんな魔法だって弾き返すだ。
ほれ、お返しするだよ!!」

怒りに任せて放った風の魔力は巨大な中華鍋によって防がれてしまう。
店主は鍋を巧みに操り、魔力の塊をそのままドロシーに投げ返した!!

(ドゴッ!!)
「うあぐっ!!」
激しい風に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられるドロシー。
全力の一撃を放った直後にカウンターで食らったため、そのダメージは甚大だ。

(ズキッ!!)
(ぐ………まずい。これ、肋骨イってるかも……!)

「はぁっ………はぁっ………だったら、これはどう!?」
(だけど……逃げる前にせめて、一発だけでも喰らわせてやる……!!)

勢いを完全にくじかれたものの、ドロシーの怒りは収まらない。
今度は風魔法で機動力を強化し、空中を飛び回りながら店主に襲い掛かる。

「っほおー!? なんちゅうすばしっこさだべ!」
「はぁっ……はぁっ……喰らえぇっ!!」

風魔法での高速機動で相手を攪乱する、ドロシーの最も得意な戦法の一つ。
屈強な男だろうが魔物だろうが、どんな敵もそのスピードにはついてこれない。

そのはずだったが……

「これだけイキがいいなら…!」
「えっ……」
「いい肉になりそうだべ!!」
(ドシュッ!!)

ドロシーが、攻撃に移るその瞬間。
店主の腕が目にもとまらぬ速さで動き、ドロシーの体を捕らえた。

「なっ!?……そ……そんな、ことって……!!」
「ブタも人間も、どんなすばしっこい魔物も……オラの調理場から、逃げられる肉はいねえだ」

魔力の風をまとったドロシーは、確かに並の人間には到底追いつけないスピードだったが…
狭い室内では、どうしても動きが限定されてしまう。

一方の店主は「どんな肉でも扱う」という言葉通り、人間以上に凶暴で素早い魔物も、幾度となく調理してきた猛者。
逃げ出そうとした、あるいは襲い掛かってきた獲物を取り押さえるのは日常茶飯事である。
ドロシーがどんなに素早く動こうとも、先読みして捕らえるくらいは朝飯前だった。

しかもここは店主にとって勝手知ったる厨房、いわばホームグラウンド。
……この調理場に足を踏み入れてしまった時点で、ドロシーの命運は既に尽きていたのかもしれない。

(ギリッ………ギリギリギリ)
「くっ……ど……どこ、さわって……はな、しなさいよ……っぐあうう!!」
死に物狂いで暴れるドロシーを、丸々と太った風貌の店主はいとも簡単に押さえつけていく。

(ガシャン!ガシャン!!ジャララララッ!!)
「さあて。時間もねえし、早速下ごしらえを始めるべか……」
「なっ!? い…一体、何を……!!」
店主はドロシーを魔法封じの手枷で拘束し、鎖で天井に吊るし……

(ドズンッ!!)
「ぐぇ…ぼっ………!!」
「まずは……肉を叩いて、叩いて、柔らかくするだ……グヒッ」
無防備になったお腹に、トゲつきの大型ミートハンマーを叩き込んだ!

852 【3/4】 :2020/02/11(火) 17:04:41 ID:???
(ドスッ!! ドボッ!! ゴキンッ!!)
「うっ…………んぐっ!!…ぐあっっ!!」

店主と部下達が周囲をぐるりと取り囲み、ドロシーの全身をまんべんなく叩いていく。
お腹、背中、胸、そして手足……

「ムネ肉と尻肉は十分柔らけえが、手足は筋張ってるだなぁ……念入りに叩かねえと、なっ!!」
(ドガッ!!)
「やっ……や、め……っぐううっ!!」

彼らの持つ『ミートハンマー』は、文字通り肉を叩くための調理器具。
表面にスパイクが取り付けられており、筋繊維を断ち切り叩いた肉を柔らかくする効果がある。

「はぁっ……はぁっ……い、やっ……こ、こないでっ……放してっ!!」
「ぐひひひっ……おら、暴れても無駄だべ!こんな悪いあんよは……こうしてやるべ!」
(ゴスッ!!バキ!!ズブッ!!)

最初は身をよじったり足をばたつかせたりと、必死に抵抗していたドロシーだったが、
何度も何度もたたかれているうち、激痛で次第に体が動かなくなっていった。

何度も叩きのめされた両脚は、太もももやふくらはぎの筋肉をズタズタにされ、表面が真っ赤に変色していた。
「ヒヒヒヒ……そろそろいい頃合いだべ………」
(……ずぶ……)
「や、それは……や、めっ………っぎぁぁああああああああああああ!!!」

軽く指でつつかれるだけで血が滴り、激痛が走る。
最早抵抗どころか、仮に今鎖から解放されたとしても、まともに立つ事さえできないだろう。

「うん。いいモモ肉だべ……これだけ柔らかくなれば十分か……おい、そっちはどうだ?」

「へいっ!腕肉の方も………」
(つぷっ……ぷす)
「ん、あ……ぐっ!!」

「ハラミと、ムネも……」
(ズブッ くにっ)
「いぎっ!!………や、触んな……っぐあっ!!」

「肩ロース、サーロイン、尻肉……」
(すっ………ぐりぐり  ぞわり)
「っづ、あああああああああぁぁっ!!」

「………すべてバッチリ仕上がりましただ!」
「うん、ご苦労ご苦労。何とか注文の時間に間に合いそうだべな」

「はぁっ………はぁっ……い、や………もう、いやぁ………もう、やめて…ゆるして…………」

全身をボロボロに打ち砕かれ、泣きじゃくりながら許しを請うドロシー。
日々の鍛錬でしなやかに鍛え上げられた彼女の全身は、血の滴る見事な「高級肉」の塊と化していた。
屈強なスラムの荒くれ連中にも一歩も引かなかった勝気さも、今や完全に打ち砕かれている。


(ジャラジャラジャラジャラ……)
ドロシーを吊るしていた鎖がゆっくりと伸ばされ、床に下ろされる。

「っ………う……!!」
もちろん激痛で身動き一つできず、接地しただけのお尻も、焼け付くように痛い。
とはいえ、地獄のような殴打地獄からようやく解放された事に、ドロシーは心の中で安堵していた。

だが……

「それじゃ、最後に………」
「え………?」

ドロシーの体は、足を開いた状態で床に固定された。
店主が長柄の両手持ちハンマーを取り出し、ドロシーの股間にあてがう。

「………ココを叩いて、仕上げだべ」
「まさ、か……………い………いやっ……ゆ、ゆるして、そこだけは……」

(………ドゴンッ!!!)

「ひ……っぎ、あ"ぁぁあ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッ!!!」」

……本当の地獄は、最後の最後に待っていたのであった。

853 【4/4】 :2020/02/11(火) 17:09:48 ID:???
(ゴキン!ドゴッ!!ぐちゅッ!!)
「っがああああああああああぁぁ!!!」

「ん〜〜……プリプリとした良いコブクロだべなぁ……もしやまさかの未使用もんだったっべか。こりゃツイてるべ」

大型ハンマーが、ドロシーの股間に何度も何度も叩きつけられる。
その強烈な一撃一撃は、子宮、内臓、尾てい骨、背骨をも突き抜けて脳天に達し、
既に限界だったドロシーの精神を、今度こそ跡形もなく破壊しつくした。

「おおっ………相変わらずほれぼれする打ちっぷりだべ…」
「形を崩さず、肉だけを破壊する……『壊さず、壊す』……まさに、親方にしか出来ねえ神技だべ」
「叩かれるたびにピンク色に染まっていく、マタ肉の美しさったらねえべ…」

(ドスンッ!!)
「んご、っぁ………!!」

(ズドッ!!)
「が、は………!」

(ドゴッ!!)
「…………。」

「オラお前ら、ボケっと見てねえで出荷の準備しとけ!早くしねっと夜が明けちまうぞ!」
「アイアイサーだべ!!」

こうして、トゲ付きハンマーで全身隅々まで叩き潰されたドロシーの肉は……

………………

「クックック……いつもご苦労、主人。塩コショウはいつも通り、焼く前に丹念に……な」
「もちろん心得ておりますだべ……さあ、いくっぺよぉ………」

「……あ…………ッッッ!?……っぎあ、っぐあ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!」

塩コショウを丹念に振られた後、超高熱の鉄板でじっくりと焼かれ、貴族の食卓に並ぶ事になった。

………………

「………………。」

「ふう、ご馳走様。今回も堪能させてもらった………君の仕事は、いつも実に素晴らしい」
「へっへっへっへ……ありがとうございますだ」

「次は、そうだな……一度、アウィナイトを食してみたいと思っていたのだが。調達できるかね?」
「へぇ……あ、アウィナイトだっぺか。うーーん……あれは近頃じゃめっきり数も減って、滅多に出回らねえっぺが……」

(あ………アウィナイト……?………り…ざ……)

「アレは、感情によって変わる瞳の色も美しいが、肉質も極上だと言うからな……
生け作りにして、瞳が絶望の色に染まっていくのを眺めながら、存分に味わいたいのだ。
金に糸目は付けん。1億…いや3億………金ならいくらでも出そう」

「むむむ……む、難しいですが……な、何とか探してみますっぺ」
(確か、近頃スラム街に一匹住み着いてるのを見かけたべ……アレを攫ってくれば楽勝だべな。こりゃボロ儲けだべ)

(………そん、な……………)

ドロシーは薄れていく意識の中、親友の身にまで魔の手が迫りつつある事を知り……
もうこれ以上はないと思っていた絶望の、さらなる底へと叩き落された。

……人の運命は、たった一つの選択で大きく変わってしまうこともある。

いつもと違う『高級な肉屋』に盗みに入ってしまったことで、
王下十輝星に取り上げられ成りあがるはずだったドロシーの運命は、大きく変わってしまった。

ガードの緩い『いつもの店』の『ちょっといいレベルの肉』をちょろまかす程度に留めておけば、
こんな事にはならなかったはずだ。
それとも、スラムのどん底で足搔く無力な少女達は、遅かれ早かれ残酷な結末からは逃れられないのだろうか……

もう動かなくなってしまったドロシーの脳裏に浮かんだ疑問に、答えを返すものは誰もいない。


【BAD END】

854 名無しさん :2020/02/11(火) 17:19:48 ID:R1ornWMc
以上になります

書きながらぐぐってみましたが
ミートハンマーとかテンダーライザー(筋切り器)とか
肉を柔らかくする専用の調理器具というのがあるそうで
何というか拷問器具みたいなビジュアルしてるなあと思いました

どこかにドロシーちゃんが生き延びて幸せになってる世界線も存在するのだろうか…

855 名無しさん :2020/02/12(水) 00:38:09 ID:???
おおおお!スピンオフ乙です!
ちょっとした運命の歯車の違いでボロボロになって殺されちゃうドロシーちゃんシコシコですわ
数年前に故人として出たドロシーが最近になって本編でもスピンオフでもフューチャーされてて嬉しいなあ

ドロシーが幸せになる世界はきっとリザもアイナも幸せになってる平和な世界だろうね
幸せになったらリョナれないので無理だが……笑

856 名無しさん :2020/02/12(水) 09:53:59 ID:???
材料が一人分足りないの一人って1人が食べる分じゃなくて食材がまるまる1人足りないって意味だったのね…恐ろしい笑

お肉を取りに行ったのに、お前がお肉になるんだよ!と言わんばかりに捕まって肉として処理されちゃう展開すこ
多段階で絶望のさらに下に落としていくところに作者の鬼畜さを感じました

ごちそうさまです!

857 名無しさん :2020/02/16(日) 19:33:10 ID:6zcmIB3Y
一気にクライマックス!!!
ササメは20の敬語使いでいやらしい体してるおにゃのこだから
リョナ映えするんよなぁ

ウィキの人もこうしんありがとう
俺がキャラメイクアプリで作ったやつまで載せられててわらた笑
ドロシーはまだコレジャナイ感あるんだよなぁ……

858 名無しさん :2020/02/23(日) 19:14:31 ID:???
ぼやぼやしてると春になっちゃうし、力づくで話を折りたたんだぜー
ササメもヤヨイも色々強化されたし、最終決戦でもがんばってほしい

そしてリザは、かつての親友たちと戦場で相まみえることに…?

859 名無しさん :2020/02/26(水) 03:21:42 ID:???
またしたらば死んでたな……
サンタガール編まさかの和解エンド笑 少年漫画みたいにわかりやすくていいね

サンタ編も終わったしどういう展開にしていこうか悩むなぁー

860 名無しさん :2020/03/08(日) 14:23:29 ID:tJXoxXUE
というわけで囚われのサラ編
記憶戻すのは戦争の山場まで取っておくか、ここで戻しちゃうかは考えてない
桜子やスバルにも触れられたらいいな

861 名無しさん :2020/03/13(金) 02:06:27 ID:???
サキもずいぶん不幸な目にあってるな

「食われる側」になるまいと必死に策を弄してきたのに
今や雑魚兵士にまで舐められる始末
すれ違いざまにお尻とか胸とか触られたりして
屈辱で真っ赤になりながらも何も言い返せず
みたいなのが日常茶飯事とか 想像しちゃう

862 名無しさん :2020/03/14(土) 04:27:29 ID:???
サキもついにそっち側に……とおもったけどちょくちょくいい感じにやられてましたね笑

最近マジで書いてねぇ……明日の夜はなにもないから書くお!読み返さねば!

863 名無しさん :2020/03/15(日) 00:27:43 ID:???
サラの話とはとくに関係なさそうなぐーたら三姉妹 
と思わせといて彩芽を加えたぐーたら四姉妹に

個別だとそこそこ活躍してはいるけど、はたしてこのメンバーで話が動かせるのだろうか…w

864 名無しさん :2020/03/15(日) 11:53:08 ID:???
いやぁ、自分の行いが帰ってくるって因果ですよね(棒読み)

865 名無しさん :2020/03/27(金) 23:13:14 ID:???
ひとまず記憶は戻ったけど完全に心をへし折られたサラ。
産卵管で膣内ぐりぐりしたけど産卵はしてないからセーフセーフ

そしてストレス解消サンドバッグに選ばれたしぇりめでゅコンビは
かませ犬にされる前に一矢ぐらいは報いることができるのか

866 名無しさん :2020/04/12(日) 05:37:40 ID:???
虫能力バトルもので出てくる強い能力全部使えるって考えるとジェシカってめちゃくちゃ強キャラだな

867 名無しさん :2020/04/12(日) 21:18:45 ID:???
このままヘタレ化して脱落するわけにはいかない…今こそ立ち上がれサラ!

ところで虫に産卵されてお腹からドバーッて孵化するのっていいですよね

868 名無しさん :2020/04/24(金) 03:25:41 ID:hKWUfoSM
ジェシカさん大活躍だな!攻めでここまで頑張ってくれるキャラはありがたい
そしてあやめもついに主人公の1人として覚醒してゆくぅ!

869 名無しさん :2020/04/25(土) 13:52:32 ID:???
ジェシカは十輝星候補になったぐらいだし強いとは思ってたが、まさかここまでヤバくなるとは……
まあ今後はトーメントVS他の全勢力になるのだから、これぐらいで全然OKかも

870 名無しさん :2020/04/30(木) 03:54:17 ID:???
おおおおんもうサラの変身とか懐かしすぎて胸熱!
熱い展開になってきた

871 名無しさん :2020/05/03(日) 22:04:29 ID:???
サラ復活、ジェシカ撃破?で、舞台はいよいよ戦場へ…

過去話読み返してたら、単発でリョナりたいキャラがわらわらと…
思えばずいぶん増えたもんだ

そういえば、スラム三人娘vs鎖兄弟の続きも気になります

872 名無しさん :2020/05/10(日) 10:10:06 ID:???
わかりにくい能力ですまんな
ちっちゃいif展開をいっぱい書きたかったんや…

◇◇◇◇◇◇から◆◆◆◆◆◆ぐらいまでは、
リザが死ぬ→スズに時間を戻してもらう
みたいなことを何度もループしてると思ってください

873 名無しさん :2020/05/13(水) 04:00:57 ID:luM4ut9k
ユウヒついに登場か
もうすっかり存在を忘れていた……そしてそのばかぎりちゃんの扱いの酷さよ笑

スピンオフの続きは気まぐれなんだ!!でもちょっとずつ書いてはいるから気長に待ってくれ!!

874 名無しさん :2020/05/17(日) 10:36:21 ID:???
その場限りのつもりで適当に名付けたから、まさか再登場するとは思わなかったよ…
スピンオフの続きは気長にお待ちしてます

エミリアちゃんがんばえー

875 名無しさん :2020/05/22(金) 11:42:18 ID:???
やっぱりこうしたくなっちゃうよねー笑笑ってやつ
リザを助けに行かせようとしたけど、新キャラも出そうだし断念
エミリアちゃんの運命は……

876 名無しさん :2020/05/22(金) 21:09:48 ID:???
エミリアちゃん、いつも格上とタイマン張らされるか、自分の規格外の強さに振り回されて逆に負けるかなの本当かわいそうでかわいい
そして上のレスをパク……参考にしてミツルギ勢の懐かしい人を出してみた

877 名無しさん :2020/05/24(日) 15:41:42 ID:???
何をどうしたのか良くわからないけど、
とにかく勝率10%以下の壁を乗り越えヴァイスを撃破したエミリアちゃん
果たしてリザに受け入れてもらうことは出来るのか
それとも必死の努力を却下されてヴァイスに殺される運命が確定してしまうのか…

878 アリサ修行編 :2020/06/06(土) 21:16:02 ID:???
<0>

…ミツルギ皇国軍とトーメント王国との戦いが始まる、少し前の出来事。

いつもの剣術の訓練を終えたアリサに、稽古相手のアルフレッドが声をかける。

「……アリサお嬢様。申し訳ありませんが、明日からしばらく朝の訓練はお休みさせてください。
ローレンハイン殿から頼まれて、少し調べ物をしなければならないので……」
「ローレンハインさんが?そう……わかりましたわ」

おそらく今度の戦争と関係する事だろう。
だがアリサは、敢えて詳しくは聞かなかった。
必要な事ならば、自分にも隠さず知らせてくれるはずだ……今のアルフレッドなら。

「その代わり、と言っては何ですが。
二刀での戦い方を習得するため、普段はこれをつけて生活して頂きます」
「……なんですの、これ?」
アリサがアルフレッドから手渡されたのは、右腕用の手甲…
どちらかというと、見た目は医療用ギプスに近い代物だった。

「それは『バインド・グローブ』といって……装着すると、右腕をほとんど動かせなくなります。
剣の訓練の際は外して頂きますが、それ以外の日常生活は左手一本で行ってください」
「なるほど……左手の器用さを養う特訓、という事ですわね」
装着してみると、確かに右腕はほとんど動かせなくなった。
代わりに、重い鞄をぶら下げているかのような、ずしりとした感触。
…長時間装着しても腕の力が衰えないよう、適度な負荷がかかるよう魔法が掛けてあるらしい。

「それにしても……デザインは、もう少しどうにかならなかったのかしら」
鏡で自分の姿を確認してみると……どう見ても、「右腕を骨折した人」にしか見えなかった。


<1>

【エリ・ハネツカ】
討魔忍の候補生が一般生徒に紛れて密かに通う、ミツルギ学園初等科3ねんせい。
髪と瞳の色はダークブラウン、髪型は短めのサイドテール。
明るく優しく正義感の強い性格。運動が得意で、チャンバラの腕前はクラスメイトの男子にも負けない程。
とは言え彼女は討魔忍候補でなく一般生徒なので、その能力は常人の域を出ない。
弱い者いじめや掃除サボりなどをする男子は容赦なく叩きのめしてきたのだが……

「はぁ………嫌だなぁ」

近ごろエリは、学校に行くのが憂鬱だった。
5人がかりで「電気アンマ」され、そのあとサイバンごっこやジューサツ刑でボロボロにされたあの日以降、
男子たちの横暴は日に日に激しさを増す一方だった。

もちろん何かトラブルがある度に、エリは果敢に男子たちに向かっていくのだが……
一斉に飛び掛かられ、押し倒され、脚を掴まれ……あの『電気アンマ』の餌食にされてしまったら、それ以上の抵抗は不可能だった。

脱出することも耐えることも不可能な地獄の拘束技に捕らわれたが最後、
泣こうが叫ぼうが解放されることは決してなく、失禁、もしくは気絶するまで徹底的にいたぶられてしまうのだ。

もはやエリ一人の力では男子たちの暴虐を止めることは不可能で、
エリだけでなく、クラスの女子のほとんどがその毒牙にかけられていた。


「クックック……よう、男女」
「今日は生意気にスカートはいてんのか。男女のくせに……ヒッヒッヒ」
「!………朝からうるさいわね。関係ないでしょ。どいて」

通学路を塞ぐ男子たちをギロリと睨みつけ、エリは足早に通り抜けようとする。
あの白いお気に入りのショートパンツは、改造エアガンでボロボロにされて二度と穿けなくなった。
エリは、スカートをはく日もあればズボンの日もある。
だがどちらを選ぶにせよ、こうして男子たちが難癖付けて絡んでくる事には変わりない。

「へーーい!隙ありぃ!」
「……!!」
だがその時。
正面に立ちふさがった二人が注意を惹きつけている隙に、
物陰に隠れていたもう一人が、後ろからエリに駆け寄り……

…がばっ!!
「きゃあっ!!」
スカートを思い切りまくり上げ、その下のパステルブルーのパンツをさらけ出した。

879 アリサ修行編 :2020/06/06(土) 21:17:23 ID:???
「ぎゃーーっはっはっは!!見えた見えた!」
「パン!ツ―!まる!見えーー!!」
「こんのぉぉお!!……もう、許さないんだからっ!!」

怒りが頂点に達したエリが、ランドセルに差した木刀を抜く。
それに応えるかのように、男子たちも各々木刀を手にエリを取り囲んだ。
……討魔忍の養成学校でもあるミツルギ学園では、生徒たちは体育の授業で剣術を学ぶ。
そのためほとんど縦笛に近いノリで一人一人が木刀を所持しているのだ!

「たあああぁっ!!」
(バキッ!!ドカッ!!)
エリの得物は、速度と手数に優れた小太刀の二刀流。
疾風のごとき連撃が、男子達の腹や顔面に叩きこまれた。だが……

「ヒヒヒヒッ……オラアアアア!!」
「ギャッハハハ!!ブッツブすぞァァァ!!」
三人ともひるむことなく、目を血走らせて襲ってくる。

(ガゴン!!ドガッ!!)
「くっ!?……こ、の…!」
…以前なら1〜2撃で倒せてたはずの相手だった。
男子達に叩きのめされたあの日以来、エリは彼らと戦う時は知らず知らずの内に萎縮してしまっている。
それが以前のような攻撃のキレを失わせているのだ。

……だが、本当にそれだけだろうか?

「また、マンコグチャグチャに踏みつぶしてやるぜぇぇ!!」
「ギヒヒヒヒッッ!!……オラオラオラオラオラァァ!!」
「うひひひ……また、縛って、手錠かけて…新型エアガンの的にしてやる」
(ドガッ!!ゴスンッ!!ガキィン!!)

叩いても叩いても、まるでもゾンビのようにしつこく襲ってくる男子たち。
彼らの振るう鉄柱入り改造木刀は、まともに喰らったら骨折どころでは済まない破壊力を持っている。

しかも、取り囲まれて三方から乱打されては、避けきれるものではない。
エリはたちまち防戦一方に追い込まれてしまった。

「そう簡単に、やられてたまるもんですか……っ」
(ガコンッ!!バキッ!メキッ……!!)
「ギヒヒヒヒ……逃がすかよぉ。喰らえぇ!!」
「ん、くっ……!……スカート、動きづらくて……きゃあああっ!」

横からの一撃を、なんとか受け止めるエリ。
だが、小学生とは思えない異常なパワーに、木刀を持つ手がビリビリと痺れてしまう。

「ヒヒヒヒッ!隙ありぃぃ!!膝カックン!!」
「えっ………」
その時。背後にいたもう一人が、押し出すような膝蹴りでエリの両膝裏を突く。
膝が曲がって、ガクリと腰が落ちた所へ…

「くらえ!カンチョー剣!」
(どすッ……!!)
「きゃひぃっ!!?」
超高速で突き出された木刀が、ショーツの上からエリの肛門に直撃する!

「げ、ほ……」
(カラン…)
全身を貫くような衝撃で、エリは手にした木刀を取り落とし……

「ギヒヒヒ……トドメだぁ!…必殺!ファイナルアトミック必殺アタック!!」
(…ドガァッ!!……ズドン!!)
「!!……っぐあああああ!!」
岩をも砕く改造木刀の一撃をまともに喰らってしまい、3m離れたブロック塀に背中から叩きつけられた。

880 アリサ修行編 :2020/06/06(土) 21:19:44 ID:???
「はぁ……はぁ……っぐ……まけ、ない………」
エリは朝食べた物を全部吐き出しそうになりながらも、必死に這いずって木刀を拾おうとする。

「ぎへへへ……ざまぁねえなぁ、男女ちゃんよぉ」
(ズンッ!!)
「い、ぎうっ…!」
……だが、伸ばした手は泥だらけの靴に踏みにじられてしまう。そして……

「おい、そっちの脚押さえろ。……ヒッヒッヒ」
「い、や……やめ、て……いやぁぁぁっ……!!」
左右の足を男子達に掴まれ、無理矢理開脚させられてしまう。
これまで何度も『あの技』に苦しめられてきたエリは、本能的に理解していた。
この体勢に持ち込まれてしまったら、もう脱出は不可能だと。

「クックック……足掴まれたら、急に大人しくなったじゃねえか。もしかして、期待しちゃってたかぁ?」
「そ、んなわけ……ひっ!!」

(ゴゴゴゴゴゴ……!!)
「……今日は木刀だけじゃねえ……この改造シューズ『グラウンドブレイカー』で、
もう二度と俺たちに逆らえねえよう、ココを徹底的に破壊してやるぜ。クックック」
「やっ……やだ、やだ、やだぁ……!!」

魔力改造されたスニーカー。
硬く鋭いスパイクが靴底にびっしりと生え、激しく振動して轟音を立てる。
靴全体から漂う異様なオーラが、その恐るべき威力をいやがうえにも感じさせた。

(もう、だめ……やっぱり、私じゃ、こいつらには……)
(女の子の力じゃ………男子たちには、かなわないの……?)
うすっぺらいブルーのパンツの向こう側で、エリの身体は恐怖に震える。
その時………


「お止めなさい!!
貴方たち、大勢で寄ってたかって女の子一人を痛めつけるなんて。
……いくら子供だからって、許しませんわよ!」
金色の髪、白いドレスに身を包んだ一人の少女が、エリ達の前に現れた。
……エリ達より年上、高校生くらいだろうか。

彼女の名は……そう。アリサ・アングレーム。

『運命の戦士』の一人である彼女との出会いは、普通の少女エリ・ハネツカの運命に何をもたらすのか……


<2>

「あー?なんだよ、ねーちゃん。今良い所なんだ、引っ込んでろよ」
「おい、待て……あのねーちゃん……ヒヒヒヒヒ」
「クックック……そうか。ねーちゃんも、一緒に遊んでほしいのかぁ?」

「なんて下衆な……テンジョウが可愛らしく思えてきますわね」
「げほっ……だ、め……そいつら、普通じゃない……お姉さん、逃げて…!」

男子達の力は、子供とは……いや、普通の人間とは思えない。下手すれば大人でも敵わないかもしれない。
しかも白ドレスの少女は、右腕を負傷しているのか、ギプスでガチガチに固めている。だが……

「ねーちゃんにも、電気あんま喰らわしてやるよぉぉ!!」
「電気…?……よくわかりませんけど、遠慮しておいた方が……よさそうですわねっ!!」

(ビュッ!……ビシッ!!……ブオンッ!!)
「ぐあああああぁ!?」
真っ先に飛び掛かってきた一人目の攻撃を
さらりとかわすと、相手の攻撃の勢いを利用して投げ飛ばした。

「せいっ!」
(ズバッ!!)
「うぐが!!」

続く二人目の少年を、恐ろしいほど速い手刀の一閃で叩き伏せる。
その動作はあくまで上品にして華麗。
上質なフリルスカートの裾は、どんなに動いてもギリギリの所までしか捲り上がらない。
エリは、アリサの一挙手一投足の美しさに、思わず見とれてしまっていた。

881 アリサ修行編 :2020/06/06(土) 21:21:04 ID:???
「やっ!!」
(ドスッ!)
「んごっ!!」
「ふう……とりあえず、大人しくなったかしら。一体この子たちは……」
続く三人目を左腕一本で倒したアリサは、一息ついてエリの傷の具合を見ようとする。
だがその時……

「お、お姉さん……あぶないっ!!」
「ヒ、ヒヒヒヒヒ………カン、チョー、剣っ……!!」
「………っ!!」
倒したはずの一人目の少年が、アリサの背後、足元まで這い寄って、剣を勢いよく突き上げた!

(ブオンッ……!!)
「……あ、あれ……?」
背後を取られたかに見えたアリサ……だが、少年の剣は空を切る。
捉えたのはアリサの残像だった。

(か……間一髪でしたわ。この子に教えてもらわなければ、危なかった……)
「し、死角から乙女の急所を狙うなんて……子供とは言え、もう容赦しませんわ……この木刀、ちょっと借りますわよ」

一瞬にしてエリの目の前にまで飛びのいていたアリサは、少女の木刀を拾い上げ、左手で構える。

「少し……強めに叩かせてもらいますわ!」

三人の少年たちが再び起き上がり、襲い掛かる。

……二度目の強襲は、一瞬にして片が付いた。
「シュヴェーアトリヒト……エアースト!ツヴァイト!ドリット!!」
「「「ッグワアアアアア!!!」」」

木刀とは言え、子供相手に全力の必殺技を繰り出し、
アリサは少年たちを完全にKOした。

……………………

……そして、数日後。

キンッ!!カキンッ!!

「………お見事です、アリサお嬢様。まさかこれほど早く二刀の技を習得するとは……
左剣の上達が特に目覚ましい。どこかで練習でもなさっていたのですか?」
「ふふふふ……秘密の特訓、ってやつですわ」

久々のアルフレッドとの剣の稽古で、手放しの賛辞を受け、得意げな笑みを浮かべるアリサ。
彼女の言う『秘密の特訓』とは………


ガキン!!バシッ!!

「その調子ですわ!……たった数日で、驚くほど上達しましたわね」
「ふっふっふ……アリサ先生のおかげだよ!もう、男子達にも負けないもんね!!」

……アリサは、エリに頼まれて彼女に剣術を指導していた。
これまでのエリの剣はほとんど我流で、身体能力に頼るところが大きかったが、
アングレーム流とラウリート流の基礎をアリサから教わったことによって、
その技術は瞬く間に上達していった。

(子供だけあって、本当に呑み込みが早い……これはわたくしも、うかうかしてられませんわね…!)

バインド・グローブの制約により、左手一本で相手をしているアリサ。
だが、油断していたらエリの技を受けきれなくなってしまうかもしれない。

(アリサ先生みたいに、強くて綺麗で、かっこいい剣士になるために…)
(エリに負けないように。そして……彼女たちの未来を、守るためにも…)
((今より、もっともっと……強くならないと!!))

……こうしてエリは、アリサにとって弟子であると同時に、ある種のライバルとも言える存在となった。

882 名無しさん :2020/06/06(土) 21:27:26 ID:t2d6qK7c
何か外伝的なのを書きたくて書いた修行編

883 名無しさん :2020/06/07(日) 04:36:15 ID:???
単発で出てきたエリちゃんじゃあないですか
気の強い女子が男子にボコボコにされて、女と男の違いをわからされるのいいよね
アリサもそろそろ本編に出てきそう

884 名無しさん :2020/06/08(月) 03:12:10 ID:BeQb8qtE
新キャラを出すならなにかしら設定をつけたくなるやつ
ウィキの人地味に更新ありがとう……

886 名無しさん :2020/06/15(月) 05:16:26 ID:OJzPr9Ro
ガチな魔物キャラってメインキャラの中にいなかったような気がする

887 名無しさん :2020/06/28(日) 15:30:13 ID:???
珍しくコトネをやばいことにしてみた
フウコもやばいことになりそうな予感がプンプンする

888 名無しさん :2020/07/04(土) 17:37:38 ID:4G.wnVTM
後付けで師弟関係を結ばせて
エロジジイから強者感ただよう師匠キャラにクラスチェンジ


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