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臭いフェチなリョナ

34名無しさん:2016/09/28(水) 16:22:42 ID:???

 薄暗い部屋を朝日が照らし、鳥達の鳴き声が壁を隔てて聞こえてきた。
「……はぁっ! ……はぁっ! ……はぁっ! ……はぁっ!」
 ミリアは令嬢の監禁されている部屋の扉をノックし、
「だ……大丈夫……ですか……? 助けに……はぁ、はぁ、……助けにきました」
 どうやら鍵は掛けられてはいないらしい。そもそも備え付けられていない。とすれば、たぶん交代で彼女のことを見張っていたのだろう。それはともかくとして、ミリアはノブを回して扉を開いた。
 部屋の片隅で、幼げな少女が膝を抱きかかえてうずくまっていた。
「お待たせしました……わたし、園島ミリアと申します」息を切らしながら、一度深く呼吸をして続ける。「お嬢さまを助けに参りました」
 少女が顔を上げてミリアを見た。随分と落ち着いた、大人びた顔立ちをしている。監禁という異常状況下にあったにも拘わらず、憔悴しているようにも見えない。その瞳に動揺の色がよぎったのは、ミリアの顔を認めた時だった。
 ミリアは顔のみならず全身を酷く痛めつけられていた。痣や傷を無数にこしらえ、皮膚は廃工場に積もった煤埃のため黒ずんだように汚れている。制服も上下ボロボロで、破れたところから全身に刻まれた切創や擦過傷が覗いている。
 己のそんな風体を顧みず、ミリアは少女に歩み寄っていった。身体の至る所が灼けつくように痛むが、少女の無傷を確認すると、そんなもの吹き飛んでしまうような心地になった。
 肩で息をしながらも、ミリアはかがみこんで少女に手を差し出した。
「……さあ、帰りましょう」
 しかし、少女は難しい顔を崩さない。どこか機嫌を損ねてしまったのだろうか? ミリアは心中穏やかではなくなった。
「ど、どうしたんですか? どこか悪いんですか?」
 あたふたと訊ねるミリアを、少女は憮然とした表情で見返した。
「だって、お姉さん臭いんだもん……なんか凄い酸っぱい臭いするよ……もしかしてお姉さんってワキガ?」
「んなっ!?」
 ミリアは自分の身体を見下ろした。考えてみれば当然である。交戦したあの少女にも「汗臭い」と罵られたし、あれからかなり時間が経っている。汗が発酵してひどい臭いになってしまったらしい。……しかしワキガはないだろう。
「……それに」
 少女がつけ加える。
「汗だけじゃなくて、お姉さん口も臭いし……なんかドブみたいな臭いしてるよ」
 ミリアが口を押さえた。
「えっ、そ、そんな……」
 追い討ちをかけるべく少女が続けた。
「なんか体中から血とかゲロとかの臭いもするし……おしっこの臭いもする」
「えぅ……」
「あと、言いにくいんだけど……」
 少女は目を眇めた。
「もしかしてお姉さん……うんち漏らしてない?」
「えっ?」咄嗟に尻に手を当てるミリア。むにゅ、と生温かい感触があった。「うっ、嘘!? なんで!? いつの間に!?」手を見ると、茶色いものがうっすらと付着していた。そこから汚臭が立ち上ってくる。
 あの幼女をどうにか退けた後、しばらくミリアは気を失っていた。それまでに飽きるほど浴びせられた電流や雨霰と降り注いだ殴打のため、ついに気が緩んで脱糞してしまったのだろう。そこまでは思い至らず、ミリアは狼狽していた。
 その光景を少女は冷ややかな眼差しで見ていた。やがてため息をついてミリアにこう言った。
「……誰か他の人を救助に呼んでくれない? あたし、お姉さんみたいな臭い人に助けられたくないから」
「そんな……」
 双眸に涙を浮かべ、ミリアは何か言おうとした。誰のためにこうなったと思うんだ、わたしはあなたのためにここまでしたんですよ、などという言葉が次々と浮かび上がってくる。
 しかし、ミリアは唇を噛んでそれを飲み込んだ。もしかしたら、監禁のストレスのせいで心神喪失に陥っているのではないか。面持ちには表れなくとも、それは充分にあり得ることだ。それに自分はたぶん事実臭っているだろうし、相手はまだ7歳の少女なのだ。言葉をオブラートに包めなくても仕方がない。
「わかりました……それでは誰か他の人を呼びます」
「そうしてね、なるべく早くに。お姉さんと一緒にいると公衆便所にいるみたいな気分になるから」
 血が出そうになるほど唇を噛み締め、ミリアは少女に従った。


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