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ムーンペタ@ムーンスレ緊急避難所

51ムーンクエスト25/26:2003/09/28(日) 21:16
25
 福引きの機械が回転を始める。くるくる回るドラムは、だんだん激しさを増していく。
「ふんっ!」
 神妙な顔でそれを見ていたローレシア王子が、気合いとともにボタンを押した。
 少しずつ、少しずつ、機械が回転を遅くしていく……。
 ★
 ローレシア王子がぐっと拳を握った。
 ★
 ごくり。サマルトリア王子が唾をのんだ。
 ……★
「やったあ!」
 ローレシア王子が飛び上がった。サマルトリア王子が笑み崩れる。わたしもほっと息を
吐いた。いつの間にか息を止めてしまっていたみたい。
「おめでとうございます! 2等、祈りの指輪があたりました!」(★をチェック)
 福引き所の店員がカランカランと鐘を鳴らした。
 ローレシア王子が、わたしたちを振り向く。王子の腕が上がる。それに合わせて、わた
しとサマルトリア王子も手を上げる。
 空中で打ち鳴らされた掌が、パチンと気持ちのいい音を立てた。
 すごいすごい! 祈りの指輪が当たるなんて。いつもは薬草とか福引き券ばっかりだっ
たのに。
「オレ様が本気を出せば、ざっとこんなもんさ」
「よく言うよ、何もないときだってたくさんあったのに」
 自慢げに胸を張るローレシア王子に、サマルトリア王子が突っこむ。わたしたちは互い
に目を交わし、ほとんど同時に弾けるように笑った。
「これ、王女が使いなよ」
 福引き所を出ると、サマルトリア王子がわたしに指輪を差しだした。ふふ、まだちょっ
と興奮したような顔してるね。わたしもドキドキが収まらないけど。
「いいの?」
 祈りの指輪は、魔法力を回復させてくれる力を秘めている。サマルトリアの王子だって、
わたしと同じく魔法の使い手、欲しくないはずはないのに。
 だけど、王子は笑って首を振った。
「僕は剣も多少使えるし、魔法は王女ほど得意じゃないから」
「……ありがとう」
 優しいね、サマルトリア王子。
 わたしは王子が渡してくれた指輪を、そっと掌に包んで微笑んだ。

宿へ行く→>>33
もう少し町を探索する→>>31


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