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FFDQかっこいい男コンテスト 〜なんでもあり部門〜

1名無しの勇者:2006/07/12(水) 21:32:41
FFDQなんでもあり部門の小説専用スレです。
シリーズ、作品の枠を超えた作品を投稿する時はこちらで。
書き手も読み手もマターリと楽しくいきましょう。

*煽り荒らしは完全放置。レスするあなたも厨房です*

ネタスレについては>>2以降(テンプレ考案中)

712名無しの勇者:2009/06/28(日) 23:46:37
書いてくれる人激減してたんだし新規さん歓迎だけどなぁ
そのうち慣れるだろうし何をそんなカリカリしてるのかと

713名無しの勇者:2009/06/29(月) 00:07:44
新規さんは歓迎だが、あまりに空気読めてないと正直怖いよ
本スレに迷惑かかったらって考えてしまう
ここでならどんな発言してもらってもスルーすりゃいいだけだが

714名無しの愚者:2009/06/29(月) 00:10:20
>>709さん、みなさん
708です。
すいません。調子乗ってました。
連続投稿もしてしまいましたし。
半年ほどROMってきます。

715名無しの勇者:2009/06/29(月) 00:14:15
ここに来れてる時点で本スレに迷惑かける確率は低いけどな
本当にやばいやつはここにすら来ない

716名無しの勇者:2009/06/29(月) 03:22:00
>>708(714)さん
落ち着いて落ち着いて。たぶん>>709さんは>>707さんに対してだと思います。
あなたのこれまでのレスはすごく周囲に気を遣っているし、どう考えても問題があるとは思えません。
どうか恐れず、今まで通り普通に参加してください。



それと、この際だから言わせてもらいたいのですが。
いくら2chのスレに関連しているからって、「このスレ」にまで「2ch」の流儀を持ち込むのはどうかと思います。
あの、人を小馬鹿にするような、上から目線で物を言うのが当たり前みたいな態度は、
「2ch」だからこそ許されてるんであって、本来は見ず知らずの人にあんな口の利き方をするのは非常識でしょう。
まして、ここの住人のほとんどは妙齢の女性でしょう? 恥ずかしいですよ。
こういう同好の士が集まる場所ですから、堅苦しいのは抜きで楽しくやりたいけれど。
ここは2chじゃないんだから、最低限度の礼節はわきまえてください。

717名無しの勇者:2009/06/29(月) 03:37:26
あ〜いるよね、TPOわからない人。
でも全体で見たらほんの一握りだし、そうカリカリしなさんなw



そろそろこの変な流れ切るよ〜。
なにごともなかったように次ドゾー


718名無しの勇者:2009/06/29(月) 13:20:46
>>708
こんだけ顔文字とか使ってればそりゃ言われるよ
>>710>>716に至っては気持ち悪いにもほどがある
>>708もフォローされたんだからいまさら半年ROMる必要もない

719名無しの勇者:2009/06/29(月) 14:25:24
>>718
おいおい。気持ち悪いにもほどがある、なんて確かに失礼じゃないの?
端で聞いてても気分悪いよ。
709にしたってウザイとか半年ROMれとか、テメーが気に入らないだけだろうに、いきなり何様だこいつとか思ったし。
ガキはスルーに限るってほっといたけど、そんなに気に入らないならあんたらが出て行けばいいんじゃね?
一連の流れからして、709と718が沸いて来なきゃ平和だったと思うけどね。

720名無しの勇者:2009/06/29(月) 14:37:44
一旦切ったのを続けた時点で>>718>>719も同じだよ
ついでに言いたいんだけど、>>716はそこまで人を思いやれるのに、>>707に失礼なことしてるよね。気づいてる?

721名無しの勇者:2009/06/29(月) 15:46:47
全員ウザイ
別にスレ立ててそこで話し合えば?

以下なにごともなかったように


722名無しの勇者:2009/06/29(月) 18:44:10
ロビーだったらいいのかね?
板全体用だからあまり占拠するのは好ましくないのだけど。
34受けスキーは変な人が多いね。

723名無しの勇者:2009/06/29(月) 20:02:09
>34受けスキーは変な人が多いね。
はぁ?一緒にするなバカ。死んでこい。二度とここ来るな。

724名無しの勇者:2009/06/29(月) 22:16:48
>>719 >>723
18歳以下は帰れ

7251→3前提14下品:2009/06/29(月) 23:38:54
1主「頼む、ご先祖にモシャスしてくれないか?」
4主「死ね」
1主「4主…会話の途中でいきなり死ね宣言はよくないと思う」
4主「8主相手なら普通のことだ」
1主「でも俺8主はじゃないし」
4主「そうだな。これが8主だったら宣言する前に死んでもらってる」
1主「お前は本当に物騒な奴だな…」
4主「この状況でその発言はそうなっても文句言えないだろ」
1主「この状況…って」
            
        i    
     o/ ⊥ o   
     /レ  ‘ ̄)  
     》    <\   
    ↑     ↑
    1     4

1主「何がいけないんだ?」
4主「とりあえずしまえ。せめて降ろせ」
1主「武器を出してるのも振り上げてるのもお前の方だろ?
   危ないから降ろしてくれ」
4主「降ろしたら俺の身が危ないだろうが!」
1主「大丈夫だって、モシャスしてもらうまでは何もしないから」
4主「それを踏まえた上で一言目の死ね発言をした俺は絶対に正しいよな」
1主「なんだよ家計以外でもドケチだな。心の狭いやつめ」
4主「今お前が生きてるって時点で俺ほど寛大な男もそういないぞ。
   つーか馬鹿言ってねぇで本物のとこ行けよ」
1主「だって…本物に手を出して俺が消えたら嫌だし…」
4主「俺に手を出して5主の家族がまとめて消えたらどうすんだ」
1主「いやぁ…お前は純粋で童貞のご先祖と違ってそこまでハマらないと思うから…」
4主「褒められてるのか?貶されてるのか?」
1主「ヤリチンとビッチと女王様の素質がありそうなチートキャラだと予測してる」
4主「そうか貶されてるのかありがとう」
1主「どういたしまして。お礼は体で。もちろんモシャス付きで」
4主「だが断る」
1主「頼むよ一生のお願いだ。もう我慢の限界なんだよ。
   このままじゃご先祖を無理矢理獣のようにガッツンガッツン襲ってしまう…」
4主「襲ってこいよ。ヤりたい放題ヤって跡形もなく消えちまえ、お前なんか」
1主「でも俺が消えたら2主だって消えるぞ?」
4主「ガッツンガッツンは嫌だ。誠心誠意丁重に扱え」
1主「……可愛がってくれるのは先祖として嬉しいがお前の過保護はちょっと異常だな」
4主「お前が言うな」

726名無しの勇者:2009/06/30(火) 00:03:01
ワロタwガッツンガッツンすればいいじゃない

727名無しの勇者:2009/06/30(火) 00:34:57
>>725
ワロタwそのうちマネマネ紹介してとか言ってきそうだなwww

728名無しの勇者:2009/06/30(火) 01:10:30
なにこのお馬鹿な1主www好きwwwww

7295主と1主でgdgd 1/4:2009/06/30(火) 12:22:23

―夜の宿舎、台所にて―

1主「お、珍しいな。こんな時間に台所なんぞで遭遇するとは」
5主「やあ。眠れないから寝酒を少々ね…そういう1主は?」
1主「カルピスのベストな割合を思いついたからちょっと試そうかと」
5主「ふふ、君も本当に好きだねぇ…良ければ一杯付き合わないか?おつまみもあるし」
1主「ん〜じゃあお言葉に甘えてご相伴にあずかるとしますか」
5主「ルラフェンの地酒にワインにウィスキーにビールその他色々、好きなの飲んでくれ」

1主5主「「それじゃあ、かんぱ〜い」」

5主「…所でずっと気になってた事があるんだけどさー」
1主「何だ?」
5主「3主とはどこまで進んでるんだい?」
1主「ぅぶふぉ!?」
5主「もうキスまでは済ませたのかな?ん?(ニッコリ)」
1主「いいいいいいやあ何といいますか
  その件の回答につきましてはしかるべき検討をいたしま…」
5主「別に隠さなくても良いじゃないか」
1主「う、いや、その、あー、なんだ」
5主「それともとっくに全部いたしちゃった後なのかな?」
1主「!…馬鹿言え。そこまで簡単にいかねえって」
5主「まさかまだキス止まりなんだーとか言わないよね?」
1主「……」
5主「え、本当にそうなの?」
1主「…くっ!文句あっかよ!?」
5主「……ふふふ、顔が真っ赤だよ(ニヤニヤ)」
1主「うっせ!こっちみんな!!」

7305主と1主でgdgd 2/4:2009/06/30(火) 12:25:04

5主「でも未だキス止まりなんて奥手すぎやしないかい?
  折角だから君が1から手取り足取り腰取り…」
1主「お前と一緒にすんな!んな事こっ恥ずかしくて出来る訳ないだろ!?
  男の相手はした事無いから、正直どうすりゃ良いか分からんっちゅーの!」
5主「逆に男同士なんだから、お互いに気持ちの良い所が分かりやすそうだけど…」
1主「えっ!やった事あんの!?」
5主「いや、やった事は無いから詳しくは分からないけど」
1主「…ビックリした」

1主「…そもそも、ご先祖の童貞喪失の前に処女喪失ってのは…」
5主「だったら君が童貞貰ってあげれば良いじゃないか」
1主「俺が女役!?…確かにまだどっちが女役かはっきりしてないけどさ…(ブツブツ)
  ………う〜…酒!!おかわり!!!濃いめで!」
5主「でも3主が経験豊富でもそれはそれで複雑だろ?
  …はい、おかわりお待ち」
1主「ん、まーな…(ゴキュゴキュ)…ふー、うめー!
  しっかしお前も意外と細かい所まで見てるもんだな」
5主「これでも一応年長者だから、若者達のために気を配るようにしてるのさ
  なんならこれからパパ♪って呼んでくれても良いよ?」
1主「|>いいえ」
5主「つれないねえ〜パパ寂しい……あ、おつまみ追加しようか?」
1主「いや、十分足りるだろ(ゴクゴク)それにしてもこの酒うまいな!」

5主「…カプカプ飲んでるけど、そのお酒口当たりの割に結構強いよ?大丈夫かい?」
1主「へ?どのくらい?」
5主「んーと…大体どぶろくと同じくらいかな?」
1主「げっ!…そういわれるとなんらか、景色…が……あー、5主がぶんしんしてる…」
5主「あらら、もう手遅れだったか」

7315主と1主でgdgd 3/4:2009/06/30(火) 12:27:18

5主「さてさて、1主もいい具合に出来上がったし
  夜も更けてきた事だから、そろそろお開きにしますか」
1主「にゃにおぅ!?おれは酔ってない!
  全っっ然よっれないぞう!!?」
5主「そう言う人に限って確実に酔ってるよね…
  もういい加減に寝ないと明日に響くと思うよ?」
1主「い〜〜や〜〜だ〜〜!!5主もいっしょに!あさまでのみつづけるんだ!!」
5主「そんな子供みたいな事言って…」
1主「……(ゴキュッゴキュッ)」
5主「ちょっと、こら!無言でボトルで煽らないの!!!
  まったく…ほら、いい子だから寝よう……ね?」
1主「…(コクリ)わかった。いっしょならねる」
5主「はいはい仕方ないな。じゃあ手繋いで行こうか?」
1主「おう!(ニコニコ)」
5主「……(満面の笑顔なんて珍しい…幼児還り?)」

5主「お部屋についたよ。ほら、お布団被ってねんねしようね〜」
1主「……(ギュー)」
5主「…分かってる。一緒に寝るから、しがみ付かれると動きづらいよ」

1主「ん…んー…服あっつい…」
5主「わっ!そこまで脱いだらダメだって、風邪引くから……!?
  あっ、ちょっ、せめてパンツだけは…それだけは脱がないで…!」
1主「ん。すずしい」
5主「えー………朝色々誤解されそうだけど…まあ良いか」
1主「おやすみー」
5主「…お休み」

7325主と1主でgdgd 4/4:2009/06/30(火) 12:31:17
―朝―

1主「ん、ふあぁああぁぁ…よく寝た……」
5主「スー……スー……」
1主「!!!!!!????!!!♂×♂?????;
  ……………………はっ!?いかん惚けてる場合じゃ!!5主起きろ!起き」

ガチャ

3主「おーい1主!起こしにきてやった…」
5主「ふぁー…おはよ」
1主「なにこの状況」
3主「……う」
1主「……う?」
3主「うわきものー!!!!!!」
1主「ちがっ!ご先祖!待って誤解だって!!!ご先祖ー!!!!!!!」
5主「あーあ、やっぱりこうなるよな(ニヤニヤ)」
1主「ご先祖ー!!!!!!!!」

733名無しの勇者:2009/06/30(火) 14:52:11
>>725
なんだwwwこの二人wwwAAが秀逸すぎるwww
普段良識派な感じなのに、一旦ボケだすとグダグダだよねこの二人w

>>729
5主の策士ぶりに吹いたw
1主も3主も可愛いなあ

734名無しの勇者:2009/06/30(火) 19:54:29
1主ご先祖大好きだなww

735名無しの勇者:2009/07/01(水) 19:54:50
ご先祖大好きな1主萌えるww

736名無しの勇者:2009/07/03(金) 23:45:06
ご先祖ご先祖な1主可愛いなw

7378+4:2009/07/08(水) 03:23:36
本スレネタお借りします。

7主「先輩って言葉に弱いみたいだよ」
4主「何だかな、おい8主浮かれるのはわかっけど」
8主「先輩かぁ先輩、なんて良い響きだ」
4主「…駄目だアイツ。6主のお兄ちゃんに匹敵する勢いだ」
7主「それは、何とかしないと!おーい8主くん」
4主「8主ー」
7主「プリン星人」
4主「半竜」
7主「信号機」
4主「ファッキンドラゴン」
74「……」
4主「駄目だな」
7主「うん、…4主さんこうなったら8主君をエイトって呼んで」
4主「は?嫌だよ」
7主「じゃなきゃいつまでも晩御飯食べれないよ」
4主「だったら代わりに作れば良いんだろ」
7主「今日はチーズフォンデュなんだよ!」
4主「鍋入れて掻き回すだけじゃんか」
7主「チーズの事はチーズマンに聞けじゃない、ほらエイト君ー」
4主「エ……言えるか!」
7主「そんなに頑なにならなくてもえーっと、とかでもギリいけるから」
4主「いけねぇよ。いかねぇよ」
7主「チッ意気地無し」
4主「今なんか言ったか?」
7主「ううん何も?」
4主「あ、そ。」
4主「いっそパーティーアタックとかは?ある種の混乱だろあれ?」
7主「それが、血が出る迄殴ったけど効果無いんだよね」
4主「うわっ、良く見たらバンダナ赤いの血かよ!?血出る前にやめてやれ!」
7主「先輩かって殴られても尚笑ってるのが怖くて…つい。Mは僕のキャラなのに」
4主「いや、あいつ別にMじゃねーし」
7主「流石4主さん解ってるね」
4主「辞めろその温い視線」
7主「さぁ思いきってエイトー!」
4主「やんねぇよ」
7主「早くしなきゃお腹と背中がくっつくよ?」
兵士「エイト先輩!!」
8主「あれ?どうかしたの?」
兵士「遠方に探索に出ていた部隊が怪我をして戻って来ました!」
8主「何?解った詳細は戻って聞く。王への報告は?」
兵士「済んでいます。お休みの所申し訳ありません」
7主「あらま、8主君も一国の兵士隊長だもんね」
8主「すみません晩御飯支度出来なくて緊急事態なんで戻ります」
7主「あ、うん。気をつけてね」
8主「はい」
兵士「お騒がせしました」
7主「いやいや気にしないで」
8主「遠いとこ来させて悪かったね」
兵士「そんな勿体ないお言葉」
7主「あ、あの子目キラキラしてるあれ、絶対羨望の眼差しだよね」


8主「戻りましたー。もうヘトヘトです」
4主「何でお前そんなに先輩呼びに憧れるんだ?後輩いっぱいいんだろ?」
8主「まぁなんていうか、一度で良いから後輩に蔑ろにされてみたくて」
4主「は?」
8主「何やってもウチの兵士達大袈裟だし、この前も血みどろで帰ってきたから、
お疲れって頭撫でたら恐れ多いとか、今死んでも構わないとか言うんですよ?死
なれたら困るって言うのに青い顔が赤くなって奇病ですかね」
4主「お前もう9主も含めて後輩に近寄るな」
8主「そんなひどい!]

738名無しの勇者:2009/07/08(水) 20:29:05
8主www
ちゃんと会話してる4主と7主もいい味でてますな〜

739名無しの勇者:2009/07/09(木) 00:19:28
> 4主「いや、あいつ別にMじゃねーし」
ちょ、4主、それkwsk

740名無しの勇者:2009/08/04(火) 20:07:13
8主「今日は8月4日で8×4の日ですね」
4主「この100%スイカジュースやるから黙ってろ」
8主「さっき皆で食べた西瓜の皿に溜まってた奴じゃないですか!」
4主「うん、我ながら良い出来の西瓜だった」
8主「ええ、美味しかったです…じゃなくてですね。
  僕が4主さんの果汁をちゅっちゅするのが84の日に相応しいでしょうという事で」
4主「俺の果汁って何」
8主「何でしょう…やっぱ精え」
4主「いや黙れ。いいからホラ、こっちの100%メロンジュースをやろう」
8主「さっき皆で食べた以下略じゃないですか。
  …まあ僕も好き好んであんな味の物を口にしたい訳じゃないですけどね。
  4主さんが恥かしがるのが可愛いから頑張れるというか」
4主「うっせ黙れ」
8主「照れちゃって。
  じゃあ妥協点という事で、4主さんの乳首をちゅっちゅしますか」
4主「フーンあっそう…って勝手に剥くな!?」
8主「折角だから、このスイカ果汁とメロン果汁でも塗ってみますか」
4主「痒くなりそうだから止めろ!」

741名無しの勇者:2009/08/10(月) 13:13:26
萌えれて笑える…二度旨ッ

74284(0/10):2009/08/19(水) 01:19:34
久し振りにコチラを覗かせていただいたら創作意欲が萌えたので、
ちょこっと場所をお借りします。

ちょっとだけ注意事項です。

・84のつもりで書いたんですが、どうにも8主がヘタレすぎて受け臭いですw
・最後の2つを除けば、むしろ48として読めるかも!?
・4主に限らず男前な受けが大好物なものでお許し下さい。

少し長めですが、お付き合い下さい。

74384(1/10):2009/08/19(水) 01:20:33



───お前さ、もう少しあいつのこと真剣に考えてやれよ?

いつもいつもぐうたらと生きているニートが、
ふいに真剣な顔つきで零したことがあった。
あのときは心底不快に思ったものだ。

いったい、何をどう考えてやれというのだ?
あんな、人をからかうことが至上の喜びとばかりに
毎日飽きもせずに喧嘩を売ってくるような奴。



───さすがに、同情してしまうなぁ。

そう云って唇に苦笑を滲ませたのは、妻を2人も娶るという、
彼にとっては不誠実極まりないことを平然とやってのけている男だった。

同情ならば、こちらに向けて欲しい。
どう見ても被害者は自分のほうだろう。
ひっそりと平穏に生きていたいだけなのに、奴のせいで毎日が戦場だ。



「あのさぁ、疲れねぇ?」

毎日のことにふいに気持ちが冷めて、剣を降ろして問い掛けたことがある。
顔を合わせるたびに毎回毎回。鳥竜の仲、だなんて仲間たちは笑うけれど、
4主とて、争い合いたいわけではないのだ。
世界に平和をもたらすための勇者としての力を、
こんな無駄に使うはめになるだなんて。
何だか急に馬鹿馬鹿しくなってしまって、背を向けた。

「……だって、こうでもしないと貴方、僕を見てくれないでしょう?」

小さな、本当に小さな呟きだった。
思わず振り返った4主が見たのは、静かな微笑だった。
初めてみた表情だった。こんな顔もするのか、と正直驚いた。

74484(2/10):2009/08/19(水) 01:21:16

きっと、それからだったと思う。彼の真意を探り始めたのは。
あんな遣り取りがあった後も、彼の暴言は止むことがなく、
つい習い性で相手をしてしまっていた。
けれども、あのときの彼の微笑が頭を離れなくて。

その日、風呂から出て広間を横切る際にテーブルの上に
散らかされたままの菓子の袋の残骸が気になって(おそらく3主の仕業だろう)、
仕方なく片付けてやっていた。
たまたま通り掛かったのだろう8主が、そんな4主の姿を見て早速からかってきて。
風呂上りで帯剣などしていなかったから、素手で殴り掛かった。
それなりに体術もこなす8主をなんとか追い詰め、
床に引き倒して首を締め上げて降参を要求していたときだった。
呼吸を妨げられて苦しいだろう少年が、
それでも楽しそうに笑っているのが不可解で、堪らず聞いてしまった。
「お前、そんなにオレに構ってもらえるのが嬉しいのか?」
「嬉しいですね。とっても」
答えられるように、と少しだけ首元を緩めてやれば、
8主はにっこりと綺麗に笑って見せた。
「そんなにオレのことが大好きか?」
「大好きですとも!」
躊躇いなく云ってのける少年が、無性に憎らしくて。
「……ほざいてろ」
あぁ、本当に馬鹿らしく仕方ない。
こうも簡単に笑いながら平然と嘘を吐けるやつの真意など、
知ろうと思った自分が馬鹿だった。
8主の上から退いて、そのままを背を向ける。
解放された少年が背後で軽く咳き込んでいるのが聞こえたが、
無視しようとして失敗した。
咳の中に、微かに笑う声が混じったからだ。
瞬間的に怒りが沸騰するのが自分でも分かった。
これが、最後だ。
もう2度と、こいつのお遊びに付き合ったりなんかしない!
決意を込めて踵を返して───、「……ぁ?」、硬直した。
少年は、笑っていた。
床に座り込んだまま、苦しそうに胸を押さえて。

まるで───酷く傷付いたと云わんばかりの悲しげな微笑。

74584(3/10):2009/08/19(水) 01:21:54

何て顔だ……いつか見た、静かな微笑みを思い出す。
8主は胸に当てた手をぎゅっと握りしめると、
何かを振り切るように左右に首を振って立ち上がり、
そこでようやく、4主の視線に気付いたらしい。
明らかに狼狽した顔が、かっと赤く染まったかと思えば、
先ほどの4主に劣らぬ勢いで踵を返して広間を出て行く。
4主はと云えば、いまだ呆然と動けずにいた。
なんだ、今のは。
なんなんだ、あいつは!
ぐるぐると色んなものが頭の中を巡った。
3主の、5主の意味深な言葉たち。
8主の浮かべた微笑。……静かな、悲しげな、苦しげな、それ。
大好きだから……構ってもらえて嬉しい?
まさかのまさかだ。有り得ない。
けれど、このままではいけないような気がした。

───真剣に考えてやれよ?

真剣に考えてしまって、良いのか?
これ以上、踏み込んだら戻れなくなりそうで、恐い。
混乱したまま、それでも自然と足が動いた。
向かったのは、8主に割り当てられた部屋。
ドアノブに手を掛ければ、鍵が掛けられていないことが知れた。
鍵を掛け忘れるほど動揺していたのか、それとも追ってくるとは思わなかったのか。
思い切ってドアを開けば、慌てたように少年がこちらを振り返るところだった。
「入って来ないで!……出て行って、下さい」
部屋の中へ一歩踏み入ったところで、剣を突き付けられた。
制止の声は、その剣先同様に微かに震えていて。
更に一歩踏み出せば、悲鳴のような声が上がった。
「出て行けと云ってるでしょう! それ以上近づいたら、何するか分かりませんよ!?」
こんなに上擦った声など、聞いたことがあっただろうか?
この少年は、いつも何処か余裕を感じさせる声音で、それはそれは楽しそうに嬉しそうに
こちらの神経を逆撫でてきたものだが、どうだ。
ぱたん、とドアを閉じてやれば、必死な形相でこちらを睨んでいた少年の肩がびくりと揺れる。
らしくない───あまりにも、らしくない。
「……何をそんなに、怯えてるんだ?」
静かに問い掛ければ、言葉も無く少年の首がゆるゆると振られた。

74684(4/10):2009/08/19(水) 01:22:55

疑念は、すでに確信めいたものに変わっていた。
ただ、決め付けるのはどうだろう。
この8主の反応はどうだ。7主にだってここまで怯えられたことはないというのに。
もう後戻りは出来ない。扉はたった今、自分が閉めてしまった。
だが、前へ進んでどうなる? どうなってしまう?
確かめたところで、どうするつもりなのだ、自分は。
一歩、また一歩と近づくたびに、8主は後退していく。
やがて寝台に突き当たり、そのまま座り込んでしまう。
更に歩み寄れば、その手から力なく剣が滑り落ち、
くしゃくしゃと顔が歪んでいくのを見ながら、4主は困り果てた。
どうにも幼子に悪いことをしているような気分が拭えない。
とうとう両手で顔を覆って嗚咽を漏らし始めた8主を前に、4主は複雑な思いで膝を折る。
赤いバンダナが巻かれた頭を引き寄せれば、ひ、と情けない声が腕の中から聞こえた。
どのくらい、そうしていたのか。
膝立ちのまま抱き寄せた少年の呼吸が落ち着いたのを見計らって、4主はその顔を覗き込む。
予想に違わぬ子供の泣き顔をそこに見て、思わず苦笑すれば、恨みがましそうに睨まれてしまう。
「……楽しそうですね」
「あぁ、なんか、楽しいな」
「……僕の云ったこと、聞いてました?」
何を、と聞き返すことは出来なかった。
強い力に引っ張り上げられたかと思えば、視界がぐるりと回って。
気付けば、寝台の上に押し倒されていた。
「何をするか、分かりませんよ?」
接近を拒まれたときと同じ台詞が繰り返された。
真上から無表情に見下ろされて、4主は逡巡する。
まずい展開になってきた、という自覚はあった。
すぐにでも上に乗っかる少年を突き飛ばして逃げるべきだ、と本能が警告を告げている。
どこか冷めた脳内は、それと相反する考えで埋め尽くされていて。
そろりと持ち上げた手で少年の頬に触れれば、その顔がまた苦しそうに歪んでしまう。
こんな表情をさせたいわけではないのに。
「……そんなに、オレのことが大好きか?」
今とは逆の体勢で放った質問を、再度ぶつけた。
「……ッ、好きですよ大好きですとも!! 何か悪いですか!?」
ついに逆ギレしたらしい少年が唾を飛ばす勢いで声を張り上げる様に、
4主は堪らず噴き出す。
まったく、この半竜人族の少年と来たら!

74784(5/10):2009/08/19(水) 01:23:31

腹を抱えんばかりに笑い出した4主を憮然と眺め下ろす8主の顔に、困惑が混じり始めた頃。
「オレ、やっとツンデレって言葉の意味を本当に理解出来た気がするよ」
ニヤリ、と笑ってやれば、少年の顔がみるみるうちに赤く染まっていく。

───同情してしまうなぁ。

好きな子ほどイジメたくなるものだ、と云っていたのは、誰だったろう?
そのときは聞き流してしまったけれど、きっとこのことだった。
なんと分かりにくいことか!
「お前って、本当に馬鹿だったんだなぁ」
「……しみじみと云わないで下さい」
「だって馬鹿すぎるだろ」
「……嫌ってくらい自覚はしてます」
「そりゃいいことだ。あー、馬鹿って治らないんだっけ?」
「……だから馬鹿馬鹿云わないで下さいってば」
「せめてアホだったら治ったのになー」
「……うるさい!!」
「……ッん、」
どうやらからかいすぎたらしい。唇が塞がれた。……同じ熱を持つ、唇で。
直接伝わる吐息が、かすかに震えているのが分かった。
さて、どうしたものか。
今更ながらに困ってしまった。
8主の秘めていた想いを知ってしまった今、今度はこちらが答えるべきだろう。
否か、それとも───。
まったく動かない4主を不審に思ったのか、8主が僅かに唇を離してこちらを伺ってきた。
その黒と呼ぶには柔らかな色合いの瞳が、不安そうに揺れているのが分かる。
無言のまま、見つめ合う。
先に視線を逸らしたのは、8主だった。
同時に身体の上の重みも消えていくのを感じて、4主は思わずその腕を掴んでいた。
「……駄目ですよ、4主さん」
「何、が……駄目なんだ?」
「これ以上は、駄目です。勘違い、してしまいたくなるから」
勘違い。何を?
「……オレは」
「僕に同情してくれるなら……どうか、忘れて下さい」
8主の腕を掴んでいた手が、ゆっくりと外される。
遠ざかる。身体だけではない、心までが、離れていく。

74884(6/10):2009/08/19(水) 01:24:12

「───違う!」
駄目だ、と思った。本能が訴える。今、離してはいけない。
「違いません。僕は、同情なんか欲しくない……!」
再度伸ばした手は、苛立ったように振り払われた。
「誰が同情なんかするか!」
「じゃあ何だって云うんです!? お優しい貴方のことだ、哀れんでくれるとでも!?」
「こんの……馬鹿が!!」
卑屈に哂う8主の顔が見ていられなくて。思わずその頬を平手で打っていた。
その勢いのままに、首元を掴んで引き寄せる。
「あのなぁ、オレはたった今、お前の気持ちを知ったばかりなんだぞ?」
ずっと、嫌われていると思っていた。
気に食わないから、いつも喧嘩を仕掛けてくるのだ、と。
「それなのに、いきなり同情も哀れみもあるか!」
込み上げた感情は、純粋な驚きと、あぁそうだったのかという安心───喜び、だった。
嫌われていたわけではなかったのか、と。
「……嬉しかったんだぞ、これでも」
さすがにこれは照れて、小さな声になってしまった。
8主は呆然とこちらを見ていた。恥ずかしいから、何か反応を返して欲しいのだが。
「……悪かった。でも、そんな痛くないだろ?」
平手を食らわせた頬が、僅かに赤くなっている。
両手が塞がっていたから、謝罪を込めて仕方なく舌を這わせた。
「な───に、するんですか貴方はっ!」
ようやく我に返ったらしい8主が、慌てたように4主の手から逃れる。
4主にしてみれば、ただの謝罪のつもりだったのだが、お気に召さなかったらしい。
「だから悪かったって───ぉわッ」
再び押し倒される。しかし、今度は両手首がまとめて頭上に縫いとめられた。
「じゃあ、からかってるんですか」
「からかってない」
憮然と見上げれば、目を細めた8主がべろりと頬に舌を這わせてきた。
「ぅ、わ……な、ななななにを……っ」
ぞわわっ、と悪寒が走って、堪らす4主は首を竦める。
「何って貴方がさっき、僕にしたことですよ」
しれっと云われて、4主は顔が赤くなってしまうのが分かった。
決してそんなつもりではなかったのだが……
8主には違う形で伝わってしまっていた、ということか。
あーうー、と視線を彷徨わせて唸っていたら、今度は首筋に滑った感触がして慌てる。
「ちょ、こら……!」
「……抵抗すればいい」
上擦ってしまうこちらの声と正反対に、やけに落ち着いた声音で8主が囁く。

74984(7/10):2009/08/19(水) 01:24:48

「嫌なら、逃げればいいでしょう。貴方が本気を出せば、簡単なことだ」
「……ッう、」
声と共に耳元へ吐息が掛かったと思ったら、そのまま舌が潜り込んで来た。
いやだ、と素直に思った。無意識の内に、拘束された両手が逃れようと暴れる。
逃げろとは云うが、拘束する力は強い。簡単に逃がす気はないらしい。
耳朶を甘噛みして、そのまま頬を伝い顎を掠めて降りてきた舌先が、鎖骨の窪みを辿り始めた。
いよいよもって、決断すべきときが来たようだ。
逃げるか、受け入れるか───受け入れる?
それは、8主を好きだと認めることと同義でなければならない。
好きかと問われれば、分からないとしか答えられない。
だって、本当に今さっきまで嫌われていると思っていたのだ。
ならば嫌いか、と問われると───違う、としか云えない。
決して嫌いではない。好きかどうかは分からない。
この場合は、どうすべきなのだろう?
ちり、と鎖骨の上に微かな痛みを感じた。きつく吸い付かれたのだ。
同じような感覚が、首筋にも落とされる。
ぞくりと腰にまで響くそれが、僅かなものでも快感であると悟って、4主はきつく目を閉じる。
そうして、目を開けて8主を睨み据えた。
「……8主。手を、放せ」
自分でも驚くくらい、しっかりとした静かな声だった。
8主の動きがぴたりと止まり、やがてのろのろと顔が上げられた。
そこには、何処かほっとしたような微笑があった。諦めの滲んだ、笑顔。
「……どうぞ」
あっさりと拘束が解かれる。
4主は自由を取り戻した両腕を、そのまま8主の首に回して引き寄せ───口付けた。
狙いを過たぬよう目は開けたままだったから、8主が瞠目しているのがよくわかった。
合わせた唇の隙間から歯列に舌を伸ばせば、びくりと身体を揺らした8主が慌てたように唇を離す。
「貴方は───何を、考えているんですか!!」
「お前のこと」
「な……、」
あっさりと答えれば、8主が絶句した。まぁ、それはそうだろう。
「考えてはいるんだが、どうも答えが出そうにない。たぶん、今日明日じゃ無理だ」
だから、仕方ないのだ。
「とりあえず、好きにしろよ」
好きになれるかは分からないが、嫌いにはなれそうにないのだ。それだけは確信している。
口付けられても、そんなに嫌じゃなかった。自ら口付けるのも、結構平気だった。
……ちょっと、どきどきはしたが。今だって、いつもより動悸は早い。

75084(8/10):2009/08/19(水) 01:25:23

「貴方……馬鹿でしょう?」
長い沈黙の後、ようやく8主が口を開いた。
「散々人に馬鹿馬鹿云っておきながら……っ、貴方のほうが馬鹿じゃないですか!!」
「馬鹿じゃないとは云ってない」
「開き直らないで下さい!!」
「開き直るしかないだろう!?」
首に腕を絡めたまま、至近距離で睨み付ける。
「仕方ないだろ。……なんか、お前の泣き顔見るの、ヤなんだよ」
低く呟いて、8主の目元を舌でなぞれば、微かな塩気を感じた。
「だからさ、とりあえずお試し? 」
「……僕が貴方に何をしようとしてるか、分かってるんですか?」
「分かってるつもりだ。まぁ……一応、オレも男だし」
「お試しなんて軽い気持ちで、男に抱かれてやろうと?」
「本気で嫌になったら全力で抵抗してやるから安心しろ」
「どう安心しろって云うんですか」
「とりあえず、殺しはしないから」
8主の口元が、不服そうにへの字の曲がる。
その結ばれていた口元が次第に緩み始めたところで、こちらの肩口に顔を埋めてきた。
それを膝立ちのまま支えてやって、頭を撫でてやれば微かな嗚咽が漏れ聞こえた。
……泣き顔は見たくない、と云ったのに。
あぁ、だからこそ顔を埋めてきたのか、と思い至り、4主は思わず笑ってしまう。
「お前、本当に可愛いなぁ」
抗議の代わりか、どん、と胸が叩かれた。嗚咽は、まだ止まらない。
ふいに顔が見たくなって、8主の頬を両手で包んで引き上げてやる。
濡れた眦に口付け、赤くなった鼻先を啄ばんで、
嗚咽を堪えるためにだろう食いしばっている口元に唇を重ねた。
解けた唇から情けない声が漏れる前に、と舌を滑り込ませる。
んん、と零れたのは、どちらの吐息だったか。
緩やかに歯列を辿っていたら、調子に乗るな、と云わんばかりに甘噛みされて。
舌先が絡み合い、強く吸われる。
さすがに息苦しくなってきて口付けを解けば、微笑む8主と目が合ってどきりと心臓が跳ねた。
───こんな表情も、初めてみた。
それは、酷く幸せそうで。
こんな顔が見れるのだから、きっと自分は間違った選択はしていないのだろう。
「もう一度……」
小さく乞われるままに目を閉じて、口付けを待つのだった───。

75184(9/10):2009/08/19(水) 01:25:56



───本当に、詐欺だとしか思えない。
ぐったりと仰向けに身体を横たえながら、ぜぇはぁと苦しい呼吸を繰り返す。
ちらりと隣を見遣れば、同じように横になりながら、こちらを見てにっこりと笑う顔がある。

幾度目かの、2人きりの夜である。

顔が見たいから、と云われて、膝を畳まれて圧し掛かられた。
男の身体の構造上、それはとてつもなく負担が掛かる体勢なのだが、悲しいかな、
4主の身体は男としてはかなり柔らかいほうで。
それでも無理な体勢であることに代わりはなく、
こうして終わったあとにじわじわと苦痛が押し寄せてくるのだ。
やはり、最初の躾が悪かったのだと思う。

初めて身体を繋げた夜───8主は涙を見せた。
互いに男相手など初めてで、当然ながら負担が大きかったのは受け入れた4主のほうで。
泣きたかったのはこちらのほうだったはずだ。
身体を内側から裂かれる痛みを、こいつにも味合わせてやりたいくらいだ。
ふつふつと怒りを沸き立たせていたら、ふいに少年は呟くのだ。
ずっと貴方に触れたかった───それが叶って、嬉しくて涙が止まらないのだ、と。
何とも卑怯だと思った。急速に萎んでいく怒気に、気力も萎えたものだ。
それでついつい、甘やかしてしまった。
どうにも8主の涙には弱いのだ。
だから、これっきりだと嘆く少年に、次もあるのだと示唆してしまった。
あまつさえ、またしても空気に流されて2度目も許してしまった。
そうこうするうちに、少年は本来の「腹黒」と称される己の本分を思い出したらしい。
なんだかんだとあの手この手と乗せられて、気付けば数えるのも面倒なくらい、
身体を許してしまっていた。
今度はやらせろ、と立場の逆転を何度も要求しているにも関わらず、
常に受け入れる側として、だ。
どうやら、自分で思っている以上にこの身体は快楽に弱いらしい───。
これでも2、3度はマウントポジションを取ったことがあるのだ。
なのに、気付けばいつも形勢逆転、酷いときは上に乗ったまま貫かれているのだから、
我ながら救いようがない。
単に少年のほうが上手なだけなのかもしれないが。

75284(10/10):2009/08/19(水) 01:27:02

今日も今日とて、ちょっと甘い顔を見せただけでこれだ。
……まぁ散々気持ち良さそうに喘いでしまった後なので、あまり文句など云えないのだが。
「……なぁ」
「なんですー?」
うっすらと汗で湿った髪の毛を引っ張れば、8主がごろりと身体を転がして引っ付いてきた。
「今度こそ、やらせろよ」
「まだ諦めてないんですか?」
肘をついて半身を起こした8主が、額の髪をかき上げながら笑った。
「久し振りに、お前の泣いた顔が見たい」
「でも4主さん、僕の泣き顔を見るのは嫌いだって云ってたじゃないですか」
「……よく覚えてんな」
「貴方の云ったことなら、一言一句、すべて間違えずに覚えてますよ」
彼の気持ちを知らずにいた頃なら、
こうした言葉は全て悪意に満ちた冗談としてしか聞こえなかっただろうが、
今となっては全てが本心だと分かってしまっているから厄介だ。
よくぞこんなこっぱずかしい台詞を堂々と云えるものだ。
「あーもー……信じられねぇええええええ……」
きっと赤くなっているだろう顔を見られたくなくて、8主のいない方へ身体ごと横へ向ける。
けれども隠し切れない真っ赤な耳元へ、少年は殊更声を潜めて囁くのだ。

「僕はねぇ、貴方の泣いてる顔、かなり好きですよ」

駄目だ、もう耐えられない……!!
攻撃呪文の詠唱を始めながら8主のほうを向き直れば、待ってましたとばかりに口が塞がれて、
手の平に集まり始めていた力がパチパチと爆ぜていってしまう。
「ん───ッ!!」
そうして抗議の声は、甘い口付けに溶けていくのだった───。



<了>

753名無しの勇者:2009/08/19(水) 20:13:16
投下キテターーーーーーー!
乙女8主かわいいよ8主カワイイヨハァハァ(´д`;)
4主がいつになく優しいね。こんな84もいいなぁ
742-752乙!!!

754名無しの勇者:2009/08/22(土) 23:17:46
>742-752うおー乙です
4主のことが好き過ぎて泣きじゃくる8主が凄く凄く可愛い
4主じゃなくてもこれは抱き締めてよしよししたくなるw

8主を包み込む4主がまるで怯えたチワワを撫でるご主人様のようで好いw
それにどこか母性のような包容さがあって萌える、しかも4主なだけあってやっぱりエロい
包容から始まって、頬舐めから、口付け→目元舐め→なでなで→顔中にキス攻め
の流れに萌えいでか
なんなのあの人凄くエロいよ最高だ
>742-752素晴らしくGJでした

755名無しの勇者:2009/08/27(木) 22:00:40
久々に来たら…投下も来てた!
乙女8主タマンネ(´д`)ムフー
84ドッチモカワイイヨ…

今更だが大作GJ!

7561→3前提14下品:2009/09/26(土) 02:47:00
>>725続き

7571→3前提14下品:2009/09/26(土) 02:47:26
1主「さてご先祖にモシャスしてきてもらったわけだが…
   ご…ご先祖!ご先祖!3主!3主ぅぅうううわぁあああああん!!
   あぁああ…あっあっー!クンカクンカ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!! 」
4主「それ現実に言う奴いるんだな」
1主「……ハァッハァッ!ダメだ!そっくりすぎて手が出せない!
   これじゃあ俺の欲望を開放してやることができない…」
4主「十分すぎるほど変態っぷりは見せてもらったが」
1主「違うんだ!こんなんじゃないんだ!もっとこう…ああ、全然足りない…!」
4主「お前普段どんだけ変態を抑え込んでんの?」
1主「ご先祖相手なら必死でセーブしてるからな…
   そう…体はご先祖なのにご先祖じゃないから色々曝け出せるこの奇跡」
4主「……気がすんだなら帰るぞ」
1主「待って!もうちょっとご先祖もどきを堪能したい!」
4主「でもモシャスじゃ似すぎてスーハーするだけしかできないんだろ。
   大丈夫だって、そのくらいならさせてくれるよ本物も」
1主「待て待て!どうせならスーハーよりもっと踏み込んだことしたいし!
   ほら、もうちょっと微妙なそっくりさんとかにできない?」
4主「バーサーカーかプチヒーローでも飼えよ」
1主「そこまで行ったら遠すぎるだろ、人間じゃないし」
4主「剣神とか顔も髪型も結構似てるぞ。色全然違うけど」
1主「アーアーキコエナーイ」
4主「6主の髪を黒に染めるとか」
1主「職業勇者にはあの勇者オーラが足りないからなぁ…」
4主「じゃあ女3主」
1主「女相手の浮気だとローラの目が厳しくって…じゃなくて!
   なんてこと言ってんだお前鬼畜にもほどがあるぞ!女のご先祖が可哀想すぎる!」
4主「そろそろヌッコロしていいか?」
1主「ご先祖はそんなこと言わない」
4主「そりゃ俺はご先祖じゃねぇからな」
1主「やだやだ!今だけは俺のご先祖でいて!」
4主「いいかげんにしないと踏むぞ」
1主「そんな凶悪な表情で凄むのなんてご先祖じゃなゲフッ!!
   ちょっ…どこ踏ん…で……っ!らめぇっ!ぐ、ぐりぐりしちゃらめぇぇ!
   やぁっ…お、女の子になっちゃう…ッ!あぐっ…やめ………に、2主っ…2主たちが……!」
4主「チッ 2主のためにもこのへんにしといてやる」
1主「ハァハァ…ハァ…………」
4主「これに懲りたら代用とか馬鹿なこと考えんじゃねぇぞ」
1主「……女王様ご先祖……新ジャンルすぎる…」
4主「しまった逆効果か!」
1主「衝撃的すぎて…俺のこれからの歴史の冒険の書は…おきのどくですが…」
4主「消すなあああああ!!」




1主「結局変化の杖を借りてローラに使わせてご先祖プレイをすることで事なきをえました」
4主「それ、ローラ怒んねえの?」
1主「本気の浮気されるよりはいいってさ」
4主「器でけぇな」
1主「めでたしめでたし☆」
4主「頭がな」

758名無しの勇者:2009/09/26(土) 20:10:55
ワロタwwwww

759sage:2009/09/27(日) 01:57:52
>757
クソワロタwwww
つかローラ器でかすぎだろうwww

760名無しの勇者:2009/09/27(日) 23:24:26
ローラさん尊敬するっす!!

761名無しの勇者:2009/09/28(月) 22:05:56
ローラさんもマジパネエすけど、4主さんもスゲエっすね!

762名無しの勇者:2009/09/29(火) 08:17:38
1主www
本人の前で必死に欲望を抑え込んでる様も見てみたいww

763名無しの勇者:2009/09/30(水) 21:47:52
冒険の書が消えてやみつきになるような足テク軽々しくおみまいしちゃらめぇ

764名無しの勇者:2009/10/04(日) 19:14:14
4主「葡萄が豊作なので、ジュースにしてみた」
8主「葡萄ジュース? はて、ジュース……ああ、果汁! 葡萄果汁の事ですね!」
4主「ジュースだろ?」
8主「いいえ果汁です」
4主「はいはい果汁果汁。お前にも一本やるよ」
8主「何ですか、その投げ遣りな言い方!
   果汁…いえ、果汁グミに対する侮辱ですね!?」
4主「いきなり切れられても…いや、押し付けようとして悪かったな。
   これは1主にや
8主「あそこで紫に透き通る美しい果汁をカルピスで濁らせている人にですか!?
   それこそ果汁に対する冒涜というものです!
   いいえ、これは僕が頂きます!!」
4主「何も一気にスーパーハイテンションにまでならんでも…ほれ」
8主「ありがとうございます」
4主「洗わなくていいから、後で壜だけ返してくれ」

8主「へー。これ、手作りなんですかー。綺麗な色ですね」
4主「言っておくが、着色料は使ってない。
   保存料も入れてないから、早めに飲みきるように…でないと」
8主「でないと?」
4主「酒税法違反でしょっ引かれる危険性も無きにしも非ず、だ。
   まあ、かびが生えるのが関の山だろうがな」
8主「はーい。でも、本当に綺麗な色ですね…あ。」
4主「ん? どうかしたか?」
8主「いえ。何でもないです」
4主「変な奴だな……じゃあ、他の奴らにも配ってくるから」
8主「ええ、ご馳走様でした」

8主「フゥ…」
8主(光に透かすと、4主さんの瞳と同じ色に見える)
8主「綺麗、だなあ…」

765名無しの勇者:2009/10/05(月) 19:33:22
テラカワイス(´∀`)

766名無しの勇者:2009/10/06(火) 23:13:45
つ山葡萄カルピス
こういう雰囲気は結構好きです。

767名無しの勇者:2009/11/11(水) 10:22:28
近親相○も好きな自分は 1主→3主→3女 とかすごく萌える。
だが女子が絡んでしまうので肩身が狭かったりする。

768名無しの勇者:2009/11/12(木) 17:43:04
それをここで言う必要はまったくないがな

769名無しの勇者:2009/11/12(木) 21:37:59
うわぁ、このおばちゃん冷た〜いw こんな程度もまったく許容できないんだねw
言葉遣いもわざわざ男っぽくして、なにそれ俺カコイイーとか自分に酔ってんの?

770名無しの勇者:2009/11/12(木) 22:18:37
ガキは一生ROMってろ

771名無しの勇者:2009/11/29(日) 02:44:55
1主→3主がメインなら3主→3女要素があったって問題ない
逆に1主×ローラだって3主の片思い話なら書かれるわけだし
変に卑屈になって肩身狭いとか言う必要はないな

33がメインなら住むところが違うと言うしかないが

772名無しの勇者:2009/12/10(木) 23:23:45
んじゃ、1主→3主→←3女でもおkなの?
なるべくメインは1主と3主になるようにはしたいけど、
女出る時点でムカつくとかいう人に問答無用で叩かれそうでなんか怖いなぁ…。

っていうかこのスレ最近、読者層は女性が多いはずなのに、
2chの本スレよりギスギスしてて口悪い人多いから投下するの迷う。
前は結構書いてたし、その頃は和気あいあいしてて楽しかったのに。
700番台のどこかでROMれとか言い出した人が出てから空気おかしくなったよね。

773名無しの勇者:2009/12/10(木) 23:55:52
誰もムカつくとまでは言ってないんじゃない
過去作にだって女の子は出てきてるし
ただ男女カプをここでやることには疑問が残る

774名無しの勇者:2009/12/11(金) 22:19:06
>>772>>1

7751→3(1/2):2009/12/12(土) 01:47:44
空気読まずに投下
1→3です


「ご先祖、いい加減ネットやめろよ」
1主が呆れたように呟いた。3主は画面を食い入るように覗き込みながら返事もしない。
1主は大きくため息をついた。
「はぁ、俺の先祖様が、あれ程憧れていた初代ロトがコイツだなんて…」
1主はそう言ってわざとくさくかぶりを振る。
「うるせー!俺のライフワークなんだよネットは。ジャマしてくれるな」
3主がそういって振り返ると、1主はなんとも言えないような微妙な表情をして3主を見ている。
「…なんだよ」
3主が尋ねると、1主がいや、と首を振る。
「やっぱ、現実味ないなぁって」
古代の魔王を倒した勇者その人とは思えない、今の3主。年は1主より下だし、引きこもって何ぼの生活ぶりだ。
「ご先祖、本当に魔王倒した? だいぶ俺の理想像とちがうんだけど」
「お前の理想像ってどんなだよ。俺ほど勇者の風格をもつ男もいないだろ」
そう言って3主は得意げに腕を組んでみせる。その腕は引きこもりすぎて筋肉が落ちており、まとう服はジャージだ。
1主はうーん、とうなった。
「そうだな、やっぱ勇者ロトなら、25歳以上で、冷静沈着で、近寄りがたい雰囲気で…」
1主がつらつらと条件を上げ連ねだすと、3主がうんざりしたような顔つきになった。まるで自分と正反対だ。
「賢くて、度胸があって、努力家で…」
「俺はどうせ落ち着きも度胸もないよ!ちぇっ」「でも」
1主が突然言葉を切って3主をじっと見つめた。3主は思わず口をつぐむ。
「何でか俺、納得しちゃってんだよなぁ…ご先祖が、勇者ロトだってことに」
はは、と1主がおかしそうに笑った。その表情は、本当に何で納得しているかわかってないみたいな顔つきだ。

7761→3(2/2):2009/12/12(土) 01:48:38
3主はムキになって言った。
「当たり前だろ!俺、勇者ロトだもん」
「こんなに、正反対なのになぁ」
1主が笑って独り言のように言う。
「理想と違ったのに、ずっといると、何でだか、分かる。何でだろ」
1主がそういって、すっと手でわずかに3主の顎に触れた。視線がぶつかる。
「たぶん…ご先祖だから…」
1主のその熱っぽい目に3主は息を飲んだ。それは、ずっと長い間もっていたのだろう憧れとか、尊敬とか、そして
それ以上の何か、が。確かに込められていた。3主は瞬時にかっと顔が赤くなるのを感じた。
「何だよそれ、」
3主は目を合わせていられなくなってそっぽを向いた。そのまま、パソコンの画面に視線をうつす。心臓がどくどくと
波打っている。
「わかんないかなぁ」
1主はまた笑いをこぼして、そのまま何でもなさそうに立ち上がった。
「ネットはほどほどにしろよ」
そういい残して、部屋から出ていった。3主は、じっとして気分を落ち着ける。
(何だ今の)
あの目。
(初めて見た…)
口元を押さえた手が微かに震える。3主はその手を理解できずに見つめた。
「クソッ」
3主はわざと声に出してみた。気をそらそう。
「あと2時間はネットやってやる」
そういって、あとはもう考えまいと、また画面に集中した。

777名無しの勇者:2009/12/12(土) 09:24:02
やきもきするうぅ
ごちそうさまでした

778名無しの勇者:2009/12/12(土) 16:27:08
>>774
なんでもかんでも1に振らないでください。微妙だから聞いてるのにわからないの?
第3者から見たら私含めてうざいのはわかりますが、今後他の人のことも考えてはっきり言わせていただきます。
実力が伴わないなら偉そうにしゃしゃり出てきて仕切らないでください。

779名無しの勇者:2009/12/12(土) 16:42:55
>>778
ネタ書いてるから自分は偉いんだとか勘違いしてる系の厨房か?
荒らしはスルー、ネタもいらないから半年ROMれ

780名無しの勇者:2009/12/12(土) 16:52:10
>>778
ここのやり方が嫌ならサイトなりなんなり作って出てって下さい
半年と言わず一生ROMれ

781本スレ351より 8→4ぎみってか8主が変態くさい:2009/12/16(水) 18:20:54
3主「おらおらあああ抜き打ち清掃じゃワレえぇぇ!!」
8主「いやぁぁぁぁ!押し入り清掃は勘弁してくださいいいいいい!」
3女「さあどんどん捨てちゃおうねっ!……って、あれ?」
8主「あああああああその服溜まりはらめえええええええ!」
3主「なんだこれ。パジャマ?」
3女「パジャマにも見えるけど、4主の服にも似てるな」
8主「違います!それは僕のパジャマです!断じて4主さんの服なんかじゃありません!」
3主「そういや昨日洗濯物が足りねーとか言ってなかったか」
3女「あー言ってた言ってた」
8主「偶然です!ぬれぎぬです!決して匂いを嗅いでくんかくんかすーはーすーはーなんかしてません!」
3主「……」
3女「……」
8主「なっ、なんですかその目は……見るな僕を哀れな物のように見るなあああ!」
3主「判定は?」
3女「有罪(ギルティ)」
3主「……おーーーーーい4主ーーーーーー!!!」
3女「4主ちょっと来て今すぐ来てーーーーーーーー!!!」
8主「いやああああああああああああんらめえええええええええええええええ!」

782名無しの勇者:2009/12/17(木) 21:55:29
8主ww
服以外にも4主使用済み歯ブラシとか持ってそうwww

783名無しの勇者:2009/12/23(水) 02:51:52
4主使用済み歯ブラシが8主使用済み歯ブラシ(性的な意味で)になるんですねわかります

78448で性なる夜 0/3:2009/12/25(金) 20:15:32
48投下いきます。
少々ベタな展開になりました。
ちょっと女装ネタ入りなので、苦手な方はご注意を。

78548で性なる夜 1/3:2009/12/25(金) 20:16:13
「…何、してやがる」
「いえ、ちょっと」
「格好を見るとサンタのつもりらしいが、サンタってのは人の寝込みを襲う生き物じゃなかったよなぁ」
「いえ、サンタです。プレゼント配布中なのでいい子は寝ててください」
「服脱がされかけてんのに寝てられるか。…このアホッ」
「いたいっ! 何するんですか! 人を殴る悪い子にはプレゼントあげませんよ!」
「…念のため聞いておくが、プレゼントってのは俺が脱がされてることと関係ないんだよな?」
「え、何言ってるんですかこれは僕へのプレゼントです。4主さん用のプレゼントは別に用意してありますよー」
「勝手にプレゼントを貰おうとすんな!」
「いたいっ! また殴った!! ひどいっ!」
「勝手にプレゼント貰おうとしてんじゃねぇよ。…てかお前、よく見たらそれ女モノじゃないのか」
「あっバレました? 9主くんの世界で買いました! サンタガールの服です可愛いでしょう?」
「可愛いとか自分で……いやそうじゃなくて…
 なんでそこでガールを選ぶんだお前は…普通のを選べ!普通のを!」
「普通なんてつまらないです。実は4主さんの分もあるんですよーv 着てみてください!」
「人の服を脱がそうとしたり、着てみろっつったり、何がしたいんだお前は」
「何って、ナニですが」
「……(耳で聞いてるハズなのに、エロい字面に変換されるあたり、俺も末期かな)」
「今日こそは4主さんをいただきますよ! 僕、張り切って準備してきたんですから!」
「…準備…って…その袋の中身全部か」
「はいv あっ勝手に見ちゃダメですよ! プレゼントを勝手に見るなんて悪い子です!」
「見ねぇよ。……とりあえずその服貸せ」
「えっあっはい!」
「…………」
「(4主さんのサンタガールwktk!あっビデオカメラ持ってくればよかった!
 仕方ない、携帯の写メで我慢しよう…)」
「おい」
「はっはいっ!? なんでしょう!?」
「背中。閉めてくれないか」
「はぃっ! (うーわぁーうーわぁー! 4主さんの背中!うなじ!あーやばいイイ匂いがする…クラクラす…る…)」

78648で性なる夜 2/3:2009/12/25(金) 20:16:57


ぼふっ

「あれ? ずずず随分積極的ですね」
「まぁ、せっかくサンタがプレゼントくれるっつってんだ。貰ってやろうと思ってな」
「あああああのプレゼント貰ってくれるのは嬉しいんですけど、僕がリードしたいので…その…」
「なんだよ」
「僕の上から降りてもらえませんか?」
「だが断る」
「えっちょっあのっ」
「なんだようるせぇな」
「あの…騎乗位は嬉しいですけど…できれば初めてなので普通で…っていうか僕がリードしたいんですが」
「…さっきから勘違いしてるようだが…騎乗位じゃねぇぞ」
「えっ」
「宝船とかでもねぇぞ。俺が上でお前が下。それで正常位だ。わかったな?」
「えぇぇえぇぇぇぇぇえええええええ…もがっ」
「うるせえよ。お前少し黙ってな」
「(ふわぁ…4主さんの唇…柔らかい…)」
「…お前サンタだろ? とりあえず俺はお前をもらってやる。」
「わ…っ…! んっあっ…やっ…」
「…で、俺からはコレをやるよ。もうちょっと楽しんでからな」
「あっ……んっ……」


「…っん……」

「(あっ…なんかこれ…幸せなのかも…)」

「(いい匂い…体が…ふわふわ…する…)」

「…………………………っぁぁぁぁっ…!」

78748で性なる夜 3/3:2009/12/25(金) 20:18:06

「…おはよう」
「…おはようございます」
「……」
「…あれっ? あっ服っ? あれっ写メがっ4主さんのガールがっ」
「寝ぼけてんのか」
「寝ぼけてなんかないですよっ! 4主さんがサンタガール着てくれたのに写真撮れなかったー!
 もう一回!もう一回着てくださいっ あっでもその前にビデオカメラ取ってきますっ」
「もう一回…ねぇ…」
「そうですよもう一回! 昨日の夜……………ってあぁぁぁぁあああ!」
「朝からうるせぇよ! ふさぐぞ!!」
「あ…あああぁぁあの…昨日…僕…」
「昨日はごちそうさまでしたね」
「…ごちっ……やっぱり…夢じゃ…」
「夢にしようとすんな。現実だ。写メ見るか?」
「とっ撮ったんですかっ!?」
「イった直後に気失ったから撮っておいた」
「ちょっ消してっ消してくださいっ!」
「消したらもう一回撮るぞ。消させねぇけど」
「…もう一回…?」
「別に消さなくても撮るつもりだったし」
「あああのっ…もう一回が…あるんですか…?」
「お前から貰ったふくろの中に、こーんなにゴムが入ってたからな。こんだけしてもいいってことなんだろ?」
「えっ…(あれ…お徳用120個入りなんですけどっ…)」
「この量は一日じゃ無理だしなー…とりあえず今夜もここに来いよ」
「えっ…(今夜!?今夜って言った!? また…あの4主さんと…?)」
「顔赤いぞ。風邪ひいたか? 今日はやめておくか?」
「えっ…!」
「お前さっきから“え”しか言ってねぇぞ。どうなんだよ。」
「…あっあの…僕は…」
「…ほんとに体調悪いなら…やめてもいいんだが…」
「体調は悪いわけではないですけど…」
「じゃぁ決まりな。夜に」
「…ああああの…また、僕が下…?」
「騎乗位がいいならそうするが」
「そうじゃなくて…僕が4主さんに…?」
「…あぁ、そうか。諦めろ。俺はお前を抱く気はあっても抱かれる気はない」
「えー!」
「大丈夫。優しくするから」



「(袋の中に用意していたアレコレは、4主さんの手によって僕自身に使用されることとなりました
 少し、予定と違ったけど、HAPPY Christmas…)」

78848で性なる夜 4/3:2009/12/25(金) 20:20:09
宝船…騎乗位の変形

以前にあったネタとかぶり気味で申し訳ない。
8主を右側にしようとしたらこうなってしまった。

789名無しの勇者:2009/12/25(金) 20:26:36
性夜にプレゼントキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
ごちそうさまですありがとうございます

790名無しの勇者:2009/12/26(土) 22:38:17
あなたがサンタさんだったのか・・・っっ
プレゼントごちそうさまでした!GJ!

791保守コネタ:2010/03/26(金) 21:36:33
4主「……」
5主「どうしたんだい4主、元気がないね。
よーしパパ、4主のこと抱っこしちゃうぞー。ぎゅー!」
4主「……ぎゅー…」
5主「ぎゅー。君はもうちょっと、人に甘えてもいいと思うよ」
4主「……うん…」

5勇「あっズルい! お父さん、僕も僕もー」
5主「おや5勇もかい? よーしおいで!」

5主は りょうてを ひろげて わが子を かき抱いた!
5勇は ひらりと みを かわした!

5主「あれ?」
5勇「4主さん、ぎゅー!」
4主「…ぎゅー」
5主「え? アレ!?」

792名無しの勇者:2010/03/31(水) 09:15:25
ぎゅー‥、('ヮ'*)ノイイワァ

793名無しの勇者:2010/03/31(水) 12:10:56
54キタワァ

794名無しの勇者:2010/03/31(水) 22:18:48
甘えてる4主かわいい(*´∀`)

795sage:2010/08/04(水) 19:06:29
84保守

79684版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)0/9:2011/02/20(日) 22:12:07
突然、萌えが再燃したので投下させていただきます。
映画「恋愛睡眠のすすめ」の8→4パロです。
通し番号がずれたらごめんなさい。

妄想激しい8主のバカで都合のいい夢の話です。
8主が最高にヘタレです。

79784版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)1/9:2011/02/20(日) 22:12:45
一日目

最初は別にどうでもよかった。
端正な顔とか珍しい髪の色とか、それを上回るどす暗い不幸オーラが出過ぎてて、ヒーローにあるまじき陰気さだったので正直お近づきになりたくないと思った。今も別にどうでもいい。
ただ少し、笑った顔が見てみたい。 これはあの仏頂面がだらしなく緩んだらどうなるんだろうという興味本位で、決して好意なんかじゃない。
きっかけは意地の悪い、ちょっとしたいたずら心だ。



「いい天気ですね!」
裏庭で洗濯物を干してる4主さんに声をかける。彼が少し振り向いてとてもイヤな顔をしたのを見たら、僕はとてもいい気分になった。
4主さんは僕を無視することに決めたらしい。何も言わずに洗濯物の続きに取りかかる。
「羽を伸ばせますね!」
「お前はそんな嫌味を言いにわざわざここまでオレを追いかけてきたのか」
あ、反応があった。
「せっかくだし」
「マメだな」
吐き捨てるように言って、後はもう振り返らなかった。
最近は前みたいに簡単に激昂したりしない。お互い慣れすぎてどうでもよくなった。いつも僕が軽くあしらわれて終わる。
でもなんとなくちょっかいを出しに行かずにいられない。もうすでに半分意地だと思う。だって前みたいにすぐこっちを見てくれなくなった。
僕は苛立ちばかり募って、余計に子供みたいな手で嫌がらせをするしかない。こっちを向かせるには、そういう方法しか知らない。
「おい、手伝おうという気はないのか」
「ないです」
4主さんが舌打ちをした。条件反射だ。
悪いとは思わないけど、ひどく気分が悪くなる。4主さんの人相も一層悪くなる。
そういう顔が見たいんじゃないのに。

79884版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)2/9:2011/02/20(日) 22:13:18
「おい!」
ものすごい形相で、 4主さんが駆けてくるなり僕の肩をつかんだ。普段とは違う、乱暴というか強引な態度に面食らう。
「な!なんですか?!」
振り向こうとして、予想外に顔が近くて思わずたじろいだ。しかもえらく興奮していて、頬が上気している。瞳孔も開き気味だ。そんなでも見られる顔という事実に多少イラッとする。イケメンなんて滅んでしまえ。
「お前!」
「はい!」
一瞬間があって突然、粘土が崩れるみたいに4主さんが破顔した。
「お前が錬金釜で作った××××な!あれすごいぞ!○○が□□になるんだ!」
「××××……」
なんだっけ?とか思う間もなく、4主さんが畳み掛ける。
「お前実はすごいんだな!見直したぞ!」
いつもの仏頂面はどこへやら、ものすごくいい笑顔とはこういうことを言うんだろう。しかし僕は思った。この人は笑うと意外とかわいい。いつもこういう顔でいればいいのに。
4主さんが無理矢理僕の腕を取って、ぶんぶんと握手を始めた。骨っぽい感触がした。
「ありがとうな!助かるよ」
4主さんが僕の目を見て、嬉しそうにはにかんだ。あまりに出来過ぎてて気味が悪いけど、僕はとてもいい気分だった。天にも登れそうだ。
あの4主さんが僕に礼を言った。勝ち誇った気分。
僕のしたことが4主さんの役に立つ、それでこんなに喜んでもらえるなら、そのことで僕がこんなにいい気分になるならまあ悪くない。いがみ合うよりよっぽどいいかもしれない。



そこで目が覚めた。
あまりにベタな展開で溜息も出ない。夢の中でなら4主さんともうまくいく。むやみに怒らせたりしない。
完全に願望だ。だって僕は平和主義者で、できるなら誰とも波風立てずに生きていきたいのだ。その方が楽だし。
4主さんはものすごく笑っていた。そして僕に礼を言った。現実じゃまずありえない。
いい気分なのは優越感からだろう。あの4主さんが僕に頭を下げた。決して役に立てたから、4主さんが喜んでいたからではない、と思う。
そんな殊勝なことを僕が考えるなんてありえない。僕はそんな柄じゃない。

79984版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)3/9:2011/02/20(日) 22:13:54
二日目

「今日もご苦労なことで」
今日も今日とて裏庭までちょっかいを出しに来た僕を振り返りもしないで、4主さんが言う。声だけでイヤそうなのがわかって内心ほくそ笑む。
「その鳥面を見ないと一日が始まった気がしないんです」
これは本当。この顔を見て話すと目が覚める。
「暇なんだな」
「いいえ!わざわざ来てるんで!これから錬金釜持って走らなきゃいけないし!」
「お前、錬金と言えばな」
「はい?」
「お前が錬金釜で作ったやつな」
ん?
この流れ、どっかであったような。あれ?
僕が考え込んだ一瞬後に、4主さんが洗濯を干す手を止めて白け切った顔で言った。
「あれ最悪な。なんなのあれ。ガラクタもいいとこだな」
現実は厳しかった。
「もう余計なもん作るなよ」
僕が明らかにがっかりした様子を見て、4主さんはわかりやすく機嫌が良くなった。そのまま鼻唄まで歌って、宿舎へふらふらと歩いていく。
いつだって僕が面白いことが4主さんには面白くなくて、4主さんが面白いことが僕には面白くないのだ。
嫌われてるとは思わないけど、好かれてる気はしない。僕らそんな一触即発な状況でずっといる。

80084版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)4/9:2011/02/20(日) 22:14:29
「よう」
珍しく向こうから挨拶をしてくる4主さんを、僕はふて腐れた顔で迎えた。
「何。どうしたんだよ」
楽しそうな声だ。僕が元気がないのがそんなに楽しいか。
「8主、あれすごく役に立ってるよ。またなんか作ってな」
あれ?僕は顔を上げる。
「これ夢ですか?」
4主さんの顔には、トレードマークの眉間のしわがない。不自然だけどこの方が好きだ。
「そう。お前の夢だよ」
「じゃあ、あなたは僕の想像の4主さん?」
「まあな。機嫌いいだろ?」
確かに。
「本当の4主さんは僕の作ったの、最悪だって言いましたよ」
「言わねえよ。最高だろ」
「もう余計なもの作るなって」
「いやいや。お前はやればできる子なんだ」
「わかりました。とりあえず一言謝ってください」
「………………………………。しょうがねえな。悪かった」
「じゃあもう僕が何しても怒らない?」
「まあ場合によるな」
「僕の夢なのに態度デカイですね」
「じゃあ怒らない」
「…………何かしてくれる?って頼んでも怒らない?」
「内容による」
「そんなひどい」
「アホか」
確実に夢だこれは。こんなに彼が優しい筈がない。
夢ならいっそ、何をやっていいか。僕は気が大きくなっていた。何でもできるし、何にでもなれる。例えば親友。例えば恋人。
「じゃあ……」



朝だった。
なんておいしいところで目が覚めてしまったんだろう。もったいない!
……しかし僕は何をしてもらおうと思ったんだろう。て言うか何だってあの人も二日も連続で、人の夢に出て来るんだ。気軽に出て来ないでほしい。
僕が機嫌のいい4主さんに会いたいみたいじゃないか。自分が本当は4主さんとどう接したいのか再確認させられてるみたいで気分が悪い。
僕の本心なんて別に知りたくない。面倒なのはもう姫だけでこりごり。

80184版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)5/9:2011/02/20(日) 22:14:56
三日目

目覚めのひどく悪い頭を抱えてキッチンへ行くと、例の人がいた。
間が悪い。身勝手な夢を見ちゃったせいで、なんとなくばつが悪くて嫌だ。
目が合ってあからさまに4主さんが身構えたので、僕があえて無視を決め込んだら相手は肩透かしをくらったみたいだった。横を無言で通り過ぎて冷蔵庫へ向かう。
「よう」
夢と同じで、珍しく向こうから挨拶がくる。僕はしょぼくれた顔を上げた。
「……ひどい顔だな。雨でも降るか?槍か?」
眉間のしわは深く刻まれていた。かわいくない。
「……夢見が悪くて」
「お前が?」
ものすごく意外だという顔をされた。心外だ。
「どんな?」
「…………」
言葉に詰まる。あなたの夢ですなんて口が裂けても言えない。
「……ほっといてください」
間髪入れずに舌打ちされた。この人はなんだか最近険悪だ。
僕ら、いつからこんな感じに喧嘩もままならなくなったのだろう。ひどくやりづらい。
前はお互い沸点が低くてすぐキレて、でも言いたいことは言ってた。もっと正面切って喧嘩してたから、嫌な感じじゃなかったし僕は正直楽しかった。
最近は顔を合わせれば舌打ちとかで、真剣に打ちのめされる。
あがけばあがくほどおかしくなって、でも今日こそは変わるかもと思って毎日喧嘩しに行くのに毎日険悪になる。それがきつい。

「8主」
名前を呼ぶその声が、思いがけず柔らかいのでなんかやりきれない気分になる。
「はい」
「お前はさ」
4主さんが言いにくそうに視線を泳がせてから、たっぷり十秒くらい黙った。言いかけてやめるのは一番感じが悪いと思う。
「僕は?」
先を促す。4主さんは目を伏せた後、僕を見た。
「何がしたいんだ?」
「え、」
「そんな、一方的に怒られてもオレはわからない」
「怒るって」
「なんでいつもオレに苛立ってる?」
「え…………」
「言いたいことがあるなら言え。ないなら陰険に怒るな」
「…………」
「そんなんで会う度に悪意をぶつけられると、さすがにこっちもへこむ」
「…………」
「…………。何かオレに言うことは?」

僕はなんて答えたか覚えていない。ただ見切りをつけて去って行った4主さんの顔だけは覚えてる。

80284版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)6/9:2011/02/20(日) 22:15:53
「おーい」
あ、これは。
「…………」
僕の想像の優しい4主さんだ。眉間のしわなし、かわいい笑顔の4主さん。
4主さんは僕の前までゆっくり歩いてきて、僕と目線を合わせるために軽くかがんだ。4主さんの方が少し背が高い。気に入らないがこればかりは仕方がないので、気にしないことにする。
「新しいの、なんか作った?」
錬金釜での話だろう。確かに日頃碌なものを作っていないけど、実は役に立ちたいなんていう願望でもあるのかな。
「作ってないです」
「作れよ。オレが楽しみにしてるだろ」
この想像の4主さんは、本当の4主さんが絶対に言わないことを選んで言ってくるので、あまりのそぐわなさに吹き替えでも見てるようなチグハグな印象がする。
「……これはまた夢で、あなたは僕の想像の4主さんですよね?」
「いかにも。何の確認だ?」
「いや、じゃあ今から言うことも夢の中の戯言だから」
「?」
「見なかったことにしてください……」

これは僕の夢でこの4主さんは実物じゃない。だったら夢の中でくらい、素直になってみてもいいんじゃないだろうか。開き直りつつも恐る恐る、僕は手を伸ばした。
まずその緑の髪に触れる。ゆっくりと手の位置をずらし、その耳と顔と首に触れる。そこまでで緊張しすぎて感極まりそうになって、ひと呼吸入れる。
4主さんは僕のなすがままで、何も言わず薄く笑ってから目を閉じた。
その一連の動作に見とれ、見とれたことにひどく敗北感を覚える。何だってこの人、何しててもこんなに格好いいんだろう。
考えがまとまらなくなって、思考を振り払うように僕はそのままその首に巻き付いた。
「おおぉっ」
驚いた4主さんが呻き声を上げた。予想外に勢いがついていたのか、二人してその場にしりもちをついてしまった。
4主さんは二人分の体重を引き受けて、また呻いていた。しばらくどうしたものかと困っていたようだけど、僕が首にしがみついたまま離れないので、仕方なく4主さんが僕の背中に腕を回して僕を支えた。
「重いんだけど」
「すみません」
「首、苦しいんだけど」
「すみません」
「なあ」
「ごめんなさい」
「何が」
僕は4主さんの首に額を押し付けたまま、話し続ける。唇が動くとたまに4主さんの首筋に触れてくすぐったかったらしく、4主さんがよじって避けようとしたけどびくともしなくて諦める。その時、僕はそこまで気が回らなかった。
「僕は、現実でも夢でも4主さんを困らせてますね」
また避けようともぞもぞしていた4主さんが動きを止めた。
「困らせたいわけじゃないのに、どうしたらいいかわからないんです」
4主さんは黙っている。
「怒らせたいわけでもないんです。普通に会話して、たまには喧嘩したりしたいんです。苛立たせたいわけでもない」
「8主」
4主さんが僕を呼ぶ。
「…………何かオレに言うことは?」
なんとなく、もうごまかす必要はないと思った。これは夢だし、何がどうなってもかまわない。
もうどうだっていい。

「あなたが好きです」
僕は顔を上げず、4主さんも動かなかった。
「なんかもう、この気持ちが好意なのか、ただの執着なのかわからないんです」
「…………」
「僕は、もうどうしたらいいのかわからない」
「……うん」
「………………………………」
「知ってた」
ゆっくり僕の髪をなでて、一回ぐしゃっとする。
何を言っているんだ。知ってるわけないじゃないか。慈しむように優しく髪をなでる手が愛しくて、涙が出そうになった。
夢の中でだけうまくいくなんてひどいじゃないか。こんなに打ちのめされることはない。あんまりだ。
むなしすぎてやりきれない。

80384版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)7/9:2011/02/20(日) 22:16:33


「泣くなよ」
「泣いてないですよ」
「じゃあオレの首を濡らさないでくれ」
「無理です」
「おかしくねえ?」
「これは僕の夢だから許されるんです」
「……なるほど」
明らかに納得してない口調だ。夢のくせに生意気な。
「ていうか僕の夢なら、慰めのキスくらいさらっとしてみせてくださいよ」
「わりーその発想はなかったわ」
「想像力ないですよね」
「お前はありすぎるな」
こんな何気ないやり取りが嬉しくて仕方ない。飢えていたんだなあと実感する。
「するんですかしないんですか」
「えー……マジ勘弁してほしいんだけど、一応聞くけどどこに?」
「そりゃ口でしょう!」
「ふざけんな。調子に乗るな。口はオレにはハードルが高すぎる。全然無理」
「だらしないなあ」
「…………。妥協案を考えようぜ」
「じゃあ五択で。目、耳、鼻、頬、おでこ」
「…………耳かな」
「口はナシなのに耳は有りなんですか!?おかしくないですか!?」
「え!?」
「ど変態じゃないですか!耳の方がハードル高くない!?」
「あっじゃあ無難におでこで!」
「いや僕はどこでもいいんですがね。なんだよ、4主さんもしかしてムッツリですか?」
「……………………」
やってられん、というように4主さんは黙ってしまった。
赤くなって河豚のようにむくれていてかわいい。とか思ってたら突然頬を強くつねられる。
「いたいってば4主さん!あっしかも引っ掻いた!」
軽くミミズ腫れになってしまった頬をさする。

「…………もういいから黙ってくれ」
「わかりました」
4主さんが息を飲んだのがわかった。
「8主」
僕の額にかかる髪をそっとかきあげる。僕も息を飲んだ。
触れるか触れないくらいかのキスだった。
優しすぎて嫌になる。涙が出そうだったけど、僕は泣かない。
「お前に応えてやることはできなくても、嫌われてないってわかって嬉しかった」
そんなことは言わなくていい。僕の勝手な思いなんて引き受けなくていい。優しくなんてしなくていい。
「ありがとな」
ただ、笑顔が見たかったんだ。笑ってほしかった。
それが僕のためじゃなくてもいいから。



ひどく身勝手で疲れる夢だった。起きたばかりなのに疲労困憊だ。
後ろめたくて、今日は4主さんの顔を見られそうになかった。

80484版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)8/8すみません:2011/02/20(日) 22:17:11
最終日

わざわざ朝食の時間をずらしたのに、例の人はどっかりダイニングテーブルで新聞を読んでいた。おっさんか。
「……おはようございます」
仕方がないので声をかけたら、4主さんは僕をちらっと見てから思いっきり目を逸らした。返事もない。
……別に、今更そんなんどうってことないけど。
僕はもう4主さんの存在を無視して、朝食の続きに取りかかろう。そう思って冷蔵庫の扉を開けた時、何か痛みが走った。
「いたっ」
少し遅れて、4主さんが顔を上げる。
「どうした?」
「なんか顔に傷ができてるみたいで……」
「ああ……」
顔をしかめて、4主さんが立ち上がった。
「オレが引っ掻いたやつだな。悪い」
「あ、いえ大丈夫で…………」







確かに時間が止まった。僕らは顔を見合わせた。
「ええぇ?!」
「はっ?!」
「ちょっと……」
何が起こったのか理解できない。でも僕らは確かに、同じ夢を見ていたようだ。
咄嗟に思ったのはやばいやばいやばいくらいで、思考回路が完全に壊れた。
あれは夢だったから好き勝手やれたんだし素直になれた。実は全部相手にだだ漏れだったなんて、一体どう取り繕えばいいんだ。お互い本気でシャレにならない。
「……………………えーと」
「えーっと……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
二人ともたっぷり黙ってから、4主さんがぽつりと言った。
「……………………なかった、ことに……?」
「……………………今更?」
「……だよな」
「ですよね」
「……………………どうする?」
「……………………どうするもこうするも」
「……………………」
「……………………」
お互い顔を見合わせて、僕らはついに吹き出してしまった。シリアスでセンチメンタルな夢での自分があまりにも滑稽で哀れだった。
言ってやりたい。真実はもっとシンプルでわかりやすい。
僕らはきっとうまくいくと。



おしまい

805名無しの勇者:2011/02/21(月) 20:48:04
>>796
GJ! GJ!
読み応えのある萌えをありがとう!

しかし、満面笑顔の4主って想像つかないwww

806名無しの勇者:2011/03/02(水) 23:30:21
久々の投下〜!
普通に読み物としても面白かったよ
gj!

80784のはなし 0:2011/03/06(日) 22:03:17
たびたび投下失礼いたします。
8→(←)4のややシリアス長編です。文字数が多くて通し番号が読めないので、
番号だけ振ります。
それではどうぞ〜

>>805,806
ありがとうございます。お楽しみ頂けて何よりです!

80884のはなし 0:2011/03/06(日) 22:06:31
これは、オレが失ったものと再び出会うまでの話。
オレと彼女とある男の、再生の物語だ。

1 意識【4主】

変化は突然だった。ずっと一緒だった彼女が消えた。見えなくなった。
彼女がどういうものだったのかよくわかってなかったけど、存在は確かにあるらしいと思っていた。他の奴らの話を聞いても、オレがいなくて彼女がいる時があったらしいので、どうやらオレだけの幻覚ではないんだと考えていた。
話はできるけど体温は感じられない。触れることもできない、時折透けてしまう彼女をでもオレは好きで好きで、触りたくてもどかしくて泣きたくなることもあった。彼女は何のためにいるのか、オレのためじゃないのか。
科学的に理解できないものでも、自分に都合がよければ人はそれを正当化してしまうもので、彼女は生きているんだとオレは思い込んでいた。オレのために戻ってきた。ここへ。オレと一緒に幸せになるために。
説明のつかないことには目をつぶっていた。そんなものは見なければいい。ひどく盲目的だった。
真っ向からそれを否定してたのが、奴だった。

「消えた?」
外のベンチに二人どっかりと腰を降ろし、オレは話を切り出した。赤いバンダナを巻いた頭を揺らして、奴が訝し気に聞き返す。必要以上にいい天気で木漏れ日がまぶしい。重い話をしてるってのに、まったく不釣り合いだ。
「いなくなっちゃったんですか?前にもありました?」
「わかんねえ。でもこんなにずっといなかったのは初めてだ」
「いつ頃から?」
「一週間くらい……かな」
予想外に奴が真剣な受け答えをしたので、多少オレは面喰らった。もっとバカにされるかと思ってた。
「一週間前に、何か特別なことありました?」
「うーん…………一週間前、ねえ」
正直に言うと、あった。つーかもろにお前関係だろと言いかけて、なんとなくやめる。
オレは何も返事をしていない。曖昧なまま逃げて、お前は別にそれでいいと言った。だから決着がついたことにした。そのまま今に至って、わざわざ呼び出してシンシアの話をしているオレも相当どうかと思うし、呼び出れてのこのこやって来てるお前もそれでいいのかと言いたくなる。8主、お前はオレが好きなんじゃないのかと。
でもこんな話をできそうなのが奴くらいしかいなくて奴の好意に甘えていることだけは確かで、罪悪感を抱えながら奴に会うのはひどく微妙な気分だ。
「…………その、お前に」
「ああ。そうでしたね」
そうでしたねってなんでもない涼しい顔で奴が流した。なんなんだお前、あんなに真っ赤になって必死になってオレに打ち明けたくせに、オレばっかそのことで悩んでバカみたいだ。
「……じゃあ少しは考えてくれたんだ?」
「バカ言うな。ありえん」
「ですよねーいんですけど別に」
どうこうしようとかじゃないし、と付け加える奴の顔は晴れやかで、意味もなく腹が立った。お前が変なこと言い出すからオレが混乱してるってのに、お前は他人顔なんだな。

80984のはなし 2:2011/03/06(日) 22:07:04
「人の気持ちってのは、コントロールできるものじゃないですしね。僕が4主さんを好きになったのも、しょうがないっつーか流れっつーか」
「だいたいさあ、なんで好きだと思ったわけ?」
「うーん、最初はずばり顔ですね。僕、面食いなんで」
「顔………」
顔だけの男と言われてるようで、密かに傷付いた。顔、ね。ふーん。つまらん。
「でもこの人案外不器用かなあと思ったら、なんかこういてもたってもいられなくなっちゃって」
「ふーん……」
「たぶん、理屈じゃないんだと思います。一緒にいたいとか、触りたいとか。見ていたいとか」
「……………」
8主は、オレにオレを好きだと打ち明けてからすごく素直に自分の気持ちを言うようになった。前みたいにつっかかってくるけど、最終的に何が言いたいのかよくわからない感じじゃなくて、もっとストレートに感情が来る。それだけに何も返せない自分が申し訳なくて、でも同情でどうこうは最低だと思うし何をどうすればいいかわからないまま、オレはひたすら黙っている。
木でできたベンチに並んで座るオレと8主の間には、一人分くらいのスペースが空いていて、それがそのまま心の距離みたいだなと思う。それ以上、近くはならない。
「あ」
それまでの話の流れを無視して、突然奴が呟いた。
「え?」
「……いや、でも、なあ……」
腕組をしながら、8主が頭をかしげる。そのはっきりしない態度にイラっとする。
「なんなんだよ?」
「いや、でもあまりに自惚れてるというか……」
「?言ってみろよ」
「……僕に告白されて、少しは僕のこと考えました?」
「は?!」
「だから、すねちゃったんじゃないですかねシンシアさん」
「お前、アホか……ふざけんな」
「いや!真剣なんですけど」
「つきあってられん、お前に話したオレがバカだった。時間を無駄にした」
「そんなー!せっかくの4主さんからのお呼出でうきうきしてきた僕の立場は!」
「知らん。勝手に期待するな。ていうか期待するな」
「わかってますけどね……」
そこで本気でしょげた顔を見せるから、長いつきあいでオレもそれが演技じゃないってわかっちゃうから余計悪いことしたって思うんだよ。そう思わせるお前がずるくて、期待させてるけどその気はない自分もずるくて、面倒臭いと本気で思う。
ずっとこんな関係が続くんだろうか。お前はきつくないか?オレはもっとお前と楽に話がしたいよ。
シンシアの話をしていたのにすっかりずれまくって、オレはあろうことかシンシアのことを忘れていた。たぶん、そういうのが始まりだったんだと思う。

81084のはなし 3:2011/03/06(日) 22:07:40
2 衝動 【4主】

もしかして、が確信に変わる。シンシアはもう二週間姿を見せない。いなくなってしまったのかな、シンシア。
今までも二、三日いなかったことはあった。でもふと気付くとまた隣に戻ってきて、オレの顔を眺めてからにっこりと笑った。その度オレは安心して、戻ってきてくれたんだねと抱き締めようとして、触れない事実に打ちのめされた。
オレは意外と落ち着いている。シンシアについて8主とは逐一話し合っていて、こんな話にクソ真面目につきあってくれる8主に申し訳ないやらやるせないやらでどうしていいかわからないんだけど、奴に話をすると嘘みたいに気持ちが落ち着く。奴が、困りましたねとか言って相づちを打って目が合うと、シンシアがいなくて不安だとか怖いとかどうしようっていうのが全部すっと消えて、奴の声とか手の動きとかそういうものばかりが気になる。8主の手は意外とごつくて、オレはその手が嫌いじゃない。話をしながら、指なげえなとかそいういうことばかり考えている。
なんだか変だと思う。おかしいと思う。
今日も、これから話をしに行く。例のあの外のベンチだ。あそこはもう暗黙の了解で落ち合い場所みたいになっていて、約束の時間が近くなると小走りにそこへ向かっている自分に気付き、嫌になるほど恥ずかしくなる。何してるんだろ。ただあそこにいけば8主がいるってのが、自分にものすごく安心感を与えているらしいのはわかってきた。なんてオレは浅ましいんだろうか。リスクは負いたくない癖に、安心感だけは欲しいなんて。
こんなのおかしいよな。

「よ」
「どうも」
今日も今日とて二人とも時間ぴったりにここへやってきた。顔を見たらなんとなく笑いそうになって、オレは明後日の方向を向いてごまかす。
「その後、どうですか?」
神妙に8主が切り出した。ひざの上に頬杖をついて、指を組む。オレはいつからこんなにこいつの動作を気にするようになったんだ?
「全然。いない」
「そうですか……」
赤いバンダナが、いつもより緩く巻いてあって風になびいている。飛ばされそうで気になって、つい手をのばした。
「お前、これ飛びそう」
言いながら、8主の顔を覗き込む形で頭の両側でバンダナを掴む。何も考えていなかった。奴の髪ごとバンダナを掴み感触を感じて、ものすごく変な顔をしている8主と真正面で目があってから、しまったと思った。
8主は怪訝そうな顔で、オレからバンダナを受け取った。手が、軽く触れた。
「…………すみません」
「あ、いや」
バツが悪いとはこのことだ。奴はオレのことが好きで、オレは期待させるようなことはしないつもりだった。無意識に何してんだろう。あんなに近い距離で、もろに顔を見てしまった。
8主は赤くなったり焦ったりせず、ただ不信な視線をオレによこした。当然だと思った。
「……僕、ちょっともう行きますね」
「ああ……」
バンダナを頭に結び直しながら、奴が立ち上がる。オレは8主の方を見れなかった。シンシアのことはもう、完全に頭から抜け落ちていた。触ってしまった8主の髪とか、一瞬触れた手とか、オレに向けられた見開かれた目とかそういうものが駆け巡っていた。何をしているんだろう。
ちょっと前に言ってた8主の言葉を思い出す。理屈じゃなく、一緒にいたいとか触りたいとか見ていたいと思う。これってなんのことだっけな。

81184のはなし 4:2011/03/06(日) 22:08:56
2 衝動 【8主】

びっくりした。何が起こったのかよくわからなかった。
自分の部屋に逃げるように帰ってきて、僕はベッドにへたり込む。
バンダナを両側から押さえられて、ていうかまずそんなことを4主さんがしようと思ったのが不思議だった。
目が合って、あの人は当然のように僕の顔を見た。全然好きとかそういう感情は含まなかったけど、真正面から僕を見て、僕の表情を見てやっとまずいという顔をした。
なんでそんなに無防備なんだろう。僕が彼をどういうふうに好きかわかってるのかな。少し腹が立った。
本当は、いつだって触りたい。本人の意志がどうであろうと、行けと言われたら飛びついてしまう自信がある。ただ、僕は人として落ちぶれたくない。嫌がる人相手にどうこうしようという気はない。
わかってんだろうか。彼は何を考えているのだろう。ちょっとよくわからなくなった。
考え出すと猛烈にむかついてきて、そもそもあの人は今僕を利用しているとか、なんでちゃんと返事をくれないんだろうとか、ダメならダメでなんで期待を持たすようなことを何回もするのか理解できないとか、不満はいくらでも出てきた。
何がしたいんだろう。僕はその度律儀に振り回されて、いいように使われる。好きだから、会いたいから僕はなんだって尻尾を振って彼のやりたいようにやらせるけど、彼は僕に甘え過ぎじゃないのか。
見返りもないのに、愛想よく彼に合わせている自分が急に空しくなった。可哀想なのは哀れなのはむしろ僕だ。
泣きたくなって、そのままベッドに倒れ込んだ。

ちょうど僕が彼に告白をした日に、シンシアさんは消えた。関係はあるのか偶然なのか。
ずっと好きで、でもだからといって男同士でどうこうする勇気もなくて、でもどうにもできなくなって一人で抱えてるのがバカらしくなって、僕は僕が4主さんを友情じゃなく好きなんだと伝えた。
僕もわざわざ外のあのベンチに呼び出し、嫌々ながらもちゃんと時間通りに来た4主さんの顔を見たら胸がつまった。律儀で、不器用で、どうしようもなく人の良い彼が好きで好きで仕方なくなった。
実際本人を前にしたら全然言葉が出てこなくて、絞り出すみたいに僕はなんとか彼に好きだと告げた。
4主さんは明らかに困ってたけど、一応ありがとうごめんと言って薄く笑った。その顔がまた好きで、見とれ僕は何も言えなくなった。それでいいと思った。僕が彼を好きなことを知ってくれるだけでいい、それ以上は望まない。
人を本気で好きになるのは、こんなに苦しいことなのか。何もいらないから生きていてくれるだけでいいなんて、こんな気持ちがあるなんて知らなかった。何がなんだかわからなくて苦しいけど、それで彼を煩わせたくなくて僕はもう口を噤んだ。
僕らは未だに手さえ触れていない。僕はちょっと触れそうにない。


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