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FFDQかっこいい男コンテスト 〜なんでもあり部門〜

1名無しの勇者:2006/07/12(水) 21:32:41
FFDQなんでもあり部門の小説専用スレです。
シリーズ、作品の枠を超えた作品を投稿する時はこちらで。
書き手も読み手もマターリと楽しくいきましょう。

*煽り荒らしは完全放置。レスするあなたも厨房です*

ネタスレについては>>2以降(テンプレ考案中)

5996主→←7主 3:2009/02/08(日) 01:10:06
「皆、の、お兄ちゃん。みかん一個頂戴」

何故か凄い一部を強調された気がする、と思った瞬間、7主の細い腕が俺の前に伸ばされた。
慌てて体を引く。しまったあからさまだったかもしれない。でも7主は気にした様子なく、細い指で俺のみかんを1房。
(あ、ごめんそれ死ぬほど――…)
止める間もなく、赤い舌に飲まれるみかん。アルコールに気をつけろ、とも言いたかったのに。

「っすっぱ!」
「……いから気をつけろよ」
「先に言ってよ6主さんの意地悪!」

近かった顔が一瞬で離れて、それどころか体も全部離れて、7主が俺の視界から消える。
どこ行くんだろうってその小さい体を目で追うと、台所の方へ消えるのが見えた。ああお茶を取りに行くのか。
同時に妙な熱はどっかへ行ったようで、無意識の内に深く息を吐いていた。死ぬかと思った。(すっぱさじゃなくて)
何かよく分からないものを誤魔化すつもりで、残ったみかんを一気に頬張る。すっぱい、けど頭が冴える。

「あー……」

もしゃもしゃとみかんを頬張り、よく分からない音を漏らす。そろそろやばいかもしれない。誰かが頭の中で囁いた気がした。
たたたっと、軽い足音が聞こえたと同時にみかんを飲み干す。戻ってきたのはやっぱり7主だった。
その手には二人分のお茶。(優しい、というか気の利く奴)
はいっと笑顔で差し出されたので、一気に飲み干す。ちょっと熱かった。

「さっきね、3主さんが台所で1主さんと……」

さっきまでの空気はどこへやら、いつもの調子で話し出す7主。
それにほっとした反面、どこか残念に思う自分はやばいどころじゃないかもしれない。
だってこれ、もう、引き返せないだろ。


(皆のお兄ちゃん、引退かもしんない)

600名無しの勇者:2009/02/08(日) 01:11:49
おしまいです。青臭くちょっとずるい6主×天然か計算か分からない7主でした。
6×7もっと増えないかなー。

次はエロ書きたい。

601名無しの勇者:2009/02/10(火) 01:01:39
投下キテタ━━━━(*゚∀゚*)━━━━!!
7主かわいいし6主もかわいいし萌えましたーエロも待ってます!

602名無しの勇者:2009/03/04(水) 23:39:11
本日は34の日!

603名無しの勇者:2009/03/12(木) 00:45:03
今日はロトシリーズの日!
3→1→2的な意味でw

604名無しの勇者:2009/04/12(日) 22:20:47
84、67風味の、8主と7主の会話投下します。
8主が変な子になっちゃったかも。

60584、67風味 長い割りにエロなし:2009/04/12(日) 22:22:06
―ふぅ。
扉を閉めて、一息吐く。今日もよく走った。走ってもらえた。
おかげで、退屈な錬金時間を潰すことができた。
8主は、疲れてはいるが満足そうな顔を浮かべながらリビングへ向かった。
ガチャリ。
「おかえりー。」
「…と。7主さん、ただいま帰りましたー。」
リビングには先客がいた。入り口に背を向けるソファから、顔だけを振り向かせている。
真正面に置かれたテレビが光を放っている。が、その音量は[限りなく小さい。
少し、話し声に耳を傾けただけでかき消されてしまう。
「7主さん、音、小さくないですか?」
「んー、大きくしちゃうと起きちゃいそうな気がして。」
「少しくらいなら大丈夫だと思いますけどね。」
冷蔵庫から冷えた瓶を取り出しながら、8主は話す。冷えた瓶を3本分、グラスに注ぎ込んでいく。
「少しどころか至近距離でギガデイン落とされたって大丈夫だと思う。
 っていうか大丈夫だった。でも、なんとなく小さくしておこうかなーって。」
「確認済みでしたか。
 …何か飲みます?」
「あ、うん。ありがとう。お茶お願いしてもいいかな? 喉渇いちゃって。」
「冷たい方がいいですか? それても、温かい方?」
「冷たいのが冷蔵庫にあるから、それでいいよ。」
「かしこまりました。」
グラスを取り出し、氷を数個いれる。氷のみが入ったグラスの中を、マドラーでかき回す。グラスが冷えたことを確認して、中の氷はシンクに捨てた。手早くグラスの外側についた水滴をふき取り、冷蔵庫から取り出したペットボトルからお茶を注いだ。
「お待たせしました。」
「うん、ありがとう。ごめんね、今動けなくって。」
「ついでですから、別に構いませんよ。」

60684、67風味 長い割りにエロなし:2009/04/12(日) 22:23:01
「(ズズズ)あー美味しい。君が来てくれて助かったよ。
喉は渇いてるしでも動けないしでもー大変だったんだからぁ。」
「その割には、嬉しそうですね。…あと7主さん、飲み方がジジィくさいです。」
「そりゃもう、達観してるから? …じゃなくて、ごきゅごきゅ飲んで零れちゃったら、それでも起きちゃうんじゃないかと思って。」
「……(ごきゅごきゅ)」
「…(ズズズ)…」
「愛しちゃってますね。」
「うん、愛しちゃってるね。」
二人でくすりと笑い合う。7主は、テレビのリモコンを手に取り、その電源ボタンを押す。
テレビからの微かな雑音が、消える。
「…君の方はどうなのさ?」
「どうって言われても? 毎日楽しいですよ?」
「うーん、じゃあ、質問を変えるよ。今日の連金の成果は?」
「ばっちりですよ!走るのも苦じゃありませんし、今週はチーズ強化週間のためチーズを沢山錬金してみました! かちかちチーズにベホマラチーズ、天使のチー…」
「ねえ8主くん。」
音を立てないように、7主がグラスをそっと置いた。動けないなりに、手を一生懸命伸ばして、テーブルの端へとグラスを載せる。
「錬金釜って、走らなくても錬金できるように強化してもらえるんでしょ? どうして、しないの?」
「えっとー…旅も終わっちゃったし、何もしてないと体が鈍るじゃないですか。トレーニングのためですよ。トレーニングの。」
「ふぅーん…」
「お城で稽古もできるんですけど、それじゃつまらないし。
走るにしても風景が変わらないとやっぱりつまらないし…」
「釜を強化してもらったら、4主さんにちょっかいをかける理由が、ひとつなくなっちゃうから?」
「はい。…っ、って、ええ!?」

60784、67風味 [3]:2009/04/12(日) 22:23:57
にまー。7主は口の両端を持ち上げて笑っている。その顔を見ながら8主は、冷や汗をつぃ、と流した。
「…あ、の…7主さん…。」
「うん?」
「あの、…………」
「…………」
「……バレバレ?」
「うん、バレバレ。多分みんな気づいてると思うよ。2主さんはどうかわからないけど。
 …意外と、本人も気づいてるんじゃないかな。」
それを聞いた8主の冷や汗が増す。だらだらと。8主の襟元が、汗ににじんだ。
「ほっ、本人もっ…?」
「でも、みんな釜が強化できることは知らないみたいだから、確信をもってそうだと思ってる人はいないと思うけど。」
「…な、7主さんは、釜のことをどこから…」
「マリベル経由で、ゼシカさんから。赤毛連盟で仲良くなったみたい。」
赤毛連盟って、何それ。8主はそんなツッこみを飲み込む。今声を出しても、擦れたおかしな声しか出ないと思ったから。
間をおいて、やっと声を絞り出す。
「……そうですか、バレバレですか……」
「せっかくだから、錬金のために一緒に走ってくださいとか言ってみたら?
 ついでに告白してくればいいじゃない。
ちょっかい出すにしてもさぁ、2主さんの勉強の邪魔しないで、僕にも体育の時間を作ってくださいとかお願いして。」
「そんなの『お前に割く時間などない』と『ギガソード』のコンボで終了するに決まってるじゃないですか。 僕は確実な冒険しかしないんです。」
「でも、向こうから進展する可能性はあるの? ないんでしょ?
 だったら君から動かなきゃ。いいじゃんもう、いっちゃいなよ。
 っていうかいつも通りでいいから、走ってる途中で押し倒しちゃいなよ。」
「うわぁーお、そんな無茶な。ギガソード喰らってまでそうできるか自信ないです。」

60884、67風味 [4]:2009/04/12(日) 22:26:20
「じゃあ格闘スキル上げて、なんかうまくこう、押さえ込むとか。戦闘画面じゃないんだから、
ターンとか特技とか関係ないんだから連続技で押さえ込んでしまえばいんだって。あ、もちろん口は口でふさぐこと。」
「口っ…!!」
ぼわんっ! 真っ赤になった8主の顔から、輪になった湯気が飛び出した。
それを、7主はどこかで見たアニメのようだと思った。
「○様家族、みたい…」
「だってだって、口を口でって、…それって…」
「どさくさに紛れてキスしちゃいなよ。あとはもう舌技にものを言わせてあはんうふんなカンジに持ち込んじゃえ。人は、そういう時に一番無防備になるんだから、反撃なんて怖くないさ。」
「き…す……きす……キス…!」
ぐるぐるぐるぐる…8主の頭のなかで、瞬間的に展開されていく光。光はほぐれ、その姿を大きくし、多数の色をまとい、そして、爆発する。

―…大きな色が、オレンジ色。オレンジ色の夕日が、広がっている。
何故か、波打ち際にいる。何故か、4主さんがいる。なぜか、二人とも、走っている。
うふふあはは。そんな、声が聞こえる。走りながら笑っている。僕は釜を抱えている。
4主さんは、剣を構えている。でも、二人とも、笑顔だ。なんでだろう?僕が、ふいに、砂浜に倒れ込む。
急に倒れこんだせいか、4主さんが僕の足につまづいた。剣が放り出される。僕の頭の上で、ざす、と砂が鳴る。
剣が落ちて砂にささったらしい。僕もいつの間にか釜を放り出していた。いつの間にだろう。
そして、これもいつの間にか僕も仰向けになり、倒れてきた4主さんを受け止めていた。
僕は、4主さんの手首をからめとり、足首を滑らせ、ロックをかける。
身動きが取れなくなった4主さんが、微笑んでいる。何すんだよぅって。
甘い声で、僕の耳をくすぐる。いいかも。ぎゅっと引き寄せ、その顔を覗き込む。
4主さんが文句を言っている。初めてなのって。文句じゃなかった。
赤らんだ顔がすごく可愛い。すごく可愛い。可愛すぎて二回言ってしまった。
僕はその可愛い4主さんに唇を……―

60984、67風味 [5]:2009/04/12(日) 22:27:31
「…くん…8主……聞いてるの?」
7主が不安そうな顔をしている。動けないので、その声で8主の意識を元にもどしてくれたらしい。
「7主さん………」
「ああよかった。なんかぶつぶつ言ってるし涎は垂れてるしで怖かったよ?」
「キス……いいかも。」
「え?」
「波打ち際で追いかけっこの末倒れてキス! なんかこう使い古された少女漫画臭がしますけどだがそれがいい!
 ふいに恋心<KOI-GOKORO>を意識する瞬間! 赤い顔の4主さん! 耳には二人の息遣いと波音だけ!
 そんな二人の顔が近づいて…! ああんもう!」
「僕波打ち際とか言ってないんだけど、ねえ、8主くん。鼻血拭きなよ。ねえ。
しかも少女漫画じゃあそんなに使ってないと思うよ。むしろギャグとして使い込まれてるよ。ねえ、大丈夫?」
ああもう。いやん。そんな言葉をぶつぶつと吐きながら、テーブルにガンガンと頭を打ち付ける8主。
額が赤くなっているが、血が出るほど打ち付けているわけでもなさそうなので、7主は止めることはなかった。
その代わり、流れた鼻血が襟元を染めていることに、眉をひそめた。
「宿舎まわりに海岸なんてないしさ。どうやって誘い込む気?」
「…そうか。」
「あれこれ煽ってごめんね8主くん。とりあえず落ち着いて。ホイミ。」
「…はい。落ち着きます。(ごきゅごきゅ)」
グラスの中身を、半分以上あったそれを一気に飲み下す。脳が消化作業に勤しんだ結果、妄想は脳の片隅に追いやられた。

61084、67風味 [6]:2009/04/12(日) 22:28:41
「…でも実際、僕なんかが好きだって言っても無駄だと思うんです。気持ち悪いだけだろって。そう、思うんです。」
「…そう。」
「僕は別に、キスしたいとか恋人になりたいとかあわよくばうふんあはんなコトしてあんあん泣かせてみたいとかそういうのが目的じゃないんですよ。」
「………」
「ただ、4主さんが時々、寂しそうなんです。」
「寂しそう?」
「時々、ふっと、目を細めて、どこか遠くを見て…なんだか消えてしまいそうな顔をするんです。睫が長くって、すごく綺麗でんでもって微かに開いた唇がすごく色っぽくて…いやほらそんな、ききききすまではしなくてもいいけど触ってみたいとか舐めてみたいとかそんなことは…」
「8主くん、鼻血出てるよ。」
「…はっ!」
8主は慌てて鼻を拭う。手の甲が赤く染まった。ウェットティッシュの位置を、7主が、指で指し示した。
「あと涎もね。」
「…もう、僕、ダメなんです。」
8主の顔が、赤く染まっている。目の端に涙がうっすらと溜まっている。その表情は、普段の悪戯好きな彼の姿をすっかりと覆い隠す。
…いや、こちらの方が、本来の姿なのかもしれない。悪戯好きな顔は、この本来の顔を隠すための。涙を、隠すための。
「僕は…4主さんに向かって話せないんです。7主さんが怯えるのと同じように。僕の場合は、綺麗すぎてですけど。
普通に話すのは緊張するんですけど、でも、あの人が寂しい顔をしてるのは、見たくないんです。
なんだか子供みたいな感情ですけど、悪戯するしかできなくて。それでも、寂しい顔を見なくてすむなら…」
「…愛しちゃってるん、だね。」
「……………はい、愛しちゃって、ます。」

61184、67風味 [7]:2009/04/12(日) 22:29:53
「今ここで話したことを4主さんにも話せば、うまく行きそうだとも思うんだけど…うん、無理だよね。」
8主が無言でぶるぶると首を振っている。無理だと、泣きそうな目尻がさらに歪んだ。
「少しだけ、頑張ってみようよ。少しだけでいい。みんなの前じゃなくて、タイミング計ってもいいから。10回に1回くらい、素直になってみようよ。それだけで、きっと、4主さんにも伝わると思うんだ。」
「…そんな、もんでしょうか。また演技だろとか言われて…」
不安そうな、もう泣きそうな8主を制して、7主がにこりと微笑む。その表情は、先輩として、果汁組の相方として、偽りのない優しさをもっていた。
「真剣なら、伝わるよ。きっと。そんなに思ってるんだもん。頑張ってみてよ。」
「7主さん…」
「それで、うまくいったら、結果だけ教えてね。」
「はい、頑張り、ます。」
ガチャリ。
ドアが開く。大きな荷物を抱えた4主が、ゆっくりとドアを開いた。
「おーい、なんだ果汁組、いたのか。7主、悪いが荷物持つの手伝ってくれないか。」
「ごめんねー、僕今手が、じゃなくて足が離せないの。」
そう言いながら、7主は8主にウィンクを送る。わかりやすい合図だ。
それを見て、8主は緊張した顔で、ゆっくりと、頷いた。
「7主さんに頼むなんて野暮なこと言わないでくださいよ。今日は特別に僕が手伝ってさしあげます。」
「…そうか。じゃあ頼む」
「まかせてください。」
4主の手から、大きな袋を受け取る、買い置きだろうか。油や砂糖、味噌や醤油など、調味料類が大小あった。
「あー重かった。おい8主、油と醤油はそっちの下の棚。砂糖は2段目。かつおだしは上の棚な。あと細かいのは…
あっ、お前、また瓶洗ってないな! しかもこれ3本も。一気に飲んだのか!?」
「えっと、その、一気に飲み…」
「プリンドリンクはカロリー高いから、1日1本にしとけって言っただろうが!!」
「そんなひどい。僕はそれに同意した覚えはないんですよ!」

61284、67風味 [8]:2009/04/12(日) 22:30:23
「ねえ、6主さん。」
「ん?」
7主は、膝の上に声をかけた。途中からずっと寝ているフリをしていた―8主はおそらく気づいていない―相手に声をかけた。
「4主さんの手、見える?」
「ああ、真っ赤だな。ずっと荷物持ってたんだな。ルーラ使える俺らが、あんなになるまで持つってそうないもんな。」
「いつから居たんだろうね。」
「あー、多分、8主が<KOI-GOKORO>とか言ってた時かな? なんか玄関のほうでガサって聞こえた。」
「聞いてたんだよね。」
「ああ、聞いてたな。見てみろ。耳、真っ赤だ。」
「ほんとだ。…僕初めて、4主さんのこと可愛いって思えたよ。」
7主がくすくす笑う。その様子をしたから見ていた6主は、その顔に手を伸ばす。優しく、ふわりと、その柔らかな頬に触れる。そしてゆっくりと、引き寄せた。
「…ん…。」
「オトナなアルスも可愛かったぞ。アルスは優しいなぁ。んー、いい子だからもっかいちゅーしてあげちゃう。」
「ちょっと、やだよ、見られるじゃないかぁ。もう、6主…ん…さんたらぁ。」

「こらそこ!共有スペースでいちゃつかない!」
キッチンからその様子を見咎めた4主が声を荒げる。手に持ったニンジンが二人を指し捕らえる。
キャッキャウフフな二人を見ながら、8主は呟く。
「…………いいなぁ…」
「…何か、言ったか?」
「いっいえ、何も!」
8主は頭の中で展開しかけた妄想を打ち消す。
鼻血ものの妄想が、現実となるのはいつだろうか。それはもしかしたら、意外と近いのかもしれない。

613名無しの勇者:2009/04/12(日) 22:32:33
8主がアホすぎるし、エロもないのに長くなりすぎた。
反省はしている。

614名無しの勇者:2009/04/13(月) 21:21:44
かわええええ(*´Д`)=зGJGJGJ!

615名無しの勇者:2009/04/16(木) 21:56:23
おおおおおおおすんごい萌えました・・・!!
GJGJ!!!!!!!
やっぱ84はいいなぁ(*´∀`*)

616名無しの勇者:2009/04/17(金) 20:29:01
た、たまらん…!!

617131:2009/04/23(木) 21:12:18
3主「・・・っ!痛っ!痛い痛い痛いって!」
1主「・・・うーん、十分に慣らしたんだけどなぁ・・・」
3主「くっそー!絶対ご先祖を気持ち良くしてやる、とか
  ほざいてたのはどこのどいつだよ!あーいてー・・・」
1主「いやぁ、慣らしさえしとけばあとは何とかなるかなってw」
3主「はぁ!?じゃあお前アレか!全然経験ないクセにいきなり俺で実践して
  気持ち良くしてやる!とかほざいてたのかよ・・・!うーわー、信じらんねぇ!」
1主「悪かったって、ご先祖。ほれ、ホイミホイミ」
3主「ケツにホイミすんなw」
1主「一応傷はふさがったみたいだけど・・・もう大丈夫か?」
3主「ケツの痛みは治まったが、俺の怒りは治まりそうにないな・・・。
  あー、なんか腹立ってきた!お前ケツだせ、今すぐに!」
1主「は?・・・俺はご先祖の筆卸なんてする気はないぞ」
3主「ふっざけんな!テメーはご先祖様のケツに痛い思いをさせておきながら
  自分が痛い思いをするのは嫌だと!?俺はお前をそんな子孫に育てた覚えはないぞ!」
1主「ホイミしたら直ったじゃんw・・・ってかご先祖に育てられた覚えはない!とにかく断る!!
  ・・・・・・絶対ご先祖、俺よりもヘタだし(ボソッ)」
3主「小声で言っても聞こえてるぞテメェ・・・。よーし、わかった。
  お前はよっぽど俺にケツを掘られたいらしいな・・・?
  ・・・観念してとっととこっちにケツ向けろやゴルァッ!」
1主「っぎゃー!いやー!やめてーご先祖!!」
3主「ふははははは、さっきのお返しだこの野郎!ほら、ココか?ココがええのんか??」
1主「いってぇ!ケツ痛いってご先祖!本気痛いからコレ!!」
3主「指の一本や二本でガタガタ抜かすなよ、っと」
1主「〜〜〜〜っ!ごめん、マジ悪かったって・・・う〜マジで痛ぇ・・・」
3主「・・・まあ、わかったんなら、よし。これぐらいで勘弁しといてやろうw」
1主「ふー・・・。あ〜、久しぶりに嫌な汗掻いた・・・。ホイミホイミ」
3主「次からは無責任な言動で人のケツを弄ばないようにすること、オーケイ?」
1主「・・・肝に銘じときます。しかし自分のケツにホイミをかける日が来るとは思わなかった・・・」
3主「俺だってまさか自分の子孫にケツにホイミをかけられる日が来ようとは夢にも思わなかったってのw」
1主「・・・ところでご先祖」
3主「ん?」
1主「この中途半端に放置されたブツは一体どうすれば良いんだろうな・・・」
3主「知るか!テメーで処理しろ!俺は寝る!」
1主「そんなひどい!」
3主「zzz」
1主「・・・ほんとに寝てるし。あーあ、どうすんよコレ・・・」

618名無しの勇者:2009/04/23(木) 21:14:51
131は本当にリバで美味しいと思うんだが
何か方向性を誤ったような気がせんでもない。
ケツケツ連呼しててすみません。ウホッ

619名無しの勇者:2009/04/24(金) 22:21:31
GJ!
この二人は相変わらずムードがないな(ワラ

620小ネタ 1/1:2009/04/25(土) 19:22:36
6主「お、今日の夕飯は煮物か?」
7主「煮物は煮物でも魚だけどね」
6主「そうか、じゃあ俺はとりあえずドラ焼きをいただいておくぜ!」
7主「何で夕飯の話してるのにドラ焼きを食べようとするのさ」
6主「何でって、小腹が空いてしまったからだ!」
7主「普通、夕飯のためにお腹空かせておこうとか思わない?
  煮付け、嫌いだった?」
6主「うんにゃ。大好き。7主のは特に旨いよな!」
7主「な!って言われても…ありがと」
6主「おう!でもお前、まだ16時半だぜ。夕飯の準備にしては早くないか?
  煮物ってそんなに時間かかるのか?」
7主「まぁ、かかるといえばかかるけど。でもそれより、
魚を捌いた後だから、片づけする時間が欲しいからなんだ」
6主「ふーん。片付けなら片付けの当番に任せりゃいいのに」
7主「魚だからね。早めに片付けた方がいいんだよ。臭いがつくと大変だし」
6主「ふーん。…ほんとだ。魚の臭いがする」
7主「ちょっ!やだ!首はダメ!」
6主「ごめんごめん」
7主。ほっぺたにウロコ付いてる」
7主「あー、それ取り忘れだ」
6主「…7主ぅー」
7主「なぁに?」
6主「片付け終わったら。風呂入ろうぜー」
7主「え、」
6主「風呂―。おにいちゃんが頭洗ってやるよ」
7主「一緒に入る気!?」
6主「嫌か?」
7主「………ちょっと待って。すぐ片付けるから」
6主「うん、待ってる。」



6主「なぁなぁ。ドラ焼きは食わないから、7主食っていい?」
7主「食べる違いだよ!」

62184 0/2:2009/04/25(土) 20:40:17
しまった!上のネタにカップリング書き忘れた!
間違えて読んでしまった人ごめんなさい。。。

続いて↓は84になります。

62284 1/2:2009/04/25(土) 20:41:46
「早く食えよ。片付けが終わらんだろうが。」
「えー、せっかくのプリンなんだから味わって食べさせてくださいよぅ」
「何がせっかくだ。毎食後に食ってるくせしやがって」
「いついかなる時でもプリンには敬意を払って全力で崇め奉り丁寧に食べないと失礼でしょうが」
「……もういい。食い終わったらちゃんとこっちまで持って来いよ」
「んーvvv幸せv」
「………」
「はぁ…vvv」
「…そんなに好きか」
「はい?」
「プリン。そんなに好きか」
「はい!大好きです!」
「そうか。好きか」
「はい!!」
「…俺のことは」
「はい!大好きです!」
「………」
「食べちゃいたいくらい大好きです(にっこり)」
「………そうか」
「(あ、照れてる照れてる)大好きです!」
「……食べられないけどな」

62384 2/2:2009/04/25(土) 20:42:39
「そんなことないです。食べちゃいたいです」
「ちょっ、お前っ…洗い物してんだから邪魔すんな!尻を触るな!」
「じゃあ終わったら触ってもいいんですか?」
「駄目に決まってんだろ!」
「えー。じゃあ抵抗されにくい今のうちに触りまくります」
「ちょっ…アホ…やめっ……邪魔…」
「ああ柔らかいなぁ。顔埋めていいですか?いいですね。埋めます」
「いいですかって聞いておいて返事も待たずに埋めるな!」
「いやぁん尻―」
「邪魔だ!相手なら後でしてやる!どけ!」
「ほんとですか?言いましたね?ちゃんと聞きましたから。
 待ってますからさっさと終わらせてくださいよ」
「やかましい!」
「はい。プリンの容器。ちゃんと持ってきましたよ」
「………」
「無視しないで下さいよー。淋しいじゃないですか」
「……8主」
「何でしょう?」
「………俺も好きだ」
「………」
「………」
「っはい!僕も大好きです!」


そして2人で、プリン味のちゅーをした。

624名無しの勇者:2009/05/06(水) 00:22:33
ちょっと気になったから訊かせてほしいんだけど、
ここって雑談スレ以外のネタスレは需要ある?

625名無しの勇者:2009/05/06(水) 11:28:29
とりあえず投下してみたらどうだろう
該当スレ知らない人も新たな萌えに目覚めるかもしれない

6267×3 1/3:2009/05/20(水) 03:37:03
7主「っもう、またあやしいサイト観てる〜」
3主「健全な16歳男子がオパーイに興味持って悪いか」
7主「でも3主さんてどっちかっていうと男にモテる方だよね?」
3主「違う! 基本ロトの勇者は男女問わず人気あるの!
   でも3女が極端に女にモテるから、変に比較されて誤解されてるだけなの!」
7主「そうなの? でも僕、どうも3主さんって……」
3主「なんだよ」
7主「見てたらいじりたくなってくるんだよね……」
3主「なんだその目は。指ワキャワキャさせんな。にじり寄って来るな」
7主「なに怯えてるのさ、エロ撲委だよ? 変なことするわけないじゃない」
3主「そう言いながら押し倒されてるんですが! そして身体中をなぜ回されてるんですがぁ!」
7主「ほら僕宿舎の風紀委員だし。健全な16歳男子が2次にハマって人生終了するのを黙って見過ごすわけにいかないもん」
3主「それはエロゲの女を本気で俺の嫁宣言してるような廃人だろ! 俺はちゃんと3次派だ!」
7主「そうなの? ごめん僕そういう知識はうといから」
3主「いやお前絶対わざと間違って解釈してるだろ!?」
7主「とか言いながら3主さんも期待してるんでしょ? さっきから全然抵抗してないしw」
3主「いや激しく抵抗してるから! てめえの最強ステータス相手にどうしろってんだ!」
7主「どうもしなくていいよ。わかんないでしょ? 僕がリードするから」
3主「なにをだ…って、うわやめっ! ちょっ、マジでそこはっ……ああっ」
7主「ほら、他人のオパーイなんか見てるより、自分のいじられた方が遥かに楽しいと思うんだけど」
3主「いやそれとこれとは別……はうっ、そんなとこ触んな!」
7主「やっぱりいじり甲斐あるなぁw こんなに感じやすいなんてね。
   ねえ、ベルトで手しばっちゃってもいい?」
3主「いいわけねえだろ! ってかすでに実行してるしぃぃ!」
7主「僕の手が空かないんだもん。さてどうしようかな。実は僕、ぶっちゃけ掘る趣味はないんだよね」
3主「はぁあ? じゃあなんでこんなこと……あうっ、待っ、やめ……これ以上はもうっ……!」
7主「ほら僕、基本MだけどドSでもあるから。見てる方が好きっていうか」
3主「な…んだよ! なに言ってるかわかんねえよ! あっ…や…ぁ……!」

7主「ふふっ。ねえ3主さん――羊さん喚んでもいい?」

6277×3 2/3:2009/05/20(水) 03:44:22
3主「……な…に?」
7主「大丈夫、しっかり躾けてるから、そこらの奴よりよっぽど上手だと思うよ♪」
3主「い、いやだ! そんなの、そんな、本気で……!?」
7主「モフモフしてあったかいし、体力あるし、きっとご満足いただけるかとw」
3主「やだやだやだ、いやだぁ!」
7主「特別大サービスで20頭くらい喚んであげる♪ きっと頭おかしくなっちゃうだろうねw」
3主「やめてくれ! やだ、助けて……!」
7主「そ・れ・で・は……羊さーん!」
3主「いやあぁぁぁあーー!!」






3主「……ヒック……やだぁ……ヒック……」

7主「――じゃあもう変な画像とか見ない?」
3主「ヒック……え?…」
7主「ずっと引きこもって当番サボったり、ご飯なのにいつまでもゲームしてたりしない?」
3主「し、しない……です……」
7主「本当に? 嘘ついたら羊さん喚んじゃうよ?」
3主「しません! 絶対しません! 約束するから、だから……ヒック、ヒック……」7主「はいはい、わかったらいいよ♪ 冗談だから泣かないで、ね? ほら手もほどいたから」
3主「ふ、ふええぇぇん!」
7主「よしよしw すっかり震えちゃってるね〜。怖かった?」
3主「怖いに決まってるだろ! ひでえよ、俺、本気で……」


7主「でも次は本気で羊さんだよ?」
3主「!!」
7主「だからイイ子にならないと、ね……?」

6287×3 3/3:2009/05/20(水) 03:54:36
7主「――という方法で良ければ、僕が3主さんをしっかり更正してあげるよ?」

1主「ふぅ……。あのな、7主。こちらから相談した手前あれなんだが……

   そんなん許せるわきゃねぇだろぉがぁあ!!
   うちのご先祖になにさらす気じゃクソガキがブチ殺すぞワレぇあぁぁぁぁあああ!!!!!」
7主「うわちょっと1主さん落ち着いてなにこのステータス無視した攻撃力うぎゃああああああ!!!!」




3主「うるせーな、さっきからなに隣でゴチャゴチャやってんだ? 2chに集中できねえじゃねえか」カタカタカタ…





なんか急にご先祖を苛めたくなっちゃいました。
ガチじゃないので許してください。

629名無しの勇者:2009/05/20(水) 20:00:07
ご先祖のためなら最強を超えられる1主に萌え(´∀`)

630名無しの勇者:2009/05/21(木) 03:45:40
1主賢者タイム自重www

631名無しの勇者:2009/05/24(日) 03:26:13
「ふぅ……。」てとこはやっぱ賢者タイムなのかwww

泣いてる3主は萌えるな!

632名無しの勇者:2009/05/24(日) 10:08:13
以前本スレで、3主に羊さんの世話をさせようってネタがあったけど、
もしやその「お世話」ってそういう意味だったのか!?w

633名無しの勇者:2009/05/24(日) 16:18:16
>>632
ちょwおまw萌えるwww

634羊×3(エログロ?要注意!!)1/3:2009/05/24(日) 16:21:30
>>632
それならばと実際にやってみたら、なんかエログロになっちゃった……;
結構ハード?だと思うんで、要注意。




 青い空と緑の草原。爽やかな風が渡る牧場に、
 そこだけ不穏な空気に包まれた一角があります。

3主「いやあ!助けて!お願いやめて! やめ…あぁっ…!」
7主「でも3主さんだってやるって言ったでしょ?
   みんなで決めたことなんだし、頑張って羊さんたちの『お世話』してよ」3主「そ、そういう意味じゃな……あうっ、ああ…!」

 そこには足を広げられ、あられも無い格好で柵に拘束されている3主の姿がありました。
 白い裸体の数ヵ所から、小さなモーター音がしています。

7主「さすがに羊さんに細かい愛撫は難しいから、乳首と裏筋のローターは僕からのサービスだよw」
3主「やだよぉ、うっ、外してぇ…はうっ…あっあっ……!」
7主「じゃあまずこの子からね。おいでー」

 7主に呼ばれ、群れの中から1匹がにじり寄ってきました。
 目の前に突き出されている尻の割れ目を舐めたり匂いをかいだりしていましたが、
 やがておもむろに立ち上がり、そして……。

3主「ひぎぁ!痛い!あぐ!ひぁあ…! は…うぐぅ!」

 一気に貫かれ3主は泣き叫びますが、羊さんは気にもしません。
 容赦なく突きまくり、激しいピストンに柵ごとギシギシ揺れています。

3主「ああっはうっ…あっあっ…やぁあ!」

 もはやローター程度の刺激など吹っ飛び、最大まで押し広げられた穴はすぐに痙攣し始めました。
 あまりの激しさに、これが苦痛なのか快感なのかも定かではありません。

7主「どう3主さん、すごいでしょ。こっちの要望なんてお構い無しで犯されまくる感じで。
   これが獣姦の醍醐味ってやつなんだろうね〜。僕は死んでも御免だけどw」

 7主の言葉も耳に入りません。
 下半身に叩き付けられる感覚に、今にも意識が飛びそうです。

3主「ああっ……もうやめっ…お願……あぐっ…あっ……!」

 羊さんの営みがさらに激しさを増し、とうとう熱い液体が放出されました。
 人とは比べものにならないほど大量に注ぎ込まれ、内臓が圧迫されます。
 羊さんのソレが抜かれると、だらしなく拡がったままの後孔から溢れ出して、
 内股や足元の地面をべったりと濡らしました。

7主「よしよしすっきりしたねー。なに、そこらのメスより締まってて気持ち良かったって?」
3主「あ…あぅ……」
7主「じゃあこの調子で、他のみんなもどんどん『お世話』になっちゃおうねw」
3主「いやだ! もう許してぇ!!」
7主「でもこの子だけじゃ不公平だし。それじゃ僕、漁に行くから、
   あとはみんな仲良く順番に楽しんでね。夕方には迎えに来るから」
3主「行かなっ…行かないで! いやっ、助けて! いやぁぁあ!!」

635羊×3(エログロ?要注意!!)2/3:2009/05/24(日) 16:25:29
 7主が行ってしまうと、羊さんたちが一斉に群がってきました。
 どんなに泣いても懇願しても、羊さんたちにはまったく通用しません。

3主「もうやめてっ…! あうっ、苦し…!」

 次々に突き込まれ、大量に注ぎ込まれて、あっという間に胃まで満たされてきました。
 今や3主のお腹は妊娠したようにぽっこりと膨れています。

3主「あ…うそ、ダメ……いやっ、ダメぇ……うぐぇぇえ!」

 さらに何頭かに犯されたところで、ついに堪え切れず口から吐いてしまいました。
 鼻も口も生臭い匂いが広がり、余計に嘔吐感を促します。
 後ろから入れられた獣の精液を口から出してしまったということに、人としてのプライドは粉々です。

3主「だ、誰か…もう…殺して……あっあっ、はうぅ……!」

 何度も吐いて息も絶え絶えですが、羊さんたちは容赦なく責め立てます。
  ときどき間が空いても、ローターの刺激が戻って来るためちっとも休まりません。

3主「はうっ…あう……うぐっ……」

 狂った宴は本当に夕方まで続きました。
 やがて7主が戻って来ましたが、3主は柵に寄りかかったままぐったりしています。

7主「ただいま3主さん。今日はありがとね〜。大丈夫?」
3主「…あ…う……」
7主「おーい。あらま、すっかりおかしくなっちゃった? まあ当然かもだけど。
   とりあえず今きれいにしてあげるからね。まずこれで栓をしてと……」

 7主はプラグを取り出し、3主の後ろの口にズプリと差し込みました。
 かなり太いプラグでしたが、羊さんにめいっぱい拡腸されたためすんなり飲み込みます。

7主「ごめんね、こうしないと羊さんたちのが漏れてきて、洗ってもまた汚れちゃうから。
   じゃあちょっと冷たいけど我慢してねー」

 近くに羊さんの飲み水などを汲むための水道がありました。
 ホースを繋げて3主の身体を一気に洗浄します。

3主「ひ……!」

 急に冷たい水をかけられ、3主の身体は縮み上がりました。
 あそこもキュッと締まったので、7主が挿入したプラグはもう自力では抜けません。

7主「はいおしまい。さすがに疲れたろうから、今日はこの近くの納屋に泊まりなよ。
   羊さんたちにたっぷり飲まされたみたいだし、ご飯いらないでしょ?」

 そう言いつつ、7主は3主から拘束具やローターを外し、羊毛で編んだ柔らかい布でくるみました。
 そしてその上から拘束用のベルトでグルグルにしばってしまいました。
 す巻き状態の3主をひょいっと抱えて納屋に運び、ワラの山の上に転がします。

7主「今日はご苦労様でした! じゃあゆっくり寝てね。明日もまたお願いね♪」
3主「う…ぅ…」

 こうしてその日の仕事は終わりました。
 羊さんの『お世話』はその後数日間も続き、帰ってきた3主は「ヒツジ」の一言だけで何でも言うことを聞く、
 たいへん素直ないい子に変わっていました。

636羊×3(エログロ?要注意!!)3/3:2009/05/24(日) 16:28:59
7主「――とまあ、実際にやったらこんな感じだね。
   青姦、獣姦、輪姦、ある意味放置プレイも入ってるかな?」
1主「ふぅ……。あのな7主、つい興味が沸いてこちらから聞いたのにあれだが……

   そんなんじゃ更正どころか廃人確定じゃぁあ!!!
   この変態サドガキがてめえが羊に輪姦されとけやボケぇぇええ!!!!!」
7主「うわ待って1主さん聞いてちょっと脚色したけど実はうぎゃああああ!!!」


3主「うるせぇぇ!! さっきから聞いてりゃ人を肴になんつう会話してやがんだ!」
1主「あ、ご先祖! 大丈夫だ、今すぐこのエロガキ成敗するから!」
3主「当たり前だ、勝手なことばっかほざきやがって!
   この俺が、たかが10頭や20頭の畜生を相手にしたくらいで人格崩壊するか!」
1主「…………………え?」
3主「そりゃ最初はちょっとビビったけど、慣れたら病み付きになったくらいだぞ。
   なあ7主、今日もいいだろ? 昨日からプラグ入れっぱなしでウズウズしてんだけど」
7主「いやあの、羊さんにも体力の限界っていうのがあるから……。
   こう毎日だと本業にも差しつかえるし」
3主「ええ〜!? 我慢できねーよ!
   あの無理矢理プラグむしり取られるところからの乱暴なスタートとか、
   昨日の羊さんのアレがドロっと出てきて、興奮した羊さんがまたムチャクチャに突いてきて、
   これでもかって熱いのが注ぎ込まれると、もうワケわかんなくなっちゃうのとか……!
   確かに腹一杯になって吐く時はちょっと苦しいし気持ち悪いけど、
   あの人間やめたくなるような屈辱感とか、それでも快楽感じちゃってる背徳感とか、
   ああんもう、思い出すだけでゾクゾクしちゃうのにぃ!」
1主「そ、そんな……うちのご先祖がこんな変態に……」
3主「ほら早く7主、今すぐ牧場に行こう! 別にここに喚んでもいいぞ!」
7主「いやだから今日の『お世話』ナシだよ。ってかどっちのお世話かわかんなくなってきたよ。
   3主さんだってまともなご飯も食べないと身体に悪いし、もうやめた方がいいよ?」
3主「んだとコラ! 誰が俺をこんな身体にしたんだ、ああ?
   いいから喚べよ。もちろん一匹でも途中でご奉仕がおろそかになったら、
   全匹かっさばいてジンギスカンにしてやるけどな!」
7主「ひぃぃ! 羊さん食べないで〜!」
3主「それとも7主が相手してくれんのか、羊さん数十頭分」
7主「無理だよ! たとえ5主さんだって死んじゃうよ!
   まさかこんなことになるなんて……。ねえ1主さんなんとかしてよ!」
1主「あは…あはは……ご先祖が……変態に……」
7主「ああ、1主さんが廃人になってるし!」
3主「おい7主! 早く羊さん喚べ! 羊さんー!」
7主「誰かこの変態勇者なんとかしてぇぇ! このままじゃ羊さん全滅しちゃうよ〜!!」

637名無しの勇者:2009/05/24(日) 20:52:20
>>634-636
(´д`*)ハァハァ
(´д`*)リンカーンハァハァ
なかなか見れないジャンルだったから楽しませてもらったよ!
お腹いっぱい満足しますた!

638「体格」:1+4+α:2009/05/25(月) 01:40:54
本家からネタをお借りしました。匂い薄めです...

 7主「うわっ」
 よろけた7主を支えたのは、家から出てきた1主だった。
 「大丈夫?」
 「あ、はい、ありがとう1主さん...どうしました?」
 支えてくれる1主の顔を見上げると、怪訝そうな顔をしている。
 「7主さん、大丈夫?」
 ばたばたと走りよってきたのは8主と4主だった。
 「また喧嘩してたのか、お前ら」
 一種と一緒に出てきた3主が呆れたように二人を見ると、二人は互いにそっぽを向いている
 「1主?」
 視線を戻し、7主を見ようとした3主も、駆け寄ってきた8主も4主もそこで1主が7主を支えたまま怪訝そうな顔をしていることに気づいた。
 「どうした?」
 「あ、ごめん。7主。4主、ちょっと来て」
 4主が問いかけると、1主は7主を起こした後、4主を手招く。
 思わず7主の顔が引きつり、慌てて3主のほうに駆け寄る。4主はそんな7主の行動に気づいたが、何時ものことなので何も言わず1主の言葉に従った。後ろでは8主も首をかしげている。
 「なんだ?」
 「いや、ちょっと確かめたいことがあって。いいか?」
 「確かめたいこと、ですか?」
 1主の問いに答えたのは問われた4主ではなく8主だった。4主は先ほどの1主と同じような顔をしているが、戸惑いながら頷いた。
 すると、1主はかがんで、4主の膝裏に手を差し入れた。
 「うわっ!?」
 「1主?」 
 「「1主さん?」」
 何時もローラ姫を抱えているからか、驚いて身を強張らせた4主をいとも簡単に抱き上げる。
 いわゆる、お姫様抱っこというその行動に、見ている全員が固まった。
 「う〜ん。やっぱり」
 1主だけが、うんうんと頷いている。
 「1主?」
 何時も悪ふざけをする6、7、8や、5、3などと違い、真面目な1主の取った行動に、4主は固まった首を無理やり見下ろしてくる相手に向ける。
 「な...」
 「な?」
 答えようとした1主は、地獄の其処から響いてくるようなおどろおどろしい声に前方に意識を向けた。
 そこには、真っ黒に近い紫色をまとった8主。何時もの見た目だけの穏やかさをかなぐり捨てている。
 その瘴気の濃さに他のものたちも正気に返った。
 「な、ナにやってるんですかぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 あたり一面に響き渡る怒声に、宿舎の中でくつろいでいた5主、6主も顔を出している。
 「なにって、体重量った」
 「「「「「「は?」」」」」」
 怒り狂っている8主にちょっと腰を引きながら、1主は抱き上げた4主を見下ろし、答えた。

639「体格2」:1+4+α:2009/05/25(月) 01:42:38
 「...なんでだコラ?」
 4主の額に皺がよるが、1主は気にせず答えてくる。
 「いや、さっき7主支えただろ?そんとき思ったんだけど」
 「なにが!?」
 「以前、抱えた4主と殆ど変わらないなあって。それで確認した」
 「抱えたっていつだい?」
 「4主とはじめてあった時」
 「そーいえば、はじめてあった時、「今までともに旅をすると言うと俺が運ぶものだった」とかいって抱き上げたな、お前...つーか、降ろせっ!」
 いい加減耐え難いのか、怒鳴る4主に1主は素直に従い、ゆっくり降ろした。
 「流石にローラ姫のほうが軽いが、お前、殆ど代わらないぞ?メシ食ってるか?」
 普通に考えたら、1主は心配して言ってくれている、というのは分かる。
 主人公達の中でも長身に含まれる4主と一番小柄な7主の体重が同じぐらいで、尚且つ7主は太っているわけではない。常識的には、4主がかなりやせているのでは、ということが結果として出る。
 「...(ーー#)」
 「ひぃっっっっ!!」
 「「「「ぷっ」」」」
 本人が気にしていることをずばりと指摘してくる1主に、4主の眉は顰められ、7主は3主の後ろに隠れ、3主、5主、6主、8主は素直に噴出した。
 「あははははははっ!1主さんナイスっ!」
 「ぷっくくくくくっ流石俺の子孫。着眼点最高っ!」
 「確かに4主ほっせぇもんなぁ。しかも其れをダブダブの服であざとく隠してるしっ」
 「く、くくくくくくっ。わ、悪いよ。彼は親切で言っているんだから。ね...あれ?」
 「おや?なんか魔法使ったような疲労感が急に...」
 「あれ?本当ですね?これってもしかして...」
 「って、7主居ないぞ?いつの間に!?」
 「あ、なんか遠くに羊の群れらしきものが遠ざかっていくのが見える」
 「うん。流石戦闘力ピカ1。とっさの判断が素晴らしいよね。ところで、パパ、この感覚覚えあるんだけど」
 状況がいまいち分からない1主を含めた全員が視線を上げると、其処には両手に魔力を宿らせた緑髪の魔王が光臨していた。
 「...いっぺん死んで来いっ!お前らぁぁぁぁぁぁっっ!ミナデインッ!!!」
 「「「「「ぬわーーーーーーーっ!!?」」」」」



 「ただいまー。あれ?」
 「おう、おかえり。ロンダルキアはどうだった?」
 「サマルがまた棺桶入ったんで帰ってきたぞっ」
 「...おつかれさん。今、なんか美味いものでも作ってやる」
 「おおっ!4主の飯美味いから好きだぞっ!あ、そだ。表に炭が転がってたけど、なんだあれ?」
 「...ああ、あれはほうっておいていい。ただのごみだ。後で回収しておくから」
 「そうなんだ。5つも転がってたぞー。ご飯食べたら俺も手伝うぞっ!」
 「ありがとう。2主はいい奴だな...アノデリカシーノナイヤツラトチガッテ」
 「おうっ!」

640名無しの勇者:2009/05/26(火) 20:49:08
>>638
2主に和んだwww

641名無しの勇者:2009/05/27(水) 00:18:44
姫抱っこは正義
そういやいきなり抱きかかえるネタあったなw

642名無しの勇者:2009/05/28(木) 15:14:15
羊さんと3主、たまたま本スレ25見たら、
「3主さんより羊さんの方が大事」
「俺が羊の餌になる方が現実的なのか」
みたいな会話しててドキドキしたw

643彼にとっての…1/3:2009/05/29(金) 01:42:16
638を投稿した者です。
>>640さま
>>641さま
つたない作品にお返事ありがとうございました。
それに励まされ、相変わらず匂い薄めながらも投稿させていただきます。

 緑豊かな平和な村。
 道行く人々はみな顔見知りで、歩いているといきなり剣だの魔法だので襲い掛かってくるお茶目な人が多いが、それでも時間はゆったりと流れていた。
 「いつまでも一緒に…」
 幼馴染の少女が微笑む。頷き、差し伸べられた手を取ろうとした瞬間、背後から爆発音が響いた。
 自分の手を取って走る師匠。薄暗い地下室の埃の匂い。そして、捕まれた手の暖かさと、目の前で己の姿を写し取る少女。
 まって、と手を伸ばそうとした少女は、もう一つの呪文を唱えた。
 それは、一時の強制の眠りをもたらすもの。
 伸ばされたては、少女に届かぬまま闇に包まれた。
 「……っ!」
 手を伸ばしたポーズのまま、起き上がり、そこではじめて其れが夢だと気づく。
 額に張り付く髪を書き上げ、窓の外を見ると、淡い月の光が窓から差し込んでくる。
 「…夢…か」
 首を軽く振るが、不快感は消えてくれない。
 暫く考え、4主はベッドから床に足を下ろした。



 幸い、意外と広い宿舎は、夜にシャワーを浴びても、誰の迷惑にもならない。
 お湯ではなく水を浴びると、意識がはっきりとしてくる。
 流れる水を拾うかのように広げた掌は、農業をやっているにしては日焼けせず、青白い。
 かって、この手は真っ赤だった。失われたものを取り戻すことなど出来ないとわかっていながら、ただひたすら、あの時、眠りの中で聞いた名前にたどり着くため、モンスターを屠り続けた。
 如何して村が襲われたのか、如何して自分が狙われたなのかなど、父や母の言葉だけではよく分からず、ただひたすらに力を求めた。
 戦いから離れたいまでも、命を奪う感触も、命を失う感触も、この手には残っている。
 壁に縋るように寄りかかる。
 己の口を塞いだ手から、水音にかき消されてしまうような小さな嗚咽が漏れた。

644彼にとっての…2/3:2009/05/29(金) 01:43:19
 水を取りにキッチンに向かうと、其処には先客がいた。
 キッチンから続くバルコニーに、月を見上げる影が二つ。
 「3主、5主…」
 声に気づいたように二人は振り返った。5主がにっこり笑って手招く。
 その手に導かれるようにバルコニーに出ると、3主が手をひらひらと振ってくる。
 「5主、帰らなかったのか?」
 生活の主体を此処においている3主と違い、国に家族がいる5主は、イベント以外は殆ど自宅に帰っている。その彼が夜、ここにいるのは珍しい。
 「一度帰ったんだけど、良いお酒が手に入ってね」
 5主が指差した大きな瓶には、透明な液体がかすかに揺れる。
 台所を管理している自分が見たことがないものだから、言葉どおり持ってきたものなのだろう。
 「そうしたら、見事な月夜で、ついね」
 5主の言葉に3主が頷き、4主に席を進めた。ちょうど二人の真ん中を指差され、一瞬躊躇うものの、再度促されて従う。
 手渡されたのはグラスではなく湯のみ。鼻を近づけると、アルコールの匂いのほかに、この前下ろしたばかりのお茶の匂いがする。
 「お茶割り。美味いよ?」
 促されるまま一口含むと、さわやかな緑茶の香りが口内に広がる。
 好みの味にもう一口飲むと、3主も5主も笑っている。
 「…芋焼酎?」
 「そう。嫌い?」
 5主の言葉に小さく首を横に振り、もう一口飲む。
 癖がある酒を緑茶のさわやかさが緩和している。好みの味だな、などと考えていると、3主が嬉しそうに笑った。
 思わず視線で問いかけると、3主は湯飲みを置き、4主の額を指出す。
 「いや、そーゆー笑い、久々だなって」
 その言葉に湯飲みを見下ろすが、自分の表情は見えない。首をかしげて5主を見ると、5主も微笑んでいる。
 その穏やかな微笑みは父親の笑みを思い出させた。すると、3主の方から手が伸び、酒が更に注がれる。
 「ほら、飲め飲め。今飲まないと、他の奴らに飲みつくされちまうぞ?」
 二人に促されるまま、湯飲みを傾ける。
 どこまで気づかれているのかは分からない。ただ、この二人がここにいて、自分を待っていたのだけは確かだろう。
 だって、湯飲みは三つある。
 4主は頬を綻ばせた。
 自分は一人になってしまった。だけど、此処には仲間がいる。失われた命ではないけど、それでも掛替えのない仲間が。ここだけではなく、自分の世界にも。
 こうやって、夜中に起き出して一緒に月見を楽しんでくれる仲間が。
 穏やかで静かな月夜の酒宴は月が沈むまで続けられた。

645彼にとっての…3/3:2009/05/29(金) 01:44:01
 「おっはよーって、5主だ、珍しいな!あ、遠いほうのご先祖も起きてるー」
 「おーう」
 「…おはよう」
 元気良く飛び出してきた2主は、ダイニングテーブルに突っ伏している5主を覗き込んだ。
 横では、3主が頭を抱えている。
 掠れた声でもきちんと聞き取ったのか、2主は元気良く返事を返してくる。その大きな声は、容赦なく二日酔いの頭に響く。
 のた打ち回る二人には気づかず、キッチンから香ってくる良い匂いにつられ、2主はキッチンを覗き込んだ。
 「おっはよー。4主」
 「ん。おはよう。顔洗ってきたか?」
 「うん!ねえねえ、4主、それ、何のスープ?」
 くんくんと良い匂いに鼻を鳴らしながらキッチンに入ってきた2主は、4主がかき混ぜている鍋を覗き込んだ。
 「ああ、味噌汁だ」
 「ミソシル?」
 聞いたことがない名前に2主が首を傾げる。
 4主は小皿を取り、スープを少しだけ入れて味を見ている。そして、2主のために、もう一度小皿に少しだけスープを入れた。
 「味見てくれ。熱いからちゃんと冷ませよ?」
 「うんっ…あ、うまいっ♪」
 途端に上機嫌になる2主から、4主は小皿を受け取った。
 「そうか。2主、スープ皿出してくれるか?」
 「ああっ!俺手伝うッ!…あれ?」
 食器棚に向かおうとした2主が振り返る。4主も釣られたように其方を向くと、2主が此方を覗き込んでいた。
 「どうした?」
 じーーと凝視され、少々居心地悪そうに鍋に視線を戻すと、2主が更に覗き込んでくる。
 「2主?」
 「めずらしいぞ?」
 心底珍しそうな声に顔を上げると、嬉しそうな2主の顔が飛び込んでくる。
 「?」
 「4主、笑ってる。なんかいいことあったか?」
 無邪気な問いかけに4主は、今度こそ鍋に視線を戻し、食器棚を指差した。
 「…そうだな。とりあえず、皿を出してくれ。今日は5主の分もだぞ?」
 「あ、はーい」
 慌てて食器棚に向かう2主を視線だけで追い、4主は再び微笑んだ。



おまけ
 「うっわ、1主さん5主さんお酒臭いっ!」
 「ほんとだ。大丈夫か?二人とも」
 「オジさん二人で酒盛りなんていやらしー」
 「見事に潰れてんなー」
 「大丈夫?」
 「…二本も飲みつくすとは恐れ入った」
 「だなぁ。ワクとは思わなかったよ、パパ」
 「ワクってなんだ?」
 「2主。よそ見するとスープが零れる」

646名無しの勇者:2009/05/30(土) 22:12:36
いいなあ、みんな仲良くて和みます
2主かわいいよ2主

647「ムヒョウジョウ」1/4:2009/05/31(日) 01:02:57
調子にのって第三弾。
前二つよりは匂い濃い目……が、エロなしです。
ピュアピュア視点ですので……。

 カリカリとペンの音が響く。先ほど行った簡易テストの採点をしている4主を2主はじっと眺めていた。
 ここはDQ主人公たちが集まる宿舎。2主はロンダルキアから時々ここに訪れ、遊んだり食べたり、そして現在は4主に勉強を教えてもらっっている。
 『なんで、みんな4主のことムヒョウジョウだっていうんだろう?』
 2主は首をかしげた。仲間たちはみんな4主のムヒョウジョウだっていう。ムヒョウジョウって何だ、と4主に聞いたら、表情がないことだって教えてくれた。
 『そんなことないのに…』
 さらさらと滑るペンを持つ手が止まり、小さく目を伏せる。あれは、困った顔。多分問題が間違っていたのだろう。
 2主は申し訳なくて、小さくなる。
 だって、2主はずっと4主に勉強を教えてもらっているのに、4主は今もたまにあんな顔をする。
 再びさらさらとペンの音がする。そして、今度は鋭い眼差しがかすかに緩む。これは、笑み。
 多分問題があっていたのだろう。手が丸の形を描いたから間違いない。
 2主はうれしくなった。4主はぜんぜんムヒョウジョウじゃない。いつだっていろんな表情を浮かべている。
 再びさらさらと手が滑り出す。かすかに俯いて採点する4主の顔は真剣だと誰が見たってわかる。
 手が止まり、ぱちりと瞬き。それからまたさらさらという音。
 『マツゲ長いなあ…目もキレイだな』
 4主はどこを見てもキレイだ。それを行ったら、3主、1主、5主に笑われた。
 農業をしながらもあまり焼けない白い肌も、森の色の髪の毛も、紫の目もキレイだといったらまた笑われる。
 『あれはカッコいいっていうんだよ』
 『もしくはイケメンだな』
 1主の言葉に大きくうなずく。3主の言葉はわからなかったけど、同じ意味かなと思ったので同じくうなずいた。
 でも、カッコいいのは1主も3主も5主もだ。
 4主は違う気がするといったら、今度は5主も笑う。
 『確かにキレイだね』
 キャシャダシセハタカイケドホソイシカオハトトノッテルシメツキワルイケド。
 三人の言葉が全部わかったわけじゃないけど、4主がキレイだって思っているのは分かったので嬉しくなった。
 特に目がキレイだと思う。ロンダルギアでは見れない色で、どっかで見た色だ。
 「…2主?」
 声に驚いたように顔を上げると、目の前に4主の顔があった。
 突然に驚いてのけぞると椅子が傾く。
 「うわっ!?」
 「ととっ…大丈夫か?」
 転んだと思ったそのとき、伸びてきた手が体を支えてくれる。思わず手を見て、それから4主を見た。
 4主は手が長く、背も高い。でも、腕自体は俺より細いのにとても力持ちだ。
 「ありがとう!」
 「どういたしまして」
 お礼を言うと、また目が緩む。笑ってくれたのが分かったので嬉しくて笑い返した。

648「ムヒョウジョウ」2/4:2009/05/31(日) 01:04:11
 「で、どうした?」
 体を起こし、元通り座ると聞こえてきた4主の声。
 「何が?」
 4主をじぃっと見ると、4主が「それだ」といった。
 「いつの間にか、テストじゃなくて俺を見てる。顔になんかついてるか?」
 4主の手が自分の頬を撫でる。現役の戦士ではないとはいえ、剣の稽古を欠かしてないはずの4主の手は、剣だこが目立たなくて、白くて長くてキレイ。
 『うん、またキレイなとこ見つけた』
 「2主?」
 再び4主の声。あわてて2主は首を振った。
 「ごめん、何もついてない。ただ」
 「ただ?」
 4主の視線が向けられ、なぜか恥ずかしくなって2主は俯いた。しかし、すぐに顔を上げる。
 『人と会話するときは相手の目を見ること』
 これは親から教わったこと。4主にいったらほめてくれた。
 「キレイだと思った」
 「は?」
 怪訝そうな声。4主は目を見開いている。
 『あ、この顔はキレイじゃなくてカワイイ』
 「4主の目、キレイだなあ、って思ったんだ」
 まっすぐ目を見て言うと、4主は再び瞬き、それからついっと視線をそらした。
 「そりゃ、どうも…」
 「4主?」
 視線を合わせてくれない4主を見ると、手のひらで顔を覆っている。キレイな顔も目もほとんど手のひらで覆われてしまっている。
 ちょっとだけのぞいた耳はとっても赤い。
 『これじゃあ、4主の目が見れない』
 ちょっとむっとして、手を引っ張ろうとしたら、4主は自分で手のひらをどけてくれた。
 「いったいなんなんだ…」
 ちょっと疲れた声。これは問題がまったくできなかったときの声と同じ。がっかりさせたのかと考えていると、4主は小さく口の端を上げる。
 これも笑い。でもあんまり見たことないものだ。
 「4主?どうしたの?」
 「いや…ほめてくれてありがとうな?」
 顔をあげると4主はいつもの顔。でも目元がちょっとやわらかいのでまた嬉しくなった。
 「うんっ!あ、そーだっ!」
 勢いよく顔を上げた俺に4主がちょっとのけぞる。
 「どうしたんだ?」
 「ねえ、4主の目の色ってどうやって書くんだっ!?」
 ちょうど今やっていたのは漢字のテスト。せっかくなので聞いてみた。漢字教わったら、どこで見た色か分かるかもしれないし。

649「ムヒョウジョウ」3/4:2009/05/31(日) 01:05:22
 「目の色?う〜ん」
 しばし考え、テストではなく、横に置いてあったメモに4主は書いてくれた。
 差し出されたメモを見たが…。
 「いと….分からない」
 がっくりうなだれると、4主の手が帽子を取っていた俺の頭に載せられる。なでなでは嬉しいが、それより目の色の名前を知りたい。
 4主はメモを再び取り、下におっきくひらがなを書いてくれた。
 「し、あん?いとじゃないのか?」
 「ああ。この先の字がムラサキで、シと読む。次がヤミでアンと読む。で、紫闇(シアン)というらしい。昔仲間が言ってた」
 「仲間?」
 なんで自分の目の色なのに仲間に聞いたんだろう?とりあえず分からないことは聞いてみる、を試すと4主はまた口を小さく上に上げる。
 「色の名前は沢山あるんだ。だから、俺もよく知らなかったんだよ。ああ、ちなみに」
 再びメモにさらさらと漢字を書き、その上にひらがなを書いてくれた。
 「こんぺき?」
 「そう。これがお前の目の色。紺碧(コンペキ)。黒みを帯びた紺色って意味だ。この先の字が紺色のコン、碧ってのはアオ、だな。この名前がついた石があって、聖なる石ともいわれてるんだぞ。とても、キレイな色だな」
 4主の言葉に、顔が熱くなる。なんだろう?褒められたから嬉しいんだろうか?
 「4主のは?」
 尋ねると、4主はまた頭を撫でてくる。今度はちょっとおざなりだ。
 「今いったぞ?紫は分かるな?闇は暗闇とか、あー、つまり、真っ暗ってことだな」
 再び口の端が上がる。伏せられた目はキレイな目の色が隠れてしまうのでちょっといやだ。この表情もキレイだけど、なんか嫌だ。
 だから俺はあわてて4主の服を引っ張った。
 「違うぞ?4主真っ暗じゃないぞっ!」
 かがんでくれた4主の目が再び瞬く。その色を見て、その後ろに見える窓を見てやっと俺はその色をどこで見たか思い出した。
 「4主の目の色、あれだっ!!」
 服を引っ張った腕で、4主を窓のほうに向かせる。窓から見えるのは、夕日が沈むところ。空が淡い紫に染まるその光景が、2主は好きだ。
 「この色だっ!真っ暗じゃないっ!」
 さっきの顔はやめてほしい。口は笑っているのに泣きそうな顔は、2主も一緒に泣きたくなってしまう。
 「2主、痛い…」
 「え?あ、ゴメンっ」
 躊躇いながら告げられた言葉に、2主はあわてて手を離す。それでなくても自分の力がとても強いのは知っている。
 こんなことで4主を怪我させるのは嫌だ。
 あわてて手を離す2主が顔を上げると、再び目を緩めた4主の顔。2主が一番好きな顔だ。
 「…ありがとう、な」
 「どーいたしましてだぞっ!」

650「ムヒョウジョウ」4/4:2009/05/31(日) 01:08:09
 勢いよく手を挙げ、笑うと4主はもう一度頭を撫で、立ち上がった。
 「さて、そろそろ終わりだ。今日は何食べたい?」
 「4主が食事当番かっ!俺、ハンバーグが食べたいぞ」
 「了解っと♪」
 楽しげな声が廊下に響く。
 『こんど、ムヒョウジョウっていってたらいってやろう』
 2主は笑う。4主はとっても表情が豊かだ。自分にはいつも笑ってくれるのだと。
 『あ、でもやっぱりやめた』
 だって、みんながムヒョウジョウだというのなら、これは2主しか知らないことなのだ。だったら秘密にしておきたい。
 『だって、4主の笑みはとってもキレイだから』
 だからこれは、自分だけの秘密。

※紫闇:造語です。こんな色の名前はありません。多分(−−;
一応、続きではないですが、残り3、5、6、7、8と続く予定です。

651名無しの勇者:2009/05/31(日) 08:29:57
2主かわえええ萌える
連作楽しみにしてます!

652名無しの勇者:2009/05/31(日) 20:54:26
イイヨーイイヨー
24萌えにはたまらんです。

653名無しの勇者:2009/05/31(日) 22:32:47
うわぁぁぁぁ。「体格」以外の組み合わせ書くの忘れてましたっ!
ちなみに、以下のようになりますm(_ _)m
「体格」:1+4+α
「彼にとっての…」3→4←5
「ムヒョウジョウ」:24

ではでは、3を投稿します。5は、たぶん来週……。

654過去と今と…… 3→4 1/4:2009/05/31(日) 22:36:04
本家からネタをお借りしました。匂い相変わらず薄めです……。

 魔王を倒した後の感想は、ただ、終わった、だった。
 もちろん達成感もあった。英雄扱いも嫌じゃない。だけど、本当に褒めてほしかった人の手はもう届かないから。
 空を見上げると、きれいな青空。あれを取り戻したのが自分たちという誇りもあるが、それでも、その空の向こうにいるはずの母と祖父、そして神竜の力で復活したであろう父にはもう会えない。
 後悔はしていないが、少し残念だ。
 とりあえず、一ヶ月はのんびりすごした。それから、旅が好きだった仲間はひとり、また一人と旅立っていき、最後に3主が残った。
 仲間たちから定期的に連絡が来るから心配はしてない。だけど、しばらく旅はしたくなかった。
 毎日ぐうたら寝転び、たまに町を散歩する。
 宿代を使い尽くすのもあれなので、小さな一軒家を購入した。ご飯もまあ簡単なものは作れるので大丈夫。
 そうして半年が過ぎ、なんとなく悟らざるを得なかった。もう帰れないのだと。
 後悔はしてない。別れは済ましてきた。一生あえなくても、死んだわけじゃない。そんなこと考えながらふらふらと過ごしていたら、いつの間にか「ニート」といわれた。
 失礼な。別に他人に迷惑かけてないぞ?確かに勇者なんて知られてないけどさ。
 で、やけになって「俺はニート達が幸せに暮らせる国を探す!」なんて冗談でご近所にいって旅に出て…穴に落っこちた。
 しばらく歩いて、出会ったのは紫色のターバンを巻いた男。元戦士の僧侶だと思った。体格いいし。
 しばらく話していると、「勇者」の息子がいるというちょっと変な話。出身国も聞いたことがない国だったので変だなあと歩いていたらはぐれた。
 で、もうしばらく歩いてみると広場について、今度は俺に似た鎧を着てるやつらに会った。
 話してみると、どうも、この二人は俺の子孫らしい。
 変なとこ来ちゃったなーと考えてたら、旅の扉みたいな渦が音を立てる。今までの経験上、また俺の子孫かそれとも先祖かなとか考えていたら、現れたのは一人の男。
 服装はまともだが、俺たちとは違う深い緑色の髪。賢者の髪色も緑だが、それよりずっと深い、森の奥のような深い色。
 最初の二人は俺に似てるかな、と思うが、この男はまったく似てない。
 だけど、どことなく親近感を感じる。なぜだ?まったく似てないのに。
 「そうか、こういう人をびじゅある系って言うんだな」
 2主の声が聞こえてじっくり眺めてみると、確かにひどく整った顔をしている。だけど、それが目に入らないほど、印象的な事があった。そう、多分違うといいながら、否定できないほどの共通点が、男と俺にはあった。
 それは眼差し。正確には、少し前の俺。何かを諦めてしまったような悲しい色の目。
 二人の問いかけにも、言葉少なく答えていた青年は、なんとなく興味を引いた。
 しばらくして、さっきちょっと話した男やら今度は真っ青な髪のでも顔は町人A、ちびっちゃいの、そして、最後にさわやかな笑顔の町人Bが来た。
 いつの間にか、俺にそっくりな女や例の緑色の髪の男に似た女まで現れて、あっという間ににぎやかになり、俺は久しぶりに声を上げて笑った。
 最後に現れた男がこの宿屋を自由に使って良いってんで、早速個室ゲットのために走り出した俺は、途中であの緑色の男が来ないことに気づいた。
 とりあえず部屋を確保してから窓から外をみて、木の影に腰掛けた緑色と、その横に立つバンダナに声をかける。
 慌てて部屋確保に走ってくるやつらの最後尾に、鮮やかなバンダナの後ろから見える深緑。
 俺はほっとして、飯を作るために台所に向かった。

655過去と今と…… 3→4 2/4:2009/05/31(日) 22:39:46
 だけどさ。がんばったら未来にそれなりのご褒美を望むぐらいはいいだろう?
 栄誉だの金だのでもいいけど、やっぱり欲しいのは、大切な人の笑顔。
 少なくとも、生き別れだろうが、俺は家の神さんにいって、一度だけ家族の笑顔をみた。村の人や、旅で出会った人たちの幸せな姿を。
 俺に会えないことを嘆いていたが、それでも俺は無事だと知って笑ってくれた。
 1主は妻に出会えた。5主は奴隷だったが奥さん二人もゲットして、子供までいる。6主も7主も両親健在だし、8主なんて、幼馴染の姫さんゲットだ。
 親がいないとか、家族がいないとか、大切な人と別れたとか、一から十まで幸せって奴はいないが、それでも幸せに終わる。
 だけど、4主は…村を全滅させられ、親は神に殺されたり監禁され、すべてが終わっても誰も待っていない村に一人で帰るだと?
 仲間も別れて…どこに救いがある?頑張った褒美は絶望なんてそんなのありかっ!?
 それどころか、後のリメイクで敵すら救わねばならず、望んだこと何一つかなわねぇってそんなのありかよっ!!
 俺はその資料をつかんで、自分の世界に戻り、ルビスに訴えた。
 だって、4主は、何ももらってない。仲間たちの笑顔だけ、世界の笑顔だけ。だけど、そこには自分が守りたかったものがないなんて。仇すら討てないなんて。」
 これじゃあ、神様の体のいい操り人形じゃねぇかっ!
 俺の言葉に、ルビスは悲しげに目を伏せた。
 「神といえど、理を曲げることはできません。寿命だけでなく、捕食によって失われた命。核を失った体などは私たちですら蘇らせることはできません」
 「カミサマならそれぐらいどうにかしろよっ!……だって、4主は勇者なんて称号まったく欲しがってないじゃねぇかっ!なのに、世界何って抽象的なものしか結果が残らないなんて変だろうっ!?討つべき敵の心すら救うような勇者の大切な村人ぐらい、生き返らせてやってもいいじゃねぇか!!全員とは言わねぇから、大切な幼馴染一人ぐらい、カミサマなら何とかなるだろうがっ!」
 俺の知る4主は、とりあえず短気以外の欠点が見つからない。剣にも魔法にも優れ、人の目をひきつける存在感とカリスマ性。
 それこそ、大国の王様だって4主と並ぶと霞む。だけど、そんなあいつがすべてが終わってしていることは、生まれた村で専業農家。
 そんなことに満足しているような人物が栄誉や称号なんて望むわけねぇだろうっ!?
 少なくとも、俺の旅は大変だった。他の奴らだって。あんな苦しい思いして頑張ってこれが結末かっ!?
 「あなたも、完璧な結末ではないでしょう?相変わらず、優しいのですね」
 そんな言葉は嬉しくない。だって、そんな言葉で心なんて救われない。俺の心なんて救っても仕方がない。救いたいのは、もう、何も望まなくなった大切な仲間の心。あの凍りついた心をどうにかしたいのに……勇者なんて何も出来ない。
 俺は、資料を握り締め、蹲るしかなかった。

656過去と今と…… 3→4 3/4:2009/05/31(日) 22:41:12
 結局俺は帰るしかなかった。ルビスに八つ当たりなんて自己満足でしかないそれに、気分が落ち込む。
 結末は変えられない。俺たちは勇者だけど人だから。カミサマじゃないから。いや、カミサマでも無理だって分かった。
 なんとなく、あの場所はそのために用意されたような気がした。
 4主だけじゃない。俺たちは、同じ立場の人間があまりいない。友も仲間もいるけど、それでもときより押し寄せる孤独感は仲間ですら分かち合えないことがある。
 そんな、俺たちのためののんびり休める場所。
 「っしゃっ!俺はやるぞっ!」
 誰もいない森の中、王者の剣を振り上げて誓う。
 これは気合入れ。俺はこれから皆と一緒に幸せになってやる。あの、終わった直後の俺のような4主の表情を変えてやる。
 過去は無理でも未来は何とかなるはずだ。それが、俺の持論。



 「とはいえ、どうすっかなー?」
 机に突っ伏した。机にはヤフって集めた情報だけじゃなく、しばらく観察したものをまとめたノートも散らばってる。
 「あいつ、なんか悟り開いてねーかぁ」
 趣味、料理(シンシアのため)、読書(ジャンル無視。推理小説から数学書哲学書なんでもござれ)。職業農業。ファッション興味なし。女シンシア以外興味なし。無表情。
 そんな単語が並んだノートを見てため息をつく。
 しばらく観察した結果。未来を明るく、というのはとても難しいという結論に達した。
 手っ取り早く、女だろうと話題を振ってみれば、虚空を見上げてトリップする。
 趣味は、と聞けば料理という地味なこと。あと、ピサロいじめっちう怖い答えもあったが。
 晴耕雨読の生活ってどっかの坊さんかっ!
 どれも明るい未来にはぜんぜん結びつかない。
 「見てくれは良いくせに〜」
 女にモテナイ俺からすれば、買い物に町に下りるたび、町中の女の視線を集めるその造作を無駄にしくさっているのは腹立たしいことこの上ない。
 「まあ、2主には優しいが」
 良いことのひとつは、2主への教師だろう。もともと面倒見が良いのか良く面倒を見ている。
 純粋純朴な彼の相手は、それなりに心を和ますのか、ぶっちょう面が少し緩む瞬間が増えてきた。
 「これも、いいことかなあ?」
 めくったノートのページには、ここ数日の4主と8主のやり取り、というか戦績。
 「最初は和やかだったくせに〜」
 なんとなく生い立ちが似ている二人は、もしかしたら仲良くなるかもと見守っていたら、なぜか犬猿というか鳥竜の仲に。
 「4主が最初に嫌ったんだろうけどさあ、8主も煽りまくるし」
 4主の竜種嫌いは有名だ。経緯を考えたら仕方ないとは思うが、半分竜なのは、8主のせいではない。
 しかも、8主がその4主をからかいまくるので、彼らがそろった状態で喧嘩を見ない日はまったくない。
 それでも、無表情から怒りへジョブチェンジするようになっただけでも進歩ではあるのだが。
 「あとは協力者、か」
 4主をそれとなく観察してて気づいたのは、俺と同じ視点で4主を見ている男。

657過去と今と…… 3→4 4/4:2009/05/31(日) 22:42:13
 いつもはふざけていることが多いセクハラ大魔王だが、時々、探るように4主と他のメンバーの対話を眺めている。
 「おかげで視線があうあう。男とアイキャッチなんてしたくないのに」
 「まったくだな」
 ため息とともにかけられる声は頭上から。見上げると、資料を手に取る不思議な目の紫の王様。
 「どうよ、これ」
 ついでにノートも渡すと、再びこぼれるため息。
 「女性たちと戯れる楽しみも選ばず、おさんどんの毎日か」
 最近では、キッチンに立つ割烹着姿は見慣れてきた。容姿と格好のギャップすら感じない。
 「子孫として、どうだ?」
 問いかけにはノートが手渡される。
 「多分、子孫じゃないな。だったら嬉しかったのだが…妻たちの先祖は多分4女ちゃんのほうだな」
 同じ立場とはいえ、性別の違いからか、4女はわりと前向きだ。そして、シンシアラブなのは分かっているが、種が必要なら馬ぐらい用意するわよ、ぐらい平気で言う強さがある。それに引き換え、4主は合コンに連れて行っても、あの巨乳美女相手に宿舎の愚痴を言う始末。
 二人に共通する意識はシンシアへの思いと……。
 「なあ?」
 再びの問いかけに相手の目が細まる。俺が言いたいことはたぶん相手もわかってる。そして、言ってしまえば、多分二度と俺たちはごまかされない。
 「「彼らは、シンシアが生身でないことに気づいている」」
 そう、みなの前でトリップするのはうそでないが、多分、自覚はしているのだ、もう。
 証拠としては、彼らのバースデー。いつだか、自分の分身がバレンタインデーに二人きりでもシンシアと会話しているのを見たといったが、本当に二人きりになった彼らの間に、シンシアは出てこなかった。
 だって、誕生日だ。彼女がいなければ大騒ぎするはずであろうそれに、彼らは静かだった。
 それが、彼らの自分たち仲間たちへの甘えだと気づいたのはいつだっただろう。
 心を開いた証拠が、そんな分かりにくい甘え方。正直、泣きたい。
 もっと素直に甘えてくれれば、幾らだって手を貸すのに、どうしてそんな婉曲するのだろう。



 それでも、心を開いてくれる為の努力を惜しむつもりはない。だから今日も、昼寝て夜更かし。
 廊下を歩く足音はしないが、起きて注意していれば、誰かが通るぐらいは分かる。
 煌々と照らす満月。そろそろ時期だと見張ってて良かった。
 早速協力者に連絡をいれ、自分はシャワーの音がし始めたらキッチンに向かい湯を沸かす。
 香りの良い煎茶は、最近の彼のお気に入りだ。
 それから程よく暖めた湯飲みを三つ。
 やっぱり5月とはいえ夜は肌寒い。冷より暖がよいだろう。
 そうして、俺らは月夜で濡れネズミならぬ、濡れ緑ウサギを待つのだ。

658過去と今と…… 3→4 1.5/4:2009/05/31(日) 23:06:31
ごめんなさい、一部かけてしまったみたいなので追記。
1/4と2/4の間に入る部分です。

 お互いの簡単な紹介は終わったが、その後、偶々お互いの未来、というか冒険の結果を知ることになった。
 自分もまあ、無難な人生とはいわんが、皆結構波乱万丈だなとか考えながら情報をめくる。
 一応、全員最後はそれなりに幸せか。一部地雷に捕獲されている輩はいるが。
 2主はまあ、最後は結構とんでもないらしいが、話に聞くとまだそこまでいってないそうだから、せっかくだから邪魔してやろう。
 素直で純朴な子孫を、俺は結構気に入っている。
 そして、最後に知った、緑達の冒険の結果をみて、俺は絶句した。
 いやだってさ、確かに皆波乱万丈だよ?だけど、最後には希望の結果をつかんでる。守りたいものを救って、大切な人に幸せをあげられる。
 だけど、これは何だ?
 確かに、俺たちは勇者と言われる者達だ。勇者たるもの、私欲のみで動くのは無理だろう。なんせ、その両肩には世界が乗ってる。

659名無しの勇者:2009/05/31(日) 23:38:09
>一部地雷に捕獲されている輩はいるが。
バロス

ここから643につながるんですね!GJです!

660名無しの勇者:2009/06/01(月) 01:22:03
やっぱり伝説の勇者組は特別な感じがする…
個人的に一番ガツンとくる組み合わせだ

超GJ!
わがまま言うと、次は4視点の3の様子も見てみたいです

661名無しの勇者:2009/06/01(月) 10:56:00
純正勇者組いいねーw

二人とも最後に「使い捨て」られた感が強いから・・・(ノД`)
この二人には幸せになって欲しいお。

662名無しの愚者:2009/06/06(土) 02:56:19
5が完成に時間がかかったので先に>>660様の書かれている4主視点の3を妄想したら、最初ホラー最後ガチンコバトルになりました……。
ご、ごめんなさい。なんか怖い話になりそうです(−−;

とりあえず、5、投入します。

663マナーと教養 5→4 1/5:2009/06/06(土) 03:02:49
 「「行きたい行きたいっ〜」」
 「わ、分かった分かった」
 かわいらしい子供のおねだりは、最近構えなかった父親としてはかなえないといけない。
 5主は二人をつれ、宿舎への道のりを歩いた。
 やがて見えてきた家の外に、真っ白なシーツを手際よく取り込む姿。
 「5主?に5勇に5娘?めずらしいな」
 シーツの束から鮮やかな新緑の髪が覗く。
 「ねだられてしまってね」
 「「こんにちわーーー!」」
 柔らかな物腰の声と元気な声に、いつもの鋭い眼差しがかすかに緩む。
 笑みとはとてもいえないが、それでも彼が歓迎してくれているのが分かる。
 彼は己を見ても泣き出さない5主の二人の子供を気に入っているらしい。
 鮮やかな手際でシーツをたたみながら、共に宿舎へ向かう。玄関に回りながら、彼の問いかけは子供たちに向けられた。
 「冒険つれてってもらっているか?」
 「「全然ーーーっ!」」
 元気良く即答。思わず頭を抱えると、冷ややかな眼差しが向けられた。
 「オイ」
 「……反省してます。だからつれて来たんだよ」
 そう言い訳すると、しょうがないとばかりにため息をついた。
 「二人とも、甘いものは好きか?」
 突然の言葉に息子は首をかしげ、娘は元気に「大好きっ」と答える。
 「じゃあちょうど良かった。もうすぐスコーンが焼ける。食べるか?」
 「「うんっ」」
 二人そろっての合唱に、彼の目元が柔らかく笑む。
 「バルコニー行っててくれ。すぐ持ってく。紅茶でいいか?」
 「ああ、楽しみだね。君のお茶は美味しいから」
 さらりと告げられた賞美の言葉には、背を向けるといういささかぶしつけな返答を返されてしまい、5主は苦笑した。
 二人を連れてバルコニーに行き、備え付けられた椅子に座って待っていると、二つお盆を持った4主が来た。
 「すまない。取りに行けばよかった」
 「気にするな」
 あわてて立ち上がるのを言葉で制され、手際よく紅茶と、バスケット入ったスコーンが並べられる。
 馥郁とした香りがあたりに広がり、微笑む。子供たちの視線は、香りよりバスケットに山盛りのスコーンと横に並べたクロッテッドクリームとピンク色のジャムに注がれていた。
 その姿に4主が目を再び緩め、二人の前においた皿に、トングでスコーンをひとつづつおいてやる。
 「さあ、どうぞ。簡単な茶菓子で悪いが」
 「「いただきます」」
 子供たちは早速少し大きめのスコーンの攻略に取り掛かった。

664マナーと教養 5→4 2/5:2009/06/06(土) 03:04:23
 5主は笑いながら、自分の皿にも置いてくれたスコーンを取り合げ、4主に礼を言う。
 彼は気にするなとばかりに目を細めた。
 「美味しいっ!!」
 「うん、美味しいっ」
 今度ははもらなかったな、と子供たちを見ながら、自分もジャムを塗ったスコーンを齧る。
 口に広がるのは甘い白桃の香り。よく見ると、ジャムというよりは、形が少し多めに残っている。
 「本当に美味しいな……これは、君が?」
 問いかけると、一度瞬きして、手で割ったスコーンを皿に置いてこちらを向く。
 「ああ、よく分かったな。売り物にならないのが余ってたから、ちょっと作ってみた」
 ジャムというのは、一つ作るのに数時間かかる代物だ。少なくとも片手間に作れるほど簡単ではないはず。
 「君は本当に器用だな」
 もう一口分スコーンに塗り、齧る。桃の持つ甘みが口の中に広がる。優しい味がサンチョのお菓子を思い出す。
 ほめ言葉の連続に、少し照れたように笑む4主は、子供たちにも褒められている。
 視線がこっちを向いていないのを良いことに、5主はじっくり4主を眺めた。
 先ほど手で割ったスコーンを取り上げ、ジャムを塗って一口食べる。崩れやすいお菓子なのに、彼の皿の周りは綺麗だ。
 2主ではないが、綺麗な人だと思う。
 いつもの喧嘩や口調で見落としがちだが、彼のテーブルマナーは、にわか王の自分がお手本にしたいほど完璧だ。
 生まれつき王族として過ごしている息子や娘、それどころか、今まであったどの王族と並んでも見劣りしない洗練された仕草にため息が出る。
 「なんだ?」
 視線を向けられて自分が凝視していたことに彼もやっと気づいた。
 幸い、子供たちはジャムとスコーンに夢中でこちらには気づいていない。
 「いや、マナーがきちんとしてるなあと思ってね」
 「王族ほどじゃないだろ?」
 カップを取り上げ、紅茶を口に含む其の姿は、典雅とさせ言えよう。改装を重ねてくたびれた宿舎のバルコニーの背景が、王宮の応接間に摩り替わるような気がしてくる。
 正直、彼ほど完璧な人間を5主は知らない。剣も魔法も宿舎でも見劣らず、指揮をさせたら超一流。数学や国語どころか帝王学までこなすなど文武両道。無愛想なのが玉に瑕だが、どこの上流階級の集まりでも通用する高い教養をもつ。
 そのせいか、仲間内で正式な場へは彼を連れて行くことが多い。下手をすると、生まれつき王族であるはずの2主、6主よりも多いくらいだ。まあ、巻き込まれ体質であることも要因の一つであろうが。
 5主自身、彼をこっそり自分の世界に連れて行ったときは、王宮であっても完璧な立ち振る舞いに酷く驚いたものだ。
 根っからの王族ならともかく、彼の出身は小さな村。どうしたって王宮でも通じるような礼儀作法や教養など学ぶべきではない環境のはずだ。
 疑問が顔に出たのか、4主が苦笑する。彼は、言葉にしない表情を読むので、こういうときは心を読まれているような気がしてしまう。
 「まあ、叩き込まれたからな?」
 「叩き込まれた?」
 「ああ。剣や魔法や学問と一緒に。いつか偉い人に会うこともあるだろうってな」
 彼の言葉に、なるほどと頷く。彼の出身は確かに小さな村だが、其の村は、彼を、「勇者」を育てるためだけに作られたと聞く。
 勇者なればこそ、王族と会う機会もまた多いと想定したのだろう。
 そういえば、ニートでおちゃらけまくっている3主も、勇者として教育されてきただけあって、あれでTPOによってはなんでもさらっとこなす。
 学問や剣や魔法など言わずもがな。それどころか、簡単な医学すら時々こなす彼の、現在の宿舎での立場は『お母さん』。
 なんだか酷くもったいない気がする。

665マナーと教養 5→4 3/5:2009/06/06(土) 03:06:13
 苦笑すると、彼は怪訝そうにこちらを見るがすぐに視線を娘に移した。
 手に取ったハンカチが、娘の頬についたジャムを拭う。驚いたように見上げた娘には、新たなスコーンをとってやり、紅茶を注ぎ、ホットウォータージャグで薄めてちょうどいい濃度にする。
 ここは宿舎じゃなかったか?
 そんな考えが浮かんでしまうほどスマートなホスト振りだ。というか、紅茶が濃くなるのを薄めるためのお湯を用意することすら、知らなかったんだが……。
 娘の礼に、彼は頭を撫でてやることで答える。
 自分の笑みが子供を怖がらせると知っているからの行動だが、娘の顔が赤面した理由は多分分かってないだろう。
 「気に入ったか?」
 彼の言葉に娘が大きく頷く。息子も横で同じ動きをしている。
 「本当にすごく美味しいです。これ、どこで売っているんですか?」
 「うん、僕もこれもっと食べたい。父さん、買ってっていいよね」
 二人の言葉に彼が大きく瞬き、そして小さく微笑んだ。そのインパクトたるや、娘だけでなく、息子すら赤面させてしまった。
 『頼むから、娘だけじゃなくて息子まで魅了しないで欲しいのだけどね』
 端正な顔立ちは、女性どころか、男性まで魅了する。宿舎のメンバーにも何人か犠牲者がいるのだ。これ以上争奪戦を繰り広げてほしくないし、何より息子の人生を踏み外させないでほしい。
 頬が真っ赤に染まった息子を眺めながら考えてしまう。
 「これは俺が作ったんだが、もし良かったら、少し持って帰るか?」
 彼の言葉に、子供二人は頷くばかり。苦笑して、言葉を補足してやる。
 「ぜひお願いするよ。妻たちも君の料理のファンだから」
 其の言葉に彼はきょとんとした顔で瞬く。彼は、5主の妻たちとも仲が良い。
 先祖と子孫だからというより、料理のレシピの交換や4主の農業の成果を時々届けるからか。
 おかげで、ここでの悪事は4主を通して、妻たちにはかなり筒抜けなのが痛いところだが。
 「ファンは言い過ぎだろう?」
 「いいや。だって君とレシピ交換した後は必ず作るし。で、どうしても同じ味にならないとか悩んでるしねぇ」
 サンチョやその妻まで巻き込んで一緒にレシピ片手に作るのだが、どうも違うらしいと首を傾げている。
 「今度、城に来て一緒に作ってあげてくれないか?そろそろコックも巻き込んでいるんだ」
 4主は目を伏せる。
 元々、彼は他の世界に行くことをあまり好んでいないらしい。特に、直接影響がありそうな5主の世界には殆ど来てくれない。
 妻たちがこちらに来るか、または息子や娘の願いでくるのがせいぜいといったところか。

666マナーと教養 5→4 4/5:2009/06/06(土) 03:07:21
 『そんなこと気にしなくて良いのに』
 5主はこっそりと笑う。
 もっと妻たちと、子供たちと仲良くなって欲しい。そして、己より世界を救いあげた勇者を愛さない世界など捨てて、グランバニアに住んでしまえばいいのだ。
 天空人の子供さえ残せば、妻たちの存在は失われない。ならば、別に彼である必要はない。残された天空城の主がせいぜい辻褄を合わせるだろう。
 彼が幸せになるのなら祝福しよう。だけど、彼の仲間たちでは、彼を引き止められなかった。なら、自分が貰い受ける。
 包み込んで、溺れるほどに愛を注いであげよう。
 三人の妻も、子供たちも誰もが彼を大切にしているのだから。
 寂しいのなら、もう一人の純正勇者も連れてくればいい。
 裏切り者の大臣や僕より、彼らのほうが国を率いるに相応しい知識も能力もある。
 勿論、本人たちが嫌がるなら無理強いはしないが。
 落ちた天空城の主などに文句を言わせるつもりもない。
 『言う資格ないし。悔しかったら村人全員復活させてみろって言いたいよねぇ』
 「5主」
 カップをゆっくり下ろすと、彼がこちらを見ていた。
 言葉を促すように微笑んでみせると、彼が苦笑した。
 「こんど新作レシピもって伺うよ。だけどな……」
 「うん?」
 「足固めはやめれ。つうか人に仕事押し付けようとするな」 「……ばれたか」
 「ばればれだから。王様ならもう少し腹芸磨け。顔に書いてあるぞ」
 「そこまで正確に当てられるの君だけだから。グランバニアこない〜?今なら宰相の座が開いてるよ〜♪」
 冗談めかしていう僕は子供たちに目配せする。
 子供たち二人は小さく頷き、早速きらきらと目を輝かして天空の勇者を見あげた
 「5主……子供使うな」
 案の定子供に弱い4主はたじろいでいる。
 「「4主さん……だめ?」」
 ハモリは高等技術だな〜とか暢気に眺めていると、4主がこちらを向いた。
 困ったようにこちらを見る彼に、思わず噴出してしまう。
 「笑うなっ!!///」
 「い、いやだってっ。わかったわかった。今回は諦める。ほら、二人とも」
 「「むーーー」」
 じたばたと暴れる二人の頭に、4主の手が置かれる。
 丁寧に撫で、彼は笑みを浮かべた。
 「遊びに行くからって、うわっ」
 子供たちはうれしそうに頷き、抱きつきをかます。
 中々可愛らしい光景に僕は笑った。

667マナーと教養 5→4 5/5:2009/06/06(土) 03:08:57
 今はこの約束だけで良いと思う。
 『諦めるつもりもないけど♪元祖腹黒をなめちゃあいけない』
 5主は宿屋の二階から注がれる視線に顔を向けた。
 『<もっと頑張らないと連れて行くよ?>』
 声を出さずに口だけ動かしたけど、果たして彼には伝わったかな?
 くすくす
 「なに含み笑いしてるんだ?スケベ親父」
 「酷いな」
 5主は紅茶を楽しみながら小さく笑った。
 もう少しだけ待とう。だけど、このままなら連れて行く。
 まだ、協力者にも話していないことだが、彼も巻き込んでいけばなんとなるだろう。
 5主は心をその穏やかな瞳と笑みで考えを心に封じ込めた。 
『あと、少しだけね……』

668名無しの勇者:2009/06/06(土) 04:04:54
投下キテタ-!
今回もGJです!

個人的にはトリの8主がたまらなく待ち遠しいです!

669名無しの勇者:2009/06/06(土) 09:01:23
投下キターー!
4主の完璧っぷりが素敵すぐるw
最後の2階からの眼差しは、やっぱり半竜クンかしら(´∀`)
マターリ続き待ってまつ!


ところで最初ホラー最後ガチンコバトルが非常に気になる……いったいどういう話にw

670名無しの愚者:2009/06/07(日) 00:17:12
最初ホラーなのは、出だしが4の村の話だから。最後は訓練が本気モードに突入だからです。
多分最後は削られます。私戦闘シーン書けません(^^;
そして、7が進まないので音楽聴いてたら、なぜかモード葉っぱ隊の話に……
外伝が出来そうです。と、トリもとい竜さんもまだなんでがんばりますね。

では、7投下。避難所のネタをお借りしてます。

671色気 6+4 1/4:2009/06/07(日) 00:19:58
 「おーこりゃ見事な小望月」
 脱衣所の窓から空を見上げると、満月一歩手前の微妙な丸の月が見えた。
 先日教わったばかりの月の別名を使ってみる。
 教えてくれたのは、最近めっきり子持ちの母な宿舎の主夫だ。2主の家庭教師を務める彼は本当にいろいろなことを知っている。
 農夫な彼は、こんな深夜に起きてはいないだろう。
 というより、自分自身こんな深夜に起きることはあまりない。
 ただ、なんとなく目覚めてしまい、深夜に風呂なんてことを思いついた。こんな贅沢は賭け流しの温泉ならではだろう。
 今回は温泉行きたい、出かけたいと3主と俺がごねまくり、宿舎の歩く家計簿がOKを出したことで、温泉に来た。
 「露天風呂〜♪」
 ちゃかちゃかっと服を脱いで扉を開け、6主は思わず固まった。
 月明かりに照らされた露天風呂の淵に腰掛け、月を見上げる人影が一つ。
 『こここここっここ、ここ、混浴だっけっ』
 背を向けているため、胸元が確認できないし、シルエットからわかる細腰にはタオルが巻かれている。
 しかし、月明かりに照らされた姿はひどく清廉で、白い肌や結い上げた髪とあいまって女神像をみているような気にさせる。
 『だぁぁぁぁぁっ!!女神ってなんだっ!おにいちゃんはノンケだぁぁぁぁぁぁっ』
 「……何首振ってんだ?6主。そんな勢いで振ってるともげるぞ?首」
 思わず盛大に首を横に振っていたことでこちらに気づいたらしい。人影が振りかってあきれ返った声をかけてきた。
 「……4主?」
 「なんで疑問系なんだ?というか、まっぱでずっと立ってると風邪引くぞ?とりあえず湯に浸かれ」
 手で露天風呂を示され、大人しく従う。
 4主も再び湯に体を沈める。しかし、腰掛る岩でもあるのか、上半身は湯の外に出たままだ。
 大人しく湯に浸かった俺を見て満足そうに笑う顔はいつもの強面。なのになんでだろう。その水にぬれた白い肌から目が離せない。
 「よしよし。でもどうした?万年寝たろうのお前がこんな夜中に」
 「それは俺の台詞。どしたん?」
 あまり夜更かしが得意でない4主がこの時間に風呂に入っているの方が不思議だ。
 「昼間ゆっくり入れなかったからな」
 俺たちが集まって何かするとき、静かなことなんてまずない。
 が、俺は、こいつがその雰囲気を嫌いじゃないって知ってる。なんだかんだ言って、寂しがりやなんだ。こいつ。
 なのに、今も村に一人で住んでいるのが信じられない。もっと人の多い町に住めばよいのに。バトランドでもサントハイムでもエンドールでもモンバーバラでもブランカでも移民の町でも良い。
 とにかく、一人じゃないとこに住んだ方が良い。
 村の人たちを忘れろなんて言わない。でも、その為に一生自分が枷を負う必要なんてないのだ。
 悪いのは4主ではない。何もしない神様とうっかり暴走した魔王だ。しかも、原因二人は自分の願いをかなえてもらってるのに、被害者のはずの4主には何もない。
 『あ、なんだか腹たってきた。バーバラには申し訳ないが、やっぱりあの卵壊してくるか』
 「6主?」
 「お。おうっ!?なんだ?」
 突然目の前で話しかけられて思わず大きな声が出てしまう。

672色気 6+4 2/4:2009/06/07(日) 00:20:29
 『っていうか、顔近いぞっ!?』
 目前15cmのところにある顔は、やっぱり端麗な容姿をしている。白い肌を水に湿った新緑色の髪が彩る。
 『おお、睫毛も緑なんだな』
 覗きこんでくる眼差しは紫水晶のように月明かりで煌めく。
 『ここにいたのが俺で良かった……』
 少なくとも、ほかのメンバーの場合、この匂いたつ様な壮絶な色気に対抗できたか怪しい。
 『3主は耐え切れるか、5主は……コイツの精神次第?』
 脳裏に浮かぶのは二人の仲間。彼らはどうもコイツに対して保護者的な態度をとっている。
 『本人たちは気づかれていないと思っているが、皆のおにいちゃんには丸わかりだっ!』
 あの二人がその立場を取っていることに安堵したのはそう遠い過去ではない。
 なんだかんだといって、あの二人に本気になられたら、純朴少年なんて、イチコロだろう。
 他のメンバーなら、ギガソードやギガデインで振り払えても、あの二人は口先一つで丸め込んでしまう。
 『そうしないのは、コイツが大切なんだからなんだろうなあ』
 自分が本気で欲しいと思ってしまったら、どうするか3主は自覚があるのだろう。5主はもとより、遊びで4主を傷つけるつもりは絶対にない。
 『他のやつらは、普通なら問題ないんだろうけど……この色気さえなければ』
 思わずため息がこぼれる。
 「なにさっきから挙動不審なんだ?お前」
 乱暴な言葉だが、その目が口より物を言っている。どうやら心配させてしまったようだ。
 「あー、ちょっとな。いろいろ考えてた」
 「色々?」
 「おうっ!バーバラとターニア二人と一緒にデートするのにはどうすればよいかとか」
 深々とため息をつかれる。うん、なかなか失礼な態度だな。
 だが、顔が離れたんでちょっと安心。俺も正常な男なんで、無自覚に垂れ流される色気に当てられ続けるのは勘弁願いたい。
 「で?」
 「ん?」
 落ちてきた髪を結びなおす姿に視線を逸らしながら問いかけてやると、視線をこちらに向けてくる。
 『だぁら、どうして無意識でそういう色っぽい姿するかなっ!?』
 俺は内心頭を抱える。どういったら伝わるんだろうなーとか考えても答えは出ない。なのでとりあえず思考を元に戻した。
 「だからどうしてこんな遅くに?」
 「理由ゆったろ?」
 不機嫌な声に視線を戻すと珍しく素直にむくれた顔。ついっと視線を逸らすあたり、あんまり言いたくないことらしい。
 そして、体ごと視線を逸らしたため、月光に照らされた背中が見えた。
 そこには、見慣れない傷。肩甲骨の辺りに、まるで肉を引き裂いたかのような傷跡があった。
 俺たちは全員、古傷が体に残っている。いくら回復魔法が発達していても、完全に治せない傷もあるし、そもそも回復魔法のレベルが低いときに残ってしまうことだってあるのだ。
 勿論4主の体にも無数に刻まれた傷があった。ただ、背中はあまりなかったような気がするのだが?

673色気 6+4 3/4:2009/06/07(日) 00:20:51
 「……これが理由」
 俺の視線の位置に気づいたのか、4主の声が届いた。
 「へ?」
 思わず惚けた声を出す俺に、4主が苦笑した。
 「いつもは、モシャス応用して隠してるんだ。背中に傷なんて、みっともないだろう?」
 確かに背中に傷がつくということは、敵に背を向けたか、不意打ちされたということ。この以外と見栄っ張りの純正勇者はそのことを気にしているらしい。
 「マーニャやミネアにあう前、一人で戦っている時についたんだ。まあ、背中の傷でからかうやつなんていないけど、別の意味でからかいそうなクソ竜が一匹」
 「うん、確かに<背中に傷がついた理由>でからかうやつはいない。が、別の理由?」
 「……見た目がさ、翼みたいに見えるんだろう?またウコッケとか言われるのはな」
 4主に言われ、もう一度マジマジと見ると、確かに傷そのものが翼に見えなくもない。
 「成る程」
 鳥ネタはいまだもってこの二人の喧嘩の理由の第二位だ。第一位は言わずもがな、2主関連である。
 「でも、そこまで悪辣ではないと思うんだが……」
 「俺以外にはな」
 断言口調に思わず苦笑がこぼれる。
 『う〜ん。根深いなあ』
 どうもあの腹黒ツンデレはもう少しデレ要素を増やすべきだとつくづく思う。というか、今のコイツ見た時点で襲い掛かるか、鼻血かのどちらかだろう。昼は5分で後者だったし。
 『ま、これは言わないほうがいいかな?理解できないだろうし』
 色気と鈍さが反比例してるのだ、コイツは。
 「にしても、モシャスして若くなってるのか?あんまり変わってないけど」
 「若く?いや、全身かけてるわけじゃなくて、背中だけ」
 「へ?部分変化なんてできるのか?」
 『確か、変化の杖とか全身化けるって聞いたような気がするんだけど』
 昔聞いた知識を思い出してみる。こういうとき、特技もちって便利だとつくづく思う。
 「普通は出来ない。ので、呪文をこうちょちょいと応用」
 「……そんなことするのお前ぐらいだ」
 がっくりうな垂れる俺に4主は不思議そうに首を傾げる。
 『またそういう可愛い仕草するし』
 この天然純正勇者は、魔法+剣を磨くのではなく、もうちょっと自分が回りにどう見られているか自覚して欲しい。

674色気 6+4 4/4:2009/06/07(日) 00:23:00
 真面目な上に時間があるから、すでに完成している魔法の改造なんてやってのけるのだろうが、どうしてその明晰な頭脳は自分の貞操を守るために動いてくれないんだろう。
 『お兄ちゃん頭痛い……』
 「6主?」
 心配そうな声音。初めて会った時から感じていた、凍りついた感情が少しづつ緩んでいるのが分かるそれに、6主は苦笑した。
 「ん〜ま、そろそろ出ようか。逆上せるから」
 「そうだな」
 湯から上がると、4主が横に並ぶ。自分とほぼ並ぶ高い視線は、まっすぐに前を見つめている。
 その姿は凛々しく、頼りがいがありそうなのに、同時にひどく切なくさせる。だから6主は思いついたことを即座に実行する。
 「うりゃっ」
 「うぉっ!?6主っ!?」
 がしっと掴んだその肩は細く華奢だ。この肩を包み込める人物になら、この可愛い弟分を譲ってもいい。だけど、まだまだ、譲る気はない。
 最低でも、この色気に太刀打ちできるレベルでないと。
 無理やり傷つけるつもりなら、天空組+ロト初代巻き込んで盛大にオシオキしちゃるっ!
 「おにいちゃんがんばるっ!」
 「……そーかーよかったなー」
 冷たい視線と冷めた声はちょっと痛かったりするが気にしない。
 だって、おにいちゃんは心配症なんです。

675名無しの勇者:2009/06/07(日) 10:28:37
テラ和んだwお兄ちゃんファイトwww

676名無しの愚者:2009/06/12(金) 23:03:42
投下したの6でした。
そして、4主視点3主のお話はちょっとお待ちください。
書いてたら、マスドラがものすごい悪い人になってしまいました。
ちょっとリテイクします。

では、今度こそ7投下。

677やさしさ 7→4 1/3:2009/06/12(金) 23:05:03
 木漏れ日が木立に差し込んでくる。
 「う〜ん、良い天気」
 ここのところ、雨が続いたから、久しぶりの晴れ間はとても気持ちが良い。
 宿舎には、久々の天気なのに部屋にこもってる3主さんしかいなかったので、僕の分のおやつを食べてから、宿舎の周りにある森をお散歩をすることにした。
 『でも、あの枇杷のコンポートが入ったフルーツゼリーは4主さん作だと思うんだけど、今日はもう帰っちゃったかな?』
 宿舎の男性メンバーは男性には珍しく、全員料理が出来る。しかし、おやつまで手作りするのは4主さんと4女さんぐらいだ。
 しかし、4女さんはめったにおやつなんて作ってくれないので、あれは多分4主さんだと思う。
 あ、あと8主くんもだけど、彼は、おやつはプリンしか作らないから当然除外。
 旬の枇杷を煮詰めてコンポートにしたものを同じく枇杷の味のするゼリーで固めたフルーツゼリーは美味しかった。
 彼の作るお菓子も料理もとても美味しい。
 作った本人のしかめっつらを思い出し、その顔で可愛らしいお菓子を作る姿を想像して思わず笑みが浮かぶ。
 昔は彼が怖かったが、今はそうでもない。
 来た頃と違い、彼の性格は最近やっと把握したから。ちょっとぶっきらぼうだけど、とても優しいってことを。



 僕は昔、彼に酷いことを言ったことがある。
 僕は彼の外見だけを見て、彼の辿った道筋をあまり知らなかった。
 いつも彼の視線に怯え、話しかけられるとただただその視線から逃れたいとしか思わなかった。
 だから、遠くに行ってほしくて、何も考えずにいった言葉。
 『どうせなら天空城に帰ればよかったのに…』
 その時はすごい顔で睨まれたと思った。だけど、本当は彼が自分で言ったとおり、泣きたかったんだと思う。
 その時だって、彼はただ山で取れた山菜を届けてくれただけだったのに。
 僕にはそれが食べ物に思えなかったから、思わず力を振るってしまった。
 親切で山菜を届けてにくれた4主さんに比べ、僕は最低だと思う。
 だって、4主さんはそのことを誰にも言わなかったし、それどころか、山菜には、調理方法のメモすら挟んであった。
 お母さんにそれを渡したら、喜んで調理してくれた。
 はりぎりとこごめ、そして僕が雑草だと思っていた土筆は天ぷらに、菜の花はハマグリと一緒に炊き込みご飯になった。
 お父さんも珍しい料理に喜んでいた。
 土筆の天ぷらは、少し苦味があったけど、サザエの肝ほどじゃなくて、とても美味しいと思った。
 でも、僕はお礼を言えなかった。それどころか、お母さんがお礼に持たせてくれたアンチョビのビン詰めを渡したら、逆に御礼を言われてしまった。
 どうして、そんなに優しく出来るのかと思う。
 少なくとも、僕は4主さんを助けたことなんてない。何時も酷いことを言って、傷つけた。
 それどころか、6主さんに怒られて、4主さんのことを聞いても、5主さんと4主さんの会話を見せられても、僕はただ4主さんの顔が怖いって泣いて、彼がどうしてそうなったかなんて考えたことなかったんだ。

678やさしさ 7→4 2/3:2009/06/12(金) 23:06:42
 今なら、分かる。完全に分かるわけじゃないけど、それでも彼にとっての天空城がどんな存在なのか。僕がなんて残酷なことを言ったか。
 僕には分からない。大切な人を失う辛さは分かっても、帰る所がないという辛さは。
 僕には分からない。全てを奪った憎い相手を許せることが。
 ……僕に分かるのは、あの人はそれが出来たということだけ。
 どうして許せるのだろう。僕なら許せない、と思う。
 もしマリベルが、お母さんやお父さんが、考えるだけでも恐ろしい。
 もう一度4主さんの顔を思い出す。
 最近は、随分と無表情が緩んできた。2主さんの勉強の時は声のトーンが少し優しくなるし、5主さんには時々甘えている。6主さんや1主さんと楽しそうに騒ぎ、おきてくるのが遅い3主さんの為にご飯を作り、8主くんとじゃれ合う。
 僕以外とは、彼はとても仲が良い。
 チクリと、胸の奥が痛くなった気がした。



 考え事をして歩いていたせいか、見慣れない場所に出た。
 澄んだ泉。小さなそれに、岩の壁から水が染み出している。そして、その近くの大きな木に寄りかかって眠る佳人。
 珊瑚礁の海の色のようなエメラルドグリーンの髪。夕闇が沈む寸前の空の色の瞳は今は閉じられている。
 すやすやと眠るその人は、僕がさっきまで考えていた人だ。
 『そういや、お昼寝にちょうど良い時間だもんねぇ』
 一次産業で朝が早い僕や4主さんは、昼寝をすることが多い。
 『洗濯物も取り込んで、おやつを作った後散歩して、あまりの良い天気につい寝ちゃったんだろうなあ』
 今日は珍しく良い天気だし、ここは不思議と風が通り、心地よい。
 さらさらと流れる水の音が、子守唄のように響く。
 よほど疲れているのか、僕が近づいて覗き込んでも、まったく起きない。
 ちょっと思いついて、その鮮やかな緑色の髪に手を伸ばしてみる。
 『うぁ。すっごいサラサラ。8主くんが触りたがるの、分かるなあ』
 掬い上げるとさらりと落ちる。その触り心地のよさに、もう一度掬い上げる。
 鮮やかな緑色がとても綺麗だ。先ほどは海の色に例えたが、この色は、どちらかというと新緑の緑色だ。
 こうして、森にいるとそう思う。
 大地の緑と、空の色を持つ人。今は、この人が空を選ばなくて良かったと思う。
 だって、そうしたら僕たちはこの人に会えなかった。
 皆に会えたこの場所が僕は好きだ。
 気遣ってくれる1主さん。元気で明るい2主さん。意外と相談に乗ってくれる3主さん。ちょっとサロン発言が多いけど、傍にいると暖かい5主さん。楽しくて頼りがいのある6主さん。一緒に弾けてくれる8主くん。そして、哀しいほど優しいこの人。
 僕は皆に何が出来るかと最近考える。
 僕は皆ほど失ったものがない。だけど、僕を気遣ってくれる。そんな優しい皆のために何が出来るだろう。
 幾度も傷つけた、この人に何が出来るだろう。

679やさしさ 7→4 3/3:2009/06/12(金) 23:07:04
 「……7主?」
 優しいテノールが聞こえ、僕は思考のループから突然引き戻された。
 紫色の瞳がぼんやりと僕を見つめている。
 己の手を見ると、掴んだままの髪。
 『え?もしかして僕、ひっぱっちゃった??』
 「ご、ごめんなさいっ!ぼ、僕起こすつもりじゃなくてっ」
 慌てて飛び起きようとした僕の体が、急に引っ張られて4主さんに倒れこんでしまう。
 『え?え?え?え?え?え?』
 頭巾の上から頭を撫でられ、僕の思考はメダパニ状態だった。
 「お前は良くやってるよ」
 頭上から囁かれる声。それは、多分先ほど僕が考えていたことへの返答。
 『もしかして僕、声に出してたっ!?』
 「だから、気にしなくてい…い…」
 声がかすれ、目が閉じられる。頭を撫でていた手が止まる。どうやら、寝ぼけていたらしい。
 泣きそうになる。僕はこの人にはまだ何も出来ていないのに。『良くやってる』なんて言葉一つがこんなに嬉しいなんて。
 力を失って、背に置かれた手が暖かい。
 『そういえば、僕、今日昼寝してなかったな』
 ぽかぽかした陽気が、そんな思考を後押しする。
 僕は迫りくる眠気に逆らわず、4主さんに寄りかかった。
 とくとくと聞こえてくる心音。水のせせらぎ。時折吹く優しい風。
 そんな優しい空間で、僕は考える。
 僕は非力だ。最強ステータスとか言われても、それを生かす技術が、経験が低い。でも、頑張れば、この人を、皆を守れるかな、と考える。
 神と戦う禁忌も僕はあまりない。いつか、マスタードラゴンに挑んでみるのもいいかもしれない。
 ああ、それよりまた、フィッシュベルの僕の家に呼んでみようか。
 お母さんも山菜くれた人だって紹介したら喜んでいたし、4主さんも喜んでくれた。
 身長の高い彼の腕は、僕をすっぽり包み込んでいる。体は、1主さんが行ったように、ちょっと華奢だけど。それでも広い胸元。少し体温が低いが、それでも寄り添うと暖かい。
 まるで森に包まれているようで、僕は微笑み、眠りに引き込まれた。

680やさしさ 7→4 おまけ:2009/06/12(金) 23:07:33
 「で、夜まで帰ってこないから探してみれば」
 「8主、声震えてるぞ……紫色になるのやめれ」
 「そうだよ8主くん。可愛いじゃないか。子猫たちが陽だまりで寄り添って寝てるみたいで」
 「ほんとに、良く眠ってるなあ、起こすの可哀相なぐらいだっ!」
 「6主さんのその声で起きそうですが。起きないですね。っていうか、これが怒らずにいられますか?3主さん、5主さんっ」
 「いや別に。これが7主じゃなくてお前だったらギガデインだが」
 「バギクロスは4主にあたっちゃうから、ドラゴンの杖で一撃かなあ?」
 「俺はギガスラッシュかなぁ」
 「いじめですっ。どうして僕には容赦ないんですかっ」
 「「「それはお前(君)には下心あるから。7主(くん)と違って」」」
 「そんなひどい」

681名無しの勇者:2009/06/13(土) 09:18:56
かわええ〜*
心がほっこらしましたw GJ!

682強く儚い導き 8→4 1/7:2009/06/13(土) 19:46:01
 鳥もといトリです。流石、8さん、3さんを抜いて、ダントツで長くなりました。
 これで1〜8の流れは終わります。それでは、8投下!

 この頃、皆が4主さんに構ってる気がする。
 「ほら。もっと食え。おっきくなれよー」
 「これ以上背が伸びてどうする」
 「横におっきくなれといってるんだ。身長が半分の7主と体重変わらないって細すぎだろう?」
 「余計な世話だっ!!ってか1主さり気に酷いぞっ!半分以上あるだろう、7主は……えと、5分の3ぐらい?」
 「お前も大概酷いな」
 1主さんが当番の時、大皿が出ると、1主さんは4主さんの皿に大盛りにするようになった。4主さんもけっして小食ではないけど、山盛りの焼きそばは流石に多かったみたいだ。少し苦しそうにしていた。
 「4主っ、出来たっ!」
 「ああ。良く頑張ったな」
 「4主がみてくれるおかげだぞっ」
 2主さんのテストの点数が思ったより良かったんだろう。4主さんが2主さんの頭を撫でた。2主さんが嬉しそうに笑い、つられるように4主さんも微かだが笑顔になる。
 「4主ー。この前頼まれてた店リストー」
 「ああ。サンキュ。ふうん、結構価格が違うんだな。今度サイト見せてくれるか」
 「お安い御用だが、これ以上レパートリー増やすのか?」
 3主さんは、元々不思議と4主さんと仲が良い。生真面目農夫な4主さんとニートな3主さんの組み合わせと考えると共通の話題があるのかと考えてしまうが、不思議と二人で居ることを見る。
 「「4主さぁんっ!遊ぼーーっ!」」
 「再度のおねだりに負けました」
 「事前に連絡しろ。おやつたりないぞ?お前の分、無しな?」
 「ええっ!?そんな殺生なっ!?」
 「……変わりに土産持たせてやるから。奥さんたちの分もな」
 5主さんは元々4主さんと繋がりが深いからか、4主さんを気に掛けている上に、最近5勇くんや5妹さんもつれてくる。
 というか、この前の白桃のジャム、僕の口に殆ど入らなかったのが悔しい。美味しかったのに、あっという間にお客さんに食べられてしまった。
 「4主ーっ!また、牛見に行っても良いかっ!?」
 「かまわんが、俺の村は体験村じゃないぞ?ちうか、王子の仕事はいいのか?」
 「いーのいーの。まだリメイクでてねぇし。今度は鳥小屋で卵集めてみたいぞっ!」
 「卵ねぇ。甘いのか出汁かどっちだ?」
 「両方しょもうっ!」
 「どっちかにしぼれっ」
 6主さんは、彼は誰にでも態度が変わらないけど、元々4主さんとは天空組だからか、良く一緒に居る。というか、4主さん振り回しているというか。
 『でも、意外と寂しがりのあの人は嫌がっていないんだよね』

683強く儚い導き 8→4 2/7:2009/06/13(土) 19:48:14
 「7主。昨日はありがとうな」
 「ううん、ボクこそ。鯖っていろんなレパートリーがあるんだね。今度レシピくれる?」
 「ああ、構わない。俺もこの前作ったブイヤベースのレシピ知りたいし」
 「うん。良いよ。じゃ、交換だね♪」
 昨日は4主さんの食事当番に、7主さんが手伝っていた。魚の捌き方を教えていたらしい。
 『鯖のコチュジャン煮はとても美味しかったけど……なんか悔しい』
 前は、トリップする4主さんを遠目で見てた皆が、今は彼に構っている。
 分かっている、彼は優しい。彼は綺麗で壊れそうに華奢で危なっかしくて、誰もが惹かれる。誰もが彼に幸せになってほしいと願う。
 分かってるけど、でも、辛い。
 『触れないで。彼に触れないで。僕が見つけたんだ。僕が最初に……ボクノユイイツヲトラナイデ』
 頭の中を勝手な言葉が巡る。彼は別に誰のものでもないのに。それでも、胸の中に湧き上がるどす黒い感情が止められない。
 僕は足を止め、遠目から皆を見ながら、ここに来たときのことを思い出していた。
 僕はこの場所で、胸に宿っていた淡い思いを塗りつぶしてしまうような、鮮烈な存在に出逢ったのだ。



 突然僕の前に現れた人たち。綺麗な女の人とか、髭のおじさんとかお爺さん。
 「っていうか、『人』は一人もいませんよね?」
 「流石、竜神族の血を引くものですね。私たちは、貴方にお願いがあってきたのです」
 大地色の髪の女性が代表で話しかけてきた。
 彼女の話はこうだった。
 この世界とつながった、でも時代や場所が違う世界で、僕と同じような冒険をした人たちがいる。
 その人たちが、冒険が終わり、疲れを癒す場所を作ったのだと。そして、僕にもそこに向かってほしいと。
 「それだけ、ですか?」
 「そう。それだけ。別に何をして欲しいいわけではないのです。ああ、一つだけ、その場所の説明をして上げて頂けないかしら?」
 「はあ……」
 正直、何が何だか分からなかった。でも、純粋にその人たちに会ってみたいと思ったから、僕は頷いて彼らが指し示す旅の扉に飛び込んだ。
 何が変わるとか、期待したわけじゃない。
 だって、僕には何の憂いもない。仲間は皆仲が良くて、姫と王の呪いは解かれた。その功績で長期の休みと、その後、近衛隊長になるというエリートコースにまで乗ってしまった。
 そう、何の憂いもない。母と父の素性も分かった。亡くなっていたのは悲しかったけど、祖父が全てを捨てて一緒にいてくれる。
 何の憂いもない、はずだった。



 旅の扉で辿り着いたのは森。だけど、人ならぬ彼らが言っていた人たちはすぐ見つかった。
 普通の宿屋よりも大きい建物の前に、色とりどりの人が集まっている。
 全身鎧の堅そうな青年、高貴さを纏う厳しそうな青年。少年だけど、前の二人より存在感のある人。この三人は良く似ていた。血縁なのかも知れないと思った。しかも横にそっくりさんがいるから、双子だとすると四人か。
 紫のターバンの青年は年齢に相応しくない貫禄を感じ、青い髪の少年は生きるエネルギーに満ち溢れているように見えた。

684強く儚い導き 8→4 3/7:2009/06/13(土) 19:50:04
 その横にいる小柄な少年は、周りに負けない力を持っているように感じ、最後に、翡翠色の髪の二人に目がいった。
 一人はくせっ毛の少女。人形のように整った容姿だけど、そう感じないのは、生きるエネルギーに満ち溢れているからか。葡萄色の瞳がきらきらと輝いていた。
 そして、その横に立つ少年。整った容姿は少女同様。しかし、こちらは良く出来た彫像のように見えた。硬質な紫水晶の瞳はどこか遠くを見ているようで、思わず手を伸ばそうとして、隠れている木陰から飛び出してしまった。
 そして小柄な少年に見つかり。あれよあれよというまに中心に引きずられた。
 僕が伝言されたここの説明すると、双子さんが率先して宿屋に飛び込んでいく。
 その勢いに押され、視線をずらすと、木陰に腰掛けた翡翠色の少年。
 近寄って声を掛けると、そっけない言葉。鋭い眼差しが少し怖い。
 「俺は…あまり騒がしくしたくないんだ、すまん」
 ポツリと零れた言葉。
 ああ、なんで気になったのか分かった。この人は僕と同じ。同じ冒険と聞いたのに、仲間なのに、薄い膜が一枚張られているような疎外感。
 種という絶対的な違い。
 だから、僕の言葉に、彼の視線が僕に向けられたのが嬉しかった。
 その硬質な輝きの紫水晶に僕をもっと映して。僕を見て。……一人にしないで。
 少々無理やり伸ばされた手を、彼は確かに取ってくれたのだ。


 足を止めて立ち尽くしていた僕に気づいたのか、1主さんが手を振っていた。
 「8主おかえり」
 爽やかな笑みに、僕も何時も通りの笑みを返せただろうか?
 「「「おかえりー」」」
 天気が良いので、ベランダで全員テーブルについている。
 そういえば、そろそろおやつ時だ。カップのようなものをスプーンでつついている。その中に、緑は二つ。つい何時もの癖で、彼を探してしまう。
 「おお、8主。変わった格好しているな」
 6主さんの言葉に自分の格好を見下ろす。そういえば、今日は同僚の結婚式に出席するので、近衛の正装を来ていたのだ。何時も着替えてくるのに、今日は着替えるのが億劫でそのまま来てしまっていた。
 「近衛の正装かい?良く似合ってるよ」
 「8主にあうぞっ。クンショウもたくさん付いてる」
 「なんか色々じゃらじゃらくっついてるの、勲章だったんだ」
 「こう見ると、確かに近衛隊長って感じだな」
 流石5主さん、目ざとい。そして、2主さん、流石王族です。僕的には7主さんの反応が一番らしいと思うけど。1主さんも、ちょっと興味深そうに見ている。
 「ん?帰ったのか?」
 窓からひょこっと顔を出した4主さんに、僕の体が硬直する。
 何時も、宿舎に来ると真っ先に居場所を確認してしまう人。だけど、今日は、会いたくなかった。
 彼はこちらを見て、微かに眉を顰める。態度には出さなかったと思うけど、油断出来ない。彼は、わずかな表情からこちらの感情を読み取る。肝心なことには全然気づいてくれないが。
 「そんな不安そうな顔せんでも、お前の分もあるよ。甘夏プリン」
 そんな言葉が返ってきたのでどうやら気づかれなかったのだろう。僕は内心胸を撫で下ろした。

685強く儚い導き 8→4 4/7:2009/06/13(土) 19:50:27
 本当なら、食べますって言うべきだと思う。実際、4主さんの作るプリンは絶品だ。しかも、新作のそれは、食べてみたいと思う。
 だけど、僕は首を振った。
 「ありがとうございます。だけど、ちょっと祝い酒で酔ってしまってるので、部屋で休みます。取っといてもらえますか?」
 僕の言葉に、4主さんの目が瞬いた。
 昔見た、硬質な色が柔らかくなった。それは素直に嬉しいと思うのに、それを向けられるのは自分だけではない。
 「8主。具合悪いのか?」
 3女さんの言葉に僕は首を振った。
 「いえ、本当に酔っ払っちゃって、物凄く眠いだけです。こんな寝ぼけ眼でプリンを味わうのはプリンに失礼ですしっ!」
 何時もどおりの態度に、3女さんは苦笑してた。4女さんは我関せずとばかりにプリンをつついている。
 正直、彼女が参戦しないはありがたい。彼女はマイペースがだが、基本スペックが4主さんと同じなのだ。嘘は殆ど見抜かれてしまう。
 彼女が何か言い出す前に、僕は皆に謝ってさっさと自室へ戻った。



 物が詰まれた部屋には寝転がれる場所などない。礼服をさっさと脱ぎ、そこら辺に放る。暫く着ることもないから、後でクリーニングにでも出せば良い。7主さんから借りている魔法の絨毯を広げ、そこにおいてあった寝巻きに着替える。さっさと眠ってしまいたい。
 こんな、うだうだ悩むのは僕らしくないのだ。鬱なのは4主さんだけで十分だ。
 布団に潜り込む。そもそも窓なんてとっくに荷物に埋もれているから、明かりを消してしまえば何も見えなくなる。
 眠りたいのに眠れない。先ほどみた、元同僚の幸せそうな顔がちらつく。
 うん、幸せなのは良い事だ。僕も、ミーティア姫とああなれるとずっと考えてた。
 だけど、僕は彼女と一緒に居られない。僕の時は人と違う。彼女はやがて僕を置いて……逝ってしまう。
 思考がぐるぐる回ってどうしようもなくなった頃、ノックの音が聞こえた。出なければ、僕はもう眠ってしまったと思うだろう。
 コンコン。コンコン。
 ノックが繰り返される。しつこいっ。僕は寝てるんだっ!
 布団を被り直し潜り込む。すると、ノックがやんで、カチャリと扉が開く音がした。
 「……あいっかわらず魔境だな、ここは」
 下から聞こえてきたのは、低いテノール。驚いて布団から顔を出すと、下から絨毯を見上げていたのは、4主さんだった。
 「……4主さん?」
 声が擦れる。ああ、これじゃばれてしまう。
 だけど、4主さんはかまわず、声を掛けてくる。
 「降りて来い。ここじゃゆっくり眠れないだろうが。俺と4女は今日は村に帰るから、特別に部屋を貸してやる」
 少し不機嫌な声。ああ、何時もの彼の声だ。だけど、そうすると僕の中の反抗心が頭を出す。
 「いやです。僕眠いんで。鳥さんと違って、木の枝じゃ眠れません」
 「OK。とりあえず降りて来い。このクソ竜」
 何時もの言葉。でも、気遣っているのか、外に出ろじゃないな。
 思わず小さく笑ってしまう。だけど、降りたくない。暫くそのままでいると、小さなため息が聞こえた。

686強く儚い導き 8→4 5/7:2009/06/13(土) 20:05:26
 『そう、諦めてください。今日はお相手できません。オネガイダカラ、カマワナイデ。イマノボクハナニモミタクナイ、キキタクナイ』
 しかし、そう考えた瞬間、再び絨毯の下で何か声が聞こえ、絨毯が急に下降し始めた。
 『え?これ、7主さんに借りたやつだから、7主さんと借主の僕の言うことしか聞かないはずなのにっ!』
 慌てて起き上がって絨毯に指示を出すが、絨毯は言うことを聞いてくれず、結局4主さんの腰あたりまで降りてしまった。
 4主さんが無言で見下ろしてくる。
 怖い。なんとなく、7主さんっていつもこんな感じなのかと考えた。要するに、僕の思考はメダパニ状態なんだろう。
 「ったく、素直に降りて来い」
 言葉共に、布団ごと体が持ち上げられる。
 「へ?え、えぇぇぇぇぇぇっ!?」
 そのまま肩に担ぎ上げられ、運ばれてしまう。
 『どうしてこの人僕より華奢なのに力持ちなんだっ!?』
 僕が状況が飲み込めない内に4主さんの部屋に着き、僕はベッドに丁寧に下ろされた。
 布団を優しく掛けられ、4主さんはベッドの横に置かれた椅子に腰掛けた。
 手の平が僕の額に伸ばされる。其れから頭をゆっくり撫でられる。
 「熱はねぇな?」
 喉にも触れたので、リンパ腺も確かめたのだろう。
 相変らず甲斐甲斐しい。見下ろしてくる紫水晶は、心配だと言外に告げてくる。違うのに、僕はただ、持て余した感情を落ち着かせたいだけなのに。
 しっとりと冷たい手が僕の額の前髪を書き上げ、目元に触れる。
 指が目元をぬぐい、そこで初めて自分が泣いていることに気づいた。
 彼は何も言わず、お日様のにおいのするタオルを目元に置いてくれる。
 再び頭が撫でられ、手が離れようとする。その手を、僕は慌てて掴んだ。
 「8主?」
 不思議そうな声。しかし、僕の手が導くままに僕の頬に手を置いてくれる。せっかく置いてくれたタオルは落ちてしまったが、それより冷たいこの手のほうが気持ちがいい。
 手に頬を摺り寄せる。彼は困ったような顔で、でも好きにさせてくれる。
 暫くその感触を味わってから、彼を見上げた。
 「聞かないんですね?」
 「……聞いたほうがいいか?」
 彼は優しい。でもとても厳しい。僕が仕舞い込もうとする心を暴こうとする。溜め込んでしまうほうが楽だけど、そうすると心に澱が降り積もる。その恐ろしさを誰より知っているから。だから、自分から吐き出せ、というのだ。
 「聞いてください……今日。同僚の結婚式だったです」
 其れから僕は、ぽつりぽつりと話した。
 確かに祝っていること。でも、置いていかれたような気がしたこと。ミーティア姫のこと。
 自分の寿命のこと。多分、自分は竜神族ほどではなくても、普通の人より遙かに長命だろう。だから、彼女の傍にいてはいけないと思ったこと。
 彼女は好きだ。4主さんへ向ける渇望じゃなくて、一緒に居るととても暖かい、幸せな気分になれる。
 だけど、それじゃあ駄目なんだ。愛していない人に、時の流れの違う僕が傍にいることがどれほどの苦痛を生むか……。
 4主さんが好きだということ以外、自分の心を吐き出した。

687強く儚い導き 8→4 6/7:2009/06/13(土) 20:05:59
 4主さんはただ、時々相槌をうって、頬を、頭を撫でてくれた。
 「ミーティア姫は好きです。でも、僕は彼女を愛していなかった」
 「……好きだからこそ、自分の運命に巻き込みたくなかったんじゃないのか?」
 「いいえ。僕は聖人君子じゃない。本当に大切な人は、相手の都合なんか考えず道連れにするっ。僕は……」
 声が震える。言ってしまいたい。貴方が好きだと。だから一緒に来てくれと。一人は寂しい。置いていかないでと。
 4主さんは小さく微笑んだ。こちらを見下ろす目は優しい。誰だろう、この人。こんな4主さん見たことない。
 「死は、二度訪れるって知っているか?」
 4主さんの突然の言葉に僕は疑問符を浮かべた。表情から答えを得た4主さんが言葉を続ける。
 「一度目の死は肉体の死。二度目は、記憶の死」
 「記憶の、死?」
 僕の頭を4主さんの手が掻き混ぜる。その手の感触が心地よくて、僕は目を細めた。
 「2度目の死は、故人の思い出を生ける者が忘れた時に訪れる死。……死が絆を別つわけじゃねぇ。俺もお前も。いつか、旅の仲間においていかれるだろうさ。それはもう分かっている。だけど、それで最後じゃない。俺たちが彼らを彼女たちを忘れるまで、皆は死なない」
 「なんですか、それ」
 聡いくせに、微妙にずれるのは彼の特性だ、突っ込みの癖に天然入るから、時々ちょっとぼける。
 でも、胸の中の闇に、光が差し込んだ気がする。
 頭を撫でる手が暖かい。本当に欲しいのはこの手。でも、僕の心が怖がっていたのは仲間において行かれること。
 ククールの髪が伸びた、ゼシカの判断の基準がお兄さんじゃなくなって、ヤンガスは例の彼女といい雰囲気で。
 皆進んでいるのに、僕だけ立ち止まっている気がした。一緒に歩きたいのに、歩いていくつもりだったのに、僕の体は、確実に老いのスピードが、時の流れが変わってしまった。
 そして、僕は気づいた。この人も、幾度となく同じことを考えたんだと。考えて考えて、辿り着いた答えを、道を僕に示してくれているんだと。
 「仲間を忘れないでやれ。……それでも寂しかったら、俺のところに遊びに来れば良いさ。どうせ、俺もその頃はシンシアちゃんと二人で、いや、4女も含めると三人でか。そんな感じで隠居してるから」
 物凄く魅力的なお誘い。一部ホラーはいってるけど。どうしてこの人は、こんなに簡単に僕の機嫌を直すのか。
 見上げると、照れているのか、ちょっと視線を逸らしている、耳が赤い。言い馴れないことをいうからだ。
 僕は笑った。完璧で不器用で優しくて厳しい、僕はこの人が好きだ。
 ああ、僕はずいぶんとくだらない勘違いをしていたらしい。
 時の流れが近いからじゃない。異種族とのハーフだからじゃない。優しくて厳しい、不器用なこの人だから好きなんだ。
 いつか言おう。だけど、それは今じゃない。こんな風に、甘やかしてもらえる時間がなくなってしまうのは悲しいから。
 一応、一つ年上のはずなのに、彼は僕を年下のように扱う。
 もう、仲間にも同僚にもしてもらえない年下扱い。
 『でも、いつか下克上したい、かな』
 頭を撫でる手は気持ち良い。でも、本当は、その唇に触れたい。
 悲しい、硬質な瞳を僕の声で潤ませたいのだ。いや、そんな大それたことじゃなくて、微笑んでほしい。きっとこんな綺麗な彼が微笑んだら、とても素敵だろうから。
 『ライバル、増えそうだけどなあ』
 さっきの光景を思い出す。
 うん。頑張らないと。こんなことで止まってる暇なんてない。
 僕は再び頭をかき混ぜる4主さんの手を取り、さっきみたいに頬を寄せる。

688強く儚い導き 8→4 7/7:2009/06/13(土) 20:09:17
 「……4主さん」
 「ん?なんだ?」
 「子守唄、歌ってください」
 「は?」
 不思議そうな4主さんを見上げ、おねだりしてみる。
 4主さんは驚いた顔をしてたけど、僕がじぃっと見上げると、小さくため息をついた。
 「俺は下手だから、笑うなよ?ちょっとでも笑ったら止めるからな?」
 「笑いません。だからお願い」
 小さな、低いテノールが奏でる優しい声が部屋に満ちる。
 その優しさに包まれて、僕は眠りに落ちた。



 「で、朝なんだけど、帰ってこないから見にきたら」
 不機嫌そうな声。葡萄色の瞳が怒りに染まっている。うん、やっぱりこの二人同一人物だ。物凄く怖い。
 4主さんはあのまま眠ってしまったらしい。というか、僕の手がちゃっかり4主さんの手を掴んだままなので、手を振りほどけなかったんだろう。この人らしい。
 「ねえ、8主?」
 「は、はいっ!?」
 「私ねぇ、今日の朝は4主が作ったフレンチトースト食べたかったの。か弱い女の子の手じゃ、生クリーム泡立てるの大変なんだもの」
 「そ、そうですね」
 「うん。物凄く食べたかったのよ?」
 「そういうことって、あ、ありますよね。僕もプリン食べたいことありますし」
 「分かってくれた?」
 「はい」
 「じゃ、選択肢あげましょう。ギガデインとギガソード、どっちがよい?」
 「ど、どっち?」
 「そう。どっち?(はあと)」
 「選ばなきゃ、駄目ですよね?やっぱり」
 「勿論♪ついでに、どっち選んでも、甘夏プリンは私と3女ちゃんで山分けです」
 「ええええっ!?そ、そんなっ!4主さんが僕のために残してくれたプリンっ!!!!!!」
 「いやかましっ!私のフレンチトースト返せっっ!!ギガデインっ!ついでにギガソードっ!」
 「ぬわーっ!!!」

689名無しの勇者:2009/06/14(日) 02:09:31
大作お疲れ様でした!
8主乙女すぎて悶え萌えました8主かわいいよ8主
最後の4女ふいたw
GJでした!!!!


そういやぁ、8主や4主(PS、DS版)も童顔なのは
寿命が長くて成長がゆるやかだからなのかな

690名無しの勇者:2009/06/14(日) 02:18:45
8は青臭くて可愛いなあ
でも他のどのキャラよりも片思いで終わりそうで(ノ∀`)
(個人的意見ですが)

ホラー最後ガチンコバトルも外伝も期待して待ってます!

691名無しの勇者:2009/06/14(日) 14:47:18
乙でした! 超GJ!
個人的には8主がミーちゃんのことも大事にしてて良かった。
今は自分の寂しさが先に立ってしまうところまだまだ子供だけど、
いつか4主のように、他人を包み込める人間に成長していくんでしょうね。
8主が4主を超えられるのはいつの日か?w

私も外伝マターリ期待してます♪

692変わるもの変わらないもの 84 1/4:2009/06/20(土) 04:34:00
連作のあなざーえんどです。
これがエンディングではないですが……IF世界というとこで。
※1 注意。血の表現や、明確には書いていませんが、「死」の表現が含まれます。
また、かなりオリジナル設定が含まれます。
以上の注意事項に引っかからない方のみ、ご観覧くださいませ。
※2 ちょっとばっかりピロートークが含まれますので、其れが駄目な方もご注意ください。










 目が片方しか開かない。眼球は傷ついていないが、額から流れる血が、固まって目を塞いでしまっていた。左手の肘から下も右足も感覚がない。
 『動け、動いてくれっ』
 片方の目で見えたのは、倒れ付した影。
 『ざまぁない。世界に干渉しないなんて、引きこもっていた罰か』
 彼は己を嘲笑う。かつて、天空の勇者と呼ばれた者。しかし、彼を勇者たらしてめていたのは、仲間と、平和を願う人々だった。
 かつて、勇者と導かれし者たちによって地底深く封じられた地獄の帝王は、それでも、滅んだわけではなかった。
 かの者は、ただ深く、闇深く眠りに付いただけだった。
 それでも、闇が、憎しみや恨み、悪意といったあらゆる負の念を人々が生み出されなければ、その眠りは守られるはずだった。
 勇者は、各国の王達にそれを警告し、自らは姿を消した。天に昇ったとも、地に潜り眠りに付いたともされたが、彼の行方を知るものは居なかった。
 しかし、人々は勇者達の残した平和を、導かれし者達が没した数十年しか持たせることが出来なかった。
 国と国は争い、血は流れ、怨嗟の声が世界中に満ち、闇が、再び力を得てしまった。
 地獄の帝王は、かつての失敗を学んでいた。
 人知れず、野望を持つものへ囁き、世界の希望の光になれたであろう者達を、国々の争いへ巻き込んだ。
 今、世界は疲弊し、かの帝王に逆らえる力を持つものは居ない。
 そうして、地獄の帝王は蘇り、世界を紅蓮の戦火で包み込んだのだ。



 「四百年、しか持たなかったなんてな」
 彼は苦笑する。彼は、かつて、白金の鎧を纏い、優美な剣を振るい、地獄の帝王を封じ込めた。

693変わるもの変わらないもの 84 2/4:2009/06/20(土) 04:34:42
 半分、人ではない神の眷属の血が流れていた彼は、仲間達が全て没した後、生まれた村に結界を張り、その中でのんびりと過ごしていた。
 時折訪れるのは、仲間の直系の子孫か、かつて魔族の王だった銀糸の魔人だけ。
 それ以外は、天の使いすら彼は訪れるのを拒んだ。
 彼と半身と、彼とともにあることだけを望んで全て捨ててきた人と、緩やかに時を過ごしていた青年が外の世界の不穏に気づいたのは、気まぐれに人里に下りた時。
 その裏に、地獄の帝王が居ることに気づいた彼は、一度は封印した剣を再び取り、ともに戦ってくれるものを探し始める。
 しかし、その時には全てが遅すぎた、世界全てが戦渦に巻き込まれ、かつての仲間の子孫もまた国同士の争いに巻き込まれ、次々に倒れていった。
 残されたのは、戦う術を知らぬ幼子数人。
 彼は、半身に幼子を任せ、友と、魔人と三人だけでかつて戦った地獄の帝王に挑まざるを得なかった。



 帝王は強かった。世界中を怨嗟に包みこみ、力をつけていた。それに引き換え、かつての勇者達とはいえ、たった三人。しかも、世界の希望の光はまるで蝋燭の灯のようにか細くなっていた。
 辛うじて再び封じ込めることは出来たが、代償は以前よりはるかに大きい。
 右手を、大地に着く。左の肘と交互に動かし、赤い影へと動いていく。
 外れた兜。額からは赤い筋が頬を伝って流れ落ちている。
 甘い物好きな青年の大好きなカラメル色の瞳は閉じられている。
 青年が彼を呼ぶ声が好きだった。彼を見つけると、バンダナの端がぴょんと跳ねる。その赤い布がはねるのが大好きだった。
 年の割りに幼い寝顔。だけど、これは違う。彼同様、青年もぼろぼろだった。
 必死に手を動かし、閉じた口に耳を寄せる。
 心臓が握りつぶされるような気がした。聞こえるはずの息が聞こえない。
 青年は、こんなことに巻き込みたくなかった。だけど、躊躇う彼に、青年は笑った。
 『居候なんだから、たまには働かないといけませんよね?ま、体も鈍ってたし、ちょうどよいですよ。なんですか?えすたっく?お薬みたいな名前ですよね。そんなの、僕と貴方の敵じゃないですよ』
 手を伸ばす。瞳と同色の煮詰めたカラメルのような甘い色の髪を梳く。
 「くそっ!」
 大地を叩く。今の自分に適うのは、せいぜい傷をふさぐ程度の治癒魔法。
 「どうして……どうして俺にはメガザルが使えないっ」
 血を吐くような叫びが洞窟に響く。
 「こんな、こんなところで失っていいはずないっ!俺はまだ、答えてないっ!全てを捨ててきたこいつに、何も返せてないっ!!」
 止まった涙が再び溢れる。頬を伝う涙が彼の手に落ちても、その手は動かない。
 『また泣いてるんですか?泣き虫ですねぇ』
 『泣かないでください。僕達が……僕が居ます』
 『トロデ王……とおさんにも、姫にも、クックルにもゼシカにも、ヤンガスにも……じいちゃんにも竜神王にもちゃんと言ってきました。貴方の傍に居たいって。そしたら、あの人、中々剛毅で、竜神の装備全部もってって良いって言われました♪』
 竜神王、あんたは気づいてたのか?この世界がまだまだ安定していないと。
 だから、コイツに神具を持たせた。なら、如何して止めなかった?
 「どうして……お前が逝かなきゃならない……いやだ」
 零れ落ちる言葉。
 脳裏に浮かぶのは魔人の言葉。

694変わるもの変わらないもの 84 3/4:2009/06/20(土) 04:36:21
















 『お前は、もう、自分のことだけ考えればよい。もう、世界に、<勇者>に己をささげるな……』
 そんな積りは無かった。ただ、自分の役目が終わったと、引きこもっていた自分に与えられた言葉。最後の、言葉。
 言って、よいのだろうか。最後だとするなら、言ってしまいたい。言ってしまおう。もう、誰も聞いていない。最後ぐらい許してもらえるだろう。
 「いやだっ!ハッッシュ……エイトッ!!生きてっ!!置いて、俺を置いていくなっ!!」
 まだ、暖かい体に縋りつく。しかし、いつもなら頭に添えられる手は動かない。瞳は開かれない。
 「いやだいやだいやだぁぁぁぁぁ」
 子供の頃のように泣きじゃくる。どれぐらいだろう、そんなことを考えていたら、つきりと背に痛みが走った。
 『背?』
 何しろ、全身傷だらけだ。背にも負っていたのだろうか?
 ズクリッ
 考えた瞬間、背中に心臓が移動したように全身の神経が集中した。
 「う、ぁ?」
 全身が焼けるように熱い。特に熱いのは背中。まるで、剣で斬りつけられたかのような痛みに体を抱えるように蹲る。
 ずるりっ。
 異質な音。何とか背を振り返った己の目に映ったのは、翼。
 背中を突き破った所為で根元が朱に染まっている。
 「血?いや、なんだ……」
 天空人の翼は一対。そして、その色は白。しかし、この翼は、二対四枚。色こそ白だが、一枚一枚、纏うオーラの色が異なる。
 一枚は紅玉。燃え盛る炎のような色。一枚は琥珀。大地に眠る木から生まれた宝石の色。一枚は碧石。新緑を慈しむ風の色。一枚は蒼玉。命を繋ぐ水の色。
 「これは……力、戻ってる」
 広がる翼。泉のように満ちてくる力。

695変わるもの変わらないもの 84 4/6:2009/06/20(土) 04:39:50
(注ページ数間違えました。4→6となります)














 手を伸ばす。そこには倒れた青年。
 「これなら、いける……ザオラルッ」
 差し出した手が、暗い洞窟の光で満たした。


 ぱちり。
 思わずそんな音がしそうなほど唐突に目覚めた。
 窓から差し込んでくる光。先ほどの夢の光は、この朝日だったのだろう。
 頭に髪を梳く感触。目の前には、心配そうなキャラメル色の瞳。
 青年は出会った頃からずいぶんと背が伸びた。身長はまだ辛うじて自分が勝っているが、肩幅はとっくの昔に負けている。
 それでも、この子犬のような目は変わらない。
 苦笑すると、青年は首を傾げた。
 「どうしたんです?」
 甘いものを食べると、声まで甘くなるのか。いや、違う。青年のこの態度はもはや彼専用だ。
 青年が、彼以外にこんな優しい声も、丁寧な言葉遣いももうしない。
 「懐かしい、夢を見たんだ」
 手を伸ばし、首に回すと、青年は嬉しげに笑い、抱きしめてくる。
 変わらない。まるで子犬が尻尾を振っているような満面の笑みも優しい声も。
 「懐かしい、ですか?」
 「ああ、翼が生えたときの…懐かしい夢」
 肩に顔を寄せると、顎に手が添えられる。
 掠める口付けの間に除くのは、いたずらっ子の笑み。
 顎に添えられた手はいつの間にか後頭部に、もう一方の手はいつの間にか夜着の裾から滑り込んでいる。

696変わるもの変わらないもの 84 5/6:2009/06/20(土) 04:40:29















 「……朝、なんだが」
 「朝ですね。駄目ですか?」
 子犬の眼差しは本当に卑怯だと思う。しかし、ここで流されるわけには行かない。そんなことになった日には、一日寝台で過ごすことになる。
 「駄目。そろそろ、暗黒神とやらも倒された頃だろう?」
 伸びた髪を引っ張ってやると、痛いですよなんて軽く言いながら頷いた。
 「確認したところ。昨日。彼らが来るのは後一週間ぐらいですかね?」
 「そんなもんか?」
 髪をもう一回引っ張る。青年は彼の頬にキスを落とす。
 「はい。確か、夢を見たのは、倒した直後に宿屋に泊まったときでした」
 「なら、本当に猶予ないだろう?さっさと人の姿を捨て完全な竜になるための儀式を始めないと。」
 彼は青年の手をゆっくり振り解き、半身を起こした。
 長い時をへて、青年同様伸びた髪が寝台に広がる。
 彼としては切ってしまいたいのだが、青年はこの髪が好きで、伸ばして欲しいとねだるので切ることが出来ない。
 自分も、大概甘くなったと思う。
 ため息をつくと、同じく身を起こした青年が抱きしめてくる。
 変わらない。図体が大きくなろうが、この甘ったれなところも全然。
 「いい加減にしろ。準備するぞ。っていうか、さっさと変化しないと。俺もお前も、この姿じゃまずいだろう?」
 再び離れようとするが、がっちりと廻された腕が彼の体を拘束する。

697変わるもの変わらないもの 84 6/6:2009/06/20(土) 04:41:05















 「オイ」
 「明日、儀式を始めます。だから、今日は……」
 ぎゅうっと音がするほど抱きしめてくる青年に、彼は苦笑し、瞼に唇で触れる。
 変わらない青年、変わってしまった彼。だけど、この手を放せないのだから仕方ない。
 「しょうがない、な……ってこらっ!せめてメシ食わせろっ!」
 「色気ない……でも、可愛いです」
 「キスすんな、変なとこ撫でるなぁっ!……ひゃっぁんっ……いい加減にしろーーーーっ!!ギガソーードッ」
 「ぬわーーーっ!!!」


 「竜神王、また朝っぱらからあの方に手を出しておられるのか」
 「懲りない方だよな」
 竜神族の里は今日も平和である。

698名無しの愚者:2009/06/20(土) 04:43:18
>>646さま、>>651さま、>>652さま、>>659さま、>>660さま、>>661さま、>>668さま、>>669さま、>>675さま、>>681さま、>>689さま、>>690さま、>>691さま
皆様、本当にありがとうございました。
一言でも感想をいただけると嬉しいです。

で、思わずおまけ作りました。
>>690さまの意見に思わず同意してしまったので。
あのオトメンじゃ、片思いで終わりそうで……
たぶん84、です。
「変わるもの変わらないもの」>>692-697


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