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FFDQかっこいい男コンテスト 〜なんでもあり部門〜

1名無しの勇者:2006/07/12(水) 21:32:41
FFDQなんでもあり部門の小説専用スレです。
シリーズ、作品の枠を超えた作品を投稿する時はこちらで。
書き手も読み手もマターリと楽しくいきましょう。

*煽り荒らしは完全放置。レスするあなたも厨房です*

ネタスレについては>>2以降(テンプレ考案中)

3431×3暗め [16]:2007/06/24(日) 02:45:22
 ……でも、なにもここまで激変することは、ないんじゃないか?

 俺の中で、利己的な部分が疑問を投げかける。
 芝居なんじゃないのか。俺を騙そうとしてるんじゃないのか。
 そうであってほしい。そうなんだと、信じたい。

「本当は怒ってるんだろ? な?」
「怒ってない」
「でも、ローラのことだよな? そうだろ」
「うん」
 肯定された……!
 俺はごくりと唾を飲み込んだ。

「そうか……。でも、すまない、ローラと別れるってのは無理だ」
 嘘は言えないと思った。
 傷つけてしまった相手に、もう不誠実なことはできない。
「でも絶対にご先祖を軽く扱うことはしない。信じてくれ、頼む」
 本心だった。
 ムシのいい話だとしても、俺はご先祖のことも大好きなのだ。

「わかった」
 少年がぽつりと言った。
「ローラとは別れない。ちゃんと、大事にするんだな」
「? ああ、そうだが――」
 なにか言ってることがおかしい。
 これでは「ローラの方を心配している」ようにしか取れない。
 いや、そう言えば最初から、彼はそう言っていたか……?

3441×3暗め [17]:2007/06/24(日) 02:45:45
「なら、いいんだ」
 少年が、顔を上げた。


 ――その目を見て、俺は今度こそ言葉を失った。

 ガラスのような目、という表現があるが、そんなもんじゃなかった。
 虚無だ。
 きれいなオニキスの瞳には、確かに俺が映っているのに。
 まるで、深い、昏い穴をのぞき込んでいるような――。


「今朝、少し電話で話をした。お前のことをすごく心配していた」
 絶句している俺に、ご先祖は淡々と続ける。
「あんなに大事に思ってくれる人を、裏切ったらだめだ」
 言葉はしっかりしている。内容も。
 でもあの少年が発しているとは思えないくらい、無感情で。
「それがわからないようなら、俺の子孫とは認めない」

 立ちつくしている俺に、彼は背を向けた。
「ゆっくり眠りたいから、みんなに起こさないよう言っておいてくれ」
 去っていく彼を、もう追いかけるだけの気力はなかった。
 俺の前で、ご先祖は自分の部屋に戻り、パタンとドアを閉めた。

3451×3暗め [18]:2007/06/24(日) 02:46:05
「……なんかご先祖、やっぱ具合悪かったみたいで。寝るから起こすなって」
 他に言いようがない。
 俺の報告に、落ち着かない様子でリビングに集まっていた面々もとりあえず納得した。
「じゃあ俺、パデキア煎れとくわ」
 4主が再びキッチンの方に消える。
「言ってくれれば良かったのに。僕も卵がゆでも作っておくよ」
 すぐに7主も立ち上がる。
 サッと行動に移るあたり、さすがそれぞれの世界で主役張ってるだけはある。

「近い方のご先祖」
 2主が寄ってきた。不安げな眼差しだ。
「こんな時だけど、俺……」
 ああ、ロンダルキアか。
 責任感の強い子だから、仲間との先約を破ることができないんだろう。 
「安心して行ってこい。なにかあったらすぐ知らせるから」
 邪教の総本山に命懸けで戦いに行く相手に、「安心して」というのもおかしいが。
「わかったぞ」
 ホッと息を吐いて、2主はいつもの道具入れを背負って玄関に向かった。

 真っ直ぐ目的に向かう子孫の後ろ姿が、その時、俺は少し羨ましかった。
 今の自分が、ひどく薄汚れた存在に思えた。


 ご先祖が起きてきたら、今度こそちゃんと謝ろう。
 土下座してでも許してもらおう。

 もう一度笑ってくれるまで、何度でも。

3461×3暗め [19]:2007/06/24(日) 02:46:28
 その日の夕方。
 俺は頭の中で何百回もシミュレーションした謝罪の文句をひっさげて、
ご先祖の部屋に向かった。
 この時間なら一眠りした頃だろう。
 無理に起こす気はないが、聞いてもらえそうなら早い方がいい。


 ところが、先客が来ていた。
 4主が湯気の立つティーカップを持って、ドアの前に突っ立っている。
「そんなところでなにやってんだ?」
 正直(申し訳ないが)邪魔だなと思いつつ、顔に出さないように聞いた。
 4主は俺を見ると、困ったようにもう一度ドアに目をやった。
「いや、そろそろ1回起こしてもいい頃かと思ってな。先にパデキアだけでも
飲ませておこうと持ってきたんだが」
 なるほど、そういう気の回し方は4主も俺と近い。だから重なったんだな。
「でも、ずいぶんぐっすり寝てるみたいで、いくら呼んでも出てこねえんだよ」
「そうか……じゃあ今は、静かにしてた方が良さそうだな」
 謝りに来たから起きろ、というワケにもいくまい。
 ここは素直に、俺は4主と一緒に引き返すことにした。



 だが、ご先祖は。
 翌日の朝になっても、昼になっても――夜を迎えてさえも。
 部屋から出てこなかった。



   ――つづく

347名無しの勇者:2007/06/24(日) 03:30:05
寝る前にのぞいてみたら続キターーーーーーーー!
最高潮に続きが気になる!モエス!

348名無しの勇者:2007/06/24(日) 08:48:35
この締め付けられるような胸の痛みは……萌えですねっ!

349名無しの勇者:2007/06/24(日) 13:21:05
切ない…続きが気になって仕方ないです!

3501×3暗め [20]:2007/06/24(日) 22:25:46
>>346の続きです)


 普段から籠もりがちなご先祖だが、さすがにこれは異常だ。
 戻ってきた2主も、話を聞いてまた不安な顔をする。 
「そろそろ様子を見に行った方がいいかもね」
 5主の言葉をかわぎりに、今度は全員がご先祖の部屋に向かった。

「3主さん、起きてる? 3主さん!」
 7主がドアを叩いても、当然のように反応はない。
「開けるけど――いいよな?」
 最後の鍵を持った4主が、一同を見回した。
 実家のある俺たちと違い、ご先祖は宿舎に居住している。
 旅先の宿で仲間の部屋に訪問するのと、他人の家に上がるのとでは違うように、
勝手に鍵を開けるのはためらいがあるのだろう。
「非常事態だからね、仕方ないよ」
 責任は自分が取るから、というように、5主が4主の肩に手を置いた。
 緑髪の少年は、思い切ったようにガチャリと鍵を開けた。


 外は夜だが、思ったより明るかった。
 カーテンが開けっ放しで、月明かりが直に差し込んでいたからだ。
 窓の端にきちんと紐で結われている……俺が開けたときのままってことだ。
「あれ、いなくね?」
 6主が首をかしげる。ベッドを見ても、枕に例のツンツン頭は見あたらない。
 そう広い部屋ではないから、他に隠れるような場所もない。
 もしや、いつの間にかでかけたのか?

3511×3暗め [21]:2007/06/24(日) 22:26:16
「いや、いますよ。寝てます」
 8主がベッドの端に片手で乗って、そっとかけぶとんをめくった。

 ――いた。

 真ん中に小さくまるまって、ご先祖は静かに寝息を立てていた。
 いつもは大の字になって、ふとんは常にベッドの下に蹴落としている。
 そんな先入観があったから、いないと錯覚してしまったのだ。

「ご先祖、起きろよ」
 肩をゆすってみる。なんの反応もない。
「起きてくれ、みんな心配してるぞ」
 無反応。
 せめてむずがるとかするならまだしも、これでは死んでるみたいだ……。
「ご先祖、ご先祖ってば!」
「落ち着くんだ1主」
 逆に俺が5主に肩をつかまれた。
「4主くん、ザメハってあったよね?」
「わかった」
 4主があまり聞かない詠唱を口にする。寝ている人間を強制的に覚醒させる呪文だ。
 だが。
「……効かない? そんなはずねえんだが」

 まさかこのまま目を覚まさないなんてことはないよな――。

3521×3暗め [22]:2007/06/24(日) 22:26:43
 ゾッとした俺に追い打ちをかけるように、7主が叫んだ。
「うわ、なにこれ!」
 ご先祖のパソコンの画面を、おびえているような目で見つめている。
「どうしたんだ」
 思わず「遺書でも書いてあるのか」とバカなことを考えた。
 
 画面の中を見た俺は、二の句が継げなかった。
 遺書の方が、まだマシだった。


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faiohjkvdfncioamcghjvaoc fmaghfmvmierojacklrer aoijgojcmiagfcswioaerw
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ldcfkmscad,,d wcmihuvtgjsvfklma;fkmieadks;kfwmdkkwfdlwkcfugjlsx ;dlkpf
tdhimrjgkflsjriejn dpkjegjnraklmsd;p;jtyfgfj oewjgv ngcersuhtv3ooqvwjq94
tyeuwrfiopdsgjvm acaifihbdvdfmca,xflsdaic jgivgfsdw@waeprgoijsfsaodljk
kfdvme cfgna,ldssgmvkgceaklmcv,etgjo ifcad,sga;alsropeiwhrtgjknfdsvmci
h rtjgabmswk;,sfghj nkdmslcmfrhvytoak;dflsnpqowihegrdvlojngdmslfjkojn
dskkoidanadjgankdsmfaiwcojm awpergjiovfkcm3irgkfldfsvmc,flsgmvmagk
snmc,vrjgdfkgjkddcngkfjgajfxairjgec,q4t jigraefkdlvjknjrkgmdfbnjiergjfnbr
igvcoeghfkm.............................


「全然わかんないぞ……」
 横からのぞきこんだ2主も、怖い物を見たみたいに引く。
 とても意味があるとは思えない。だからこそ不気味だ。
 しかも使っているソフトは、ただ書くためだけの基本エディタ、メモ帳だ。
 Yahoo!の画面や2chあたりが開いていたなら、まだわかるが――。

3531×3暗め [23]:2007/06/24(日) 22:27:10
 と、6主が割り込んできた。
「あっちだとなんて書いてんのかな」
 彼だけはいつも通りの様子で、画面を見ている。 
「あっち?」
 4主がいぶかしげに尋ねると、6主はこともなげに言った。
「こんなもん、寝ぼけて打ったに決まってんじゃん」
「はぁ?」
「なんだいそれは」
 5主と7主が顔を見合わせる。俺もよくわからない。

 そこで48の頭脳派コンビが、「あっ」と声を揃えた。
「つまり夢の世界では、意味がわかるってことですか?」
 8主の言葉に、6主は軽く肩をすくめた。
「夢ってのは、基本的に理想を具現化する場所だからさ。
たとえば、本当は全っ然わかんねえような難しい課題とかもスラスラ解けたりするんだけど、
それを下の世界……つまり現実に持って来ると、こんな風に意味不明の文章になってたりするんだ。
現実には解けないんだから当たり前だが、でも夢の世界では確かにちゃんと形になってんだよ」
 珍しく理路整然と答える6主。
 こと「眠り」に関しては、彼の右に出る者はいない。

「それに」
 6主はご先祖のところにいくと、眠り続ける少年の顔のそばに耳を寄せた。
「やっぱりな。俺も起こされたくないときにたまに使うんだけど、こいつ、
自分にラリホーをかけ続けてる」
「じゃあザメハも効かないんじゃなくて、即座にラリホーが上掛けされてたのか」
「そゆこと」

3541×3暗め [24]:2007/06/24(日) 22:27:27
 ふと6主が、もう一度ご先祖の顔を近くで見て、小さく呟いた。
「でもここまで拒否るってことは……よっぽど起きたくない事情でもあんのかね」


 心臓が。
 握りつぶされるような気がした。


「どうやったら起こせる!?」
 俺は思わず6主に詰め寄った。
 きょとんとしている6主の表情が、ほんの一瞬だけ、険しくなる。
(お前が原因か?)
 目だけで問われ、俺はうなずいた。


「ハッハッハ、1主は本当に心配性だな〜」
 6主はすぐにいつものハイテンションお兄ちゃんに戻って、俺の肩をバンと叩いた。
「別に悪い夢に捕まってるって感じでもないし、大したことないだろうけどな」
「なんだ、じゃあ心配するようなことでもないのかい?」
 宿舎の夢診断士がそう言うのなら、とみんな安心したように顔を見合わせた。

 そこで6主がニヤッと笑う。
「でもこのまま掃除当番もメシ当番もサボられるのはムカつかね?」
「あ、そうですよね! まったく人に心配かけといて、その上サボられたらたまりませんよ」
「だろ? 1主、ちょっと起こしてこいよ」
 グイッと俺の手を引いて、6主は眠っているご先祖の手に重ねた。

3551×3暗め [25]:2007/06/24(日) 22:27:49
「こうやってコイツの手ぇ握って……って、コラ気持ち悪いとか言うな」
 言ってない、と返しそうになって、口をつぐむ。
 そういうことにしておけ、ということか。
「俺がこいつの夢の中に通してやるから、引っ張り出してこい」
「へ〜、そんなことできるの?」
 半分あきれてるような7主に、6主は派手なウィンクを返した。
「お兄ちゃんだからな。はいはい、気が散るからみんな出てってね〜♪」

   ・
   ・
   ・

 ドアが閉じられ、俺と6主と、ご先祖だけになった。
 6主が明かりを消す。パソコンから溢れるぼんやりした光だけになる。

「――なにがあったかは、聞かねえけどよ」
 いつもと違う、まじめな声だ。
「夢の中ではそいつの本音がわかる。ちゃんとしてこいよ」


「……恩に着る」


 気の回るお兄ちゃんに心から感謝しつつ、俺は自分に催眠呪文をかけた。



   ――つづく

356名無しの勇者:2007/06/24(日) 23:25:29
こ、これは続きが気になる!!
3主何考えてるの3主

357名無しの勇者:2007/06/24(日) 23:28:05
1×3の話に対する感想としてアレだけどお兄ちゃんかっけー!

358名無しの勇者:2007/06/24(日) 23:50:40
ようやく3主の気持ちがわかるのか…
お疲れさまです。続き待ってます

3591×3暗め [27]:2007/06/25(月) 13:22:14
>>355の続きです)


 次に目を開けたとき、俺は思わず「はぁ?」と間抜けな声を出していた。
 宿舎だった。それもご先祖の部屋の前だ。
 まるで時間が巻き戻ったような気分だ。

 中からは、この部屋の主がゲラゲラ笑っているのが聞こえる。
「年金問題で怒らないのはお金を払ってないニートだけですね、だって! うまいな」
 テレビのニュースにでも突っ込んでるのか。
 おいこら、「うまいな」なんて感心していい問題じゃないだろうが。
「なにバカなこと言ってんだ。働けこのニート勇者」
 俺はいつものように突っ込みを返しながら、ドアを開けて中に入った。


 ……え?

 部屋の中は、まるで様相が違っていた。
 テレビもベッドもない。タンスも本棚もない。
 窓も、壁すらなく、ただ一面まぶしいくらいの真っ白な空間が、どこまでも広がっている。
 その中にちょこんと小さなテーブルがあり、ノート型パソコンだけが置いてある。
 ご先祖はそのテーブルに頬杖をついて座っている。
 
「なんだよー、子孫のくせに偉そうにすんな。俺は勇者だからいーの!」
 ご先祖がベーッと舌を出す。
 それから少し間をおいて、首をかしげる。
「いや、実はよく知らねえ。お前はどうしてんの?」
 また少し間をおいて、今度はいきなり声を上げて笑った。
「あはは! それだったら、お前だって滞納してるってことになんじゃねえか?」
 いつもの屈託のない笑顔だ。

3601×3暗め [28]:2007/06/25(月) 13:22:29
 彼は――。
 入り口に呆然と立ちつくしている俺には目もくれず。
 誰もいないテーブルの向こう側に向かって話しかけている。
 心から楽しそうに。
 俺が大切に思うあの笑顔を、惜しげもなく見せて。 

「ぷはw ほらまた鳴ってるぞ、ローラフォンw」
 ご先祖がテーブルの上を指さす。
 そこにはなにもない。当然、着信音も聞こえない。
「俺のことばっか構ってるから、ローラも面白くねえんじゃねえのぉ?」
 からかうような笑みを浮かべて、見えない相手が電話を切るのを待つ。
「終わったか〜? これ見てみろよ、俺ちゃんと考えてんだぞ、結婚式のスピーチ」
 パソコンを開いて、それを反対側に回してみせる。
 ああ、あの意味不明な文字列は、俺とローラの結婚式用のスピーチだったのか。
「実は楽しみにしてんだぞ。やっぱ子孫が幸せになんのは、俺も嬉しいからな!」

 少年は一人で盛り上がっている。
 悲しいまでに滑稽な一人遊びだった。
 彼の目には、彼が望むとおりの俺が映っているのだろう。
 普段のままの、世話焼きで心配性で、ちょっと神経質な年上の子孫が――。


「ご先祖」
 俺はそっと、彼の後ろから、その肩に腕を回した。
「ごめん、3主」
 涙が溢れた。

3611×3暗め [29]:2007/06/25(月) 13:22:49
 ご先祖が口を閉ざした。
 唐突に、静寂に包まれた。


「だって」
 やがて彼が、小さくつぶやいた。
 その頬を透明なしずくが滑り落ちていく。いくつも、いくつも。
「……だって……お前は……好きって言ってくれたのに……」
 しゃくりあげる合間に、少年の本心が漏れる。
「……俺は……違う、から……」
 ああ。
「……俺も、好きだけど……そういうのとは……違う気がするから……」
 そうか。
「だから……傷つけるかなって……でも……ローラは優しいし……」
 優しいのは、この少年こそが。
「きっとローラなら……ローラのところに戻れば……大丈夫かなって……」
 だけど、優しすぎたから。
「でも、やっぱり俺、好きなのかなって……段々、わかんなくなって……」
 その純真さ故に、混乱して、自分の感情すら把握できなくなった。
「……自分のことも……わかんなくなって……どうしていいか、わかんなくて……!」



「それがあなたの、答えなんだね」

3621×3暗め [30]:2007/06/25(月) 13:23:13
 今まで通りの関係が、彼の一番の望みだったのだと。
 ただ楽しく話していられれば、それで良かったのだと。
 これは最初から……俺の失恋だったのだと。

 今になってようやく、俺は、思い知らされた。

 なのに――俺は気づかないままに。
 まだろくに恋愛を知らない少年の心を、無理やり変えようとしてしまった。
 まだなんの汚れも知らない無垢な躯に、リアルな事実だけを刻みつけてしまった。
 そして、追い詰められた彼は。
 感情を殺して、意識を殺して、夢の中に逃げ込んでしまったのだ。


 もっと、強く抱きしめる。
 その華奢な背中は、小刻みに震えていた。
「すまない。――本当にごめん。ごめんな」








 それから、どれくらい過ぎたのか。
 ある瞬間に、彼は聞こえるかどうかの小さな声で、囁くように言った。
「忘れても、いい……?」

 俺の答えは決まっている。
「いいよ――忘れてくれて、いい」

3631×3暗め [31]:2007/06/25(月) 13:23:28
 パソコンが四散した。
 テーブルが溶けて消える。
 空間がそのものが白い粒子となって飛び散り、そこに現れた真っ暗な闇に呑まれていく。

【ピッ!】

 場違いな甲高い音が響き渡り、視界いっぱいに、巨大な白い枠と文字が浮かび上がる。
 闇を背景に展開されたそれは――ウィンドウ。
 黒地に白文字、右向き三角のカーソル。
 コマンドはただ一つだけ。
 
【わすれる】


「1主……ごめん」

 謝るのは俺の方だろ、ご先祖。
 ああ、本当にこの人は、こんなときまで優しすぎる。

 だから好きになったんだな、俺は。

   ・
   ・
   ・

3641×3暗め [32]:2007/06/25(月) 13:23:45
 今日もうちのバカご先祖はパソコンでカタカタやっている。
「外は天気もいいってのに、少しは表に出たらどうなんだ」
「あん? 特に用事ねえもんな。だいたい1主、ジャンプの発売はあさってだぞ」
「威張って言うなっ」
 俺が殴るマネをすると、ご先祖は笑いながら頭を抱える。
「あ! やべえ!」
 なんだ唐突に。
「背中かゆい〜!」
「そんなことでいちいち騒ぐなよ!」
「だってかゆいんだもん! しかも自分じゃ届かない真ん中あたり! ちょ、掻いて」
「だぁあああ、もうあんたって人はぁ……」
 世話が焼けるなぁと思いつつ、もぞもぞ変な動きをしているご先祖の背中に手を伸ばす。

 ――その指先が触れそうになった瞬間。
 不意に恐ろしくなって、俺は手を引っ込めてしまった。
「んにゃ? どうしたんだよ」
「……いや、なんでもない。動くなってほら! ここか?」
 ガリガリ掻いてやる。ご先祖は「ふにゃ〜ん」と顔を弛緩させた。
「あ〜いい。ありがとな♪」


 いつもの笑顔だ。前と同じ、なんの翳りもない明るい笑み。
 もうすっかり、元通りになった。……違うのは俺だけだ。

 俺の内側に、あの時の闇が抱え込まれていること。
 胸の痛くなるような彼への想いと一緒に、それは静かに重く、横たわっている。



   ――おわり

3651×3暗め [-]:2007/06/25(月) 13:25:13
これで終わりです。
暗くてごめんなさい。

366名無しの勇者:2007/06/25(月) 15:15:00
ウィンドウ出たところで鳥肌立った!乙です

367名無しの勇者:2007/06/25(月) 15:56:37
わかるなー自分もドラクエな雰囲気にホレた!
乙でした、感動でした

368名無しの勇者:2007/06/25(月) 19:01:12
めちゃくちゃ萌えました。1主切ないなー…
本当にGJです!

369名無しの勇者:2007/06/25(月) 19:40:00
超乙です!!
あますことなく萌えさせていただきました…!

3701×3暗め [--]:2007/06/25(月) 23:34:41
いや〜、あんまり間あけすぎたもので、ちょっと顔が出しづらくてですね。
おみやげ代わりの一作でした(^_^;
その割りにはなんか暗いからどうかなと不安でしたが、萌えてもらえて良かったです。

さてと、一作仕上げて気合いも入ったことだし。
本当に休載状態になっちまった長編の方、頑張らないとなぁ。

ということで【Ligament】続編、今週末を目処に続きあげます。
いろいろリアルで事情がありまして、なかなか執筆できませんでした。
お待たせして本当にすみません。
以上、靱帯でした!

371:2007/06/25(月) 23:38:37
黙って投下も考えたんですが、ちょっとしたサプライズということで。
うざくてすみません……orz

372名無しの勇者:2007/06/25(月) 23:48:40
あ、やっぱり靭帯さんでしたか!そうだと思ってましたよ〜
長編の方も楽しみに待ってますw

373名無しの勇者:2007/06/26(火) 02:56:17
超〜乙です!!
1主テラ切ナス(TДT)
2主がピュアなのは、遠いご先祖が隠れピュアピュアだからなのね。

374:2007/06/26(火) 02:57:32
sage忘れスマソ。

375名無しの勇者:2007/06/26(火) 20:05:56
ギャー靱帯さん復活ktkr
大変楽しませていただきました。
続くLigamentも楽しみにしていますw 復習しなきゃー!

376【Ligament】[11] 0/6:2007/07/02(月) 01:40:25
3主×4主←8主fromDQ主雑

3主「……いや〜、本当に休載状態になっちまったな」
4主「えー、仕事で抱えていた大きな案件がようやく落ち着きまして、
   これからはまたちょこちょこ書けると思います」
8主「お待たせしてすみませんでした。今後ともよろしくお願いします」

3主「んで、もういっこ謝ることが……」
8主「すみません! 恒例サンクスコールは次の時にまとめて送らせていただきます」
4主「いや〜、ぶっちゃけ今週もいろいろと……もう……あの取引先殺してぇ……」

8主「ひとまず本編スタートです」

377【Ligament】[11] 1/6:2007/07/02(月) 01:40:50
  <6主>

 奥にもう一つ部屋があった。目測ではさっきの部屋の半分もないだろう。
 ここは外に面していて2方向に大きな窓がある。
 自然の外光で照らされた明るい室内には、壁際に小さな机と椅子のセットが一つ。
 窓がない壁側に簡素な寝台があり、その横に鏡台と、小さなタンスがあった。
「シンシアの部屋さ。てっきり森の中で妖精みたいな不思議な生活をしてると思ってたから、
ここを見たときはおかしくなったな。普通じゃん、みたいな」
 ベッドに腰掛けて、ヤツは隣をポンポンと叩いた。一瞬迷ったが、俺もそこに座った。
 窓から差し込む陽光に、細かなチリが光るのを眺めながら、ヤツは静かに語り出した。
「ある日、世界中の名だたる識者の元に、神より勅命が下った。
いずれ目覚める地獄の帝王を滅ぼすために『勇者』を用意せよと。
必要な道具も実験素材もすでにこの地に用意されていて、選ばれた者たちは、
その栄光と誇りに懸けて大いなる研究に心血を注いだ。
 素材の提供者だった地元人が実験に反対し、通電実験の最中に助けようとして
巻き込まれて死んだ、って事故あったが、それ以外はおおむね順調に進んだ」
 ……雷に打たれて……父親は……。
「俺の育ての親は、本職は心理学者だったそうだ。勇者として適正な人格を作る、
その教育プログラムの考案と実施が担当だった。強い正義感を持たせるのは当然だが、
潔癖すぎてもいけない。守るべき人間にも、醜い部分はあるからな」
 徹底した情操教育と訓練、そして本人の知らぬところで繰り返される生体実験。
 のどかな山村で育った4主が、そうとは思えない高い教養と礼儀作法を備えていることに
以前から疑問はあったが、これなら納得もできる。
 ヤツはまるで他人事のように言葉をつむいでいく。
「結論を言えば、実験は失敗だった。もっと早くそれがわかったなら、さっさと廃棄処分
にして、新たに作り直した方が早かったはずだ。だけど……間に合わなくて」
 あの運命の日が訪れる。魔王の襲来。

378【Ligament】[11] 2/6:2007/07/02(月) 01:41:07
「もし実験がうまくいっていたなら、きっとみんなを守ることができたと思う。
守るべき人間が死んで、道具だけが残るなんて、本末転倒もいいところだ」
 自分を道具と言い切るヤツの目に、その思いに、嘘は見えない――。
 ちょっと待て。待ってくれ!
「お前はなんとも思わないのか!? そりゃ命がけで守ってもらったかもしれないが……」
「彼らの愛情に疑問を持たなかったのかって? でもな、俺を守ってみんなが死んだのは
事実だ。それが実験動物に対する憐れみでも、研究成果を残したいという学者としての
意地だったとしても。責められるべきは、彼らの生前に何一つ期待に応えられなかった、
できそこないのこの俺なんだよ」
「いやおかしいだろ。エスタークは倒したし、ピサロも改心させて、悪の元凶のエビル
プリーストも闇に葬ったんだ。与えられた使命は全部、果たしたじゃねえか」

 その瞬間だった。ヤツを取り巻いていた愁然とした空気が、急に濁ったのは。
 肌の裏がザラつくような不快感。
 目つきが変わる。7主を喰っていた時に見た、飢えた獣のそれだ。
「俺の使命は、そんなくだらないことじゃない」
 思わず立ち上がりかけた俺の腕を、ヤツはグイっとつかんで引き寄せた。すごい力だった。
指が食い込む。ミシリと音がして、俺はぎりぎりで悲鳴をかみ殺した。
「俺の使命はシンシアの望みを叶えること。彼女が目指した『究極の生命』に、進化することだ」
「それは手段であって目的じゃないだろう!!」
 怒鳴った俺に、ヤツはくすくすと笑った。それから、つっ……とある方向をあごで示す。
 つられてそっちに目をやったが、なにもない。
「本人がそう言ってるんだ。間違いないよ」
 は……?
 4主はその方向をじっと見ている。俺ももう一度目をこらした。
 ある瞬間、スウッと、半透明の女性の姿が浮かび上がる。
 エルフらしい清楚なたたずまいの美しい女性だ。

 だが――その彼女の笑みは硬質で、実験動物を眺める観察者の顔に他ならなかった。

379【Ligament】[11] 3/6:2007/07/02(月) 01:41:26
  <3主>

「でりゃぁああああああ!!!!!」
 2主がつっこんで行ったあとには、魔物の死骸が累々と横たわっている。5主は顔を
しかめていたが、俺が見ているのに気付くと、いつもの飄々とした様子で手を振った。
「いいよいいよ、緊急事態だからね。ちんたら説得してるヒマはないだろうし」
「すまんな」
 正直、魔物を人間と同等に考えられる5主の気持ちは、俺にはいまいちわからない。
 厳しい一人旅を続けてきた1主もそうだし、普段は穏和な2主も、あれで意外と向かって
くる敵には容赦しない戦士の一面を持っている。
 アレフガルドは2度に渡って大敗を喫している。闇に閉ざされ、飢えと寒さに多くの
人間が死んだ。ようやく平和を取り戻したのちも、ムーンブルクという大国が女子供も
関係なく一晩で焼き払われた。
 ロトの血族にとって魔物とは、人間という種族の生き残りを懸けて滅ぼすべき敵なのだ。
害意が無いなら捨て置くが、一度剣を向けた相手に、安易に情をかけるような考えはない。
 だから――、
(3主なら、ちゃんと殺してくれると思ったから)
 4主も俺を選んだのだろう。

「ご先祖ー! 5主ぅ、なんかいるぞぉ!」
 2主が遠くで叫んだ。この場合の「なんかいる」は、アレ以外には考えられない。
 俺と5主は一瞬顔を見合わせてから、急いであとを追いかけた。

 果たして、なんともトリっぽい魔物と、タマゴっぽい魔物が、くだらない議題を
熱く語り合っている。どうやら例の問題は、未だに解決していないらしい。
 できるだけ多くの敵を弊すために、無駄な戦闘を避けるのもロトの兵法だ。
 さて、穏やかな話し合いの上で黄金の腕輪を渡してもらえるといいんだが。
「元祖魔物使いのお手並み、拝見させてもらうぜ?」
「うーん、自信ないけど、まあやってみるよ」
 言葉とは裏腹に、5主は不敵な笑みを浮かべた。

380【Ligament】[11] ■/6:2007/07/02(月) 01:43:40
本日はいったんここまでです。半端なところでごめんなさ〜い。
ちなみに■/6の四角は、停止ボタンの四角です(誰も聞いてないか)。

381名無しの勇者:2007/07/02(月) 19:16:12
連載再開ktkr
つか、益々続きが気になる展開だw
4主どうなるんだろう…

靱帯さん、お仕事お疲れ様でした!
今後の更新も楽しみにしています。

382名無しの勇者:2007/07/03(火) 02:25:37
靭帯さんキタ―――!!!!
もういろんなこと頭ん中いっぱいで言葉が浮かばない。
怒涛の展開ですねぇ〜
4主が可哀想で早く救ってあげたい…でも(Ligament)終わらないでほしい。
ああアンビバレンツ!!

383名無しの勇者:2007/08/05(日) 22:36:49
みなさん靭帯さんまちでジリジリしているようなので(自分もその一人www)
ちょっとオツマミ投下していきますね

世にも珍しい4主と5主の絡み 苦手な人はヌルーおね

384【1】:2007/08/05(日) 22:37:28
”悪夢なんてもう慣れた”

と、言うのはやはり幻想だ。少なくとも俺はそう思った。
夢と分かりきってても、あの日の惨劇は生々しく蘇る。

家畜や人の悲鳴、魔物の興奮した鳴き声、生き物も家も何もかもが焼ける匂い。
記憶にこびりついたそれが、あたかも今、目の前に起きている事のように再生される。

何度も見た夢だ。始めから最後まで全部一緒。だからこの先の展開まで全て分かっている。

−ここからでちゃダメよ?−

そういって気丈に微笑み、そして僕の身代わりになった少女の最後のあの笑顔。

「   シンシア  」

そして俺はまたここで現実の世界に引き上げられる。

385【2】:2007/08/05(日) 22:38:04

あの夢は何度も見ているが、やはり慣れない。
過去の記憶だと解っていても、俺の心がそれを拒絶する。
見るたびに後悔と自責が押し寄せてくる。あの日、何も出来なかった非力な自分が恨めしいからだ。

あーもう寝汗がぐっちょりできもちわるい。喉もカラカラに渇いて張り付く。
だから悪夢なんていやなんだチクショウ。


とりあえずシャワーを浴び、べったりとした汗を流した。
「そーいえばこの間買っておいた珈琲牛乳が・・・」
頭をタオルでガシガシ拭きながら冷蔵庫に向かう。
だがいざ空けた瞬間、そこにあるはずのものは無かった。

仕方が無いことかもしれない。複数の人間が一つ屋根の下で生活する場合、
誰が買ったかわからないものを、これまた誰かわからないものがうっかり飲み食いしてしまうことがある。
とくに2主は風呂上りのイッキ飲みが日課の奴だ。うっかり飲んでしまったという可能性もある。

半ば仕方ないなぁと諦めかけた瞬間、視界にあるものが飛び込んできた。
空の瓶だ。その瓶の下には見てくれ、と言わんばかりのメモ帳が敷かれていた。


〜 4主さんへ

    コーヒー牛乳とっても美味しかったですwww ごちそうさま^^
    
                                親愛なる8主よりw 〜


手の中で紙がひしゃげる音がするがキニシナーイ。
先ほどの悪夢も。就寝前に8主から嫌がらせされたことが原因かもしれない。
くそう、あのクソドラゴン。 明日起きたらプチころしてさしあげますわよ、っと。

386【3】:2007/08/05(日) 22:38:37

最悪な気分のまま、ダイニングのソファーに向かった。
あのコーヒー牛乳攻撃が地味に効いたらしく、全ての気力を失ってしまった。
あー 部屋に帰るのもマンドクセー
ので、とりあえずダイニングのソファーで寝ようと思ったのだ。  が。

「今日は厄日ですかそうですか。」

ソファーには5主が腰掛け、何かをしているようだった。
よく見ると本を読んでるらしい。どうせ5主のことだエロ本の類なんだろうよ。
あーあ、えらく真剣な顔しちゃって。なんかメガネまでかけてるし。

だが普段とは違い、物静かで落ち着きのある5主を見るのはこれが初めてかもしれない。
姿勢の良い、だが張り詰めたわけでもなくゆったりとした座り方。
サロン送り寸前のエロワードがいつも紡がれる口はきりりと閉まっている。
そのせいか妙に気分がざわついてきた。




・・・ん? なんか俺ときめいてません?
いやいやいやいや ないないないない

387【4】:2007/08/05(日) 22:39:01


「私でなくとも無言で、しかも背後の方から見つめられるのはあまりよろしくない気分なんだが?」

こちらを振り返らずにかけられた声に心臓が跳ね上がった。
一応気配は隠していたのだが、やはり相手も一応は歴戦の戦士。ばれていたみたいである。

「まぁ何時までも突っ立ってないで、座ったらどうだね?」

栞を挟んでぱたんと本を閉じ、5主はすこしだけ首を振り返らせ、こちらを向きながら
自分の隣を手のひらでトントンと叩く。ようは此処に座れ、ということだろう。
べつに反抗する理由も無いのでどっかりと座り、背もたれに両腕をかけ、足を組んだ。
隣の5主に比べればかなりだらしのない姿勢だ。

「んで、なにがあった? 恋の悩みか、それとも8主のいやがらせか?」

どこかおどけたように言う5主だが、単に喉が乾いたーなどといった類の穏やかな理由で俺がここにいるのでは
ないということに気付いているらしい。血のせいか、それとも経験からか。
とにかくこういった感情変化に変に鋭いからあなどれないんだ。まったく。

「べつにー?急にソファーでくつろぎたくなったら変態な先客がいただけですぅ。」
「はははあんまり嬉しくない冗談だな。」

棒読みと乾いた笑いの5主。
唇を尖らせていってみるがコレはどう見ても子供が拗ねているのと一緒ジャマイカ。

388【5】:2007/08/05(日) 22:39:26

「んであんたはどうなの?」
「ん?何がだい?」
「こんな時間に本読んで。しかも普段かけないメガネなんかかけちゃってるし」

わざわざ本を読むためにこんな深夜にこんな所にいるって言うのは不自然だ。突っ込んで言えば、本なんて
自室で読めばいいことだし、一応子持ちであるせいか以外にも夜更かしをしないのだ。5主は。
そんな5主が自室でなく、しかもこんな夜更けに本を読んでいるのだ。めずらしすぎる。

「案外君と同じ理由かもしれないぞ?」
「またそんな風にはぐらかしやがって」

誤魔化されたような気がしたので悪戯でメガネを奪う。しかし悪戯されても5主はこらこら、と言うだけで、
まるで子ども扱いだ。緩く微笑んでさえいる。ちくしょーめ。
弄っていたメガネを5主に返す。5主は苦笑しながらそれを受け取った。

「最近書類が片付かなくてね、深夜まで食い込むからどうも寝不足で。そのせいか若干視力が、ね。」
「老眼鏡じゃなくてざんねーん。」

その言葉に一応こいつが王であることを思い出した。
普段の行動にまったく王族らしいものが含まれていないせいだ。もうちょっと普段からまじめにしてりゃーいいのに。

389【6】:2007/08/05(日) 22:39:52

何をするでもなく、しばしの沈黙が流れた。

「ここにいる理由は、ちょっと部屋にいるのが息苦しくなってね。」

その穏やかな沈黙を、5主は穏やかな声で破った。

「昔の夢を見たんだ。私が己が王であることを知ったころよりもっと昔のころの。
 親友と二人、あの石の牢獄に閉じ込められていたときのころの。
 あのころは本当酷くてね、四六時中怒鳴り声、病人怪我人のうめき、鞭の音しかしなくて。
 昼間は炎天下の中石を引きずって、夜は狭く、薄暗い所に押し込められて眠って。
 
 でも昼間より、むしろ夜になったときの方が辛くてね。
 だれも彼もが疲れ果て、たまには重労働のため死に至る者までいて。
 明るいうちは働くことでいっぱいだけど、夜になって監視者の声がしなくなったとき、
 暗く狭いそこでは聞こえるのはうめきだけ。視覚が塞がれている分それが克明になるから。

 逃げ出した後、あの場所以外で得た初めての眠りに、夜とはこんなに穏やかなものなのかと感動すらしたよ。」


どこか遠くを見るよに5主は淡々と続ける。俺は食い入るように5主を見つめながらその話を静かに聞いていた。

「だから目が覚めたとき、部屋にいるのがちょっと辛くてね。」

ここなら広すぎるくらいだし、ちょっと電気代もったいないけど。
そういって5主は何時ものようにおどけて話を締めくくった。

390【7】:2007/08/05(日) 22:40:12

他の連中に言わせれば、俺とこいつは相等悲惨な部類に入る過去を持っているらしい。
だが、こうして5主の過去を聞いたのはこれが初めてかもしれない・・・。

「ふーん。あんたも相当苦労してたんだなァ・・・」
「ふふっ、君ほどでもないさ。」

「それにね、正直一人ぼっちでいるのには心細かった。だから僕は何度もあの親友に感謝したよ。
 そして今も、ね。詰まり何が言いたいかというと・・・」


そういって5主は突然俺の体を引っ張った。予期してなかったその行動にアレはあっさりと引き倒されてしまう。
はっと気付いたときには5主の膝の上に、仰向けで頭を預けていた。
俗に言う膝枕である。

「こんなときぐらい、誰かに甘えてもいーんだよ、って事さ。」
「は!? え、ちょwwwうぇうぇwwww」

こんなことになろうとはまったく予想だにしてなかったうえ、恥ずかしいやら情けないやらで俺はもうメダパニ状態だ。
なんだこれ?何この展開???

391【8】:2007/08/05(日) 22:40:37


「ちょwなにしてるんすかあーたwwwww」
「いいから黙って身を任せときなさい。」

仰向けになった俺の額、正確には額から産毛の辺りまでを、まるで前髪を掻き揚げる様に手のひらで撫でられる。
何度も撫でるそのやさしい手つきが以外に心地よく、眠気の波がやってくる。
さっきまでの目の冴えが嘘のようだった。


「・・・なにこれ・・・? ラリホーかなんかっすか?なんか・・・ 眠たいんですけど・・・」
「ははっ、こんな事に魔法なんて必要ないよ。仮にも私は”お父さん”だぞ?」

つまりはこうだ。寝付けない子供をあやすのと、まったく同じ事をしているのだ。
暗に自分が子供といわれているみたいで、ちょっと腹が立ったが、その心地よさには勝てず、うつらうつらと目を閉じる。

「うる・・せー・・・ 子、供扱い・・・ するなよ・・・・な・・・・・」

せめてもの抵抗として悪態をつくが、眠たくなっているのはモロバレ。
心地よい闇に流されるまま、5主のおやすみ、という声を最後に俺は意識を手放した。





  だがあんた、コレじゃお父さんというより、まるでおかーさんだぜ・・・?

392【9】:2007/08/05(日) 22:41:00



「・・・あれ・・・?」

朝の光とちゅんちゅんという鳴き声に目を覚まし、そして普段とは違う目覚めた時の景色にうろたえる。
珍しくすっきりと目は覚めていた。
横様に眠っていたため頬に暖かい感触がする。頭にも似たような温度。
だがこの枕はフワフワとした綿ではなく、しっかりとした弾力がある。

「ん?暖かい?」

昨晩のことを思い出し、急いで飛び起きた。頭の上におかれた手が腕ごと肩にずり落ちる。
体を起こすとぐんにゃりとソファーに体を預け、眠り込んでいる5主がいた。
すっかり熟睡している。

「あちゃー・・・」

どうやら俺も5主も、あのまま眠っていたらしい。
口元の濡れた感触を拭うとそれは涎だった。5主の膝を見ると少しだけ濡れている。
やっちまった・・・。 でもしらんぷりしときゃばれない、よな?

5主はまだ起きる気配なし。誰も来ないうちに部屋に戻ろう。特に8主に見られたらどんなデマを流されるか
わかったものではなry・・・

「おっ! 4主に5主じゃないか!二人ともこんな所で何やってるんだ?」


・・・俺の望みはあっけなく砕け散った。

393【10】:2007/08/05(日) 22:41:31

  朝から元気のいい2主を丸め込むので一気に体力を使った気がする。





「・・・ん、んん?  ああ、2主か、それに4主もおはよう。」

あのあと、2主のあの大声で5主は目が覚めたらしく、伸びをしながら眠たそうな声で朝の挨拶をした。

「なぁなぁ5主、こんな所で寝ちゃうと風邪引いちまうよ?」
「ああ、ちょっと本を読んでいたらそのまま寝ちゃったみたいでね。気を付けるよ。」
「そうだぜ! 健康第一だな!!」

元気のいい2主の頭をポンポンと撫でながら5主は苦笑する。
解っているのか解っていないのかあいも変わらず解らない2主はただ元気よく返事をしていた。
ああ、2主にはいろんな意味で救われるというか、癒されるというか・・・

「でも4主に膝枕してるなんてめずらしいな! 今度俺もしてくれよ5主!」


あ、でもちゃっかり地雷は踏んじゃう。無知ゆえか純粋ゆえか。
俺はガクッと肩を落とした。

「2主ちょっといいかな?」
「お?なんだ4主?」
「これは昨日した賭けの罰ゲームでゼッタイ命令でシンシアがみてるからズルはらめえぇぇぇぇぇぇ
 とにかくあんまりコレは知られたくない事で特に8主辺りにはゼッタイバレてほしくないことでry」
「うーん、よくわかんないけど、要はゼッタイ誰にも言っちゃだめ!ってことだよな?」


2主の肩を掴んで必死に弁解、超必死だったので怨念オーラ辺りでてかかもしれない。
だがそんなことは露ほども気にしていない2主。なおかつ俺の望みは理解してくれたみたいである。
(内容を理解しているかどうか怪しいので、俺の剣幕で判断した可能性もあるが)
だがあっけらかんといわれたので内心不安であることは隠せないと言って置こう。

394【11】:2007/08/05(日) 22:41:51

と、朝のそんな騒ぎ(といっても俺だけの一人祭り状態だったが)が嘘のように、
普段道理の毎日である。
あいも変わらず6主は妹妹うるさいし、3主はヤフーでわけのわからないものを検索している。
1主はローラフォンに脅え、2主は今日も元気にトレーニング、7主は存在感が無さすぎて何処にいるのか解らない。
ただ8主の嫌がらせもいつも道理なのでいつか羽なりむしってただのトカゲにしてやりたいとは思っているが
残念、奴は竜には変身しないんだぜチクショウ。


でもこんな変わらない日常の中、普段見ることのないであろうまじめな5主の姿を見て、5主のことを見直したのと、
他の皆に対して不思議と優越感のような、物を感じているのは俺だけの秘密にしておこう。






「あれ?何考えこんでるの?5主」
「ああ、7主か。今夜妻たちとどんなプレイをしようかと考えry」


・・・・・・やっぱり前言撤回だ。

395名無しの勇者:2007/08/05(日) 22:46:17

裏テーマは「親子」ということで
こんなまじめな5主はぶっちゃけアリエナーイってやつなのでキニシナイでくだしあ

靭帯さん続きwktkお待ちしておりますw では御目汚し失礼しますた



ぶっちゃければシリーズ中ドンゾコ二人組みを絡めてみようってのと、とりあえずまじめな5主を
書いてみたかった(テラ本音www)

396名無しの勇者:2007/08/06(月) 02:11:28
5主の父性に和んだ。メガネ萌え。
主雑はカプ抜きで萌えるから止められない止まらない。

397名無しの勇者:2007/08/06(月) 18:35:02
パパ…!
>>384gj!

398名無しの勇者:2007/08/06(月) 23:10:33
5主と4主の真面目な絡みがありえないとか珍しいって認識にびっくりだ

天空の勇者に5主の父性がうずくのも天空の勇者の父に4主が懐くのも
選べないダブル嫁のルーツという理由で5主に恋愛感情が絡むのも
子孫が二人とも惚れた男という理由で4主に恋愛感情が絡むのも
バッチリ設定の裏付けができるぶん普通に王道になり得るカプだと思ってた
少数派だったとはorz

でもそんな少数派な萌えを書いてくれた>>383に感謝

399名無しの勇者:2007/08/07(火) 00:24:55
>>398
ちょwww
あなたのカキコのおかげでより一層萌えがみなぎるwww

400名無しの勇者:2007/08/07(火) 07:36:42
>>398の分析にもっともだとうなずきつつ萌えました。抗えない天空人の魅力。どんだけ4主は綺麗なんだろう。

しかし、5主パパカッコいいよ5主パパ。
途中まで、この人は4主の弱ってるところにつけこんでエロい事するんじゃ…と疑っててごめんねパパ。すごく優しいパパだったよ。
8主も可愛かったです。コーヒー牛乳の空き瓶は、きっとご丁寧に綺麗に洗ってあるとか妄想した。
とにもかくにも、>>384GJでした。

401名無しの勇者:2007/09/04(火) 13:33:02
読み直してみたが6×7がかわいすぎる
6が鈍感なせいで進まないのがもどかしいww

4028主→3主 [0]:2007/10/04(木) 02:27:40
8主→3主の監禁調教物(?)いきます。
3主途中までちょっと可哀想かも。長くなるかもしれません。

4038主→3主 [1]:2007/10/04(木) 02:28:11
いつからでしょうか。
たぶん割と最近だと思います。
僕が3主さんを、無意識に目で追うようになったのは。

とても子供なんですよね、彼。いつもバカバカしいことで騒いでる。
1主さんはそんなご先祖様のお守りで毎日大変です。
でもそこが純粋と言えば、そうなんでしょう。
16歳で急に親元を離れて、魔王討伐の過酷な旅を続けて、帰れなくなって、
気がついたら宿舎でのんべんだらりとネット漬けの日々を過ごしている彼は、
悪く言えば世間知らず、よく言えば世間擦れしていないというか。

魔王を倒した勇者としてのプライドはしっかりあるけれど、
変に意固地になって自分を守るようなことはなくて。
ちゃんといろいろわかっているくせに、それでも素直でいられるような。
それは芯が強いからなのかな、なんて考えたり。


案外……逸材、かもしれない。
僕の錬金術師としての血が騒いだのです。

4048主→3主 [2]:2007/10/04(木) 02:28:29
も国元へ帰れば、近衛隊長として多少の権限は持っています。
いろんな帳面をうまくごまかして、まずは3主さんを迎え入れるための別荘を造りました。
一見すると変哲のない物見塔なのですが、中はかなり豪奢にしています。
間取りにはだいぶ気を遣いました。不便な思いをさせたくありませんしね。
急ピッチで仕上げたにしては、なかなかのデキです。

準備を整えて、いよいよ今日、作戦実行です。
現在明け方四時。昨晩は早めにベッドに横になりましたから、眠気はありません。
逆に3主さんは今頃、夜通しのネットに疲れて眠りに入るあたりです。
足音を忍ばせて、3主さんの部屋に向かいます。

ドアの隙間から光が漏れていないので、すでに就寝したようです。
僕は最後の鍵を使って、そっと侵入しました。
「ムニャ……」
気持ちよさそうに眠っています。寝顔が本当にかわいい。
念のためラリホーを二度ほどかけておきます。
すべすべのほっぺたにキスをしてから、かついで部屋を出ました。
おや、思ったよりぜんぜん軽いですね。太ったなんて騒いでいたけれど。

玄関を出てから、僕は宿舎を振り返りました。
急にご先祖様がいなくなったら、1主さんはとても心配するでしょう。それは申し訳なく思います。
いつかお返ししないとなぁ、と考えながら、僕は別荘へルーラしました。

4058主→3主 [3]:2007/10/04(木) 02:28:52
人里離れた森野奥にある塔の最上階が、3主さんのための部屋です。
窓が無いので明かりが消えていると、室内は真っ暗。
スイッチを付けて視界が広がると、高級ホテルのスイートルームそのままの部屋があります。
僕は趣味にはお金を惜しまない主義なので、だいぶ奮発しました。

さて、フカフカの大きなベッドに3主さんを寝かせます。
彼はぐっすり寝ています。あごの下をコチョコチョしたら、くすぐったそうに身をよじりました。
だめだ、可愛すぎる。
いつまでもやっていたいのですが、そうもいきません。

まずは服を脱がせにかかりました。
眠っている人間の着ている物を脱がせるのは、けっこう大変です。
しかも……うわぁ、なんて白い肌。いくらなんでも日カゲにいすぎでしょう。
白い方が好みなので窓も作らなかった僕ですが、最初からこうだと少し拍子抜けです。
だんだん白くなっていく様を観察したかったのに。

全部脱がせてしまうと、僕はさらにびっくりしました。
だから、誰ですか、太ったなんて言ってたのは! むしろちょっと痩せすぎじゃないですか?
まったく、全然運動しないで一日中パソコンなんかやってるから、すっかり筋肉が落ちちゃってる。
栄養学の本まで読んで食事の内容も練ったのに、考え直さないといけません。やれやれ。

4068主→3主 [4]:2007/10/04(木) 02:29:13
3主さんの服をたたんで足下にまとめてから、僕はとっておきの錬金アイテムを取り出しました。
偶然できたしろものなのですが、これほど見事に目的にマッチした作品は滅多にないでしょう。
むしろ、これができたからこそ今回のことを思いついたのです。

見た目は「首輪」です。鎖つきの。他に呼びようがありませんね。
「まふうじのつえ」などが合成されている、と言えば、その効果はおのずとわかるでしょう。
もちろん呪いのアイテムなので、自分では外せません。
カチャリ、とな。
鎖の端はベッドのヘッドボード(頭側の背もたれみたいな部分ですね)の上に打ち込んでいる
鉄の輪っかに繋がっています。長さは優に10メートルくらいあるので、室内を自由に移動できます。
ぎりぎり入り口に届かないくらいでしょうか。

ヘッドボードの真ん中あたりにも、小型のベルトが二つ、短い鎖につながってぶら下がっています。
そこに3主さんの手首をはめて固定しました。
あ、誤解しないでくださいね。僕はこういうのあんまり好きじゃないんですよ。
ただ最初は仕方ありません。3主さんだって急にこんなことになって驚くでしょうし。
暴れてケガでもしたら可哀想ですからね。僕、自分でも他人でも痛いのは嫌いなんです。

えーと、他に忘れていることはないかな?
ああ、そうそう、口もね。猿ぐつわって、最初に誰が名付けたんでしょうね。
僕の大切な友人をサル呼ばわりするみたいでムカつくんですが、まあ怒っても仕方ない。
バーの部分をくわえさせて、ゴムのベルトを後ろでパチンと留めます。
もちろん、これも最初のうちだけです。頃合いを見てすぐ外してあげますよ。
だって普段の3主さんを考えれば、元気なうちはとんでもなく騒ぐに決まっているし。
この人、口は悪いですからねぇ。
品のない罵詈雑言の嵐を頭からかぶせられたら、僕だって萎えますもん。

4078主→3主 [5]:2007/10/04(木) 02:29:36
よし、準備OK!
ですが3主さんはまだ寝ています。
ザメハの使い手が寝ている本人なので、僕は目覚めを待つしかありません。
パーティーアタック? だから痛いのは嫌なんですってば。そもそもDQ8ではできません。
退屈なので、さっそくイタズラしちゃいましょうか。

桜色の胸の飾りを、指と舌先でいじってみます。
「……ん……」
きれいな形の眉がちょっとしかめられました。
「…んん……ん……」
もぞもぞと身体を動かします。
吸ったり舐めたりしているうちに、それまでおとなしかった3主さんの性器もピクリと動きました。
感じているんでしょうか。早く目を覚まさないかな。
「んん……ん………ん?」
ようやく3主さんが起きました。まだ寝ぼけ半分でぼんやりしています。
まるで視力の悪い人みたいに、目を細めて僕の顔を見つめ、首をひねりました。
(なんでお前がいるの?)
といった顔です。

チャリっと鎖が鳴りました。音につられたように、3主さんはまず右の手首のベルトを見ました。
ハッとしたように首を振り、左手首のベルトを見ます。次に自分の身体を見下ろしました。
事態が飲み込めてきたようです。
「んん!? んぐ! んーんん!!!」
案の定、激しく暴れ始めました。両足は僕がまたがって押さえつけているので、
ほとんど身動きの取れない状態ですが。

4088主→3主 [6]:2007/10/04(木) 02:29:59
「んん!! んぐー!」
「大丈夫ですよ、3主さん。落ち着いてください」
僕は優しく語りかけます。
「びっくりするのはわかりますが、おとなしくしてください。お願いですから、ね?」
ここで無駄な体力を使ってしまうと、あとがつらいですから。
ですがやっぱり3主さんは聞いてくれません。
耳まで真っ赤になりながら僕を睨みつけて、んーんー叫んでいます。

仕方ありません、強行手段です。
と言ってもやることは一緒。愛撫を再開。硬くなった乳首に刺激を与えます。
「ん! んんん…!! んぐ…ん…!」
声音に少し別の色が混じり始めました。
グンと背中が弓なりにしなって、あれも首をもたげつつあります。
黒い瞳が潤んでいます。目が合うと、いやいやするように首を振りました。
(頼むからやめてくれ)
懇願の眼差しに、僕は背中がぞくぞくしました。
身体全体がうっすらピンクに染まっていて、ああどうしよう、本当にかわいい。
やっぱりあなたを選んで正解ですね。

「じゃ次はこっちもやってあげますからね」
硬くなった彼のものを口に含んで、ゆっくり舌でなぞります。
連続でジャラジャラ鳴っていた鎖の音の間隔が、徐々に長くなってきました。
「んぐ……ん、ん、ん……!」
見上げると、両方の瞳から涙を溢れさせて、必死に首を振り続けています。
あんまりシャッフルすると、頭がクラクラになってしまいますよw

4098主→3主 [7]:2007/10/04(木) 02:30:20
そんな感じで可愛がっているうちに、3主さんは早々に達してしまいました。
記念すべき一回目、と。
ちょっと急だったので全部飲んであげられなかったんですが、こぼれた分は潤滑剤にしましょう。
ローションも一応は用意しているんですが、なるべく使わない方向で。
3主さん以外の味が混じるのは、なんかもったいないですし。

いったん3主さんの上から降りて、吐精後の弛緩した両足を開きます。
自由になった足で蹴飛ばそうとするのですが、ほとんど力が入ってないので楽に押さえられます。
「はいはい。まだ時間はありますから、飛ばしすぎない方がいいですよ?」
奥の隙間に手を差し込んで、スッと性器の先端までなぜ上げると、3主さんた大きくのけぞりました。
白い喉がさらされて、艶めかしく上下に動いているのが見えます。
さっきから感心しているんですが、経験がないと言うわりに感度抜群なんですよねぇ。

彼から取り出したベタベタと僕の唾液を混ぜて、秘部にすりつけます。
まずは一本、指を差し込むと、するっと奥まで入りました。
「ん……!」
二本目は少しきついです。中で動かすと、クチュクチュと音がしました。
「んんん! ん…………んー………」
あ、あら? なんか本格的に泣き出しちゃいましたね。初めてだから怖くなったかな。
「大丈夫ですってば。絶対に痛くしないですから」
正直、僕もそうとう我慢の限界なんですけど、裂けて出血なんてもってのほか。
ちゃんとしっかりほぐしてからって決めてます。

4108主→3主 [8]:2007/10/04(木) 02:30:42
というわけで、三本目。
内側をかきまぜるように、ゆっくり動かします。前立腺はこの辺かな?
いったん小休止に入っていた彼のあれも、再び起き上がりました。
もう一方の手でこするとビクビクっと動きます。またすぐイッちゃいそうな気配ですね。
女の子とのセックスを知らないから、我慢することに慣れていないんでしょう。
「ん!……んん……ん、ん、ん……!」
「気持ちいいですか3主さん?」
って、答えられないですよね。つい聞いてしまいましたよ、やだなぁ。
少し考えて、僕はもう一回イかせておくことにしました。
ある程度疲れてる方が感じるっていうじゃないですか。

まぶたと頬にキスをして、そのまま首筋から胸に唇を這わせて、中心をくわえ込みます。
「ん……んぐ! んー……!」
少し激しくカポカポっとやってあげたら、案の定あっさり二回目の射精となりました。
今度はちゃんと飲んであげましたよ。あんまりおいしいものではありませんけど。

いよいよぐったりしている3主さん。
身体の力がいい具合に抜けたので、うしろもだいぶ緩くなった気がします。
そろそろ大丈夫そうですね。

僕はいつもの黄色の上着とバンダナを外して絨毯に放り捨てました。
ズボンを半分ほど降ろし、3主さんの両足をよいしょっと抱え上げました。
僕の方は、もう待ちかねている状態です。痛いくらいに張ってます。
「3主さん。3主さん、入れますよ?」
「……ん……んん……」
ゆらゆらと首を振ります。
目がうつろになってますが、まだ意識はしっかりしてますね。

4118主→3主 [9]:2007/10/04(木) 02:31:03
先端をあてがって、ゆっくり押し進めます。
最初だけ少しきつい気がしましたが、くびれまで飲み込んだあとは、
クポッとかわいい音を立てて奥まで入っていきました。
「ん……!」
3主さんがギュッと目をつぶって横を向きました。

ああそうだ、もうそろそろ口の、外してあげようかな。
というか、ここからはちゃんと声を聞きたいところですよね。
呼吸だって追いつかなくなるだろうし。
「3主さん、ちょっとそのままでいてください」
首の後ろに手を回して、留め金をパチンと外します。
ゴムベルトがゆるんで自然に顔の上から落ちました。
「……っあふ!……はぁ……はぁ……」
必死に空気を吸っています。やっぱり息苦しかったんですね。
「あ……あぅ……ど、どうして……うぁ!」
質問はあとで。まずは僕のも気持ち良くさせてください。
ここまで本当に我慢したんですよ?

僕は前後に腰を動かしました。
3主さんと僕の間で、すごくいやらしい音がしています。
「あ、ああ、うあ!……や……やめ……ふああ!」
身体を打ちつけるたびに、3主さんは聞いたことがないような色っぽい悲鳴をあげます。
これはヤバイ、僕の方まで理性が飛んでしまいそうです。
気がついたらかなり激しくやってしまっているんですが、この様子なら痛みはなさそうですね。

4128主→3主 [10]:2007/10/04(木) 02:32:37
「い、いきますよ、3主さん……!」
無我夢中で思い切り動かして、絶頂の瞬間にありったけの熱を中に注ぎ込みました。
「あ…あぅ!…や…ああああ……!!」
同時に、僕のお腹の辺りにもあついしずくがかかりました。
すごいなぁ、これで三回目ですよ。さすがに最初ほどの量はないですけど。
でも一緒にイけたのは嬉しいですね。
僕たちって身体の相性がいいんじゃないでしょうか。


「はぁ……はぁ……けほっ……」
立て続けにイかされて、3主さんは完全にグロッキー状態です。
目ではなにか訴えているんですが、言葉にする余力もないようです。
だから最初に注意したのになぁ。


ああもう、本当に――――すごくいい感じです。
ここまで来ると、あとはのんびり楽しむだけですね。頑張ったなぁ、僕。
たぶん、クスリとか使えばもっと楽なんでしょうけど、僕のこだわりというか、
3主さんに3主さん以外の余計なものが混じるの、やっぱり嫌なんですよねぇ。

「じゃあもう1ラウンドいきますか」
「……! そ、そんな……ああ……!」
だって僕はまだ元気ですもん。これからが本番なんですから。


それに、ね、3主さん。
このあともいろいろと準備があるんですよ?

そう……本番はこれからです。


   続く

413名無しの勇者:2007/10/04(木) 03:20:15
なんか斬新な組み合わせktkr

ところでザメハって3は僧侶の呪文じゃなかったっけ?

414名無しの勇者:2007/10/04(木) 07:45:54
確かそう。
あと8はキアリクが目覚め効果でゆうきスキル初期で覚えられるから
よほど地雷踏んでない限り8主も使える。

きっと勇気に欠けててリサーチ不足なんだよ

415書いたヤツ:2007/10/04(木) 10:02:51
マジごめん、なんかいろいろ素で間違えた。
どんなに好きでも忘れてるもんだなー。ショックだ。
内容的には大丈夫?
カップリングもジャンルもちょっとあれだし、
需要少なそうならここで打ち切るけど。

416名無しの勇者:2007/10/04(木) 11:17:18
書きたいものを我慢して無理して需要に合わせた何かを書くよりは
仮に自分にしか需要がなくても書きたいものを書いといた方がいいよ
興味のない人を新カプに引っ張りこむくらいのつもりで

人を選ぶジャンルでも先に注意書きしてればわざわざ読む方が悪いし
まして自分と逆だからって他人の萌えカプにわざわざ叩きレスするような厨はいないはず

417名無しの勇者:2007/10/04(木) 11:45:31
面白いから続けて欲しいな

418名無しの勇者:2007/10/04(木) 11:54:16
需要ならここに300人分萌えている俺がいるから安心してくれ!
だから自分にしか需要がない、なんてことは絶対ないよw

419名無しの勇者:2007/10/04(木) 18:45:43
私も続き読みたいです

420名無しの勇者:2007/10/04(木) 22:25:56
正直カプは真逆だけど続きがすごく気になる自分ガイル

421名無しの勇者:2007/10/04(木) 22:44:11
正直萌えた。
続きが気になる!8主何してるの8主

422名無しの勇者:2007/10/05(金) 01:36:48
ヤバイ。83良い!
私も続き気になります!

423名無しの勇者:2007/10/05(金) 07:42:01
83は凄い良いんだけど83って表記だと違う良いものを想像する

424名無しの勇者:2007/10/05(金) 07:52:08
ハッサンか

4258主→3主(監禁調教物?)続き:2007/10/05(金) 12:02:09
たくさんのレスありがとうございます。
続きです。
苦手な方は引き続きスルーでよろしくお願いします。

4268主→3主 [11]:2007/10/05(金) 12:03:09
……なんで。
なんでこんなことになってるんだ。
わけわかんねえ。
俺、宿舎にいたんだよな? いつも通りネットしたあと眠くなったから寝て。
起きたらこれだ。
服むしられてて、動けなくされてて、なんか呪文も封じられてるっぽい。
身体中いじられたし。ってか、犯された上に中出しされたし。
それを悲しむヒマも与えられずに、今もギシアン続行中だし。

「ふぁ…あ! あぅ……あ…ん!」
言いたいことは山のようにあるんだが、どれひとつまともな言葉にならない。
あん、じゃねえよ俺。そろそろマジでやべえって。俺きっとHP黄色だって。
「や……! もう……や、め……あぅ!……くるし……」
なんとか単語を絞り出した。今のはわかっただろ。俺の心からのヘルプ伝わったよな?
「ああ、そうですねぇ。ずっとこの体勢もつらいか」
8主はニコニコしたまま、俺の上から降りた。
ズルッと抜けた感覚があって、また勝手に甘ったるい声が漏れた。
うわ、最低だ。なにこの異様な空虚感。余計「入ってた」って思い知らされる。

勘弁してくれよ、とか思ってたら、くるんと身体をひっくり返された。
手枷で繋がってたはずなのに、と上を見たら、留め具が2段のレールで動くようになってて、
左右を入れ替えれるようになってやんの。すげえw超アホだw誰だこんなもん作ったヤツは。
「はい、ひざ立てて。少し開いてください、その方が楽ですから」
このやろ、なんて格好させんだ。あ、また挿れ――
「あ! うぁ…ああ! ひぁ……!」
「どうです、これなら苦しくないでしょう?」
違うって、死ねこのバカ。

4278主→3主 [12]:2007/10/05(金) 12:03:34
っつーか先に俺が死ぬ。何回イかされたんだろ。無理、もう出ない。
だから先っぽ爪でカリカリすんのやめれ。
背筋や太ももの裏がびりびりして、おかしくなる。
「は……あ…ぅ……」
「すごい、まだ締まるんだ。3主さんの中、すごく気持ちいいですよ」
わかったから、その手を止めてくれ。もう前をいじるな。
突っ込まれてるところも内臓もギュウっとなるのに、半端なままでつらい。
頼む、やめ――

「や……いやだ…もうやらぁ……!」
必死になって叫んだ。
「あらら、どうしました? 気持ち良くないですか?」
8主は俺の髪をなぜて、背中にいくつもキスをしてきた。
あそこへの刺激がやんでいる間に、なんとか息と精神を整える。
「やだ……げん…か…い……だって……」
頭ン中はワヤクチャだが、始まりから何時間も経ってることくらいはわかる。
こんだけ喘がされて、気持ち良くなかったとは言えねえけど。
物事には限度があるだろ。

しかも俺、初めてなんよ? 別に男が好きとかでもないんだぜ?
なのにいきなり、こんな突っ込まれて、しかも顔見知りの――仲間だと、信じてた相手に。
あんまり、ひどくね?

4288主→3主 [13]:2007/10/05(金) 12:03:52
「……う……うえ……ヒク……」
俺の中で張り詰めていたものが、ついに切れたって感じだ。

はっきり言って、怖い。本当はとんでもなく怖い。
魔物に殺される瞬間だって、こんな気持ちになったことはない。
「ちょ、泣かないでくださいよ。僕も困りますよ」
8主が動いた。塞いでいたものがなくなった途端、うしろからドロッてなんか出た気がする。
感覚がおかしくてよくわかんねえけど、もしかして開きっぱなしになってるとか?
これ元に戻るの? 俺の身体どうなっちまったの? 俺、どうなんの?
「泣かないでください。そんなんじゃ、僕も続けられませんよ」
8主は小さい子をあやすみたいに、俺の頭をなぜている。

それがまた、怖くてたまらない。
なんでコイツ、いつものままなんだよ。
まるで普段と変わんない口調で、笑顔で、こんなこと平気でやれるのかよ。
つい昨日だって、みんなと一緒にメシ食ってたじゃん。
夕飯のあとにスマブラやって、お前と俺で共同戦線はって、4主と5主の天空組やっつけて。
借りてた漫画にラーメンのつゆこぼしたってお前が怒って、でも謝ったら許してくれて。
それから、それから……

「うーん、全然ダメですか? そうか、思ったより早かったなぁ」
やがて8主は、ふぅっと溜息をついた。
「僕はもう少し楽しみたかったんですけど、仕方ない。次に行きますか」
起き上がって、ベッドから離れていく。
次って……?

4298主→3主 [14]:2007/10/05(金) 12:04:18
枕から顔を離して横目で見ていると、あいつは布の袋を持って戻ってきた。
弁当入れよりちょっと大きいくらいで、それを俺の顔の横に置いた。
カチャカチャとものがぶつかりあうような音がした。
袋のヒモをほどいて、俺の目の前に中身をぶちまける。

最初に目についたのは、作りものの、アレ。
さっきまで俺の中を引っかき回してたヤツをもっとグロくして、デカくしたような。
しかも半透明の蛍光ピンク。後ろ側にコードとスイッチみたいなのがついてて。
他にも小さいカラフルな卵に、同じようなコードとスイッチがついてるのとか、
変な形のクリップみたいなのとか、なんか、たくさんあって――。

「…なに…を……?」
理解したくなかった。
それがどういう用途で使われるのか、わかってはいるけど考えたくなかった。
「今はいろんなものがありますよねぇ。これなんておもしろいんですよ?」
そのうちの一個を取り上げて、手もとでカチカチいじってみせる。
「この吸盤に乳首を吸い込むんです。ほら見えます? 中で小さなブラシが動いてるの」
「……お前……なに考えて……!」
「こういうのは、最初が肝心だと思うんですよ」
また手枷の左右を入れ替えて俺を仰向けにさせる。
体力なんてカケラも残ってない俺に、8主は相変わらずの笑顔のままで言った。
「ひとまずフルセット、いってみましょうか♪」

4308主→3主 [15]:2007/10/05(金) 12:04:43
3主さんってば、限界だとか言っておきながらまだ余裕があったのか、
僕がエッチなオモチャを取り付けている間中、バタバタ暴れていました。
でもそれくらい元気があった方が、セットする方も楽しいですね。

親指の先くらいのローターを3個入れて、奥に押し込むようにバイブを挿入。
「ああ! や…ぁ…!」
少し大きいかなと思ったんですが、すんなり入って良かったです。
バンドで抜けないように固定してと。
さっき見せてあげた吸盤を2つ、胸にキュッと吸い付けます。
あはは、これはちょっと……マヌケかもしれない。
テレビでポロリしたら星マークとか入ったりするじゃないですか。
あれを思い出しちゃう。本人にはないしょにしておきましょうねww

「頼む……頼むからやめてくれ」
ひとつ取り付けるごとに、3主さんは引きつったような声で哀願します。
「そんなに心配しないでください。このテのは電池の消耗が激しいんですよ」
動かないやつが出たら、そこで終了ということにします。
万が一僕が離れたまま忘れちゃっても、半日経たないうちにすべて自然に停止するでしょう。
「やだ! そんなの、そんな……!」
「さすがにタイマー式とかはないみたいなんですよ、我慢してくださいね」
そうすれば細かい時間設定ができていいんですけど。
もう少し時間があったら、特注で作らせることも考えたんですけどねぇ。

4318主→3主 [16]:2007/10/05(金) 12:05:12
さて最後のひとつ。これが緊張します。
5mmくらいの小さなビーズをつないだバイブなんですけど、挿れるところがデリケートですから。
「3主さん、ちょっと動かないでくださいね」
僕は最初みたいに彼の身体に乗っかって、やわらかくなってきたあれをつかみました。
「なんだよそれ! どこに……やめろ!」
「動かないでってば、痛いの嫌でしょう?」

実はここだけの話、僕、これだけは同じものをもう一つ買って自分で試してみたんですよ。
ネットで調べてて、「こんなのもあるのか」ってびっくりしたんですが、
いきなり大事な3主さんに使うほど僕も勇気ないですし。
結果として、ゆっくりゆっくりやれば、ちゃんと根本まで入りました。
スイッチを入れると中心に通ってる針金が細かく振動する仕組みですが、これがまた感じる感じる。
僕は1分も保たなかったんですよねw

ツプツプツプ……と、ビーズをひとつずつ、先端の小さな穴に押し込んでいきます。
「あ、あ、あ――」
3主さんはその様子を呆然と見下ろしています。
「入りましたよ。ほら、最後のビーズってハート型なんです。かわいいですよね」
「や……あう」
これで全部つけ終わりました。

4328主→3主 [17]:2007/10/05(金) 12:05:37
小刻みに震えている3主さんに、ひとつめのスイッチを間近で見せてあげました。
「…やめて……やめ……」
スライド式のスイッチで、強弱設定が可能の優れもの……なんですけど、コレどれのだっけ?
ONランプが点灯した瞬間、3主さんの身体の中からヴィィンとかすかなモーター音が聞こえました。
「あう! やぁああ!」
中のやつだったみたいです。とりあえず最強設定にしちゃえ。
僕は順番にスイッチを入れていきます。
刺激を与える箇所が増えるたびに、3主さんは切ない声を上げます。
「たす……たすけ……ゆるして……ああああ!」
身体の外側と中側から同時に激しく責められてガクガクしています。
最後に、あの細いビーズのスイッチを入れました。
カッと目を見開いた3主さんが、大きく弓なりになってから、バタンとベッドに沈みました。
「あぐぐ……が……」
白目を剥いて、口の端から泡をふいています。
おっと、刺激が強すぎて落ちちゃったみたいですね。

もちろん、人間こんな程度じゃ死にやしません。
ただ気道が詰まると窒息してしまうので、横を向かせて口に指を突っ込みました。
「げっ……かほ……」
せきをさせると、ヒュー、っと空気を吸い込む音がしました。
黒い瞳も戻ってきましたが、もうどこも見ていないようです。
身体はビク、ビクっと震え続けています。

主役の3主さんが静かになってしまうと、室内には蜂の羽音のようなモーター音だけになりました。
考えてみれば、おいしいところは全部こいつらに任せてしまった状態です。
しまった、僕ヒマじゃんw この間になんか食べてこようかな。

4338主→3主 [18]:2007/10/05(金) 12:06:08
あ、その前にこれだけは伝えておかなくては。
「3主さん、聞こえますか?」
話しかけても、わずかな喘ぎが漏れるだけで、なんの反応もありません。
その耳元に口を寄せて、僕は噛んで含めるように、囁きました。
「3主さん。今日のこと、よーく、憶えていてくださいね」
僕の言うことを聞かないときは、またこうなりますよ。
わかりましたね?
3主さんは天井を見上げたまま、痙攣を繰り返しているだけでした。




それから僕はシャワーを浴びて、外で軽い食事を取ってきました。
1時間くらいでしょうか、戻ってみると、すでに動いてないオモチャがありました。
連続使用すると本当に電池保たないんですね。約束通りその時点で終了とします。
胸のとか、うしろのとか、いっこいっこ外していきます。
なにせ本人がすっかり壊れちゃってお人形さん状態なので、取り付け時とは反対につまらない作業です。
最後に例のビーズを引っ張り出すと、先端からトプっと白いのが少し溢れてきました。
さすが元気がいいなぁ。指先でちょんとつついてみたら、ゆらゆら揺れてちょっと笑えました。

そろそろきれいにしてあげましょうか。手首の枷も外します。
と――ああっ、なんとういうことでしょう、こすれて血がにじんでるぅ!
やっちゃったよ〜。
内側に綿が入ってるから大丈夫だと思ってたんですけど、よっぽどの力がかかってたんですね。
首輪の効果でかなり押さえられているはずなのに……。ロトの腕力を甘く見てました。
「ごめんなさい3主さん。次からは気をつけますね」
ホイミホイミ。もひとつホイミっと。

4348主→3主 [19]:2007/10/05(金) 12:06:30
手首の傷がきれいに治ったのを確かめてから、3主さんを抱き上げてシャワー室に運びました。
まだ刺激の名残があるのか、時折ブルッと震えています。

シャワー室は2〜3人が入れるくらいの間取りです。
お湯で充分暖めてから床のタイルに直に座らせて、背中をバスタブに寄りかからせました。
3主さんはだらんと手足を投げ出して、ぼんやりどこかを見つめています。
僕はまず、手に洗顔料をつけて顔を洗ってあげました。これ1本2000Gするんですよねー。
次にボディソープ(1本4000G!)を、これも手につけて3主さんの身体を丁寧に洗いました。
ツルツルした肌の感触がたまりません。性感帯に触れたときはまたビクビクしていました。
次は頭。シャンプーもいいのを選んだんですが……
「えーと確かここに」
あったあった。じゃーん、シャンプーハット! 子供の頃に使いませんでした?

「……いらねえよ、そんなん」
かすれるような少年の声。
おや、正気に戻ったようですね。
「じゃあこれは使いませんけど。それとも、自分で洗います?」
彼は小さく首を振りました。
「腕、上がんねえ……」
それじゃ無理ですね。髪を濡らして、シャカシャカシャカと。
「どこか痒いところはないですか?」
またふるふると首を振ります。
お湯でよくゆすいで、これもたっかいコンディショナーでケアします。

4358主→3主 [20]:2007/10/05(金) 12:06:47
すっかりきれいになった3主さんをかかえて戻り、ベッドのとなりにあるドレッサーの前に座らせます。
もちろんスキンケア用品もバッチリ取りそろえています。
ミーちゃんに頼み込んで、王家御用達のローション(化粧水の方ですよ?w)と
クリームのセットをもらっちゃいました。
「まずはこのローションからで……次がクリームっと」
本当にいい物って、何種類も重ねづけする必要がないんだそうです。
それから髪を乾かしました。3主さんの髪って濡れてる間はペタっとしてるんですが、
乾いてくるとあちこちハネてきます。すごいくせっ毛。
一瞬どうしようか迷いましたが、フワフワしてるのも可愛いので、ここは自然に任せることにしました。

その間もずっと3主さんはボーッとしています。
顔の前でヒラヒラ手を振ってみると、彼は物憂げに僕を見ました。
「なんだよ」
「いえ。大丈夫かなぁって思って」
「なわけねーだろ……」
ふむ、今日は早めに寝せてあげた方がいいようですね。
「ちょっとここに座っててくださいね」
僕は急いで替えのシーツを引っ張り出して、ベッドの上を整えました。
ちなみに、隠すのはもったいないので掛け布団はありません。ベッドメイクも楽で一石二鳥です。
「これでよしと。さ、3主さん、つかまって」
自分では立てない3主さんを寝かせたところで、僕はすっかり汗ばんでいました。
風邪をひかせないようにと、部屋の温度を高めに設定しているせいもあります。
もう一度シャワーを浴びないとダメですね、これは。

4368主→3主 [21]:2007/10/05(金) 12:07:22
「……なぁ、8主」
横になったまま、3主さんがその黒い瞳だけをキロっとこちらに向けました。
「はい、なんでしょう」
「さっきのあれ……マジ?」
「さっきの?」
僕が聞き返すと、3主さんはわずかに目をそらしました。
「言うこと聞かないと、またやるって……」
おお偉い、ちゃんと聞いていたんですね。
「そうですよ。でも別にクセになっちゃったって言うなら、いつでもやってあげますけど」
「…………ぜってーやだ……」

それだけ言って、3主さんはすーっと気絶するように眠ってしまいました。
「3主さん――」
やっぱり寝顔、かわいいなぁ。
水音でうるさくするのも可哀想ですし、シャワーは宿舎の方ですませましょうか。
「今日はもう戻りますね。また来ます、3主さん」
彼の中指にそっとキスをして、僕は部屋を出ました。



なんだかもう、スキップしたいくらい楽しい気分です。
こんなにwktkするのは久しぶりです。
次はどうしようかな。

437名無しの勇者:2007/10/05(金) 13:05:22
おお続き来てた!
もう書き込んでもおk?
ご先祖かわいいよご先祖

438名無しの勇者:2007/10/05(金) 13:39:38
3主大丈夫かw
8主Sすぎるぜ…!

439名無しの勇者:2007/10/06(土) 20:36:34
ちょ、これなんてエロゲww
8主なにを考えてるんだ!?
続きが気になるぅ!

440名無しの勇者:2007/10/07(日) 03:22:27
ご先祖可愛いけど壊れちゃわないか心配…でもやっぱ萌える
何この矛盾w
続き気になる…っ!

441名無しの勇者:2007/10/08(月) 23:43:39
萌えました
3主かわいいよ3主!

442名無しの勇者:2007/10/11(木) 07:08:56
これなんてエロゲw
続きが気になる……


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