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FFDQかっこいい男コンテスト 〜ドラゴンクエスト4部門〜

171無題 3/6:2009/07/05(日) 15:51:39
「おや…?そこまで乱暴するようには言ってなかったがな。
 まぁ、お宅の娘は腕っ節が強いだけで未来を読む力は無いらしい、との報告をもらっている。
 そこで神官を殺してしまっても良かったんだが。
 あんたもこの神官が可愛いだろう、と思ってな。」

 ピサロは腰の剣を抜くと、クリフトの喉元に当てた。クリフトは剣の冷たさに一瞬体を震わせる。

「やめろっ!」

 王は息を飲み、力無くうなだれた。
「分かった…。話す。だから、その子はアリーナの元へ返してやってくれ。」
「了解した。さぁ、話せ。勇者の居場所を。」

 王は苦しげに言葉を紡いだ。「…山奥の…ブランカ国をまだ北上したあたりの村だ…。」

「そうか。名前は?」
「名前など分からぬ。」
「まぁ、いい。その村を全滅させてみればどれかは勇者の死体だろう。
 もうお前に用は無い。」

 ピサロは微笑を浮かべ、王に向かって手をかざした。王はクリフトを見下ろす。

「クリフト…アリーナを頼んだぞ。」

 王の姿が消された。ピサロは身を翻し、「ブランカへ向かうぞ。」と甲冑の男に告げる。
「ピサロ様、神官の男はどうします?始末しておきますか。」

 ピサロは今、思い出した、というように振り返った。神官はここがどこか分かっているのか、玉座の方に向いたまま、微動だにしていない。
 これで恐怖に怯えた顔をしていれば、ピサロは同じく消すか、殺すかしただろう。しかし、やや青褪めた白い顔は、何かの決意を固めたような、逆に何かを諦観したような、不思議な表情だった。

「…あの神官は実は目も耳も正常なのではないか?」

 ピサロが甲冑の男に尋ねると、男は「確かめてみます。」と、そばにあった花瓶を持ち上げ、クリフトに足音高く近付いていった。微動だにしないクリフトの顔面に向け、男は花瓶の水を花ごと浴びせかけた。

「ひあぁっ!」


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