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FFDQかっこいい男コンテスト 〜ドラゴンクエスト4部門〜

105運命のカード 2/5:2008/06/23(月) 01:32:47
「はい、ストレート。」
「スライムのフラッシュです。」
「!!」

 僕はガクリとうなだれた。お互いのベッドに腰掛け、サイドテーブルを間に挟んでポーカーを始めたのはいいけど、実はこれで3連敗だ。
クリフトはニコニコとカードを切りながら、
「本当に面白いですね、このゲーム。もっと早く教えてもらえば良かったです。」
と、カードを再び配り始めている。

 クリフトはポーカーの役や強さの順番をすぐに覚えた上に、慣れてくると異様に強かった。クリフトは表情豊かだし、思考を読むのは簡単だと思っていたけど、生憎、ポーカーができる喜びからか、終始笑顔を浮かべたまま、表情を崩さないのだ。
そういや、元々僕よりも魔力や運の強さも上だったな。今度、カジノに強制連行してやる。
 幸せそうに微笑み続けるクリフトを眺めていると、ふと、いい考えが思い浮かんだ。そうか、動揺させてみればいいんだ。

「クリフト、何も賭けてないとつまらないよ。」
「はぁ、でも、先ほども言いましたけど、賭け事は禁じられていて…」
 向かいのベッドに腰掛けているクリフトは困ったように眉根を寄せた。

「お金じゃなくてさ、負けた方が勝った方の言うことをきくってのはどう?」
「え?そんな、勇者さん、無理難題を言うつもりじゃないでしょうね?」
「無理難題なんかじゃないよ。僕が勝ったらクリフトを抱くだけだから。」
 クリフトは息を飲んだ。笑みが消え、みるみる青ざめていく。

 過去、僕は1度だけ嫌がるクリフトを無理矢理抱いたことがあった。最後には十分悦ばせたつもりだったけど、本人は結構ショックだったらしく、
「お酒に酔ってらしたからですよね?」と事故に遭遇したかのように、忘れようと努力しているようだった。その様子は僕にも衝撃を与えた。別に軽い気持ちで彼を抱いたわけではない。
こんな風に何もかも無かったことにされるくらいなら、忘れられないように何度も繰り返すまでだ。

「冗談はやめてください…」
「冗談なんかじゃないって。この前もそう言ったろ?僕はクリフトを好きだから抱く、それだけだ。」
「わ…私なんかを抱いて、何が楽しいのか分かりません。」
「僕だって何でこんな気持ちなのか分からないよ。でもクリフトが最後に僕にせがんでくれた時、すごく幸福になれたよ。」

 ガタン!とサイドテーブルを鳴らしてクリフトが立ち上がった。顔が赤いんですけど。どうしよう、可愛いな、畜生。


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