したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

FFDQかっこいい男コンテスト 〜ドラゴンクエスト4部門〜

1名無しの勇者:2002/10/18(金) 20:17
DQ4の小説専用スレです。
書き手も読み手もマターリと楽しくいきましょう。

*煽り荒らしは完全放置。レスするあなたも厨房です*

2とびねずみ:2003/03/16(日) 16:23
 バルザック×オーリン『断罪されるべきは』、4レスお借りします。
 最後の3行は蛇足かなと思いつつ、初やおいです。やおいに限らず、こんな強引な愛情を書いたのは初めての事で、皆様の感想が怖いです……。
 おまけにDQ4作品って、こちらではまだ書かれていないのですね。ドキドキ。
 
『断罪されるべきは 1/4』

 私の気持ちに何故応えてくれないのですか‥‥‥‥っ!
 そんなにもエドガンが良かったと? いえ、今日からは、あなたは私のモノです!

 自分の中からほとばしる叫びを、私はあなたにぶつけ続けた。
 壁にあなたを押しつけて、身体をつなぐ。激しく荒々しく何度も体内をえぐる。
 あなたの身体は私から逃げ出そうとして、逃げ切れなくて、ただただ指先で壁を引っかき続けていた。
 指先からは血が流れ出し、壁に模様を描く。
 そして、あなたは喘いでいる。おそらく、心にもなく、喘いでいる。
 目からは涙、額には汗、そして、イチモツからはだらしない白濁液。
 私のモノを包み込むあなたの体内は、あなたの心に反して温かい。

 わかっていても。
 身体はつなげても心をつなぐことはできないとわかっていても。
 身体だけでもひとつになれるなら、それでいい。あなたの身体に私を教え込んで、二度と離れられないようにしてしまいたい………私の欲望は止まらなかった。

3『断罪されるべきは 2/4』:2003/03/16(日) 16:24
 あなたはいつも優しかった。
 弟子入りした当初、失敗しては叱られて泣いてた私に差し出されたあなたの手。
 いつも「次に頑張ればいいんだよ」と笑ってくれた事。
 3度に1度は、私の失敗を肩代わりしてくれた事。
 全てが、残酷なほどの優しさだった。

 思えば、私が初めてエドガンの家に来た時、あなたはすでに一人前の錬金術師だった。それなのに、あなたはいつまでもエドガンを師と慕い、一人立ちしなかった。
 あなたに「田舎の村で埋もれるような才能の持ち主ではない、エドガンはあなたを飼い殺しにするつもりだ」と、幾度も言ったが、聞き入れてはもらえなかった。
 あまつさえ、エドガンは私とあなたの研究成果を闇に葬ろうとしたというのに!

 「進化の秘法」という名は、私がつけたのだ。私が発案、あなたが調合し、私が精製を担当した研究。その成果に、私は狂喜乱舞した。
 金属を変化、進化させる錬金術とは違って、生きている物を進化させる秘法。
 それは、長年研究してもラチのあかない錬金術よりもはるかに出来上がっていた。
錬金術で富を得られるようになるまでは途方もない年月がかかりそうだったが、この秘法さえあれば、他者よりも優れた存在へ進化する事が可能なのだ。この成果を国王に売り付けて兵士たちに施せば、強い国を作る事ができる。
 私はキングレオの王子が強い国を作ろうと執心している事を知っていた。この研究を持ち込めば、必ず採用されるだろう。そして、宮廷づきの研究者ともなれば、あなたはもう研究費の為に力仕事を引き受けなくてもよくなるし、こんなおんぼろな家に住まずとも済む。
 私はあなたに誉めてもらえる事を期待、していた……。

4『断罪されるべきは 3/4』:2003/03/16(日) 16:25
 だが、エドガンはもとよりあなたさえ私の成果を喜んではくれなかった。
 研究室への私の立ち入りは禁じられ、連日エドガンとあなたの密談が続く。食事の際に顔を合わせても、ふたりとも押し黙ったままだ。いつも脳天気にしゃべりつづけるマーニャでさえ黙ってしまうほどの、重苦しい沈黙に満ちた食卓。まして、もともと勘の鋭いミネアはほとんどひきつけを起こしてしまいそうな顔で必死に食事をする有り様だった。
 さらに、その原因が私にあるとうすうす気付いているらしい姉妹は、時折ちらちらと私を見るのだ。少女2人にそうやって見られるのは、あまりいい気分ではない。そもそも、私は悪い事などしていないのだ! 素晴らしい研究成果をだしたのに、何故私が悪者のような扱いをうけなくてはならない?

 そんな日々が過ぎたある日。あなたは「出ていった方がいい」と、言った。
 私の考え方が歪んでいるから、明日、エドガンが破門を言い渡すのだという。
 正式に破門されてしまっては、他の錬金術師の元で働く事が難しくなる。でも今の内に自ら去れば私の経歴に傷がつかないと。

 そんな欺瞞は いらない。

 だから、私は、進化の秘法を持ち出し、キングレオの王子に売り付けたのだ。
 それを察知して追い掛けて来たエドガンは、私の一撃で吹っ飛び、動かなくなった。進化の秘宝が効いて、私は素晴らしい力を手にしていたからだ。
 師の死を知ったあなたは、恐ろしい顔で私を見つめ、がむしゃらに突っ込んで来た。私の罪をなじりながら、体当たりしてきたあなた。昔なら押し倒されて殴られるままになった事だろうが、今の私には大したダメージではない。
 あなたの拳を受け止めて、押さえ付け、そして、接吻をしてのけるなど、今の私にはたやすい。私はそのままあなたの自由を奪って、私のくさびを打ち込んだ。

5『断罪されるべきは 4/4』:2003/03/16(日) 16:26

 そもそも、師匠殺しの罪がどれほどのものだろう?
 あなたを密やかに慕って来た私をあざ笑ったあの男に死を与える事に、どんな罪があるというのだろう?
 そう、あの男は、笑ったのだ。死ぬ間際に、こう言って。
「オーリンは、私を慕っている。お前のモノにはならないぞ」 と。
 あのカオは、万死に値する。

 あなたの体内は、あたたかい。
 あなたは心では受け入れてくれなくても、こうやって、体では私を受け入れてくれる。あなたのイチモツも、ほら、あんなに喜んでいる。
 ぐったりと果てる間際、あなたの唇は「エドガンさま」と動いていたが。
 いずれ、必ず、心も私のモノにしてみせる。このままあなたを逃がしたりはしない。絶対に!

 …………オーリンがバルザックの元から逃げ出した後でひどい怪我を負っていたのは、連日のこんな責め苦のせいだったのだが、もちろん姉妹には知る由も無かったのだった……。
                     〜Fine〜

6名無しの勇者:2003/03/17(月) 04:47
(・∀・)イイ!!新鮮なカプでつね…萌えでした!
バルザックの独白がせつない…けど、カッコよかったでつ。

7<削除>:<削除>
<削除>

8名無しの勇者:2003/05/18(日) 04:55
誰もいないの・・・?
ショボーン

9名無しの勇者:2003/05/27(火) 04:10
(゚д゚)ノ゛いまつよ。

男勇者受けが読みたいなあ。クリ勇とかな…

10名無しの勇者:2003/06/04(水) 16:44
 勇者受けが読みたいというのをみて、山奥の村で剣術を教えてくれた先生に
攻められる勇者を思いついてしまった自分は………
「まだまだ俺の剣にはかなわないみたいだな」
「せ、先生! もっと、もっとくださいぃ」
とか………w

 魔法の先生のギガデインで逝ってきまつ。

11今宵、君は満月を見つめる【1】:2003/06/04(水) 22:47
 達した衝撃で意識が真っ白になったソロの頬に伝う涙を、ピサロの指先が優しく拭う。
「ん…っ、ふっ」
「悦かったか?」
 こくりとソロが頷くのを確認して、ピサロは自分の上にいる彼の腰を抱き、ベッドに横たえた。
 情事の余韻で潤んでいるソロの瞳がピサロを見上げる。彼は既にベッドから降り、服を着始めていた。
「あのひとのところへ…行くんだ…」
 責めるつもりはない。ただ気になっただけだ――そう言い聞かせる。
 長い銀髪を微かに揺らしただけで、彼はソロを見ようともしない。
「…二週間、帰ってないからな」
 分かっていたことだった。ピサロにとって『帰る場所』とは、彼女の――ロザリーが待っているあの村。自分の隣ではないのだ。
彼女の存在を知っていて、しかも男でありながらピサロに関係を迫っているのは自分だ――だから、行かないで、なんて口になんかできない。
泣かないように、声が震えないようにと、身体中の全神経を使って彼を見送る。
「…行ってらっしゃい」
 いつ帰ってくるのかは聞かない。詮索しないというのがお互いの暗黙のルールだった。
 あぁ、と微かに言って、ピサロはマントを翻し、部屋を出る。
 彼の靴音が聞こえなくなるのを待って、シーツに包まったソロは静かに泣き始めた。

12今宵、君は満月を見つめる【2】:2003/06/04(水) 22:48
「何を考えているんですか?」
 ピサロの下で、ロザリーは怪訝そうに問い掛ける。
 二週間ぶりに合わせた柔らかな肌は、かつての――人間達に邪魔されるまでの二人の幸福な時間を思い起こさせてはくれなかった。いや、そうではない――ピサロは一人ごちる。ここのところずっと…そう、ソロと関係を持ってから、だ。
「いや、何でもない」
 そうは言ったものの、ロザリーには通用しないことは分かっていた。
 柔らかな膨らみよりも紅い実が綻ぶ薄い胸が、ピサロを優しく包み込む膜よりも、ぎりぎりと彼を締め付け快感を訴える襞が恋しかった。どうしてそう思うのかまでは分からなかったが。
 黙り込んだピサロにため息を吐いて、ロザリーは彼の下から抜け出す。掛けてあったローブを軽く羽織って、窓際に立った。
 ロザリーの住まいである塔は、かつて人間達から守るためにピサロが命じて造らせたものだ。そのため窓には遠くガーデンブルグまで見渡せるほどの美しい景色が広がる。
 今夜、窓から塔に差し込む月明かりはあたたかな色を帯びて、窓際に立つロザリーに降り注いでいた。

13今宵、君は満月を見つめる【3】:2003/06/04(水) 22:49
「…ピサロ様がわたしを生き返らせてくれてよかった…」
「ロザリー?」
 しみじみと呟くロザリーに、今度はピサロが怪訝そうに問い掛ける。
「わたしが人間に殺されて、ピサロ様は憎悪に駆られて彼らを滅ぼそうとしたけれど、結局は思い留まって、人間の仲間と一緒にわたしを生き返らせてくれた…それが嬉しいんです」
「…今だって人間を嫌悪する気持ちは変わってはいない」
 起き上がって窓に目を向けたピサロに、ロザリーは微笑む。
「うそ。その肩の痣は誰が付けたんですか?」
「痣?」
 ベッド脇にある鏡を見れば、左肩の付け根にうっすらと紅い痣がある。多分、ソロが噛んだ跡。
「これは――」
「いいんです」
 ピサロの言葉をロザリーは優しく遮った。

14今宵、君は満月を見つめる【3】:2003/06/04(水) 22:49
「…ピサロ様がわたしを生き返らせてくれてよかった…」
「ロザリー?」
 しみじみと呟くロザリーに、今度はピサロが怪訝そうに問い掛ける。
「わたしが人間に殺されて、ピサロ様は憎悪に駆られて彼らを滅ぼそうとしたけれど、結局は思い留まって、人間の仲間と一緒にわたしを生き返らせてくれた…それが嬉しいんです」
「…今だって人間を嫌悪する気持ちは変わってはいない」
 起き上がって窓に目を向けたピサロに、ロザリーは微笑む。
「うそ。その肩の痣は誰が付けたんですか?」
「痣?」
 ベッド脇にある鏡を見れば、左肩の付け根にうっすらと紅い痣がある。多分、ソロが噛んだ跡。
「これは――」
「いいんです」
 ピサロの言葉をロザリーは優しく遮った。

15今宵、君は満月を見つめる【4】:2003/06/04(水) 22:50
「ピサロ様と肌を触れ合わせるくらい近しい方が、人間の仲間達の中にいると知って、嬉しいんです」
 ピサロ様が長い間人間を許せなかったのは、わたしのせいだから――ロザリーはそっと付け加える。
「…ロザリー、すまない」
 小さく呟く。ソロと深く繋がるまで、ロザリーは彼の心の中のどこよりも大切な場所にいたのだ。そんな彼女に自分の心を偽ることなどできなかった。
「わたしなら大丈夫。わたしの仲間もこの村にたくさんいます。だからわたしのことなら心配しないで」
 ロザリーはピサロを振り返り、ふふ、と微笑む。そしてすぐに夜空に掛かる月に視線を戻した。
「今夜は満月です。ピサロ様の大切な方も、同じ月を見ているかもしれませんね」
 行ってあげて――ロザリーの言葉に深く頷いて、ピサロは塔を後にした。

16雫夜:2003/06/04(水) 23:24
【3】二重うpスマソ…。
あと少しだけ続きます。

17今宵、君は満月を見上げる【5】:2003/06/07(土) 22:31
優しい月明かりを背に受けながら、ピサロはソロの待つ家に向かっていた。
(泣いているような月だな)
仄かにあたたかく感じる月明かりは、まるでソロのようだと思う。
出会ったときの彼は、七人の仲間達の中で打ち解けずに、どことなく独りぼっちな感じだった。そんなソロに声を掛けたのは、ただの好奇心。おそらく、故郷を滅ぼした当事者である自分を憎んでいるだろう彼が、抵抗するだろうと思ったのだ。
ソロもおそらく復讐を考えてはいたはずだが、今まで誰とも寝たことがないという彼の身体は、ピサロの愛撫の前にあっさり陥落した。
(所詮、人間か…)
何て脆い生き物なんだろう、と妙な感慨を抱いて、その後もことあるごとに彼を抱いた。

18今宵、君は満月を見上げる【6】:2003/06/07(土) 22:32
 ソロが初めて泣いたのは、背に走る傷痕のことを話した時だ。
 人間に襲われかけたロザリーを庇って出来た、とただ事実を語っただけなのに、ソロは静かに泣き始めたのだ。
(なぜ、泣く?)
 自分を傷つけた側に属する彼が泣くのは不思議だった。傷を負った時より狼狽している自分にピサロは気付く。
(…イムルの村でも夢で見たけど…っ、あんなことをされたり、こんな傷を負わされたりして…あんたが人間を憎むのは当然かも、しれない)
 そう言って傷痕を指先で優しく辿る。
 ソロをそっと抱き締め、頬を濡らす涙を拭い取りながら、不思議な感情が徐々に覚えのある感情に変化していくのをピサロは感じていた。
 とても優しくて、柔らかい感じ。まるで今夜の月明かりのような――今思えば、これがソロへの恋を自覚した瞬間だったのだろうか。

19今宵、君は満月を見上げる【7】:2003/06/07(土) 22:32
寝室の大きな窓から、満月の優しい光が射している。
 ソロは一睡もできずに、ベッドに座って空を眺めていた。ピサロがロザリーの元に行っているときはいつもそうだった。
 ひとり寝が出来なくなったのは、多分ピサロと寝るようになってから。故郷が滅ぼされシンシアも死に、七人の仲間と出会って、元々得意ではなかった人付き合いに疲れていた頃、ピサロに出会った。
(シンシアは俺をどう思っているだろう)
 敵である男に抱かれ、彼なしでは眠ることすらできなくなった自分を。
 考えていた復讐すら実行できずに、彼の顔色を窺う日々――だが幸せだった。
 ピサロが人間を嫌いだと言っていても、自分を抱く腕は優しさに溢れている――それが分かるから。
 だから今、彼の腕を離したくなかった。
(ピサロが早く戻ってきますように――)
 心の中でだけ願うから、だから叶えて下さい――ソロは静かに満月に祈った。

20今宵、君は満月を見上げる【8】:2003/06/07(土) 22:33
夜明け近くなった頃、寝室の扉が微かな音を立てて開いた。ソロははっとして振り返る。
「今、戻った…」
 ピサロが相変わらずの無表情で立っていた。が、ソロの頬に残る涙の跡に気付いて、怪訝そうな顔でベッドに駆け寄ってくる。
「…泣いていたのか…それに瞳も赤い」
「あ、うん…ちょっと眠れなくて」
 理由は言いたくなかったから、ソロはすぐに話題を変える。
「それより、何でこんなに早く戻ってきたの?」
 自分の密かな祈りが通じたのだろうか。ロザリーの元へ帰ると三週間は戻ってこないのが常だった。ピサロはソロの隣に静かに腰掛けて、口を開いた。
「ロザリーとは、もう会わない」
「え…?」

21今宵、君は満月を見上げる【9】:2003/06/07(土) 22:33
 それってどういう、こと?――ソロの言葉を遮って、ピサロは続ける。
「彼女に言われたよ。私の心には他の誰かがいる、と」
「他の…誰か?」
 ピサロの言葉を反芻する。不安な気持ちが沸き起こって、ソロは思わず目を伏せた。そんな彼の頬をピサロは優しく撫でる。
「正直言って人間は今でも好きになれない…だが、お前は別だ」
「ピサロ…それって」
 『他の誰か』ってもしかして――不安と微かに湧き上がる喜びで瞳を潤ませながら、ソロはピサロを見上げた。彼は微かに微笑む。
「ソロを――愛している」
 一呼吸置いて告げた。
 ソロの瞳から涙が溢れる。ごしごしと擦るソロの手を取りながら、ピサロは彼の気持ちを無視していたと今更気付いた。
 そんなピサロの様子が分かったのか、ソロは微笑んで言う。
「悲しくて泣いてるんじゃないから」
「…では、お前も?」
 答える代わりに、背を伸ばして彼にそっと接吻けた。
 人間の涙には色々な想いが込められているのだな――長い接吻のあと、ピサロはしみじみそう言ったのだった。

22今宵、君は満月を見上げる【10】:2003/06/07(土) 22:34
「あ、実はこれから、マーニャさんとミネアさんが来るんだ」
 ピサロに押し倒されたソロは、シャツの裾から差し入れられたピサロの指先を押し留めながら言った。
「マーニャさんが、またエンドールのカジノで…モンバーバラへの船賃を…スっちゃったって」
 当分泊めて欲しいんだって、だから準備をしなくては、とソロは名残惜しそうにピサロの腕を抜けようとする。
「奴らが来るのか…」
 ピサロの脳裏に、やたら露出度の高い服を着て秋波を送ってくる姉とソロに近づく自分を胡乱げな瞳で自分を見る妹の二人が浮かぶ。彼女達のことはやはり好きになれないが、ソロには黙っておこう、と彼は思った。
「まぁいい…エンドールからならまだ時間が掛かるだろう」
「でも…」
 うなだれるソロの腕を取り、再度ベッドに押し倒す。
「今、欲しいんだ、お前が」
 お前が私の腕の中にいると実感したい――ピサロに告げられて、ソロは観念したようにピサロの首に腕を伸ばした。
 愛されているという喜びを感じながら――。

xxx a happy endeing xxx

23雫夜:2003/06/07(土) 22:38
ピサ勇完結です。
タイトルを少し変えましたが同じ話です。
今回は心理描写重視を目指してみましたが…玉砕(w
それではDQ3と6の方に戻ります。
ナンカエチーガカキタイキブン…。

24名無しの勇者:2003/07/01(火) 16:06
栗受け読みたいor書きたい
PS版やるかな

25檻【1】:2003/07/22(火) 18:43
 豪奢な造りの姿見には、全裸で下肢だけ女物の衣服を巻き、しどけなく口を開いている男が映っていた。その背後には彼よりも少し若い男――少年というべきだろうか――が座り、恥らう男の様子を揶揄するかのように薄く笑っている。
「あんたってホントにアリーナが好きなんだね。クリフト? 包んだだけで、」
 言って少年は服の上から男の中心を軽く撫でる。クリフトと呼ばれた男はその僅かな刺激にさえ身体を震わせ、喘ぎが漏れないよう唇を噛んでいた。
「…っぅく…ん」
 彼の漏らした体液が、アリーナの衣服に大きな染みを作っていた。少年の指が確かめるようにそこに触れる。
「挿れてないのに、こんなに濡らしてる…」
「あの、わ、私は…っ」
 少年の言葉にクリフトは狼狽する。恥ずかしそうに俯く彼に、少年は満足そうな笑みを見せた。
「あんたの仕える神様は、こんなことはしてくれないよね」
 気持ちいい? 少年はそう言って、指先で触れていた染みに爪を立てる。敏感になっていた先端は、あっけなく達した。
「あ…んっ」
 小さく喘いで、熱を吐き出す。布に覆われて見えないが、どくどくと溢れ出しているのが分かった。
 長い放出の後でぐったりとしているクリフトに、少年は命令する。
「服、外してよ。それからあんたがいつもオレを咥え込むところが鏡に映るように、膝立てて」
「できません…っ。いやです、勇者殿っ」

26檻【2】:2003/07/22(火) 18:44
 自分の浅ましい姿を想像したせいか、クリフトは涙を浮かべながら哀願する。
 勇者と呼ばれた少年は途端に不機嫌な表情になり、背後から指先でクリフトの乳首を抓った。
「ひぁ…んっ」
「この前教えたよね? 二人だけのときは名前で呼べって」
 おしおきだよ、と勇者は耳元に囁いて、乳首を更に揉みしだく。そこは鏡越しでも分かるほどぷっくりと紅く勃ち上がっていた。
「も…やめて、く、ださい…んっ」
「乳首を少し弄っただけなのに、またここが勃ってきてるよ」
 クリフトの抵抗など知らぬふりで、まだ布に包まれたままの彼の中心を指で弾いた。クリフトは喘いで身を震わせる。
「分かった。いいよ、服は外さなくても。その代わり、肩を落として腰を高く上げてよ。あ、オレにだけ見えるように、ね」
 尻を突き出すようにしろというのだ。鏡に映すのと変わらない勇者の仕打ちに、クリフトは思わず首を振る。
だが勇者は薄く笑っただけだ。あんたに拒む権利なんてないよね――そう言って。
「アリーナがあんたの今の姿を見たら、何て言うかな。男に触られて弄られてよがってるあんたを見てさ…」
「う…くぅ…んっ」
「ついでにクリフトを包んでいるのがアリーナの服で、それもクリフトが君の部屋から持ち出した、なんて言ったら、アリーナは――」
「やめ…っ、もう、言わないで…っ…くだ、さい」
 クリフトは観念したかのように身体をゆっくりと前に倒す。勇者はそんな彼の様子を見て、嘲笑った。

27檻【3】:2003/07/22(火) 18:44
「アリーナの名前は、あんたを黙らせるのにホント効果あるな。っと、そのまま両手で、挿れて欲しいところが見えるように開いて」
「…っ、く、ふ…っ」
 勇者が命じたように、両手で自分の尻を広げるようにする。彼を受け入れる場所が空気に触れて震えた。
「いやらしい眺めだね。あんたの襞、紅く蕩けてひくついてるよ…まだ何もしてないのに」
 クリフトはあえて勇者の言葉を無視し、囁くように言った。
「もう、やめましょう…こんな、ことは、もっとお互いを…っ、虚しくするだけ、です」
 クリフトの懇願を勇者は鼻で笑う。彼は太く滾った自身を、収縮を繰り返すクリフトの蕾に押し付けた。その熱さに、クリフトは身悶える。
「また、あんたのお説教? あんただって挿れちまったら、あんあん喘ぐだけのくせに」
 しかしクリフトは残った理性を振り絞るように、根気強く勇者に訴えた。
「今なら、神も…っ、私たちの、あやまちを許して、くださる、でしょ…う。
そうして、救い、をっ…」
「うるさい!!!」
 勇者は激昂し、そのままクリフトのなかに自身を突き入れた。ローションを使わず、指で慣らされることもないままの挿入が、クリフトに痛みをもたらす
「ひ、あぁん…っ、あ」
「むかつく…。オレの前で神とか言うな。前にも言ったが、オレは神なんか信じていない。シンシアを見捨てた神なんて…許さない!!」
 唸るように言う勇者に、クリフトはもう掛ける言葉がなかった。
「ゆ…しゃ、どの、あ、あぁ…や、ぁ…んっ」
怒りに任せて、彼は強引に腰を使う。その激しさにクリフトは遂に理性を手放した。

28檻【3】:2003/07/22(火) 18:45
 ミントスで高熱を出して倒れたクリフトに、パデキアの根っこを与え助けてくれたのは、まだ年若い少年だった。
その少年は以前、コナンベリーを苦しめていた灯台の魔物を倒したことから、町の人に『勇者』とあだ名されていた。その呼び名は、彼の仲間内ですっかり定着しているらしい。
あなたに出会えたことは神のお導きに違いない――助けてくれた礼を共にそう言ったクリフトを、勇者は嘲笑った。
(神なんて、いるわけないよ。ただみんなが勝手に拝んでるだけじゃないか)
 神官として長い間、神に仕えてきたクリフトには勇者の言葉が信じられなかった。
(でも、あなたが大灯台の魔物を倒せたのは――)
(神のおかげじゃない。実力だよ、オレの)
 クリフトの言葉を遮り、勇者が言った。じゃあさ、と彼は続けた。
(証明してみせてよ、オレに)
(え?)
 戸惑うクリフトに、勇者は暗い笑みを見せる。彼は無言でクリフトの衣服に手を掛け、引き下ろした。

29雫夜:2003/07/22(火) 18:46
>>28は【4】でつ。スマソ。

30雫夜:2003/08/03(日) 01:47
訂正です。
【1】で文章が抜けてるところがありました。
>「あんたってホントにアリーナが好きなんだね。クリフト? 包んだだけで、」
の後に、『もう、こんな風になってる』が入ります。

31檻【5】:2003/08/03(日) 01:48
(なに、するんですか?!)
(だから、証明してもらうんだよ。あんたに)
 二人はミントスの宿屋の屋上にいた。彼ら以外は誰もいないのが、せめてもの救いかもしれない。
 下着はまだ纏ったままとはいえ、夜気の冷たさにクリフトは身震いする。
勇者は彼の背を壁に押し付け、耳元に囁いた。
(これからあんたを犯してやるよ)
(お、犯すって、私たちは男同士、ですよ? それに私が仕える神は男色を禁じていて――)
 怯えるクリフトを頭一つ分高い位置から見下ろし、勇者は笑った。
(あんたの神様が正しくて、いつも見守ってくれるっていうんなら、こんな状態のあんたを助けてくれるだろ?)
 そんなことはありえないけどね、とくすくす笑いながら、勇者はクリフトのうなじに唇を這わせる。冷えた肌に彼の唇は驚くほど熱く感じて、それだけでクリフトは喘いだ。
勇者の手は下着を取り去り、クリフトの下肢に触れた。嘲る口調とは裏腹の彼の優しい仕草が、クリフトを撫で、高めていく。
(神様、助けに来てくれないね)
 クリフトの状態を揶揄するように、勇者が笑いながら言う。
(あんた、もうこんなに濡らしてるのに、まだ助けて欲しいとか思ってる?)
(ん…あっ、ん)
 先端に爪を立てられ、クリフトは喘いだ。そのまま勇者の指先は彼の雫を拭い取り、後ろへと伸ばす。
(ひっ、い、痛っ…やめ、て…っ)
 指を一本、なかを抉るように挿入され、クリフトの目尻に涙が浮かんだ。
(慣れてきたら、痛くなくなって、気持ちいいって思えるようになるよ)
 痛みに震えるクリフトのおとがいを撫でながら、勇者は優しく告げる。
慣れない行為に麻痺してしまったクリフトの涙腺は、静かに大粒の涙を頬に零した。

32檻【6】:2003/08/08(金) 23:48
勇者はクリフトの涙に一瞬戸惑ったようだがやめようとはしなかった。
なかの指を二本三本と増やされていく度に、クリフトの喘ぎも悩ましいものになっていく。遂には立っていられなくなって、ずるずると床に崩れ落ちた。
(あん…はっ、あぁっ、あ)
(気持ちいい?)
 力なく床に倒れこんでいるクリフトを見ながら、勇者がうっすら笑う。
クリフトは声を発せず、ただ荒く息を吐くことしかできなかった。
(これだけ解せば、大丈夫かな)
 なかに挿れていた指をゆっくり引き抜いて、勇者は、クリフトの膝を抱え上げる。
(いや、です。こんな、の…)
 自分がどんなにはしたない格好をしているのかがクリフトには分かって、力の入らない手足で必死に抵抗を試みた。だが勇者によって難なく押さえ付けられてしまう。
(後ろからの方が多分痛くないと思うんだけど…今、暴れたからやめた。前からあんたの恥らってる顔を見ながら犯してやるよ)
(や…っ)
 低く笑って、勇者は自身をクリフトに突き入れる。
 指とは比べ物にならない質感に圧倒され、なかを擦られる感触に身悶えた。
(あぁんっ…っは、ん)
 勇者が言った通り、クリフトの身体は挿れられる痛みを快楽に変換するようになっていた。。
 ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てて擦られると、強引にこじ開けられた蕾は快感に震えて収縮する。
(も…ゃ、あぁ…っ、んぁ、っ)

33檻【7】:2003/08/08(金) 23:51
 もう、助けて欲しいなんて思わないだろう? ――熱い吐息混じりで囁かれ、それだけで耳元は紅く染まる。
(私は――)
 神のことなど、いつの間にか頭から消え去っていた。
 禁じられていた男色に耽って、その快感の凄まじさに喘いでいる自分。
 神に許しを請う資格など既にないことを知りながら、心では免罪の聖句を呟く。
(私は――堕ちて、しまった)
 そんなクリフトの動揺に気付いたのか、勇者は腰の動きをそのままに、空いた指先で彼の左胸を摘む。
(あぁ――んっ)
 軽く摘まれただけなのに、それだけでクリフトの思考は真っ白になり、なかの勇者を締め付けてしまう。
 大きく喘いでしまってから、自分たちが外にいることを思い出した羞恥と、快楽に耽る自分への情けなさからか、クリフトの目尻に涙が浮かんだ。
(何、考えてたの?)
(…っ)
 隠しても無駄だった。勇者は気付いている。
 意地悪く微笑んで、クリフトを見下ろす。
(少し弄っただけなのに…こっちの胸だけ、すごく紅くなって膨らんでる)
 そのまま指の腹で尖った先を撫でられて、切なく喘ぎながら身を捩る。
(う…くふぅ…ん、ぁんっ) 
 勃ち上がったクリフト自身が勇者の腹に触れて、放出が近いことを訴えた。だが逆に彼はクリフトの根元を握りこんでしまう。
(ゆ…しゃ、ど…の…っ?)

34檻【8】:2003/09/04(木) 18:27
 達かせてもらえず、下肢に熱が溜まったままで苦しそうにクリフトは勇者を見上げる。犯されてから初めて彼を呼んだ、と半ばぼんやりとした頭で思った。
 根元を握る手の力を緩めないまま、勇者が訊いた。
(達きたいんだろ?)
(ん、ふ…っ)
(答えなきゃ、達かせてやんない)
 握る力を更に強くされ、クリフトは身を捩った。
(ゃ、はぃ…ん)
 小さくクリフトが呟く。もう神のことは頭にはなかった。身体の中の熱をどうにかして欲しい――その欲求だけが彼を支配していた。
(じゃあ、オレのことを名前で呼んでよ。知ってるよね?)
 そうしたら、達かせてあげる――囁くように勇者は言った。
 クリフトが頷くのを確認して、彼は握った手を緩め、止めていた動きを再開する。すさまじい快楽に意識が遠のきかけていたクリフトも、勇者の背に両腕を回した。
 突き上げられ、襞を擦られる度にクリフトは切なく喘ぎ、小さく勇者の名を呟く。彼の背にも気付かないまま爪を立てていた。
(あぁ―――っん…)
 勇者が最奥を突き上げるのと同時に、クリフトは細い悲鳴を上げて達する。その瞬間、勇者も強い力で締め付けられ、クリフトのなかに熱を注いだ。
 達して身体の力を抜いたためか、勇者がクリフトの上にゆっくりと覆い被さる。まだ繋がったままの下肢が、ぴちゃりと濡れた音を立てた。
 クリフトのうなじに顔を寄せた勇者が、愛しげに呟く。
(シンシア…)
 その目は虚ろで、クリフトではない誰かを見ているようだった。
 誰のこと、と訊きかけたが、勇者は既に寝息を立てていた。
 初めて勇者に犯された、ミントスでの夜。
 神の教えを破り、禁じられた男色の快楽に浸ったことと並んで、勇者が呟いた知らない女性の名前が、クリフトを何故か不安にさせた。

35檻【9】:2003/09/07(日) 22:10
 窓から差し込んだ朝日の眩しさで、クリフトは目覚めた。
どうやら昨夜、鏡の前で犯されたあと、気を失ってベッドに運ばれたらしい。焦点の定まらないクリフトの目に、ようやく上から覗き込んでいたらしい勇者の姿が映る。素肌にシーツを纏っただけのクリフトと違い、既に彼は服を着ていた。
 何も着けていない身体には、特に胸元に紅い鬱血がぱらぱらと散っている。昨夜の激しさと自分の浅ましさを訴えているようで、クリフトは頬を染めながらシーツを手繰り寄せた。
「あんたを居間から寝室まで運ぶの大変だったんだからな。全然目、覚まさないから困った」
 勇者はふてくされたようにそう言って、クリフトから背を向ける。身体は清められていて、勇者がタオルで拭ってくれたのだと分かった。
 その彼の背中に小さく、すみません、と呟けば、ふぅ、とため息とも取れない返事が返ってきた。
 勇者の故郷の村に程近い木こりの家に、この地方の偵察という名目で彼らは数日前から宿泊している。主の木こりはブランカへ行商に出てしまったため、ずっと二人きりだった。
(ミントスの夢、か)
 あのときは勇者の行為が、そしてそれを受け容れてしまった自分が嫌で嫌で堪らなかったのに、今では彼の手に触れられ堕ちることを望むようになってしまっている。

36檻【10】:2003/09/07(日) 22:11
 お互いを虚しくするだけ――勇者に言ったその言葉は真実だと思う反面、彼を拒めない理由が自分の中にあることもまた事実だった。
(醜い感情が私の心に巣食っているのは…神がくだされた罰だろうか)
 シンシアという女性が、勇者の故郷の村に住んでいた幼なじみだということも、後になって知った。彼が故郷と共に喪った大切な恋人だったということも。
 ここからそう遠くない場所に、彼女は眠っている。そのせいか感傷的になっている自覚はあった。
 シンシア――勇者が達するときに囁く名前に、胸を焦がされるようになったのはいつからだろう。

「――悪かったな」
「え?」
 不意に呟く声に視線を向ける。勇者がいつの間にかこちらを振り返っていた。
「ちょっとオレも…やり過ぎた。あんたが意識飛ばすなんて思わなくてさ」
 その物言いに何故かクリフトの方が気恥ずかしくなって、彼から視線を逸らして俯く。
「……」
 頬が染まっているのが自分でも分かった。勇者にはおかしく見えているだろうと思ったそのとき、屈み込んだ彼が指先でクリフトの頬に触れた。
「顔が少し赤いけど、熱でもあるの? つーか、身体、動かせる?」
「いえっ、別に。大丈夫、です」
 いたわるような仕草に、クリフトはかえってあおられる形になる。反動で少し身体が動いて、腰に疼くような痛みが走った。
 かろうじて声は上げなかったものの、一瞬顔を歪めたのは勇者に伝わったらしい。

37檻【11・ラスト】:2003/10/31(金) 23:53
 ふぅ、とため息を吐き、指の腹で軽く頬を撫でたあと彼は立ち上がった。
「あんたさ、今日は寝てていいよ。ま、半分はオレのせいだしね。それと大丈夫じゃないときはそう言えよな…神様が全部分かってるわけないんだから」
「え…っ?」
「無理はするなってこと」
 クリフトの反応をよそに彼は、何か飲むもの持ってくるから、と 部屋を出て行った。
今の自分はどんな表情をしているのかと思う。
(…憎めたら、いいのに。彼を憎み切れたなら、どんなに…っ)
 何も知らなかった身体を強引に拓かれ、禁じられた快楽を知ってしまった。旅を終えてサントハイムに戻ったら、いずれ国を継ぐであろうアリーナを支え、神官として残りの生を過ごす――勇者に出会う前はそう考えていたのに。だが抱かれる悦びを覚えた自分に、もうそんな生き方ができるとは思えなかった。
「……っ」
 溢れた涙は頬を伝い、寝台の上で握り締めた手の甲に零れ落ちる。
 いっそのこと、勇者が自分を物のように扱ってくれていたら良かったのに。
 体温を持つ己の肉体さえ疎ましいほどに、そう思う。
 クリフトが失神するまで苛め尽くすくせに、いつも情事の後の勇者は酷く優しい。だから戸惑ってしまうのだ。
 シンシアという名を耳元で囁かれる度に沸き起こる醜い感情――その理由ももう分かっていた。
「…き…です」
 一生伝えることはできない彼への想いを、涙混じりに口にする。
自分たちの関係が禁忌だと勇者に訴え続けるのは、もはや神に赦されたいからではない。
旅の終わりに、自分から彼の手を離せる自信がないから。
(勇者殿には笑われるだろうか。私はあんなに嫌がっていたのに、と)
 虚しい関係だと思う。我ながら浅ましいとも思う。
だがそう思われても、クリフトは未だ彼の腕に囚われることを願った。
飲み物を運んできたと思われる勇者の足音が、クリフトの耳に届く。
 涙を拭い、赤く腫れた目をそっと伏せる。
自分の涙の理由に、優しい勇者は気付いてしまうだろうから。
(罰を受けるのは、どうか私だけでありますように――)
 心の中で、静かに祈った。

〜終わり〜


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板