したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

FFDQかっこいい男コンテスト 〜ドラゴンクエスト1部門〜

1名無しの勇者:2002/10/18(金) 20:15
DQ1の小説専用スレです。
書き手も読み手もマターリと楽しくいきましょう。

*煽り荒らしは完全放置。レスするあなたも厨房です*

44勇者虐めSS【5】※竜王×勇者:2004/10/01(金) 21:39
 腹の内部に感じる焼け付くような痛みに耐えかねて、勇者は目を覚ました。
 痛みを感じると同時に吐き気を催して、咄嗟に体を丸める。
 だが胃の中は空っぽで、幾ら吐こうと思っても内からは何も出てこなかった。
 暴行を受けた体はきしきしと痛みを訴え、肛門とそれに続く腸内は今も何かが押し込められて
いるような異物感を伴っていた。……気分が悪い。
 現実を認めるのが嫌でまた意識を手放しかけたが、そこでようやく勇者は体に付着した血液や
モンスターの体液が綺麗に拭き取られ、乾いた服を身に付けさせられていることに気が付いて
驚いた。
 その上、今寝ている場所はあの冷たい牢獄の床ではない。頬に感じるさらさらとした感触に
重い瞼を開けてみると、そこは質の良い素材のシーツが敷かれた広いベッドの上だった。
 よく見れば、周りの景色も随分違う。
 勇者を取り囲んでいた黒く重々しい岩壁がすべて消え失せて、至って「人間らしい」造りの
部屋が彼の視界に映った。
 暖かなぬくもりを感じさせる角燈が部屋の数ヶ所に灯り、古風な調度品が品良くしつらえて
ある。見上げた天井は高く、宗教画のようなものがそこに描かれており、角燈から受ける微かな
明かりによって神々しい雰囲気を放っていた。
(ここは何処だろう)
 そこで勇者はふと視線を感じ、首を捻って枕元に目を遣った。
 そしてそこに座る人ではない者の姿を認めた途端、先程受けた暴力行為の数々をまざまざと
思い出し、その男が腕を伸ばしてきたのを見ると勇者は言葉にならない悲鳴を上げながら
咄嗟に両腕を挙げて顔を庇い、男の手から逃れようと体を捩った。
「……落ち着け。危害を加えるつもりはない」
 静かな声色で男は告げると、勇者の目を覆うようにその手を置いた。
 急に動いたせいで、全身を駆け抜けた激痛に喉の奥から絞り出すような声を出して縮こまった
勇者は、男の声と手にびくりと反応したが特にそれ以上、抵抗する素振りは見せなかった。
 置かれた手のひらから、癒しの波長を感じ取ったのかもしれない。
「まだ傷が癒えていないのだから、安静にしていなさい」
 男は医者が言うような台詞を発し、それから勇者の額に手を置いた。
「熱があるな。体に受けた傷のせいだと思うが……」
 そう言いながら眉を顰め、額から手を離すと男はベッド脇のテーブルに置かれていた陶器製の
ポットを取り上げて中味の液体をカップに八分程注いだ。
「化膿止めの薬湯だ。熱冷ましにもなる」
 男は勇者の項と枕の間に手を差し入れて彼の頭を起こすと、その後頭部を支えながらもう片方
の手で勇者の口元にカップを近づけた。
 つん、と鼻腔を突く香草の独特の匂いに勇者は思わず顔を背ける。
「飲めば傷の治りが早くなる。お前のそれは回復呪文だけでは追い付かないのだから」
 そう言われてしまっては飲むより他ない。渋々といった様子で勇者が口を開けると男はカップ
の縁を勇者の唇に当てて、薬湯を口内へ少しずつ流し込んだ。

45勇者虐めSS【6】※竜王×勇者:2004/10/01(金) 21:40
 薬湯の味は想像していたものよりずっと甘かった。
 熱すぎず温すぎないそれは渇き切った喉をするりと通り抜け、荒れた胃に収まると勇者の体を
内側からほんのりと暖めた。
 男は勇者の体に掛かる負担を避けるように、ゆっくりとカップを傾けることで彼の飲む動作を
助けた。だが最後に残ったひと口程の薬湯を飲みきれずに勇者が咽せて、彼が申し訳なさそうな
視線を向けると、男は気にするなと微笑んで濡れた口元と首筋を柔らかな布で拭ってやった。
 支えていた勇者の頭を枕の上に戻して、男が用済みになったカップやポットをテーブルの上で
片付けていると、顔だけをそちらに向けた勇者が囁くような声で尋ねてきた。
「貴方が助けてくれたんですか」
 その問いに対して、男が目の動きだけで頷きを返した。
 腹をしこたま蹴られたせいで腹筋に力が入らないのだろう。息をするのもひと苦労といった
様子であるのに、勇者は尚も尋ねた。
「貴方は……貴方の名前は…………」
 男は譫言のようなその言葉に一瞬、動きを止めた。
「……それは今、聞かない方が良いだろう」
 その答えを聞いて勇者は、ああ、と片手で顔を覆った。男の正体はきっと予想通りだ。
 あれだけの数のモンスターから、己の身を守ってくれた者。あの生き物達を凌ぐ優れた能力と
権力がない限りそんなことは出来ないはずだった。
 この男が竜王──。ぼんやりとそう思いながら眺めていると、男は腕を伸ばして勇者の目上に
手を翳し、彼の開いている瞼をそっと閉じさせた。
「今は何も考えず眠るといい。この部屋は安全だから。起きた頃には熱も下がっているだろう。
起きて動くのが辛くないようだったら、隣の浴室へ行って身を清めなさい」
 男は事務的ともいえる口調で言うと、ポット一式を載せたトレイを持ち上げて席を立った。
 勇者は素直に従ったが、男が角燈の明かりを消そうとする気配を感じて口を開いた。
「明かり……」
「何だ?」
「消さないで…貰えますか……」
「…………判った」
 部屋を出る前に勇者の様子を肩越しに窺ったが、痛みを耐え忍ぶかのように眉間に皺を寄せて
横たわる彼の健気な姿が、男の心を揺すぶって仕方がなかった。
 男は部屋の外へ出ると、大きな音を立てないように注意しながら扉を閉めて、手にしていた
トレイを片付けた。そして身近な者にしばらくの間、人払いをするよう言い付けた。
 これで、彼も静かに眠れるだろう。

46勇者虐めSS【7】※竜王×勇者:2004/10/01(金) 21:41
 再び勇者が目を覚ました頃には、部屋の中は角燈が要らない程明るくなっていた。
 どうやら外では夜明けの時間を迎えているようだ。
(あの後、どれぐらい眠っていたんだろう)
 眠る前と比べて随分はっきりした頭の中で考える。この城に連れて来られた段階で時間の感覚
はなくなってしまったが、己の空腹度からしてみても、拉致後まだ二日と経っていないはずだ。
 勇者がベッドから体を起こして──所々の関節はまだ痛むものの、内臓の腫れや痛みは綺麗に
引いていた──周りをぐるりと見回すと、かなりの広さを持った部屋に居ることが判った。
 向こうには煉瓦造りの大きな暖炉もある。そこにちゃんと火が入れられているところを見ると
定期的に誰かが様子を見に来てくれていたようだった。
 枕元に目を遣れば、テーブルの上には水差しとコップが置いてあった。喉が渇いていたので
これは有難い。勇者はシーツと毛布を剥ぐとベッドの端に座り、水差しからコップに水を注ぐと
それを一気に飲み干した。熱があったようなので、眠っている間に汗で体内の水分が出て行って
しまったというのもあるだろう。普通の水なのに余計に美味しく感じる。
 もう一杯飲もうかと思ったところで、勇者はテーブルに置いてある蓋の付いた小さな容器の
存在に気付いた。不透明の容器は中身が見えないので、コップを置く代わりにそれを手に取って
蓋を廻して開けてみる。
 中には、うっすら黄みがかった白色の軟膏が入っていた。鼻を近づけて匂いを嗅ぐと微かに
薬草の香りがする。指に取れば軟膏独特の、幾分滑りの悪い感触がした。
 これも先程の男──竜王が置いていったのだろうか。
 詳しい用途は判らないが、おそらく傷口に塗るものだろう。竜王の魔力が及ばない部分は
薬湯とこの軟膏で補ったのかもしれない。
 水を飲んで落ち着いたところで、竜王が隣に浴室がある、と言っていたのを思い出して勇者は
風呂に入ることにした。

47勇者虐めSS【8】※竜王×勇者:2004/10/01(金) 21:42
 毛足の長い絨毯が敷かれた床を歩いて隣の部屋へ行くと、タオルと着替えが積んであった。
その先の扉の向こうが浴室らしい。風呂のことを考えたら無性に湯を浴びたくなった。
 勇者は汗で湿った服を脱ぎ、大きなカゴの中に放り込むと奥の扉を開けて浴室へと入った。
 そこそこ広い空間で、真ん中に脚の付いた浴槽が湯を湛えた状態で用意してある。傍らには
石鹸やらブラシやらスポンジが置いてあるので、自由に使って良いということだろう。
 体を慣らすように少量の湯を掛け、それから縁を跨いで湯船に身を沈めた。
 体の芯から温まる感覚に、「やはり風呂は良いものだ」などと考えてしばらく緊張感のない
時間を過ごしてしまったが、今だに残る下半身の異物感をふと意識してしまったことから、
またも勇者は発作のような吐き気に見舞われた。
 旅の過程で起こるモンスターとの戦闘に怪我は付き物で、酷い時には打撲したりもしたが、
ああいった形で暴行されたのは初めてだった。肛門が裂ける感触と、腸内を這い擦り回る塊の
蹂躙行為は一生忘れまい。
 そこまで考えて、勇者は腸に直接出されたおぞましい体液が一体どうなってしまったのか、
それが気になり始めた。あれだけ中に吐き出されたというのに、それらが体内に残っていない
ように思えるのは気のせいだろうか。
(まさか……っ)
 勇者は、我ながら怖いことを想像してしまったと思って震えたが、おそらくそれが正解なの
だろうとも思った。──竜王は、腸内の洗浄まで施してくれたらしい。
 洗浄の方法は判らないが、やけにすっきりしている下腹部の様子からして間違いない。
 体の見える部分は布か何かで拭いて貰ったのだと思ったが、まさかここまでは清めていない
だろうと思っていた部分までもがしっかり「お清め」されていた事実を知ったところで勇者は
はた、と気付いた。
 テーブルの上にあった軟膏。あれはもしや体の内側に塗るものなのではないか……?
 勇者は慌てて自分の手を後ろに持って行き、恐る恐る入口を撫でてみた。すると水中でも判る
ぬめりのあるものがそこには塗り込められていた。この分だと内部にも塗布してあるだろう。
(うわー……)
 自分でも今まで触ったことのない部位を、他人の指が(しかもこれで二人目だ)出入りした
のかと思ったら、かあっと顔が赤くなった。
 そういえば昔、薬師だった祖母は見た目も効能も様々な薬をよく見せてくれたものだ。その中
に先程の軟膏に似たものも含まれていた気がする。一般的な塗り薬なので、専用の薬草さえ
手に入れば誰でも作れるものだと祖母は教えてくれなかったか。しかもその効能は「粘膜の炎症
を抑える」ものだとか何とか……。
 やめよう。考えるだけでも気分が落ちていく。
 勇者はそれらの思考を捨て去るべく、思いきり息を吸うと頭の先まで一気に湯に沈んだ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板