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FFDQかっこいい男コンテスト 〜ファイナルファンタジー7部門〜

57冷たい床(7)※ヴィンセント陵辱系:2004/11/17(水) 00:54
 熱くて、熱くて、頭が朦朧としていた。
 ひくひく震えて、言う事を聞かない体も、笑い声も、壁越しのように遠い。
 何か考えて、変身を我慢していたはずなのだが、わかっているはずの答えも遠すぎて、
わからなくなっていた。
「で、一体何なんだ、こいつはよぅ」
「サッキュバスだろ。野放しで危ないから捕まえたんだろうさ」
 俺たちも危ないがな、と、笑っているのが聞こえる。
 喋っても、喋らなくとも、変わらないのだ。
 神羅の所有物に手を出したことすら、もう忘れている。
 ヴィンセントの体から力が抜けた。
「何だ、今頃泣いてんのか」
「…さらわれ損だ、な」
「先生方は面白いバケモノが欲しかったんだから仕方ねえな」
 干からびるまでやりたくなるお前もバケモノだ、と、男はヴィンセントの胸を舐める。
「まぁ、しばらくは俺たちと遊んで、その後に客でも取ることになるんじゃね」
「無意味に弄られているのは、面白く、ないな」
「余計な口叩いてないで、ひいひい泣いてろよ」
 涙は一筋だけ。
 ヴィンセントは息を整える。
「自らを哀れんで、涙ぐんで、めそめそ泣いていたいのだが、馬鹿らしく、なった」
「喋るようになったらうるせえな、さっきまでありがたがって小便飲んでた口で
何ぶつくさ言ってる」
「この体は、私が招き寄せた、私の罪。天から降ってきた災難ではなく、自ら制御して
利用するべき私のものなのだ、いまだ受け入れられないことが、私の罪」
 男が、顔をしかめ、身を放す。
「何だ、こいつ」
 頭が朦朧としている分、感覚が尖っている。
 廊下の足音、部屋にいるもの全員の呼吸と動悸、向かいの部屋の話し声。
 考えるのをやめた分、鼻から、耳から、皮膚から伝わる内容が全て届く。
「お前たちの、顔も名前も覚えておいてやれないのが、私の罪。警告を出して、
逃がしてやれなかったのが、私の罪」
「…壊れてんのか?口、ふさぐぞ」
 足音が止まり、扉が開く。
 途端にヴィンセントは飛び起き、またがっていた男を振りほどいた。
「お楽しみのところ悪いが、ちょっとそれ返してくれ。型通りでいいんで検査結果が
ないと報告書ができないんだ」
 無警戒に扉を開いた白衣は、無様にひっくり返った男と、後ろ手に縛られたまま、
立ち上がっているヴィンセントの赤い瞳を見た。
 一呼吸遅れて取り押さえようとかかってきた男達は、耳まで裂けた口と、金色の爪と、
それから、真っ赤な炎を。


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