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95
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勇者目覚める 1/2
:2008/04/07(月) 23:58:21
私は今、ある一人の人間の人生の岐路に対面している。
ここはサラボナの街の大富豪、ルドマンさんのお屋敷。
その大広間に、私を含めて七人の人間がいる。
まずは屋敷の主ルドマンさん。その娘のフローラさん。ラインハットの王兄ヘンリーさん。フローラさんの幼馴染のアンディさん。元光の教団の兵士ヨシュアさん。そして全ての中心にいるのが彼女。私の幼馴染で妹のような存在。
状況としては、彼女に求婚しているヘンリーさん、アンディさん、ヨシュアさん。それを見守る残りの三人という構図。
「それで、誰を選ぶのだね?」
ルドマンさんが彼女に問いかける。
すぐには答えず、俯き、目を閉じている彼女。しかしついに、顔を上げる。そして開かれた瞳には、固い決意が宿っていた。
「私が結婚したいのは……好きなのは、ダンカンさんです!」
大きな声でハッキリと告白した。
しかし誰もが予想外の名前に目を点にしている。いや、予想外どころか聞いたことのない名前だろう。私を除いて。
「はあぁぁぁぁぁ!?」
私は思わず叫んでいた。
「ダンカンって……私のお父さんの、こと?」
恐る恐る尋ねる。どうか違っていてください。神様にお願いした。
「うん」
叶わなかった。神様は無情だ。
「いや、ちょっと待って! だって、え? 私のお父さんだよ? もう50歳だよ? 一個もカッコイイところなんかないんだよ?」
「でも、好きなの。小さい頃から、ずっと好きだった。ビアンカには悪いけど、おばさんが亡くなったって聞いて、結婚できるって思っちゃった」
涙を流しながら答える彼女。多分、私に対しての謝罪なのだろう。
「いや、でも……本気なの?」
「うん。本気。できることなら、ビアンカのお母さんになりたいって思ってる」
真っ黒な瞳が真っ直ぐにこちらを見つめている。ああ、本気なのね。一人の女性として、どこがイイのかわからないけど、本当にお父さんが好きなのね。
私は大きく息を吐いた。
「……わかったわ。あなたがそこまで言うなら認めてあげる。でも、お父さんがなんていうかは知らないわよ?」
この言葉に、彼女は満面の笑みを浮かべる。
「ありがとう! ビアンカ!」
飛びついて、抱きついてきた。私はそれを受け止めて、強く抱き締めてあげる。
と、残りの五人が目に入った。
あー、すっかり忘れてたわ。ルドマンさんとフローラさんはともかく、あの三人は……可哀相ね。
「なんだかよくわからんが、そのダンカンというのが、君の結婚したい相手なのだね?」
「はい。そうです」
「わかった、家のものに命じて、すぐに連れてこさせよう」
ルドマンさんがそう言い、すぐに使いが出たようだった。
待つこと数時間。山奥の村から父さんがやって来た。
どうやら全く事情は聞かされていないようだ。
「やあ、ビアンカに****。いったいどうしたんだい?」
私じゃなくて、彼女が説明、いや、告白をするのがいいだろうと思い。黙る。
「あ、あの……ダンカンさん」
「なんだい、****?」
「私、ダンカンさんの事が好きなんです! どうか、結婚してください!」
さすがの告白に呆気にとられているお父さん。無理もない。亡くなった親友の娘に告白されたんだから。
しばらく沈黙していたお父さんが、優しい眼差しを彼女に向けた。
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