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91デジャ・ヴ 3/3:2008/03/13(木) 22:50:52
                 
 ――そういえば、あの時もこんな感じだったな。もっとも、私たちの時は猫じゃなかったけど。
 懐かしい思い出を甦らせ、子供たちを見る。
 男の子二人に対して、女の子と少年が前に立って言い争っている。少女は、兄の後ろに隠れていた。
 ――あれ?
 その光景、いや、女の子に既視感を覚える。
 頭の両側でおさげにし金色の髪と、気の強そうな大きな瞳は、否応なく彼女を思い起こさせる。
 ――というより、そっくりじゃない?
 彼女が疑問を抱き始めたその時、
「コラ、あんた達! ケンカはやめなさい!」
 村の奥から、一人の女性がやって来た。
「お母さん!」
 女の子が叫ぶ。
 男の子二人はその女性を見ると、気まずそうな顔を浮かべて走って逃げていった。
「あっ、逃げた!」
 少年が追いかけようとする。が、女の子がその腕を掴んで引き止める。
「ネコちゃんが無事なら別にいいわ。どうせ、あの二人だっておばさんに怒られるんだから」
「今度は何が原因でケンカしてたの?」
 傍にやって来た女性が女の子に問いかける。
「おばさん。この子を怒らないで上げて。この子はネコを助けようとしたんだよ!」
「ホントよ! 私たち一緒だったもの」
 少年と少女が女の子をかばうように口々に告げる。
「そうなの? なら、よくやったわ」
 女性は女の子の頭を撫でる。
「ところでキミたち、この村の子じゃないわね。二人だけで来たの?」
「ううん。お母さんと」
 少年が答え後ろ――彼女の方を振り向く。
 女性も一緒にそちらに視線をやる。
 彼女が、優しげに微笑んで女性を見つめる。
「……やあ、久しぶり」
 親友同士、八年ぶりの再会だった。


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