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90デジャ・ヴ 2/3:2008/03/13(木) 22:50:13
 そのまま手を繋いで歩く三人の前に、村の入り口が見えてくる。
「うわー。ホントに田舎だねー」
 少年が正直な感想を漏らす。
「そんなこと言わないの」
 彼女がたしなめる。
 とはいえ、彼が生まれ育ったのはお城なので、それもいたしかたない。
「でも、なんだか懐かしくて落ち着く感じがする」
 少女の言葉に彼女は嬉しそうに目を細める。と、
「やめなさいよ! かわいそうでしょう。その子をわたしなさい」
 女の子の声が聞こえてきた。
 彼女たちが視線を向けると、猫を囲んでいる二人の男の子と、少しはなれたところに女の子が立っていた。声の主はこの女の子のようだ。三人とも、彼女の子供たちと同じくらいの年頃のようだ。
「どうしたのかな?」
 少女は不思議そうに見つめている。
「猫をいじめてるんだ!」
 叫ぶや否や、少年は駆け出した。
「あっ! 待ってよ、お兄ちゃん」
 慌てて少女も後を追いかける。
 ――あの子は正義感が強いんだな。小さくても、やっぱり勇者なんだね。
 そんな風に思いながらゆっくりと子供たちの後を追いかけようとした彼女は、女の子の方について加勢している二人を見て、ふと気がついた。

『なんだよう! 今こいつをいじめて遊んでるんだ! ジャマすんなよなっ!』
『ガルルルルー!』
『かわったネコだろ!? 変な声でなくから面白いぜっ』
『ほら もっとなけ!』
『やめなさいよ! かわいそうでしょう。その子をわたしなさい!』
『おい、このネコをわたせって。どうする?』
『そうだなあ。いじめるのもあきてきたし、欲しいならあげてもいいけどさ』
『そうだ! レヌール城のお化けを退治してきたらなっ!』
『そりゃいいや。レヌール城のお化け退治と交換だな!』


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