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:
神殿にて
:2008/03/01(土) 04:45:21
「お前ら、仕事もせずに何をしている!?」
神殿警護の兵士が剣を構えて一喝すると、ルカを取り囲んでいた奴隷たちは散り散りに逃げていった。
「見つけたのが私だったことに感謝するんだな。ムチ男どもだったら見境なしに――お前たちを痛めつけようとする。」
兵士が剣を下ろしてルカに向き直ると、彼女は硬い表情で兵士を睨み返した。
幼少の頃、この神殿に奴隷として連れて来られたルカは、子供――少女にあるまじき怪力の持ち主だったので、男の奴隷たちと同じ石切り場で岩運びをさせられてきた。
それから数年経って、すっかり女性らしい身体つきになった彼女を、先程、奴隷たちが物陰に連れ込んでけしからぬ行為に及ぼうとした。いつも側にいる彼女の友人のヘンリーがちょっと目を離した隙に。
(あと一歩でも近寄ったら――)
ルカは兵士から視線を外さず、真空の呪文を唱えるため息を吸った。
だが。
「仕事を休みたければ水遣り女の近くに行け。一人になるな。」
兵士はそれだけ言って、くるりと背を向けた。
「ルカ――どこだ――?」
遠くから自分を探すヘンリーの声が聞こえる。
ルカは初めてここの兵士に感謝の念を抱いた。
「あ、あの――ありがとう。」
彼女の言葉に、兵士が後ろ向きのまま軽く手を上げて応える。その指に、光るものが見えた。
(指輪はめてるんだ。きれいな光だな。)
ルカの目にその光は、暖かいものに映った。
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