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27
:
夜に咲く花 後1
:2006/02/23(木) 00:54:48
あくびをかみ殺しながら、リュカはパトリシアの首を叩いた。転移の法ルーラの呪文
を復活させるためには、夜に発光するというルラムーン草を手に入れなければならない。
ルラフェンまでの旅路に昼の長い徒歩、日が沈んでからの出発というハードな行程に
疲労は蓄積される。呼ばれた睡魔は目蓋に取り憑いて離れない。身体は正直だった。
「リュカは休むといい」
ヨシュアが言葉をかける。言うとおりだと魔物たちも頷いた。
嫌だ、とリュカは強情に首を振る。馬車の中で休みなどしたら、確実に眠ってしまう。
眠ればルラムーン草を見られないかもしれない。睡魔に対するには歩くしかない。幸い、
聖水の力で魔物たちは近づけない。
「地図によれば、もう少し南東のようですじゃ」
マーリンのしわがれ声が耳に届いた。そう、と微笑んでリュカは先頭を歩く。月明か
りの乏しい夜であったが、旅慣れた彼女は夜目も効く。骨ばった指先にメラの炎を浮か
べ、マーリンは地図と周りの地形を見比べた。
「マーリン、よく平気だな」
少女とはいえ旅慣れた人間が限界に近い中、百を超えているかのような容貌の魔法使
いがぴんぴんしている事にヨシュアは驚きを禁じえない。
「ほっほ、昼間休ませてもらったでのう。ああ、でももう限界ですじゃ」
地図をヨシュアに渡し、ひょいと馬車に素早く飛び乗る。流れるような一連の動作に
ヨシュアは何も言えなかった。
「儂らはここらで休ませてもらうでの。あとは任せますじゃ」
口がふさがらないヨシュアは動けない。その背を崩れかけながらヌーバが押した。し
ぶしぶと彼は地図を手に先導するリュカを追う。
「たまには、ムードを出してやるのもよかろうて」
追う背を横目で見ながら、マーリンは小さく笑う。プックルが寝言のような鳴き声を
洩らした。
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