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25
:
夜に咲く花 前
:2006/02/23(木) 00:53:39
自治領サラボナの北方に位置する小さな町ルラフェン。一見さんお断りとでも宣言す
るかのようなその奇妙な造りの町には様々ないわれが存在する。旨い地酒を造るための
地理法だという話もあり、侵入した盗賊を迷わせるためだというものもあれば、果ては
古代の呪術を封じ込める呪いだという話まで存在する。
どれにせよ旅人には迷惑極まりない迷路のような町で、今日も旅人が頭を悩ませる。
「また行き止まりだ」
黒い髪を揺らし、幼さの残るソプラノの声とともにリュカは溜息を漏らした。洗濯日
和な遠慮のない日光の下、かれこれ小一時間は迷っている。愛用している紫のターバン
はすっかり汗を吸ってしまった。町を発つ時には洗濯をせねばならないだろう。
重苦しい鎧を馬車に置いてきてよかった、と安堵しながら回れ右。馬車の中には頼も
しい仲間たちがいる。盗難の心配などは一切する必要はない。
「さっきの店から上って行ったのがまずかったか」
ぶつぶつ言いながらリュカの後を着いて行くのは、同伴者であるヨシュアだ。生真面
目な性格の彼は、歩きながら町の構造を暗記しようとしていた。強い日差しにも負ける
ことなく鎧を着込んだ彼を見て、リュカは感心するしかない。
「じゃあ、今度は店の裏側を通ってみようよ」
路の暗記はヨシュアに任せ、見つけていないルートを探すことにリュカは専念した。
魔物の蔓延る数々の迷宮に比べれば、迷路の町など物の数ではない。もとより、リュカ
は町の探索が好きだった。
生き生きとした表情で袖を引っ張る少女に、ヨシュアは苦笑しながら了承する。連れ
の生い立ちを知る彼からすれば、リュカの好奇心は納得に足るものだ。
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