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SNOW板テストスレッド
245
:
万年名無しさん
:2003/04/04(金) 15:50
立ててみますた
246
:
こんな感じ?添削よろ
:2003/04/04(金) 15:53
SNOWの二次創作小説(SS)スレです。
キャラスレ向きでなかったり、長くなりすぎて躊躇った時。
時節物を書いてしまったがタイミングが合わなかったとき。
投稿しようと思ったらスレの空気が悪かった時。
誰かの感想を聞きたい時。
そんな時はこのスレを気楽に活用して。
#エロ・グロ等の描写がある話は注意書きを添えてください。
●前スレ
●関連スレ
SNOW板テストスレッド
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=2791&KEY=1033289212
247
:
万年名無しさん
:2003/04/04(金) 15:54
わ、しまった(^^;
リロードしてみればよかった。
>>245
乙
248
:
245
:2003/04/04(金) 16:09
>>247
ドンマイ
249
:
試し書き
:2003/04/13(日) 22:50
テスト
250
:
</b><font color=#f04040>(vbpKikkA)</font><b>
:2003/04/14(月) 19:29
test
251
:
意味もなく
:2003/04/14(月) 20:37
てすと
252
:
万年名無しさん
:2003/04/14(月) 20:46
(・∀・)ニヤニヤ
253
:
</b><font color=#f04040>(pcJMtIcQ)</font><b>
:2003/04/14(月) 22:18
てst
254
:
万年名無しさん
:2003/04/14(月) 22:19
(・∀・)ニヤニヤ
255
:
</b><font color=#f04040>(pcJMtIcQ)</font><b>
:2003/04/14(月) 22:20
あら、2chトリッパー対応してないのか
256
:
</b><font color=#f04040>(C6B2fMK2)</font><b>
:2003/04/14(月) 22:23
あ
257
:
</b><font color=#f04040>(b2DjvwzM)</font><b>
:2003/04/14(月) 22:24
い
258
:
</b><font color=#f04040>(3DIMV5CA)</font><b>
:2003/04/14(月) 22:24
う
259
:
万年名無しさん
:2003/04/14(月) 22:28
丿 ,;⌒⌒i.
ノノノノ⌒ヽ ( ;;;;;) ______
(゚∈゚ ) ミ) ,,:;;;) | WARNING |
/⌒\/( ) ヽ| |/ |;,ノ | エリア88 |
( ミ ∨∨ | / .,i |______|
ノ / | | ,,i; ,, . ,;⌒‖
( \/ヽ ,,,丶, | |,,,;. ;i, ‖ヽ
\ ) ) .. ,, ´ヽ (,, ‖丿.,,,
/// ,, ,, .. ´ヽ ‖,,, ..,
`ヾ ヽミ ,, .、 ヽ .. ヽ丶,.ヽ ‖、,,
260
:
万年名無しさん
:2003/04/14(月) 22:30
AAやめれ
261
:
</b><font color=#f04040>(SNOWms4Q)</font><b>
:2003/04/14(月) 22:49
あうあうあ
262
:
万年名無しさん
:2003/04/14(月) 22:52
えう〜えぅーえうっ♪
263
:
</b><font color=#f04040>(SNOWms4Q)</font><b>
:2003/04/14(月) 22:53
SUMINOトリプ検索中
264
:
</b><font color=#f04040>(v8/IsgNU)</font><b>
:2003/04/15(火) 12:46
test
265
:
</b><font color=#f04040>(SNOWms4Q)</font><b>
:2003/04/15(火) 12:52
ぼ
266
:
万年名無しさん
:2003/04/15(火) 22:15
書き込みの調子が悪いのでtest
267
:
&&rrlo;
:2003/04/15(火) 22:51
test
268
:
</b><font color=#f04040>(ZC6tcKUg)</font><b>
:2003/04/16(水) 10:32
テスト
269
:
</b><font color=#f04040>(mNk32U12)</font><b>
:2003/04/16(水) 10:36
triptest
270
:
</b><font color=#f04040>(tESTAips)</font><b>
:2003/04/16(水) 10:38
tes
271
:
</b><font color=#f04040>(IKUMI/T2)</font><b>
:2003/04/18(金) 19:01
TEST
272
:
万年名無しさん
:2003/04/18(金) 19:03
誰かいるのかテスト
273
:
万年名無しさん
:2003/04/18(金) 19:04
誰も居ないテスト
274
:
万年名無しさん
:2003/04/18(金) 19:17
予想通りだれもいなかったか
275
:
万年名無しさん
:2003/04/18(金) 19:17
いませんでした
276
:
万年名無しさん
:2003/04/18(金) 19:49
ノ
277
:
万年名無しさん
:2003/04/18(金) 23:49
ノ ノ
278
:
万年名無しさん
:2003/04/19(土) 00:29
ノ ノ ノ
279
:
万年名無しさん
:2003/04/19(土) 00:44
密かにいるなこのスレ
280
:
万年名無しさん
:2003/04/20(日) 02:52
downtest
281
:
万年名無しさん
:2003/04/20(日) 02:52
↓test
282
:
万年名無しさん
:2003/04/20(日) 13:32
これ以外の会話は無いのかここは
283
:
万年名無しさん
:2003/04/20(日) 14:35
目的別の雑談スレも出来たし、テストスレという本来の目的に戻っただけだと
284
:
万年名無しさん
:2003/04/20(日) 15:06
テストスレなんだからテストしている奴を咎めるのは
スレ違いになろう
285
:
万年名無しさん
:2003/04/20(日) 16:11
咎めているわけではないのだが、意味のないテストも含まれているような気がするので、ついな
286
:
万年名無しさん
:2003/04/20(日) 21:23
なにをテストするのかは人それぞれとゆうことであろ
287
:
万年名無しさん
:2003/04/21(月) 00:47
自分が本当に生きてるかのテストも必要だろうしな、彼らは
288
:
万年名無しさん
:2003/04/21(月) 02:15
どんなテストだよそれは(笑
289
:
万年名無しさん
:2003/04/21(月) 07:25
かまってもらうことで自己の存在を確かめてる、
とでも言いたいんじゃないか?
290
:
万年名無しさん
:2003/04/21(月) 18:35
そんなテストは未来永劫に封印すべきだな
291
:
万年名無しさん
:2003/04/22(火) 16:33
ついでにこのスレも封印
292
:
万年名無しさん
:2003/04/22(火) 22:05
ボクらしょんぼりsageブラザーズ...
過疎にしょんぼりsageてます...
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧ ∧_∧ sage
( ´・ω・`)つ⊂(´・ω・` ) sage
(つ 丿 ( ⊂) sage
( ヽノ ヽ/ ) sage
し(_) (_)J
293
:
万年名無しさん
:2003/04/28(月) 00:03
ageブラザ〜ズを貼った後、コレも考えたが代わりに貼る奴いそうとは思ったがやはりいた
前回は言わなかったがな
294
:
</b><font color=#f04040>(SumINozM)</font><b>
:2003/04/29(火) 22:16
澄乃トリップてすてす〜
295
:
万年名無しさん
:2003/05/02(金) 00:31
書き込みテスト
296
:
万年名無しさん
:2003/05/08(木) 08:09
tesuto
297
:
test </b><font color=#f04040>(wK6uljTc)</font><b>
:2003/05/12(月) 10:27
テスト書き
298
:
</b><font color=#f04040>(YukitxLQ)</font><b>
:2003/05/12(月) 12:59
テストですが何か?
299
:
</b><font color=#f04040>(5XYuki7M)</font><b>
:2003/05/12(月) 16:14
8桁トリップ?
300
:
万年名無しさん
:2003/05/13(火) 02:39
現れただけですが何か?
301
:
</b><font color=#f04040>(dearYUKI)</font><b>
:2003/05/16(金) 09:43
あれ?なぜ?
302
:
test</b><font color=#f04040>(dearYUKI)</font><b>
:2003/05/16(金) 09:45
どうだっ!
303
:
なんですと</b><font color=#f04040>(dearYUKI)</font><b>
:2003/05/16(金) 09:47
名前とトリップの共用は出来ないの?
他所のしたらば掲示版だと出来たのに…
304
:
</b><font color=#f04040>(dearYUKI)</font><b>
:2003/05/16(金) 09:50
駄目だったよ、由綺…(´・ω・`)ショボーン
305
:
万年名無しさん
:2003/05/16(金) 09:57
2chブラウザ(ゾヌ2)で表示されてないだけだった(^^;
IEで見たら表示されてました。
306
:
万年名無しさん
:2003/05/19(月) 15:06
てst
307
:
</b><font color=#f04040>(MaRIa9oo)</font><b>
:2003/05/23(金) 01:04
トリップ使えるのーとテスト
308
:
万年名無しさん
:2003/05/23(金) 01:10
時と共に様相の変化するこのスレ
今の流行はトリップテストのようだ
309
:
万年名無しさん
:2003/05/25(日) 01:34
このスレが流行をつくるのです
310
:
龍神村営業所
:2003/06/01(日) 17:25
http://homepage2.nifty.com/~ikon/img-box/img20030601165747.jpg
テストも何もあったもんじゃないですな・・・作った以上は出しますがひっそりと。
当初は彼方との並びや芽依子単独でしっかり作ってたんですけどねえ・・
せっかくの休日なのに楽しみにしていた電GOが出来なかった影響が出ましたね・・・
「なあ芽依子、どうよ?」って気分。
311
:
万年名無しさん
:2003/06/01(日) 17:27
ニヤニヤ
312
:
</b><font color=#f04040>(KLs/OUKA)</font><b>
:2003/06/01(日) 18:59
なぜにこのスレですかw
と言うか…あんたの趣味が見えてきたぞ。
313
:
龍神村営業所
:2003/06/02(月) 21:36
>ouka氏
そうですね・・・・まあ今後もこんな事するかもしれないので穏便に・・・
ちゃんとしたの上げますわ。
314
:
龍神村営業所
:2003/06/06(金) 00:46
http://homepage2.nifty.com/~ikon/img-box/img20030606004057.jpg
・・・付け焼き刃な気がしまくり・・・・お絵かきスレの263氏とは大違い(苦笑
気づけば0時か、寝よう。
315
:
万年名無しさん
:2003/06/06(金) 02:16
おお、萌え!!
凄く(・∀・)イイ!!
全体的に淡い色なので黒がちょっと目立ち気味なのが残念。
316
:
龍神村営業所
:2003/06/07(土) 10:00
まだまだ問題もありつつ、自分があって欲しいシチュの光景を見てみたいから
作ったものにコメントが来るのはありがたいですよ。
317
:
龍神村営業所
:2003/06/08(日) 23:24
ふと気づけば終わりを迎えるものがあった。今更遅いながらも悔いの無いように出かける
普段は人気の無いホームの先端は休日になると家族連れで賑わう
そのためかアングルが難しくなるので調整をしながらシャッターを切る
一段落着いた頃にまた家族連れがやって来た
「わー、すごいすごいー」
「そんなにはしゃぐと転ぶぞ」
「ひかり、ひかりー♪」
自分にとってはもうほとんど運用に就く事の無い事を知っているだけに
子供の口から出た言葉に感慨深くなる。何時の時代も子供にとっては「ひかり」だという事に嬉しくなる
http://homepage2.nifty.com/~ikon/img-box/img20030608224225.jpg
「ねえ、写真撮ってあげたら?」
「ああ、そうするか。ほらここに立って」
「うん♪」
家族が楽しそうに写真を撮っている姿はいつ見ても微笑ましく、心が和む
http://homepage2.nifty.com/~ikon/img-box/img20030608224247.jpg
短い時間の中で新幹線が行き来するのは子供連れにとっては飽きない光景だと思う。
子供はその光景に食い入るようにじっと見つめる。それに応じてか車掌や駅員も去り際に
手を振ったり、警笛を鳴らして去って行く。
あとどれくらい見れるか分からないが、出来る限り終わりまで見続けたい
318
:
万年名無しさん
:2003/06/08(日) 23:24
なんだか、見覚えの在りそうなホーム
319
:
龍神村営業所
:2003/06/08(日) 23:28
桜花スレに落とそうか考えたが辞めておこう。自分の色出しすぎですから。
良かったらどうぞ、という事で。運び師さんに任せるのも手ですかね。
http://homepage2.nifty.com/~ikon/img-box/img20030608224325.jpg
上記のお詫びって訳でも無いですが。自分の見たい願望ってのは以外と単純だったり。
出来悪いなあ・・と思いつつ。結果として個人的にはこれで想像を形に出来ただけ良いかと思う。
絵描ければ良いけどなあ・・・
320
:
龍神村営業所
:2003/06/08(日) 23:29
>318
東京駅ですよ。お恥ずかしい話、私はこういう人間でしてね。
321
:
</b><font color=#f04040>(KLs/OUKA)</font><b>
:2003/06/08(日) 23:35
そういえば100系すらも東海道からは消えるんですねぇ…
322
:
龍神村営業所
:2003/06/08(日) 23:53
>321
あら、桜花の人が来ましたか・・・まずいなあ(苦笑
私にとっては桜花さんの住む東北の方に愛着が多く、東海道はそこそこでしたが
いざ消えるとなると寂しいもんですよ。まあ自分たちが新しいの求めた結果だけに
文句は云えませんが、少しでもあって欲しかったと思います。
と関係ない話でしたね。すみません。
323
:
</b><font color=#f04040>(KLs/OUKA)</font><b>
:2003/06/09(月) 00:04
折れも原色200系撮っておこうかな…東北地域本社色好きだし。
あわよくば背景に(・∀・)
324
:
龍神村営業所
:2003/06/09(月) 00:11
>323
やって貰えるならお願いしたいですな(苦笑
まだまだ東北は何とかなりそうだ。つうか故郷へ帰ろうかなあ・・
325
:
</b><font color=#f04040>(KLs/OUKA)</font><b>
:2003/06/09(月) 00:20
鉄道板はここですか(・∀・)?
ノリの良すぎるのが折れの悪い点ですな。スレ違い問題の8割方折れ関係なんじゃなかろうか。
まあ車輌的には何とかなってるんですが…583も夏休みにムーンライトになるらしいですし…
326
:
龍神村営業所
:2003/06/09(月) 01:03
自分もいかんとは思うけど、多少は良いと思いましょう。
>325
原因は私ですから気にしないでください。
327
:
SSスレのリンクから見てね
:2003/06/09(月) 03:15
―10-1―
俺は何故立ち止まっているんだ。
走らないと間に合わない。この程度の苦しさなど何の問題もない。
鳳仙の苦しさに比べたら、この程度の息苦しさなんて何の問題もない。
神社を越え、山をひたすら駆け上がる。
重い足を無理やりにでも動かす。出来る限り素早く合うために。
雪は無いが、昔、前世の俺が死んだ場所へ。
鳳仙は、はじめてこの街であった時の服を身にまとい、彼女は消え入るように存在していた。
「兄上。来てしまったんだな」
背を向けながら、喋る声は抑揚はなく、目を離すとすぐに消失てしまいそうなほど弱々しい。
「俺は、お前を忘れる事は出来ない」
「どうしても?」
「どうしてもだ、どうしても忘れられない。今まで生きて、俺の所まで来てくれたのに、忘れるなんて俺には出来ない。お前がそばに居ないと幸せになれないんだ、鳳仙!」
「……兄上」
鳳仙は泣きながら俺の胸に飛び込んでくる。
俺は、すべてを包み込むように優しく抱きしめる。鳳仙の心の傷を癒すように、それが一時の安らぎ程度であってもそれで鳳仙が少しでも癒されるなら。
「兄上は優しいな」
「当たり前だ」
静かに、ひたすら静かに、静穏の中で二人だけが存在を誇示するように、愛しく抱き合う。
「……………………私は、この前の落石事故の時に、兄上が生き返らなかったら、私は死のうと思っていたんだ」
いくらか経って、鳳仙…は静かに語り始めた。
「落石事故か…、鳳仙ありがとう。お前のおかげで俺は生き返れたんだろうな」
「気付いていたんだな、兄上は」
「白桜の記憶が戻った時に気が付いていたよ。澄乃が発端だろうけど、締めくくりは鳳仙だろう?」
「…そうだよ兄上。でも今に思えば、あの時から私は限界だったんだろう。不死で云々以前に潜在的に限界は来てたんだと思う。不死でなくなったら、百年前でもこんな症状はでてたんだろう。不死は関係なく私はもう限界だった」
不死でなければ逢えず、不死であるために起こった悲劇。
「それでも、私は今が嬉しい。兄上に出逢えたからこそ、ここまで耐えれたんだから、それが無かったらすぐにでも私は……」
「鳳仙」
俺は可哀想にと優しく頭を撫でる。
「あぁ、こうやって頭を撫でられるのもいつの時だったかな、私が小さい頃だったなぁ」
328
:
万年名無しさん
:2003/06/09(月) 03:16
今この状況を作り出した原因でもあるものが、鳳仙に安らかな気持ちを与えている。複雑だがこれでいいのだろう。
それが気休めでも。
「私が、あの時で記憶が止まってる。兄上の顔も鮮明に覚えたまま…過去に縛られてるからこそ、悲しく辛かった。でも鮮明だからこそここまで生きる目的が果たせた」
だからか、だから鳳仙、お前は……………。
「はは、やっと気が付いたんだ兄上は。………私にはそれが無ければ生きていけるはずが無い。目的である兄上の顔を忘れてしまっては、すがる希望がなくなってしまう。だから、私は忘れる事と引き換えに、過去の記憶の保持をした。だから今までその事も思い出せずにいたんだ」
哀しそう笑いながら語る鳳仙。
「過去を引きずりながら、未来を見るためでなく。過去で観た先身の記憶を元に、私は兄上の生まれ変わりに会う為に、ひたすら待ち望んだ。強く願えば物事は叶うものだから。未来は自分の手で切り開く、そう信じて私は今こうやって幸せな一時を過ごせてるんだから、こんな嬉しい事はないんだから」
何でも自分のうちに溜め込む性格だ、本当に…本当に馬鹿な妹だ。
「だから、感謝している。覚えて置かないと生きれなかった。忘れないと死んでしまう。私は不運なんだろうけど、不幸じゃないよ。だって優しい兄上にこうやって抱きしめてもらえてるんだから、これ以上の幸せは無いんだから」
そう云って涙を流す。俺も耐え切れず涙を流しながら話し始める。
「鳳仙。お前は人一倍強いけど、人一倍優しかったからな、よくここまで耐えれたな」
涙が止まらない。
「それは私を引き取ってくれた誠史郎にお礼をしてほしい。あの時に私をこの村に引き止めて、くれたから、私は、ここにいる…事が…出来たかな」
少しずつ息が切れて、言葉が…途切れる。
もう時間が来た。
「ああ」
涙で声がかすれる。
「兄上。最後に…」
「わかってる」
言葉を遮り、俺は云う。
「鳳仙。お前は最高の妹であり…俺の最愛の人だ」
「…兄上、……ありがとう」
「俺はお前に何もして上げれていない。だから、頼むからまだ、まだ逝かないでくれ」
「大丈夫…、私は…兄上に…会えた…だけで、十分幸せ…だったよ、今まで、生きてきて、本当に……よかった……」
抱きしめられたまま鳳仙は静かに目を閉じた。
「ほ、鳳仙――――――――――――!!!」
それはまるでただ寝ているような安らかな寝顔だった
―HAPPY END―
いつものように俺は座り、喋り始める。
「鳳仙。あれから何年たったかな」
傍らで眠るように寝ている鳳仙に静かに聞かせるように。
「あの日にお前が目を覚まさなくなった日の事をよく思い出す。お前の過酷な人生は雪と共に始まり、雪と共に終ったな
最後の最後で、お前が幸せだったのが俺にとって本望だ、それでもお前は今は動かないし、優しく笑わない。俺は愛してるのにお前は愛し返してくれない。こんなにつらいんだな、愛する者と愛し合えないのはつらいな、お前の気持ちがわかったよ」
静寂。
「それでも、俺にとって、お前は最高の妹であり、最愛の人だ・・・・・・・・・」
静かに目を閉じながら云った。
バサッ。
音に反応して、俺は目を開ける。
そこには、微笑みながらこちらを見る鳳仙がいた。
俺は当たり前のようにこう言った。
「おはよう。鳳仙」
強く信じれば、願いは叶う。本当そうだったな、鳳仙。
329
:
万年名無しさん
:2003/06/09(月) 03:17
―10-2―
そして、死ぬ事は最大の裏切りになる。
あいつの願いは、俺の幸せなんだから…。
「それでも、俺はお前がいないと幸せにはなれないよ」
これ以外方法が無いのだから、もうどうする事も出来ないのだから。
俺は芽依子を気持ちを汲む事にした。
俺は人目をはばからずその場で叫んだ、芽依子のいる山に向かって。
そして墓が四つになったいた。
―TRUE END―
あれから一年が経った。
一年に芽依子は俺の目の前から姿を消した。
忘れる事は少しも出来なかった。一秒でも忘れる事も無く責苦を味わい続けた。
そして、さくらの季節になった。
最愛の人にして、最愛の妹。
俺にとって生涯最高の女性。
今だからこそ思い出す。芽依子がいなくなった時に、誠一郎さんが俺を殴った。
痛かった。
心が痛かった。
彼方君。君も悲しいだろうが許してくれ、血は繋がってなくともあの子は私の娘なのだから、そう云って殴ってきた拳は妙に悲しく感じた。
芽依子の事を実の娘のように想っていた誠一郎さんの気持ちが切なかった。
気が付けばこの世からいなくなっていたのだから、でも、誠一郎さんは悲しそうな顔で俺を許してくれた。
そして、ありがとう。
「私はこの子に芽依子という名前を付けようと思うんだ、どう思う彼方君」
「僕も、それでいいと思いますよ。この子には芽依子という名前が一番だと思います」
俺はそう云いながら、「芽依子」を抱き上げた。
安らかな顔で眠っている。可愛い天使のような愛らしさで。
そして、俺はその赤子にこう言い。優しく抱き上げた。
「おかえり、芽依子」
忘れなくてよかった。今度こそ一緒に幸せになろうな、芽依子。
330
:
990/1000(1)
:2003/06/14(土) 10:51
じー、じー、じー。
ぅみーん、みん、みん、みん・・・
わしゃ、わしゃ、わしゃ・・・
「あー、五月蝿い!」
まったく、蝉時雨とはよく言ったものだ。
いったい奴等は何が嬉しくて鳴いてるんだか・・・
「あまり煩いと、羽をもいで煮えたぎった湯の中に放り込むぞ」
ぴたっ。
-辺りは静寂に包まれた-
「うむ」
「あらあら、蝉を苛めてはいけませんよ」
「うむ?」
気が付くと、後ろに女性が立っていた。
「あまり人を脅かすものではないぞ」
少しの驚きを隠しながら返事をする。
それほどに気配を感じさせない女性だった。
「旅の方でしょうか?」
「いかにも」
ぱっと見は25,6といったところだろうか。
どこか浮世離れしているが、落ち着いた口調と雰囲気。
「あら、まぁ!」
・・っと。
「あらあら、私、旅の人をもてなすのが一番の趣味ですの!」
一転して子供のように目を輝かせる。
・・・どんな趣味だ。
「もし宜しければ私の家で少しくつろいでいきませんか?」
「まぁ、もてなしてもらえるのなら有難いが・・・」
「それでは行きましょう、今すぐ行きましょう、さぁさぁ」
「おいおい、何もそんなに急がなくても」
「生きのいい旅人は久しぶりでございます」
「生きのいい?まぁ、確かに身体は若いが・・・」
「お腹を空かせた子供が、家で食べ物を待っているのでございます」
「怖いわっ!」
「さすがに冗談ですが」
「・・・・」
前言撤回。
つ、疲れる・・
331
:
990/1000(2)
:2003/06/14(土) 10:52
見えるのは、海辺の町。
入り江になった海と、小さな港が、階段のはるか下のほうに見える。
左右に広がるのはミカン畑だろうか。
それにしても。
「どこまで登るんだ・・・」
「もう少しでございます」
歩くのは慣れているから良いものの、普通の人間なら早々に音を上げるだろう。
その坂を、事も無げに登っていく。
「こちらでございます」
ひょいひょいひょい。
(・・・若いって素晴らしい・・)
・・もっとも、そんなことを口に出したら笑われるだろうが。
私は肉体的には17かそこらの娘なのだから。
おそらく、気力の差なのだろう。
「なんでこんな山の上に住んでるのだ?」
思わず悪態をついてしまう。
「あら、こんなのはたいした山道ではありませんよ?」
・・本気か。
「ふぅぅぅ・・やっと到着か..」
階段を登り続けること十数分。
彼女の家は町の天辺にあった。
「・・・はぁ・・・はぁ・・・」
吹き上げる海風が心地よい。
汗が急速にひいていき、火照った身体を冷ましてくれた。
見あげれば、真青な空。
目の前に広がる海。
ただどこまでも広い、青色の世界が広がっていた。
「・・・・」
登る最中はこんな山の上に住まおうと思うことが理解できなかった。
だが、こうして登りきってしまうと、開放感と爽快感が何とも言えず心地よい。
彼女もこれを楽しみにしているのだろうか。
振り返ると、彼女はじっと空を見ていた。
『何を観ているのだ?』
そう声をかけようとしたが、できなかった。
彼女の雰囲気が先程までと変わっていたから。
「・・・」
私も黙ったままで、もう一度青い空と海に見入る。
次に振り向いたとき、彼女は人懐っこい笑顔に戻っていた。
332
:
990/1000(3)
:2003/06/14(土) 10:53
「汚いところですが、寛いで下さいませ」
「すまない」
彼女の言うとおり、家は随分古びていた。
が、
「汚くなどないぞ。私はこの家の雰囲気は好きだ」
調度品は質素ではあるが品の良いものが揃えられており、
家や庭の隅々まで手入れが行き届いていることが見て取れた。
それに、何故だろう。
家の隅々が、暖かい想いで満ちているような気がする。
懐かしい感じ。
それは遠い昔、私が子供だった頃のような・・・
そのとき、部屋の隅に置いてある、お手玉と人形に目が留まった。
「あれは?」
これも随分と年季が入ったものだ。
「息子のものです」
「息子?息子がいるのか?」
娘の間違いではないのかというより先に、子供が居る事が驚きだった。
「ただいま・・・お客?」
そのとき、目つきの悪い子供が顔を出す。
「おかえり〜」
ぎゅっ。
いつの間にか移動した彼女と、息子らしいその子供は、熱い抱擁を交わしていた。
いや、息子が一方的に抱きつかれているだけか。
「離せよっ!」
小学生くらいだろうか。まぁあれは嫌だろうな。
「今日は早かったわね〜母は嬉しいですよ〜」
「友達が風邪引いて休んでたから仕方なくだよっ!」
「さぁ往人、お手玉の練習しましょうね〜」
「やだよっ!そんなの女がやるもんだよっ!」
「駄目よ往人。これは貴方の花婿修行なんだから」
「意味わかんないよっ!」
じたばたじたばた。
やがて部屋の隅で泣きながらお手玉を始める子供。哀れ・・・
(あえなく押し切られてしまうあたり、兄上のようだな・・・)
ふとそう思い、苦笑する。
やはり、私はいつまで経っても、兄上のことを忘れられないのだな。
忘れようと思っているのに・・・
333
:
990/1000(4)
:2003/06/14(土) 10:53
なんとなく厄介になり、そのまま数日が過ぎる。
彼女は診療所紛いの行為で生計を立てているようだった。(初めて会った日は休診日だったらしい)
『紛い』というのは、この時代では、人を癒すのにも免許が要る為。
いわばモグリの医者というわけだが、患者のほうもそれを承知の上で彼女を頼っている。
随分と信頼されているようだ。
ぞろぞろぞろ。
あの長い長い階段を登り、次々と人がやってくる。
「この前見てもらった足じゃが、すごく良くなってのぉ!」
感動した、という顔で老人が彼女を誉めている。
「今じゃ100メートル11秒で走れるようになったわい!」
(怖っ・・)
それにしても多い。
この町のどこにこんなに人がいたのだろうか。
「手伝おう」
と言いたかったが、彼女の診療は触診と生活態度、食事等のアドバイスが主なので彼女以外では無理そうだ。
それでも、子供の怪我くらいは診られる。
「え〜、国崎先生がいい〜」
「すまんな。先生も忙しいのだ」
なんだかんだで、人が掃けた頃には、夕刻になる。
それなりに充実した毎日。
忙しいうちは、兄上のことを考えられずにいられた。
・・・・・
かなかなかな・・・
山にヒグラシの泣き声が木霊する。
私は、どこか悲しげなその泣き声を聞きながら、数十年立ち寄っていないあの村のことを思い出していた。
十年ほど前。
龍神村の山向こうの村に居たとき、龍神村の方向で大きな雷鳴が鳴るのが聞こえた。
直感的に、菊花様が戻ってきたことが分かった。
兄上は・・・まだ、感じられない。
が、この世に生を享けていることはまず間違いない。
何度も繰り返される、結末の決まった物語。
二人はいずれ出会い、恋に落ち、そして・・・・
「今日もお疲れ様でした」
それで思考が中断される。
見ると、彼女がお茶とおにぎりを持って庭へ出てきていた。
・・・・
二人して縁側で茶をすする。
しばらく話していたが、やがて話も尽き、辺りをヒグラシの声が占める。
夏の日の、遅い陽が沈もうとしていた。
私も彼女も、辺り全てが茜色に染まる。
そんな中で、また2人して空を眺めていた。
「何故この場所に?」
初日の質問を、もういちど訊いてみる。答えは期待していなかった。
「ここが、空に近いから・・・」
帰ってきた答えは、よく判らなかった。
茜色の空は、次第に輝きを失っていき、星が輝きだしていた。
334
:
990/1000(5)
:2003/06/14(土) 10:54
・・・・・・
「菊乃!逝かないでくれ、菊乃!」
「泣かないで下さいませ・・私は、あなた樣と出逢えて、幸せでした・・」
「別れ口上など申すな!菊乃、私たちはこれから幸せになるのではないか!」
「ありがとうございます・・ふふ・・」
「あぁ、なんだか眠くなってきました..」
あれは何度目の転生だっただろう。
「どうか、お気を確かに持って下さいませ。貴方の身を案ずる者も居るのです」
「あぁ・・・ありがとう、宝仙殿」
まただ。
大好きなはずの、その笑顔を見る度、
どうしようもない不安に襲われるのは何故だろう。
(兄上!私を置いて行かないでくれ!)
そう叫びたかった。
だが、今の私は、兄上にとっては他人に過ぎないのだ。
(何と無力なのだ、私は・・・)
いや、例え血が継っていても同じか。
数日後、姿を消した兄上の捜索に加わった私が見たのは、
竜神池で変わり果てた兄上の姿だった・・・
「うわぁぁあっ!」
身体が嫌な汗で濡れていた。
「またか・・・・」
どうしてこう嫌な思い出ばかり思い出すのだろう。
私が生きている時間の中では、ほんの僅かな瞬間の筈なのに。
あの時。
あの時、私は、物語の結末を見届けることを願ったはずだった。
「結末・・か・・」
最初は固かった決意。
だが、悲しみの物語が繰り返されるたび、心が蝕まれていくのが分かる。
そう。
私が見た結末は、数多くの輪廻のうちの一つに過ぎなかったのだ。
「・・もう、辛いのだ・・」
「いま」の風景は、先見で見たあの場面に、かなり近づいてきている。
この輪廻が断ち切られる日も近いのかもしれない。
だが、今度もまた悲劇だったら?
そもそも、先見自体、不確かなものでしかないのだ。
なにより恐ろしいのは、この時代でも同じ事が起こること。
その時、私は、未来永劫この悲しい物語に囚われ続ける事になるのだろうか。
「はぁ・・・」
さっきの夢が、いやな気分となって纏わりついている。
しばらくは寝付けそうもなかった。
障子を通して月の光が見える。
寝ている2人を起こさないように気をつけながら、庭へ出た。
波の音が遠くに聞こえる。
天上には満月が輝いていた。
幾多の年月を経て、人も世も変わっていく。
「・・・変わらないのは、私達くらいか?」
月は、あの時と変わらない姿のまま、そこに佇んでいた。
悲しく、忌まわしい記憶。
此処に来てから、夢を見る頻度があがったのは、居心地のよさに気が緩んだのか・・
いや、違う。
ここには過去の記憶を思い起こさせる「何か」があるようなのだ。
「・・・そろそろ、潮時かもしれないな」
もともと、一箇所に留まらないよう旅をしてきたのだ。
一所に留まり、誰かと深く関わってしまえば、いずれ誰かが私のことを奇妙に感じ出すことだろう。
(・・もっとも)
それよりは、誰かと深く関わって、傷付くのが怖いというのが本音かもしれない。
あんな思いをするのは、兄上の件だけで限界だ。
『夜が明けたら、此処を発とう』
変わらない月を見ながら、私はそんなことを考えていた。
335
:
990/1000(6)
:2003/06/14(土) 10:55
そのまま、どのくらいそこに座っていただろうか。
ふと気が付くと、彼女が隣に座っていた。
「・・済まない。起こしてしまったな」
「いえ。それよりも」
「良い月でございますね」
「あぁ。貴方の言葉が判った気がする」
たしかにそう感じた。
此処は、空に近い。
そして、その分だけ、兄上にも近いのだ・・・
「夜が明けたら、此処を離れようと思う」
「そうですか」
淡々と答える中に、微かに残念そうな響きが感じられた。
「それでは、朝まで付き合っていただきますわ」
そう言うと、彼女は立ち上がり、奥から徳利と杯を取り出してきた。
「いや・・私は・・」
「野暮ですわ」
「しかし・・あまり酒は」
「殺生ですわ」
「飲みたいだけかっ!?」
・・結局、押し切られてしまう。
酒は、この気持ちを、鎮めてくれるだろうか?
・・・
・・・・
酔いが廻ったためか、それとも彼女の雰囲気がそうさせたのか。
気が付けば、私は彼女に昔語りを始めていた。
あるいは、ずっと誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。
「遠い昔、私には兄上がいたのだ・・」
優しい兄上。
不器用だが、いつも一生懸命だった兄上。
私のことで、まるで自分のことのように喜んでくれた兄上。
話しているうち、まるで自分があの頃に戻ったような気がしてくる。
この辺りだけが、千年もの昔に戻ったかのような。
だが、それ故に。
兄上と別れたあの日のことも、昨日のことのように思い出される。
兄上を案じながら、川で水を汲む。
出血は酷いが、あれが返り血であればまだ致死量ではない筈だ。
『痛っ・・』
川縁の石が足を抉った。
足袋が血で染まり、一瞬躊躇したが、すぐに痛みは忘れた。
『頑張れ、兄上・・・』
「それが、あんなことになるなんて・・」
目の前で起こったことが理解できなかった。
『兄上、水だぞ・・』
何故、兄上は倒れているのだ?
『兄上・・私のことを・・好きといってくれたではないか・・』
どうして、兄上は・・・
『馬鹿な・・・兄上・・』
「そして私は、願ったのだ」
『私を、この姿のまま、生かしてはくれまいか?』
「この悲しい物語が、いつか幸せな記憶で塗り替えられることを」
『生まれ変わった兄に、文句の一つでも言わなければ、気が済まないのでな』
彼女は、黙ったまま聞いている。
明日になれば、酒の席での余興として収まるだろうか?
ぼんやりしてきた頭で、そんなことを考えた。
336
:
990/1000(7)
:2003/06/14(土) 10:56
「だが、正直に言って、怖いのだ」
「ずっと待ち望んできた日の筈なのに」
「これまで、兄上と菊花様が転生する度、見てきたのだ」
龍神村に生まれる女の子。
女の子はすくすくと育ち、やがて恋に落ちる。
恋の相手はあるときは村の若者。
あるときは旅の商人。
あるときは村に立ち寄る武家。
しかし、恋の相手は決まって兄上の面影を宿しているのだ・・・
そして繰り返される別れ。
幸せの絶頂を見計らったかのように、その変調は始まる。
そして、次第に絶望の影を落としていくのだ。
「・・・貴方、誰?・・・・」
村の外れにも、悲しい物語は届くのだろうか。
そんな時、龍神村には決まって吹雪が訪れるのだった。
あの方の悲しみをすべて宿したような、そんな吹雪が。
「また今度、菊花さまと兄上が生まれ変わったとて、悲しみが一つ増えるだけではないのか?」
「天の怒りの前には、私の先見など無力ではないのか?」
「私の先見もまた、天罰の一部ではないのか?」
「そして私はまた、ただ傍観者として、何も出来ないまま兄上を看取るだけなのだ・・・」
話すのをやめようという思いに反し、堰を切ったように言葉が溢れ出す。
「私は・・・私は・・・何のために存在しているのだ?」
「この悲しい物語を、何度経れば赦されるのだ?」
涙が止まらない。
もういまさら、繕って話すつもりもない。
私のことを彼女は、気が触れたと思うだろう。それでも構わない。
「いっそ、あのとき、私も兄上と共に・・・!」
「・・・・!」
ふわり。
気が付くと、私は彼女の胸に抱きかかえられていた。
「私には貴女の悲しみは判りません。ただ、これだけは云わせて下さい」
「例え別れが訪れるとしても、出逢い、惹かれあい、共に過ごした時間は、決して無意味ではないと思うのです」
「躯が朽ちたとて、想いは残ります」
「別れが怖くて、触れるのを怖れて、現実から逃げて、後悔に暮れるのは」
「きっと、いちばん辛いことだから」
口で言うのは簡単なことだ。
彼女以外の人間が言ったのであればそう答えただろう。
だが彼女には、口先だけではないと思わせる何かがあった。
それは、彼女の経験から来るものだろうか。
夕刻に見た、彼女の横顔が瞼の裏に浮かんだ。
あのときの彼女の目は、私や竜神様と同じ色をしていた。
(そう・・・私も・・)
彼女がなにか呟く。
聞き返そうと思ったが、それより早く、彼女が口を開いていた。
「それに」
「物語の最後が悲劇だなんて、口惜しいと思いませんか?」
「私は口惜しいです」
まるで自分に言い聞かせるように彼女が語る。
「だから、私・・・」
「きっと諦めません。生まれ変わってでもハッピーエンドにしてみせますわ」
彼女は、笑顔だった。
337
:
990/1000(8)
:2003/06/14(土) 10:56
・・
・・・
・・・・私は・・・
(・・どうした、鳳仙)
(・・かなしい夢をみていたのだ、兄上)
(・・兄上と菊花樣が、私の目の前から居なくなってしまうのだ)
(・・私は、兄上が消えようとしているのに、何も出来ないのだ)
(・・ただ、私は兄上の傍で泣いているのだ)
(・・鳳仙は心配性だな)
(・・兄はずっと此処にいるぞ)
幾度となく夢にみた日々。
いつか、それが現実になる日が来るのだろうか。
「・・・貴方は、強い人だな」
彼女の言葉は、誰でも知っている、でも忘れがちな真実を示していた。
触れるのを怖れて逃げることは、きっと不幸なこと。
「また云われてしまいましたね・・・」
彼女はただ、微笑んでいる。
やっと思い出す。
この世は理不尽で、非情で。
頑張ればいつか報われるなんて保証はどこにもない。
それでも願うのは、知っているから。
自分が本当に望んでいるものが乗り越えた先にしかないことを。
「私の物語も、ハッピーエンドになるだろうか?」
そう言おうとして、言い直す。
「私の物語も、ハッピーエンドにしたい」
「ええ、でも・・」
彼女が言おうとしていることが、何となく判った。
だから、私も言う。
「一番のハッピーエンドは、私ですよ?」
彼女と私の声が重なる。
ずっと一人だった私にも、また友と呼べる人ができるだろうか。
菊花様と兄上が出会う頃、私も村へ戻ろう。
そしてこの物語を最後まで見届けるんだ。
もう目をそらしたりしない。
いつか、笑って話せるように。
兄上が悩んでいたなら、力になってやろう。
兄上が落ち込んでいたなら、励ましてやろう。
私が泣きそうになったら、甲斐性のない兄上に、すこしだけこの恨みをぶつけてやる。
もう、ただ願うだけのことはしない。
どんな存在にも、叶えられない願いはある事を知ってしまったから。
だから、自分に誓おう。
遠く永い、この記憶が。
最後はきっと、幸せな記憶であることを。
338
:
龍神村営業所
:2003/06/26(木) 23:22
http://homepage2.nifty.com/~ikon/img-box/img20030626232048.jpg
test
now planning
339
:
万年名無しさん
:2003/06/26(木) 23:23
うほっ!
340
:
龍神村営業所
:2003/07/01(火) 23:45
http://homepage2.nifty.com/~ikon/img-box/img20030701234301.jpg
341
:
龍神村営業所
:2003/07/08(火) 23:37
ふうむ・・・板違い・・・
7月25日予定のTarteから発売予定の「ねがいの魔法」から杉山立夏を。
良かったら買ってみては?(謎
こんな事を言うのも何ですが、本スレに出すにはおこがましいものばかりなんで
今後は此処でひっそりやろうかな。
342
:
龍神村営業所
:2003/07/08(火) 23:45
http://homepage2.nifty.com/~ikon/img-box/img20030708233040.jpg
「この続きはあなたで確かめてください」
「それでは行きましょうか」
その女性の一言が九州へと誘う
個人的な今年度の九州の旅は九州新幹線開業で西鹿児島-熊本間から「つばめ」が消える事から
最後になる綺麗な海を見ながらの旅。それ以外にも魅力は満載なのですが。
そんな旅の情景を広告風にしてみたり。誰に宣伝する訳でもなく、ただ旅を盛り上げるためにやったようなもんですかね。
343
:
龍神村営業所
:2003/07/08(火) 23:49
http://homepage2.nifty.com/~ikon/img-box/img20030708233102.jpg
女の娘の浴衣姿は良いもので。それがまた彼女なら・・・
七夕関連で結構CGが浴衣が多かったのでふと・・・・夏は個人的に好きだ。
いろんな事が浮かびますねえ・・・・彼女はどういう夏を送るんだろうか。
344
:
龍神村営業所
:2003/07/09(水) 23:45
7/10
http://homepage2.nifty.com/~ikon/img-box/img20030709233325.jpg
出来が悪いのは承知・・・夏だ海が水着だ!ってのが分かって貰えればそれで良しなもんで(苦笑
FDで出る可能性は充分ありそうですが、本編では冬と春のみなので個人的に見たい絵を作成しただけにすぎません。
普通の水着姿だけでも良い事ですが、夕暮れせまる海岸でのんびり本でも読んでいる光景なんてのが良かったり。
実際に彼女はどういう本かは知りませんが携帯してましたので読書好きと思ってみたり。
彼女とこういう風に過ごしてみたいもんです・・・
海なんて何十年も行ってないなあ・・・出来るものなら女の子と行きたいもんだ(遠い目
さっきは夏については洒落で言いましたが、実際の所夏は暑いですが何もかもが楽しいもんで。
今の生活も楽しんでいますが、学生時代は金が無くてもまた違った楽しさがあったと今も思っています。
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