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とりあえず4回やってみよう

198うみ:2010/05/27(木) 00:54:53
それは朝のホームルームが終わってすぐの事だ。
黒板の上にあるスピーカーから聞こえた生徒会長の
「これより神棚争奪戦を開始する」そのひと言で
この騒動が始まった。

校舎から少し離れた本部と呼ばれている場所で
各地から入ってくる情報を整理しながら地図に書き込んでいく
クラスメートの手伝いをする。

少し落ち着いたので、ポケットから取り出したプリントを読み返す。
開始してすぐ担任から配られた。
書かれている内容はこうだ。

学年を縦割りにして『神棚』と呼ばれるものを
手に入れたチームが勝ちのイベントであること。

ルールは

各クラスの中から大将。副将。参謀。伝令を決める。
勝敗は、神棚を手に入れるか、将棋やチェスのように大将を倒す。
学園内にトラップを仕掛けることもできる。
学年に関係なくパーティを組んでもよい。
ただし、各役職は必ず1年生の中から選ぶこと。
話し合いの結果、私は大将に選ばれてしまった。

あの時は突然の事に戸惑っていて気づかなかったが
冷静になって考えてみると、幾つかの疑問が浮かんできた。

1つ目。『何故1年生なのか?』
争奪戦と言うのであれば何も知らない1年よりも2年生や3年生の方がいい筈。
2つ目。『この学校に神棚があるなんて聞いたことがない』
3つ目。『もし仮にあったとして、神棚を手に入れて何をするのか?』

遠くで悲鳴が聞こえた。誰かがトラップに引っかかったらしい。
また1つ疑問が増えた。
4つ目。『何故、教師たちは何も言わないのか』
こんなに騒いでいるにも関わらず、静止する素振りも見せない。
他にも、このイベントにはまだ何か秘密が隠されている気がする。


「状況は?」

突然、背後から聞こえた声に驚いて振り向くと
今回の発端となった人がいた。

「び、びっくりさせないでください。会長」
「ごめん。驚かせるつもりはなかったんだ。声を上げなかったのは偉かったね」
「びっくりしすぎて声が出なかっただけです」
「なるほど。それでさっきの質問の答えは?」
「え? あ! はい」

私の隣にいた参謀が慌てて会長の方へ地図を向けると説明を始めた。

それから数時間後、花火が鳴って神棚争奪戦は幕を下ろした。
教室に戻るとみんなぐったりしていた。
椅子に座る。疲れた。結局、神棚って何だったんだろう?
持ってきた地図を見直してもやっぱり載っていない。
そう言えばプリントには「神棚とよばれるもの」と書かれていた。
もしかして、想像しているものとは形が違うのだろうか?

そんな事を考えていると教室に会長がやってきた。
教壇に立つとよく通る声で労いの言葉と
このクラスが優勝したこと。そして真実を語り始めた。

それは、入学したばかりで
広すぎる学園で迷わないように、早く学園生活に慣れるために行われる
学園長が考えた毎年恒例の新入生歓迎のイベントだそうだ。
確かに、昨日までは判らなかった場所も今はすぐに判る。
要職を新入生にしなければいけない理由、教師たちが何も言わない理由も判った。
先程、会長は、このクラスが優勝したと言っていた。
でも、神棚なんて一度も見ていない。
なら、他のチームが全滅したのだろうか?

みんな同じ事を考えていたのだろう。
そのことについても教えてくれた。

神棚とは学生会の総称で争奪戦とは
次期、学生会役員を決めるものらしい。

驚く事ばかりで気づかなかったけどちょっと待って・・。
そう言えば、会長は
二年生で、本部で話してた時、昨年の優勝チームの大将だったって教えてくれた。
今年の優勝は私たちと言うことは・・。
それってもしかして・・?

後ろから差し出されたマイクを手にすると
「次期、神棚の継承、無事完了しました」そう告げる。
その言葉に、各教室から拍手と悲鳴が聞こえてきた。
固まっている私に会長が
「来年頑張ってね」にっこり笑った。


すとーりーらんどさん終わっちゃいましたが、
もう1個書けたので送っちゃいました(にゃはは)
ミステリーっぽくない感じ?




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